公然わいせつで逮捕された後の対処法と傾向

弁護士法人ネクスパート法律事務所
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公然わいせつで逮捕された後の対処法と傾向

公然わいせつ罪とは、多くの人目に付く公然でわいせつな行為をおこない善良な風俗を乱す犯罪です。保護法益は「善良な風俗」となっており、噛み砕いていうと「社会的モラルを低下させる犯罪」となります。

公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

刑法第174

公然わいせつには、直接的な被害者がいないことも多いのですが、公然わいせつ罪の要件を満たしていれば逮捕されることもあります。

公然わいせつの概要に関しては、『公然わいせつ罪ってどんな罪?罪に問われるわいせつ行為を解説』をご覧ください。

この記事では、次の点について解説します。

  • 公然わいせつに当たる行為と逮捕例
  • 公然わいせつで逮捕された後の流れ
  • 公然わいせつ罪で逮捕された場合の対処法

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公然わいせつで逮捕されたときの対処法

それでは最後に、もしもこちらをご覧のあなたや身の回りの方が公然わいせつ罪で逮捕されてしまった場合、どのような対処法を取ることができるのでしょうか。こちらでは、公然わいせつで逮捕された後に少しでも早く身柄を拘束してもらえるようにできることをお伝えします。

本人の深い反省

まずは、何よりも逮捕されてしまった人物がきちんと反省することが重要です。公然わいせつは特定の被害者がいないことも多いので、被疑者が反省しないこともあります。

警察や検察などの捜査機関は、反省していない人物を簡単に釈放するようなことはありません。まずは、本人が法律に反してしまったことをきちんと反省してください。

特定の被害者(目撃者)がいれば示談

例えば、女性の前で下半身を露出したなどのわいせつ行為によって精神的な苦痛を受けた人物がいたのであれば、その方と示談交渉をすることも方法の一つです。しかし、この場合その女性が被疑者本人からの示談交渉に応じてくれる可能性は極めて低いでしょう。

刑事事件での示談交渉をする場合は、弁護士に相談して交渉を代理で行ってもらうようにしてください。

早期釈放を目指す弁護活動

お伝えのように、公然わいせつでは、略式起訴などの身柄を確保されずに刑事手続きが進められることも多いです。もしも不当に拘束期間が長引いているようでしたら、そのことに対して異議申立て(準抗告)をすることもできます。

この場合も、被疑者本人やその家族の方だけでは難しいですし、刑事事件では早め早めの対処が重要ですから、一度は弁護士に相談するようにしましょう。弁護士の選び方や費用面については以下の記事をご覧ください。

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公然わいせつで逮捕された後の流れと傾向

公然わいせつで逮捕された後の流れと傾向

公然わいせつ罪に限りませんが、逮捕された後は上の図のような流れで刑事手続きが行われていきます。図だけではわかりにくいので、細かく分けて解説していきます。

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逮捕

逮捕されるとまず、警察からの捜査を受けます。逮捕段階での警察による捜査は最大48時間までと決められており、その後は検察に『送検(送致)』されます。

公然わいせつ罪の場合、常習的に行っていないような軽微な事件では『微罪処分』として身柄釈放されることもあります。微罪処分とは、簡単に言うと、身元引受人がいれば警察から注意を受けてそのまま帰ることができる処分です。

勾留|公然わいせつは略式起訴が多い

検察からの捜査は原則的に24時間以内ですが、さらに捜査が必要になれば勾留されることもあります。勾留は原則10日間、最大で20日まで被疑者の身柄を拘束できる方法です。

一方で、被疑者の身柄がはっきりしており(定職に就いているなど)、逃亡の恐れがないと判断されたのであれば、公然わいせつ事件では被疑者の身柄が釈放されることも多いです。その場合『在宅事件』として、家にいながら捜査を受けるか、『略式起訴』といって書面で罰則を言い渡されるようになります。

勾留|公然わいせつは略式起訴が多い

参考:「平成28年度版 犯罪白書

上の図は、平成27年に起訴されたわいせつ関連の事件の『略式命令』と『公判請求(裁判を行う請求)』の比率をまとめたものです。このように公然わいせつ事件では、3/4が略式命令による処分を受けており、身柄が釈放されることも比較的に早いと言えます。

