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KL2020・OD・037
ネットで誹謗中傷を受ける方は少なくありませんが、中には警察に通報する方がいます。
実際のところ警察に通報する以外にも誹謗中傷への対処方法は色々ありますが、はたしてネットで誹謗中傷を受けた場合に警察へ通報するべきなのでしょうか。
今回の記事では、ネットで誹謗中傷を受けた場合の警察に通報するメリット、デメリットや通報する方法、警察に通報する以外の対処方法についてまとめました。
目次
では、早速ですがネットで誹謗中傷を受けた方が警察に通報するメリットとデメリットを紹介していきます。
警察に依頼するメリットは、誹謗中傷への対処がしやすくなることでしょう。
誹謗中傷への対処方法は複数ありますが、その内の一つとして書き込みが行われたサイトを管理する会社へ削除依頼することがあげられます。削除依頼の申請は個人で行うと対応してもらえない場合がありますが、警察を介することで削除に応じてもらいやすくなります。
また、誹謗中傷を受けた方の中には、書き込み主を特定したい方もいるでしょう。書き込み主を特定するためには、書き込みが行われたサイトの管理会社や、プロバイダ会社へ発信者情報開示請求を行いますが、個人で請求する場合、請求に応じてもらないことが多いです。
警察が介入した場合、「捜査関係事項照会書」を警察に作成してもらえますが、この照会書があることで、サイト会社、プロバイダ会社は情報開示に応じやすくなります。
反対にデメリットをあげると、ネット上の誹謗中傷問題を警察に通報しても取り扱ってもらえない可能性が高いことです。警察は民事間における問題には極力介入しないので、なかなか事件として取り扱ってもらえません。
また、ネット上の誹謗中傷への問題は事件性が低いと判断されるため、警察は後回しに対処しがちです。そのため、対応に時間がかかると言われています。
では、実際にネット上で誹謗中傷を受けた方が警察に通報するためにはどうすればいいのでしょうか。
まず、誹謗中傷の書き込みが行われたページをスクリーンショットで保存して、印刷してください。ページのURLと書き込みが行われた日付に関してもメモしましょう。
警察は、事件性がないと基本的には動いてくれません。そのため、警察に通報する上で、誹謗中傷の内容が法的に反していることを警察に主張することが求められます。ネット上の誹謗中傷が刑事罰の対象なる罪状として、「侮辱罪」、「名誉毀損罪」、「信用毀損・業務妨害罪」、「脅迫罪」があげられますが、それぞれの内容について確認していきましょう。
まず、侮辱罪とは、公然の場で人の評価を落とす事実確認のできない言動に対して課される罪状です。例えば、ネット上における「○○は性格が悪い」などの書き込みが侮辱罪に該当します。性格について事実確認をすることができないからです。
第二百三十一条
事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。
引用元:刑法第二百三十一条
名誉毀損罪は、公然の場で人の評価を落とす事実確認のできる言動に対して課される罪状です。ネット上で「○○は社内で不倫している」などの書き込みが名誉毀損罪の例としてあげられます。
不倫は事実確認することはできますが、実際に不倫しているかどうかは問われません。
第二百三十条
第一項:公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
第二項:死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。
引用元:刑法第二百三十条
事業主が、名誉毀損罪に該当するであろう言動をされた場合、その言動が虚偽だと立証することができれば信用毀損・業務妨害罪に該当します。「あの定食屋の味噌汁には虫が入っている」とネットで掲載する行為などが例としてあげられます。
第二百三十三条 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
引用元:刑法第二百三十三条
脅迫罪とは、人(親族も含む)の生命、身体、自由、名誉、財産などに害を与えると脅す行為に対して課せられる罪状です。例えばですが、ネット上で「○○を殺してやる」と書き込みを行った場合、脅迫罪に該当します。
第二百二十二条
第一貢:生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
