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KL2020・OD・037
遺産相続の際には、思わぬトラブルが発生し、弁護士を頼るべきか悩む方も多いのではないでしょうか。このとき、専門家の選択肢として真っ先に浮かぶのが「弁護士」「司法書士」といった法律の専門家かと思いますが、実際に依頼をするとなると、何より心配なのはその費用ではないでしょうか。
一般的に、弁護士報酬は高く、司法書士報酬はそれよりも安い傾向にあると言われますが、弁護士費用がものすごく高額になるのは一部の事案であって、依頼内容によって報酬額は変動します。
今回は、遺産相続で起こりがちなトラブル事例と、それに対する事案別の弁護士費用相場についてご紹介いたします。
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弁護士費用というと、一般的には「高額になる」とイメージされる方も多いのですが、これは必ずしも正しいわけではありません。弁護士費用が高額になる理由は、弁護士の代理権の範囲が広いことが関係しています。
分かりやすく言えば、弁護士は依頼人の代理人として訴訟等における裁判所での申述ができますが、司法書士はこれができる場合とできない場合があります。司法書士はあくまで法律相談と法律書面の作成が主業務であるのに対し、弁護士はすべての法律行為を代理できるため、扱える事案の幅が広く、それに応じた費用や報酬がかかるために「費用が高い」というイメージが定着しているのです。
ここでは、弁護士費用の内訳と遺産相続の場合の費用相場について、実例を交えてご紹介いたします。
弁護士に事件を依頼するにあたって、基本的にどんなケースであっても最低限かかる費用は「相談料」「着手金」「報酬金」「日当・実費等」の4種類です(※実費以外は税別)。
相談料 | 法律相談の際に、30分○○円(1時間○○円)といった形でかかる費用です。初回相談無料の事務所も多くあります。 |
着手金 | 依頼を引き受けた際に発生する費用で、途中で解約したり敗訴した場合でも返金されない費用になります。多くの場合で先払いになっており、依頼の契約書締結の際に支払う事務所と後日振込で支払う事務所が主流です。 |
報酬金 | 事件が解決した際に支払う費用です。成功報酬と呼ばれることもありますが、基本的には少しでも利益が発生すれば支払う費用になっています(全面敗訴の場合は発生しません)。後払いで、得られた利益の程度に応じて○%としている事務所が多いです。 |
日当・実費等 | 手数料や印紙代などの実費が別途かかる場合があります。また、弁護士の日当が発生する場合には、日当に対し別途消費税がかかります。事務所によっては、大まかな事案内容ごとに着手金・報酬金・実費等を含めたパック料金を設定していることもあります。 |
平成16年以前は弁護士法によってこれらの費用の基準が定められていましたが、現在は弁護士法改正によって報酬等基準が廃止され、各事務所が自由に費用・報酬を定めることができるようになっています。ただ、現在でも多くの事務所がこの廃止された報酬等基準(「(旧)日本弁護士連合会報酬等基準」と呼ばれています)を基に報酬契約を締結しているため、大まかな相場がないわけではありません。
参照元:旧日弁連報酬等基準(抜粋・税別)
事件等 | 報酬の種類 | 弁護士報酬の額 | |
法律相談 | 初回相談料 | 30分ごとに5,000円~1万円の範囲内の一定額 | |
一般相談料 | 30分ごとに5,000円~2万5,000円 | ||
書面による鑑定 | 鑑定料 | 複雑・特殊でないときは10万円~30万円の範囲内の額 | |
訴訟事件・非訟事件・家事審判事件等 | 着手金 | 最低額は10万円(以下経済的利益による規定額) | |
300万円以下 | 経済的利益の8% | ||
300万円超3,000万円以下 | 5%+9万円 | ||
3,000万円超3億円以下 | 3%+69万円 | ||
3億円超 | 2%+369万円 | ||
報酬金 | 300万円以下 | 経済的利益の16% | |
300万円超3,000万円以下 | 10%+18万円 | ||
3,000万円超3億円以下 | 6%+138万円 | ||
3億円超 | 4%+738万円 | ||
