公然わいせつの初犯|罰の重さ・逮捕後の流れ・生活への影響

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弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
公然わいせつの初犯|罰の重さ・逮捕後の流れ・生活への影響

公然わいせつで逮捕されてしまった場合、どんな罰則が科されるのでしょうか。

公然わいせつは刑法第174条で定められたもので、違反した場合は6ヶ月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料が科されることになります。

(公然わいせつ)
第百七十四条 公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
引用元:刑法第174条

公然わいせつ罪自体はそれほど重い罪ではありません。

初犯でなおかつ犯行内容もそれほど悪質ではないという場合は、まず実刑判決が下ることはありませんし、刑罰も懲役刑ではなく罰金刑が下されることが多いと考えられます。

被害者との間で示談が成立していれば、不起訴になる可能性もあるでしょう。

この記事では公然わいせつで逮捕された場合の流れを確認するとともに、どういった刑罰や処分が下されるのか解説していきましょう。

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公然わいせつの定義とは

公然わいせつの定義とは

公然わいせつは刑法第174条で規定があるように、『公然』と『わいせつな行為』をした場合に該当します。

『公然』は不特定または多数の人が認識することのできる状態、『わいせつな行為』とは

徒らに性慾を興奮又は刺戟せしめ且つ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するもの
引用元:昭和26年5月10日 最高裁判決|裁判所

と解されています。(1957(昭和32)年5月22日最高裁判所決定)

つまり不特定または多数の他人が目撃可能である状況で、逮捕事例から判断するに性器・臀部の露出・性交類似行為をすることが該当すると言えるでしょう。

例えば、人が目撃する可能性のある場所で下半身などを露出する、性交類似行為を行うといった行為が挙げられます。

公然わいせつで逮捕された場合どうなってしまうのか

公然わいせつで逮捕される可能性があるとすれば、その場で逮捕されてしまう『現行犯逮捕』と、ある日警察が訪ねてきて逮捕令状を見せられ、逮捕されてしまう『通常逮捕』が考えられます。

警察は逮捕した被疑者の身柄拘束後、48時間以内に事件を検察庁に送致します。

送致を受けた検察官は24時間以内に被疑者の身柄を拘束すべきか否かを判断します。

公然わいせつで逮捕された場合どうなってしまうのか

つまり逮捕から3日間は身柄を拘束され、行動が制限されることになるでしょう。ここでは逮捕後どういう判断が下されるのか解説します。

逮捕後の拘束時間

前述した通り、逮捕から48時間以内に検察へ送検され、検察は24時間以内に被疑者を勾留すべきかどうかを判断します。

被疑者は勾留された場合10日間身柄を拘束され、勾留延長が認められればさらに最大10日間身柄を拘束されます。

そのため、最悪の場合、逮捕から数えて23日間身柄を拘束される恐れがあるのです。

逮捕された被疑者に逃亡や証拠隠滅の恐れがある場合、検察官は勾留を請求します。

公然わいせつの場合、被害者との間で示談の話がある程度進んでいる、犯行内容がそれほど悪質ではないという場合は勾留請求がされない場合もあります。

起訴された場合

公然わいせつ罪で起訴された場合、初犯で犯行内容も悪質でない場合には略式手続きで罰金刑が下される可能性もあります。

略式起訴は正式裁判ではなく簡易的な裁判のみで刑罰(罰金刑)を宣告する手続きです。

もっとも略式手続きでも起訴されたことには変わりがないので、罰金刑を宣告されれば前科がつくことになります。

犯行内容が悪質である、常習性が強い、前科があるという場合は公判請求といって、正式裁判が開始される可能性もあるでしょう。

正式裁判では法定刑の範囲内で妥当な刑罰が選択されますが、初犯の公然わいせつ罪でいきなり実刑判決を受けるということはまずありません。

ほとんどの場合は罰金刑が選択されますし、重くても執行猶予付きの判決が選択されるのが通常です。

不起訴処分の場合

被害者との間で示談が成立している、行為の悪質性が強くないという場合、検察官があえて刑事処分を求める必要がないとして不起訴処分を選択する可能性もあります。

不起訴処分なので前科はつきませんが、逮捕前歴は残ります。

再び同じような罪で再逮捕されることがあれば、次は起訴される可能性が高くなりますし、有罪となった場合の刑罰も比較的重くなる可能性があります。

略式起訴が多い公然わいせつ

法務省の「平成29年度版犯罪白書」によりますと、2016年の公然わいせつの検挙人数は1,804人、そのうち751人が略式起訴の処分を受けています。

略式起訴が多い公然わいせつ【参考元】法務省|平成29年度版犯罪白書 第2編 犯罪者の処遇 第2節 検察 第3節 被疑事件の処理

表:公然わいせつ 処分内訳

公然わいせつ

検挙件数

1,804

起訴

公判請求(起訴)

221

略式命令請求(略式起訴)

751

不起訴

起訴猶予

554

その他

278

公然わいせつの処分で最も多いのは略式起訴が41%(751件)、次いで起訴猶予が31%(554件)であることがわかります。

公判請求は起訴猶予の次で12%(221件)なのでよほど悪質でない限りは略式起訴による罰金刑が科されることになるでしょう。

略式起訴は公開裁判を行わず、書類のみで有罪が確定する手続きです。

早期に釈放されるメリットがありますが、有罪判決を受けたのと同じなので前科がつくことになります。

初犯の場合

公然わいせつで警察に任意同行を求められたとしても、反省している、常習性が低いなどの場合であれば、逮捕されずに在宅で処理される場合もあります。

しかし、罪を認めず反省もしなければ、逮捕・勾留されて長期拘束される可能性も考えられます。

一度逮捕された場合は、必ず前歴が残ります。もし逮捕されてしまったのであれば、二度と同じ過ちを犯さないようにしましょう。

公然わいせつで逮捕された場合に考えられる生活への影響

公然わいせつで逮捕された場合に考えられる生活への影響

逮捕された場合、最大23日間拘束される可能性があり、その間外部との接触が相当制限されます。そのため、日常生活への影響は不可避でしょう。

会社をクビになることもあるかもしれません。

もし“気晴らしに”“イタズラで”“軽い気持ち”で行ったとして、その代償はとてつもなく大きなものです。

仮によこしまな気持ちになったとき、立ち止まって冷静に考える必要があります。

露出の欲求が抑えられない場合は病気の可能性がある

露出の欲求が抑えられない場合は病気の可能性がある

どうしても露出の欲求が抑えられない場合は“露出症”かもしれません。露出症の判断基準は

少なくとも6ヵ月間にわたり、警戒していない人に自分の性器を露出して得られる反復性の強烈な性的興奮が、空想、衝動、または行動に現れる。
引用元:露出症

とされています。露出症のはっきりとした原因はわかっていません。

もし上記に当てはまり、自分でコントロールできずに困っているのであれば、迷わずカウンセリングなどを受けましょう。

まとめ|逮捕される前にやめましょう。

今の時代、防犯カメラやドライブレコーダーはどこにでもあります。常習的に公然わいせつを繰り返していれば、いずれ警察の捜査の手が迫る可能性も十分に考えられます。

どうしても自力でやめられないようであれば、カウンセリングなどを受け、やめる努力をしましょう。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。第二東京弁護士会所属。

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