起訴・不起訴|公然わいせつの起訴率は高い

検察からの捜査が終了すると、『起訴』『不起訴』の処分を受けます。

起訴・不起訴|公然わいせつの起訴率は高い 参考:「平成28年度版 犯罪白書

上の図は、平成27年のわいせつ事件の起訴率です。このように、公然わいせつでの起訴率は約6となっています。公然わいせつの起訴率が高めなのは特定の被害者がおらず、示談交渉ができないという理由もあるでしょう。上の項目でお伝えしたように、多くが略式起訴となります。

起訴とは、分かりやすく言うと、検察が裁判官に「被疑者に罰則を与えてください」と求めることで、起訴処分を受けてしまうと約99%が有罪判決を受け、何かしらの罰則を受けます。不起訴とは、起訴を受けなかったことで、無罪と同義と言って良いでしょう(実際に犯罪を行っていても不起訴になることもあります)。

刑事裁判

公判請求の起訴を受けてしまうと、被疑者は刑事裁判を待つ『被告人』の身になります。事件などにもよりますが、起訴されてから第一審まで約1か月ありますが、それまで被告人は身柄を拘束され続けることが多いです。

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公然わいせつ罪になり得る行為と逮捕例

公然わいせつ罪の要件は以上のようになっていますが、「公然」と「わいせつ」の定義にあいまいな部分もあるので、実例を交えながら、どのような場合に公然わいせつで逮捕されてしまうのかを見ていきましょう。

公然と露出行為をすること

これは、公然わいせつとして一番イメージが付きやすいですね。自分の性欲を満たすために露出したり、ちょっとしたイタズラで露出したり、理由は何であれ公然で性器や臀部などのわいせつな部分を露出したのであれば公然わいせつ罪となります。

露出行為で逮捕された例

最近だとコンビニエンスストアに下着で入店し、店員に尻を見せるなどの行為をしたことで、23歳の男が逮捕された事件が大きく取り上げられました。その他にも「変態」や「露出狂」として、たびたびセンセーショナルなニュースになることも多いです。

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 公然と性行為や疑似行為をすること

人目に付く公共の場で性行為を行った場合も公然わいせつ罪に該当するケースがあります。例え、カップル同士の性行為であっても、公園や車の中、マンガ喫茶などの多くの人の目に付くような場所での性行為は公然わいせつとなることもあります。

性行為などで逮捕された例

性行為が公然わいせつとして逮捕されるケースは、アダルトビデオでの撮影も多いです。 少し特殊なシーンを撮るために、屋外で性行為を撮影して逮捕されるような事件も多々あります。過去には、アダルトビデオ制作会社関係者や出演者を含めた52人が検挙された事件もあります。

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インターネット上でのわいせつ行為

例えインターネット上であっても、多くの人が閲覧できる状態であれば、それは公然となります。また、場合によってはわいせつ物頒布等の罪に問われます。

ネット上の公然わいせつで逮捕された例

近年では、インターネットを使って「生中継」を配信することも多くなってきました。生中継の最中に全裸の動画を配信したとして、動画配信の運営会社社長とチャットレディー5人が公然わいせつ罪で逮捕された実例もあります。

ストリップなどの性風俗店

風俗店として営業しているストリップ劇場なども、たびたび公然わいせつ容疑で摘発されることもあります。この場合、逮捕されるのはストリップ劇場関係者がほとんどで、客が逮捕されるケースは少ないです。

とは言っても、客がストリップ嬢に触ったり、写真や動画をネット上に公開したような場合は、公然わいせつ罪やわいせつ物頒布等の罪になる可能性もあります。

性風俗店が公然わいせつとして逮捕された例

ストリップショーを開いたとして、経営者の男とストリップ嬢が逮捕されたニュースです。逮捕された男は、店内に約20人の客がいる状態でストリップ嬢の下半身を露出させました。

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まとめ

いかがでしょうか。

公然わいせつには特定の被害者がいませんが、風紀を乱す行為として逮捕されることもあります。早い対応ときちんとした反省をすれば、そこまで長期間拘束されるような罪でもありませんので、もしも公然わいせつで逮捕されてしまったときは、早期対応を心掛けて下さい。

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2016年1月に寺垣弁護士(第二東京弁護士会所属)、佐藤弁護士(東京弁護士会所属)の2名により設立。遺産相続、交通事故、離婚などの民事事件や刑事事件、企業法務まで幅広い分野を取り扱っている。

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