調停事件及び示談交渉事件 | 着手金報酬金 | 上記訴訟事件等の場合に準じる。ただし、それぞれの額を3分の2に減額することができる。(ただし着手金の最低額は10万円) | |
契約締結交渉 | 着手金 | 最低額は10万円(以下経済的利益による規定額) | |
300万円以下 | 経済的利益の2% | ||
300万円超3,000万円以下 | 1%+3万円 | ||
3,000万円超3億円以下 | 0.5%+18万円 | ||
3億円超 | 0.3%+78万円 | ||
報酬金 | 300万円以下 | 経済的利益の4% | |
300万円超3,000万円以下 | 2%+6円 | ||
3,000万円超3億円以下 | 1%+36万円 | ||
3億円超 | 0.6%+156万円 | ||
法律関係調査 (事実関係調査を含む) |
手数料 | 5万円~20万円の範囲内の額 | |
内容証明郵便作成 | 手数料 | 【弁護士名表示なし】基本的には1万円~3万円の範囲内の額【弁護士名表示あり】基本的には3万円~5万円の範囲内の額 | |
遺言書作成 | 手数料 | 【定型の場合】10万円~20万円の範囲内の額【非定型の場合】経済的利益の額によって異なる | |
300万円以下 | 20万円 | ||
300万円超3,000万円以下 | 1%+17万円 | ||
3,000万円超3億円以下 | 0.3%+38万円 | ||
3億円超 | 0.1%+98万円 | ||
【公正証書にする場合】+3万円 | |||
遺言執行 | 手数料 | 経済的利益の額によって異なる。特に複雑又は特殊な事情がある場合については、弁護士と受遺者との狭義により定める額。また、遺言執行に裁判手続を要する場合は、遺言執行手数料とは別に裁判手続に要する弁護士報酬を請求できる。 | |
300万円以下 | 30万円 | ||
300万円超3,000万円以下 | 2%+24万円 | ||
3,000万円超3億円以下 | 1%+54万円 | ||
3億円超 | 0.5%+204万円 | ||
その他 | 日当 | 【半日|往復2時間超4時間まで】3万円~5万円【一日|往復4時間超】5万円~10万円 |
※なお、経済的利益の算定基準は、下記のようになっています。
遺産分割請求事件 | 対象となる相続分の時価相当額。ただし、分割に対象となる財産の範囲又は相続分についての争いのない部分については、相続分の時価の3分の1の額 |
遺留分減殺請求事件 | 対象となる遺留分の時価相当額 |
遺産相続の場合に限らず、弁護士費用は事案の内容によって価格の変動があります。というのも、争おうとする対象の財産額(依頼人が勝ち取りたい金額・勝ち取る見込みのある金額)=経済的利益が報酬等の基準になっていることに変わりはなく、また事案によって必要な書類や手続き・それに伴う実費等が異なるため、依頼内容による価格変動が起こるというわけです。
遺産相続の場合は、依頼内容ごとに以下のような費用が相場と言って良いと思います。
依頼内容 | 経済的利益の額 | 相談料 | 着手金 | 成功報酬 | その他実費等 | 備考 |
遺言書作成 | 300万円以下 | 30分ごとに5,000円~2万5,000円の範囲内 | 20万円 | △公正証書にする場合は別途費用が発生する場合あり(+3万円程度) | 旧報酬基準ベースの事務所のほか、遺言内容・種類に応じて10万円~20万円程度に設定している事務所もあります。 | |
300万円超3,000万円以下 | 1%+17万円 | |||||
3,000万円超3億円以下 | 0.3%+38万円 | |||||
3億円超 | 0.1%+98万円 | |||||
遺産分割協議への参加(調停や審判の代理人費用) | 300万円以下 | 同上 | 経済的利益の額にかかわらず、10~30万円に設定している事務所が多いです。 | 16%(最低20万円程度) | △戸籍等収集などで別途費用が発生する場合あり。 | 裁判所等への出張・出頭につき、別途日当が必要になる場合もあります。 |
300万円超3,000万円以下 | 10%+18万円 | |||||
3,000万円超3億円以下 | 6%+138万円 | |||||
3億円超 | 4%+738万円 | |||||
遺言執行者就任 | 300万円以下 | 同上 | -右記手数料の代わりに、着手金・報酬金という形で同等の金額を設定する事務所もあります。 | 30万円 | 遺言執行の際に遺産の中から手数料を支払うケースが多いです。 | |
