新型コロナで相次ぐ批判!コメンテーターの発言に法的責任は発生するの?

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エジソン法律事務所
大達 一賢
監修記事
新型コロナで相次ぐ批判!コメンテーターの発言に法的責任は発生するの?

感染が拡大傾向にある新型コロナウイルス。ワイドショーでも連日取り上げられ、政府の対応を厳しく批判することが多くなっているようです。

コメンテーターに批判の声が

ワイドショーのなかでもテレビ朝日系列で放送中の『羽鳥慎一モーニングショー』は政府批判が色濃く、3月5日には厚生労働省がTwitter上で番組を名指しし、見解を否定するという異例の事態も起きました。

『モーニングショー』コメンテーターの玉川徹氏はその発言が物議を醸しており、衆議院議員の細野豪志氏は、自身のTwitterで「政治家は誤った発言すると責任を問われる。我々はそれを覚悟で発言する。当然のことだ。一方、コメンテーターの発言は責任を問われない」とツイートし、コメンテーターの「発言責任」について問題提起し、賛同者が多数出ることになりました。

玉川氏や新型コロナウイルス問題に限らず「コメンテーターの発言」は物議を醸しやすく、細野議員のように「責任を取るべきなのではないか」という声があります。法的に見て、コメンテーターと呼ばれる人物たちは、その発言に責任を取らなくて良いものなのでしょうか?エジソン法律事務所の大達一賢弁護士に見解を伺いました。

法的責任とは

大達弁護士:

「とるべき責任の定義にもよりますが、法的な責任という観点から説明します。

コメンテーターは意見や評論などのコメントを求められる立場にあり、その専門性や知見から第三者としてそれらに対応します。

法的責任とは、その発言内容がコメントの対象となる者に対して損害を与えるような場面が想定されますが、原則としては憲法上保障された表現の自由に基づき、自由にコメントすることが前提となっているのであり、容易に法的責任を認めることは、表現の自由をないがしろにすることにもつながりかねません。

他方で、表現の自由は無制約に認められるわけではなく、コメントが第三者の名誉や信用を傷つけるような場合には、それが民法上の不法行為(民法709条)に該当して、損害賠償責任を負うことも考えられますし、その程度が強くなれば、名誉毀損罪(刑法230条1項)、信用毀損罪(刑法233条)に該当すると判断される可能性も出てきます

今回は、政治家がコメンテーターに対して発言の責任を取らないと批判したということですが、ニュアンスとしてはこのような民法上、刑法上の責任というよりもコメントした内容について、政治家は誤った発言をすれば政治的責任を取ることと対比して、コメンテーターは責任をとらないと述べているものと思われるため、法的責任とは少し異なるのではないかと思います。

もっとも、コメンテーターも誤った発言や、明確に誤っておらずとも公共の電波に乗せるには適切ではない発言をすれば、当該番組から降板させられたり、視聴者等より批判を受けたりする可能性もあるという点で、全くの無責任というわけではないと考えられます。

細野議員の発言の真意は理解しかねる部分もありますが、そもそもの立場が政治家とコメンテーターと大きく異なる以上、政治家がコメンテーターをして責任を取らないと批判すること自体ナンセンスということもできます。また、現に玉川氏がコメントした内容について細野議員から批判を受けていることも、コメンテーターとしての責任の一端とみることもできるのではないでしょうか。

但し、一般視聴者からの批判であれば格別、公権力の地位にある者からの批判は、ときにそれが公権力からの人権侵害になり得る可能性がある点を自覚する必要があり、それだからこそ憲法は個人の表現の自由を保障しているとも言えます。細野議員には、かような立場を認識の上、議員の大役を果たしていただくことを期待したいですね」

コメントが「デマ」になった場合の責任は?

新型コロナウイルスに関する情報など、コメンテーターが明らかに間違った発言を行い、それが拡散されてしまった場合結果的に「デマ」となってしまいます。

このように意図する・しないは別として発言が「デマ」となった場合、法的な責任を問われることはないのでしょうか?エジソン法律事務所の大達一賢弁護士に見解を伺いました。

大達弁護士:

「誤った情報を流すことそれ自体を直接的に罰することはできませんが、それが誤っていることを認識の上、結果として他人の業務を妨害したり、名誉や信用を毀損したりする場合には、それらが民法上の不法行為(民法709条)に該当して損害賠償責任を発生させたり、刑法上の偽計業務妨害罪(刑法234条)、名誉毀損罪(同230条1項)、信用毀損罪(同233条)に該当する可能性は出てきます。

特に、現在のように新型コロナがパンデミックとなり、世間も不安に包まれているような状況のもとでは、誤った情報のひとつが大きな動きにつながることも否定できず、現にコロナウイルスの陽性であることを偽った者が逮捕されるといったニュースが流れるなど、混乱は現実化しているとも言えます。

目に見えないウィルスは恐ろしいものですが、余計な混乱を招いていては拡大防止もままなりません。まずは拡大防止に努め、正しい情報筋からの情報を信頼して行動するようにすることが肝要だと考えています」

消費者は情報をうのみにせず、取捨選択を!

コメンテーターの発言はあくまでも個人の見解。間違った発言をすることは好ましいことではありませんが、必ずしも正しい意見を思わず、情報を取捨選択していく必要がありそうです。

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この記事を監修した弁護士
エジソン法律事務所
大達 一賢
最前線の企業法務に加え相続・離婚・交通事故・知的財産権をめぐる事件・倒産事件・破産管財人や成年後見人・国選弁護人を務めています。依頼者の正当な利益を最大限確保することを目標に日々業務を邁進しています。

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