塩をふりかけたら暴行罪|意外と広い暴行罪の範囲

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弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
塩をふりかけたら暴行罪|意外と広い暴行罪の範囲

人に『塩』を振りかけ、暴行にあたるとして逮捕された事例があることをご存知でしょうか?

この記事ではそんなちょっと変わった暴行事件をご紹介します。

事件の概要

この事件は職場で対立関係にあった二人の女性が、被害者の女性に対して『お祓い』を模して塩壺内の食塩を右手につかんで数回ふりかけた行為が暴行にあたるとされた事例です。

日頃の対立が激化し刑事事件に発展してしまった事件です。 判決文には以下の記述があります。

(1) 刑法第二〇八条の暴行は、人の身体に対する不法な有形力の行使をいうものであるが、右の有形力の行使は、所論のように、必ずしもその性質上傷害の結果発生に至ることを要するものではなく、相手方において受忍すべきいわれのない、単に不快嫌悪の情を催させる行為といえどもこれに該当するものと解すべきである。

~~中略~~

通常このような所為がその相手方をして不快嫌悪の情を催させるに足りるものであることは社会通念上疑問の余地がないものと認められ、かつ同女において、これを受忍すべきいわれのないことは、原判示全事実および前段認定の事実に徴して明らかである。してみれば、被告人の本件所為が右の不法な有形力の行使に該当することはいうまでもない。

文献番号:1971WLJPCA10110006
※強調は筆者による

なぜ塩を持っていたのか、なぜ塩を振りかけようと思ったのか、気になる点が多々ありますね。

『暴行』というと殴る、蹴るなどの行為をイメージしますが、塩をふりかける行為も暴行と捉えられることがあります。

どこからが暴行になるのか

調べていくとほかにも『髪の毛を根元から切る』、『着衣を引っ張る』などの行為も暴行としている判決があるようです。

どこからが暴行にあたるのかハッキリとした線引きはありませんが、相手に傷害を負わせなかったとしても、いわれのない不快感や嫌悪感をもよおさせる行為は暴行罪に当てはまる可能性があります。

人に塩を振りかけたらダメ!

暴行になるのかどうかは別として、他人に『塩』を振りかけられたらいい気分ではないですよね。

ほとんどの方は「むかついた! 塩を振りかけてやる!」なんて思った事なんてないと思いますが…。

いずれにせよ、人が不快に感じることは極力やめましょう。どんなトラブルに発展するか分かりませんからね。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。第二東京弁護士会所属。

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