300万円超3,000万円以下 | 2%+24万円 | |||||
3,000万円超3億円以下 | 1%+54万円 | |||||
3億円超 | 0.5%+204万円 | |||||
相続放棄の手続き | - | 同上 | -相続放棄手続きではほとんどの場合で着手金不要となっています。(複雑な事案の場合は除く) | 基本的には成功報酬なしの事務所が多いです。(熟慮期間経過後の手続きの場合は発生可能性あり) | 1人あたり合計5万円~12万円程度(調査手数料等が発生する場合は高くなります) | 裁判所等への出張・出頭につき、別途日当が必要になる場合もあります。 |
遺留分減殺請求 | 300万円以下 | 同上 | 経済的利益の額にかかわらず、10~30万円に設定している事務所が多いです。 | 16%(最低20万円程度) | 内容証明郵便作成・送付のみであれば3万円~5万円程度が一般的です。 | 裁判所等への出張・出頭につき、別途日当が必要になる場合もあります。 |
300万円超3,000万円以下 | 10%+18万円 | |||||
3,000万円超3億円以下 | 6%+138万円 | |||||
3億円超 | 4%+738万円 |
遺産相続を弁護士に依頼するメリットは、何より「安心感が得られる」ことかと思います。自分一人でやるとなると大変な書類作成等の業務も、弁護士であれば手慣れたものなので簡単に代行してもらえますし、平日に行わなければならない手続きも代わってもらえます。
また、相続の場合は親族と意見が対立することもありますが、弁護士は第三者として交渉の場に立ってもらえるのでその後のトラブルも回避できるでしょう。ここでは、遺産相続を弁護士に依頼するメリットについて、様々な角度からご紹介いたします。
弁護士は「業務上必要な範囲について」職権で様々な情報を集めることができます(弁護士法23条の2等)。相続に関していえば、受任してさえいれば相続人調査で必要な戸籍等の収集を委任状なしですることができるのです。
相続が同じ地域に住み続けた同居の家族の中で完結していればあまり問題になりませんが、高齢者の相続であったり、相続人が散り散りになっている相続の場合は、全員の戸籍等を集めるのも一苦労だったりしますから、職権で一括して集めてもらえるのは非常にありがたいと思います。
弁護士最大の強みは、法律問題全般について依頼人の代理人になれるということです。司法書士なども法律相談を受けることはできますが、相続における交渉や家庭裁判所での訴訟行為については弁護士の専業とされていますから、他の専門家では依頼人の代理人として行動することはできません。
参照元:相続関連事項につき、弁護士とその他の専門家ができること・できないこと
(●:問題なくできる、○:資格上扱える、△:対応できるが専門ではない、×:対応できない)
弁護士 | 司法書士 | 行政書士 | 税理士 | |
相続人調査 | ● | ● | ● | ● |
相続財産調査 | ● | × | × | × |
遺言書作成 | ● | ● | △ | △ |
預金等の口座の解約 | ● | ○ | ○ | △ |
自動車の名義変更 | △ | × | ● | × |
遺産分割協議書作成 | ● | ● | ● | × |
遺産分割調停の代理 | ● | × | × | × |
相続登記 | ○ | ● | × | × |
不動産の名義変更 | ○ | ● | × | × |
相続人間のトラブル対応(交渉等) | ● | × | × | × |
相続放棄の申述 | ● | ×※ただし書面の作成のみなら○ | × | × |
遺留分減殺請求の内容証明郵便作成 | ● | ● | ● | × |
遺留分減殺請求訴訟の代理人 | ● | × | × | × |
相続税申告 | ×※ただし税理士資格を有する弁護士は● | × | × | ● |
いくら円満な家庭であっても、相続というのは禍根を残しやすい問題なので、公平な第三者が介入した方が後々のトラブルを防ぐことに繋がります。よくあるトラブルとしては、相続人間では遺言書や遺産分割内容に不平不満がなく丸く収まりそうなケースであったのに、相続人の配偶者等(相続権なし)が介入してきて話し合いがこじれるという場合もあります。
