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KL2020・OD・037
代襲相続(だいしゅうそうぞく)とは、被相続人(自分の財産を与える人)が亡くなったとき、本来であれば相続を受け取るはずの相続人が先に亡くなっていた等の場合に、その子や孫、もしくはひ孫(直系卑属)が代わりに相続を受け取ることをいいます。
今回は、代襲相続についての記事を書いていきたいと思います。相続に関する問題は尽きることはなく、今も多くの方が悩みを抱えています。
また、相続というのはとても複雑で、知っているようで知らなかったこともたくさんあるために、いざ自分事となった時に大きな問題へと発展してしまうことも多々あるようです。
ぜひこの記事をご覧いただき、その理解を深めていってほしいと思います。
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目次
代襲相続のさまざまな事例や注意点などについて、これから解説していきます。代襲相続が起きるのは、基本的にこのようなケースにおいてです。
こちらの図のように、たとえば父が死亡した場合、本来相続を受け取るのはその妻と長男・次男ですが、その長男も既に死亡していた場合、長男の子ども(孫)に相続されていきます。
さらにその孫も死亡していた場合、またその子ども(ひ孫)に相続されます。
このように代襲相続が続いてくわけですが、その範囲はいったいどこまでなのか、ここで解説していきます。
直系卑属は永久的に代襲相続が続いていくのが基本ですが、その逆に、直系卑属ではない人にはその相続範囲は限られてきます。そこを理解してないと、もらえると思っていた相続が実は受け取れないというケースもありますので、ここでしっかり確認しておきましょう。
たとえば妻(Aさん)と夫であるBさんの夫婦がいたとします。あるときBさんの親が死亡し、そこに相続が発生すると、息子であるBさんにはもちろん相続権がありますが、その妻であるAさんには相続権がありません。
そのため、Bさんも既に亡くなっていたという代襲相続の場合で遺産がもらえる人はBさんの息子(Cさん)だけです。
なお、Aさんが相続を受け取ることが記された義父の遺言があれば、仮に夫が先に亡くなってしまっていたとしても、Aさんは相続を受け取ることができます。
被相続人に両親、もしくは子どもが1人も存在しない場合、通常であれば被相続人の兄弟姉妹が相続を受け取ります。しかし、その兄弟姉妹が既に死亡していた場合は、甥・姪であるその兄弟姉妹の子どもたちに相続が行われます。
ここで注意したいのは、仮にその甥や姪が死亡していたとしても、その子どもまでは代襲相続はされないということです。つまりこの場合に代襲相続が行われるのは、被相続人の兄弟姉妹の子どもたち、すなわち「甥と姪まで」です。
被相続人に養子縁組した子がいた場合、代襲相続が発生するかどうかは養子縁組した子の子供がいつ生まれたかで変わってきます。
・養子縁組前に生まれた養子の子 → できない
・養子縁組後に生まれた養子の → できる
いわゆる連れ子と呼ばれる子には、代襲相続権がないと覚えておくと良いでしょう。
ではここで、代襲相続にならない3つの例を挙げてみたいと思います。
相続放棄とは、自ら相続人の権利を破棄する制度のことです。
この場合、被相続人のすべての相続を受け取る権利がなくなりますので、財産はもちろん、被相続人が残した借金を背負う必要もなくなります。
相続放棄をすると、「もともと相続権がなかった」とみなされるため、この人に子どもがいた場合、その子どもにも代襲相続の権利がなくなります。
この相続放棄の手続きは、必ず家庭裁判所で行うようにしましょう。
代襲相続の他に、「再代襲相続」という制度も存在します。ここではその違いについて、解説していきます。
これまで書いてきたように、代襲相続とは本来相続を受ける人が既に死亡していた場合、その直系卑属である孫やひ孫が相続を受け取ることです。
これに対して再代襲相続とは、この直系卑属である孫やひ孫までもが既に死亡していた場合、その子どもに相続権が移行する際に使われる制度です。
図でわかりやすく表してみると、
このように、被相続人の直系卑属であるひ孫が、再代襲相続を受け取ることができるのです。
再代襲相続について説明しましたが、どのような場合にその制度が適用されるのか、ここで確認していきます。
再代襲相続を受け取るには、もちろんですがそのための要件を満たしている必要があります。
要件としましては、
・相続人が子であること
・代襲原因及び再代襲原因があること
(代襲原因とは、相続人の死亡・相続欠格・相続廃除のこと)
ここで注意したいのが、再代襲相続が発生するケースは、相続人が子でなければいけないということです。相続人が兄弟姉妹である場合、その子より下の卑属には再代襲は生じません。ここはしっかりと理解しておきましょう。
ここでは、兄弟姉妹が相続をする際の注意点を解説していきたいと思います。兄弟姉妹の場合は相続できる範囲が限定されていたり、相続を受けることができなかったりもするので、注意が必要です。
まず理解していただきたいのが、兄弟姉妹が相続人となるのは、被相続人に子も直系尊属もいない場合のみということです。
次に注意が必要なのが、兄弟姉妹には遺留分がないということです。
遺留分とは、被相続人の遺言に関わらず、一定の相続人への財産の分配を保障している制度のことなのですが、この制度は兄弟姉妹へは保障されていません。これは法律の定めによるものであるため、どうしようもありません。
最後に、代襲相続と数次相続の違いについて說明していきます。まずはじめに、数次相続とは、被相続人の財産をどのように取り分けるかの遺産分割協議中に相続人が死亡してしまい、新たな相続が発生することです。
たとえば、父親が亡くなり、その遺産相続を母親と兄弟で話し合っている最中に母親が亡くなってしまい、新たな相続が発生するといったケースですね。こうなった場合、手続きが非常に困難になり、複雑さを増すため、専門家に相談するのが解決には手っ取り早いかもしれません。
また、たとえば先ほどの例のような遺産分割協議中の母親の死亡に引き続き、その兄弟のどちらか一方がさらに死亡してしまうということも起こり得ます。
こうなった場合、さらに相続対象者が広がってしまうことになるので、その遺産分割協議の困難さがさらに増していきます。
そのときに特に問題になってくるのが、数次相続が広がることにより、これまであまり親睦のなかった身内とも協議することになり、円満な解決があまり期待できないということです。
ここが数次相続の難しいところであり、それが3次、4次と増していくにつれ、さらに問題点も増えていくということです。
代襲相続であれば、相続される範囲や相続人が決められているので、このような問題が起こることはあまりありません。ここが代襲相続と数次相続の大きな違いといえるでしょう。
今回は、代襲相続についての解説記事を書いてきました。
今まで仲の良かった兄弟が、親の死をきっかけに相続で争うようになり、結局は縁を切るような事態にまで発展することも少なくありません。
相続の問題は今も山積しており、多くの方が悩みを抱いています。
こうした事態を避けるためにも、相続に関してしっかりと理解をもち、いざ自分事となった時に冷静に対応できるよう、ぜひこの知識はつけていっていただきたいと思います。
問題が複雑化し、1人ではどうしようもなくなった場合には、専門家に相談するなどして、早期の解決を目指していきましょう。
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KL2020・OD・037
本記事はあなたの弁護士を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
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