第二項:親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。
引用元:刑法第二百二十二条
警察への通報は、「都道府県警察本部のサイバー犯罪相談窓口等一覧」からサイバー犯罪を専門とする警察の窓口にて通報してください。一般の警察署だとネット犯罪に対する理解がないため、事件として取り扱ってもらえない可能性が高くなるためです。
警察へ通報するためには、被害届を提出します。被害届は警察で取得することができますが、
上記の3点を被害届に記載し、以下の3点のものを用意した上で、警察へ提出してください。
もし書き込み主を刑事罰で罰したい場合、刑事告訴を行います。刑事告訴は加害者の身元が特定できていることが前提です。刑事告訴の方法に関して詳しくは、「刑事告訴したい方は警察へ相談する(名誉毀損)」を参考にしてください。
ネット上の誹謗中傷の逮捕事例として、タレントのスマイリーキクチさんが「殺害予告」を受けたことにより、書き込み主が逮捕された事件が有名です。2008年頃、キクチさんは殺害予告に関する相談を警察に相談したところ、2008年後半~2009年初頭にかけて誹謗中傷した犯人19人が逮捕されました。
もし、警察に通報を行っても対応してもらえない場合の対処方法について紹介していきます。
削除依頼をしたい方は、書き込みが行われたサイトへ削除依頼の請求をしてください。サイト内で削除依頼に関する問い合わせの項目が設けられているのであれば、指定に従ってサイト側へ削除依頼の請求をしましょう。削除依頼に関する項目が設けられていなければ、「名誉毀損・プライバシー関係送信防止措置手続」にて送信防止措置書類のダウンロードを行い、サイト主へ直接、郵送してください。
しかし、サイトの管理者によっては削除依頼に応じてくれません。この場合は、裁判所を介して削除依頼の仮処分の申立をします。
書き込み主の素性を特定したい場合は、まずは書き込みが行われたサイトの管理者へ発信者情報開示請求を行うことでIPアドレスを取得してください。次にIPアドレスから「IP SEACH」を介してプロバイダ会社が特定することができるので、プロバイダ会社へ発信者情報開示請求を行います。プロバイダ会社へ発信者情報開示請求を行うことで、書き込み主の身元が特定されます。
サイトの管理会社またはプロバイダ会社は、請求に応じてもらえない場合は、裁判所を介して発信者情報開示請求の仮処分を申し立ててください。
書き込みを行った人の身元が特定できている場合、書き込み主へ慰謝料の請求ができます。慰謝料の請求は、書面・対面による交渉、または裁判所にて損害賠償請求を申し立てることで行われますが、書面・対面による交渉から行なうのが一般的です。書面・対面による交渉がまとまらない場合は、裁判を申し立てましょう。
また、慰謝料の相場に関しては、以下の通りになります。
最後に、警察以外の相談先について紹介していきます。
警察に対応してもらえなかった場合に、法務局に相談先として法務局がオススメです。法務局に相談するメリットとして、
などがあげられます。
法務局に相談しても上手くいかなかった場合は、弁護士に相談してみましょう。
弁護士に依頼することで、書き込みが行われたサイトやプロバイダ会社、書き込み主が請求に応じやすくなります。弁護士は、法的な面で書き込みのどの内容が法律に触れるのかを主張することができるからです。また、請求が裁判まで長引いた場合に、裁判の手続きの代理人を依頼することもできます。
しかし、弁護士に依頼した場合、費用がかかるため、弁護士費用を踏まえた上で依頼するべきでしょう。弁護士費用の相場は以下の表を参考にしてください。
着手金 | 報酬金 | 裁判費用 | ||
削除依頼 | 裁判外 | 5万円~10万円 | 5万円~10万円 | × |
裁判 | 約20万円 | 約15万円 | 3万円 | |
発信者の身元特定 | 裁判外 | 約5万円~10万円 | 約15万円 | × |
裁判 | 約20万円~30万円 | 約15万円~20万円 | 6万円 | |
損害賠償請求 | 裁判外 | 約10万円 | 慰謝料の16% | × |
裁判 | 約20万円 | 慰謝料の16% | 3万円 |
ネットの誹謗中傷で困っている方は、警察に通報するのも一つの手段ですが、警察は対応してもらえない場合が多いと言われています。そのため、警察に相談しても効果がなかった方は、法務局や弁護士に相談してみましょう。
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