このような場合には、やはり弁護士の肩書きは強力なものになりますから、不穏な空気を感じたら弁護士に依頼するのがお勧めです。
相続にかかわる問題のうち、弁護士は「相続税申告」を扱うことはできませんが(税理士資格を有する弁護士を除く)、提携している税理士等を紹介してくれたり、パック料金を設定して包括的にサポートしてくれる場合があります。
また、遺産分割後に発生した思いがけないトラブルや、次の相続を見据えた法的アドバイスを始めとする様々な相続問題へのリスク削減が期待できます。
ところで、弁護士報酬というのは基本的には前記の4種類の費用の合計額になりますので、解決まで長引くことが予想される事件だから高い、簡単な内容だから安いというわけでは必ずしもありません。例えば日当に関してですが、長期にわたる事件であっても裁判所等に出張・出頭する回数が少なければそんなに高くはなりません。
簡単な内容であっても何回か裁判所での手続きが必要であればその分は最低限必要になることが多いです。ここでは、弁護士費用を安く抑えるためにできることをご紹介いたします。
これは基本中の基本ですが、「念のため」専門家を入れておくか程度の場合は、自分でできる手続きは自分で行った方が安上がりです。例えば相続放棄や遺留分減殺請求の手続きですが、素人には絶対にできないという性質のものでもありません。
ただし、これらの手続においてネックになるのが「相続人の確定」「相続財産の確定」、相続放棄における「家庭裁判所への申述手続き」で、特に事案が複雑な場合(被相続人の戸籍が複雑で集めるのが大変な場合や、相続財産の全貌が全く分からずプラスの遺産と負債のどちらが多いか分からないなど)は、提出書類を揃えるだけでも一苦労です。
ただ、中途半端に自分でやるのはあまりお勧めできません。先に述べたように、弁護士は職権で戸籍の収集等が簡単にできますし、その分に関しては誰がやっても同額の手数料がかかります。なので、例えば遺留分減殺請求の場合は内容証明郵便の作成・送付だけを依頼し、残りの交渉等は自分でやるといった方法で、自分にできることは自分でやるといった形にすると費用を抑えることができます。
弁護士事務所の多くは「初回相談無料」を採用しており、相談に行ったからといって必ずその事務所に依頼しなければならないというわけでもありません。
弁護士も人なので、あなたに合う・合わないがあるかと思いますし、弁護士によって解決への方針は大きく異なる場合も珍しくありませんから、無料相談を積極的に利用して色々な事務所を実際に見てみるのがお勧めです。
また、無料で電話相談やメール相談を受け付けている事務所もあり、対面での相談に踏み切る勇気がない場合はこちらを利用しても良いかと思います。
特に紛争性が高い事案の場合は弁護士選びが最重要になりますから、少しでも不安がある場合は色々な事務所に相談してみましょう。
実際に事務所で相談する場合、相談時間は限られていますから、きちんと事前に相談内容を整理しておくのが大切です。自分でも今後どうしたいのかよく分からない場合であっても、最低限現在分かっている情報(相続がいつ始まったのか、相続人が誰なのか、相続財産はどのようなものがあるか・その大体の額など)をまとめておくとスムーズです。
費用が心配な方は相談の際に費用についてもきちんと尋ねてみましょう。最近は、着手金や報酬金を分割で支払うことのできる事務所も増えましたし、パック料金を設定している場合もあります。お金のことは聞きにくいと思われるかもしれませんが、契約前には絶対に聞いておくべきことなので、遠慮せずに尋ねて問題ありません。
むしろ、費用面を尋ねられたからと言って気分を害する弁護士はまずいませんし、費用について明確に話したがらない事務所は注意するべきなので、恥ずかしがらなくて大丈夫です。
法テラスには、無料相談の他にも「民事法律扶助制度」というものがあります。民事法律扶助制度とは、資力が一定額以下である人に対し、無料で法律相談を受けられたり弁護士費用などを立て替えてもらえる制度です(立替費用については原則として毎月5,000円~1万円程度の分割で支払う必要あり)。
弁護士に依頼したいけれど費用が準備できるか不安な方は、民事法律扶助制度の利用を検討している旨法テラスへ相談してみると良いかと思います。
以上が遺産相続の弁護士費用の概要ですが、実際に相続で争いが起こりやすいのはどのような場面なのか、概要を交えてご紹介したいと思います。
これらのトラブルの気配があるようであれば、早めに相談するのが効果的なので、まずは無料相談を利用してみてください。
遺産相続がきっかけになり、相続人間で確執が生じることをしばしば「争族」と呼びますが、これは財産の大小にかかわらず起こりうる問題です。
一般的にはプラスの財産を分配する際に争いが起こることが多いのですが、元々不仲な相続人であれば当然にその危険性は高くなりますし、きちんとした遺言が遺されていても遺留分などでトラブルが発生するのは珍しくありません。
争族は長期化・泥沼化することが多く、ただでさえ故人の供養で大変な時期にこのような問題を抱えてしまうのはあなたの精神的にも体力的にも良くありませんから、辛いと思ったら迷わず専門家を頼りましょう。特に、相続放棄や限定承認を考えている場合は期間制限もありますので、早めの行動が肝心です。
それでは、実際に遺産相続で起こりうるトラブルを時系列ごとに整理してみましょう。
遺言書作成のトラブルとしては、自筆証書遺言のフォーマットが守られておらず、遺言書としての効力が発揮されない(無効となる)場合があることです。また、財産の分配に関して遺留分を侵害してしまっており、結局遺留分減殺請求をされて望んだとおりの遺産分割がなされないケースもあります。
認知症等で判断能力が低下している人の場合、遺言時に遺言能力がないと判断され、最終的に遺言書が無効と判断される可能性があります。
また、親族や特定の相続人等がそそのかして本人の意に添わない遺言書を作らせるという例もありますから、このような人については遺言書が作られた日時によっては遺言無効訴訟をしなければならないケースもあります。
献身的に介護をしてくれた人や、内縁の妻・非嫡出子などに財産を遺したいと考える方も多いかと思いますが、その方法によっては相続の際に泥沼の争いが発生するリスクがあります。特に、遺言書によって相続人でないこれらの人に財産を分配しようとする場合、遺留分などに充分な注意が必要です。
相続人が元々不仲であったり、相続人の配偶者等の相続権のない人が分割協議に参加したがる場合は、往々にしてトラブルが生じます。
故人に前妻(前夫)やその子がいる場合や、音信不通の子どもなどがいる場合には、相続人全員を確定させて協議を行わなければ遺産分割協議が無効になってしまいます。
遺産分割協議が終了しても、その後に遺言書が発見されると大変です。
遺言書が有効であればそれに沿った遺産分割を行わなければならず、反する部分に関しては折角行った分割協議が無効になってしまいます。
遺言執行者が特定の相続人である場合、それを快く思わない相続人とトラブルになるケースがあるほか、専門家が遺言執行者に就任していても内容に不満がある相続人とトラブルになるケースがあります。
故人の遺産について、プラスの遺産よりもマイナスの遺産の方が多い場合は、相続放棄や限定承認の手続きを考えるのが一般的かと思います。また、家業存続のため特定の相続人に全財産を相続させたい場合なども、相続放棄を行うケースが多いです。
遺言書によって遺留分を侵害された相続人は、遺留分減殺請求権を行使することが考えられます。また、知らないうちに遺産分割協議が行われていた場合も、遺産分割協議無効確認訴訟や遺留分減殺請求訴訟を提起することが考えられます。
遺産相続の際には往々にしてトラブルが起こりやすいので、少しでも不安を感じたら弁護士等へ相談するのが良いかと思います。相続の場合は相続税納付や放棄・限定承認の手続きに期間制限がありますから、多少の費用を支払ってでも早めに手続きを済ませることに重点を置くのがその後のトラブルを防ぐ最良の手段になります。
確かに弁護士費用は着手金もまとまった額になることが多く、高額に感じられるかもしれませんが、将来的な紛争防止という観点からは有効な投資となり得ます。
遺産相続について弁護士に相談する 電話相談可・初回面談無料・完全成功報酬 |
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KL2020・OD・037
本記事はあなたの弁護士を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
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