サイドビジネス商法の実態|稼ぐ前に高額な初期投資をするのはハイリスク

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弁護士法人ネクスパート法律事務所
寺垣 俊介
監修記事
サイドビジネス商法の実態|稼ぐ前に高額な初期投資をするのはハイリスク

サイドビジネス商法(さいどびじねすしょうほう)とは、「在宅勤務可能」「簡単に稼げる」「独立できる」と甘い言葉でターゲットを釣り、仕事をするための道具や機材を高額で売りつける商法のことをいいます。

中でも最近はアフィリエイトやドロップシッピングに関する被害が多く、2016年に国民生活センターに寄せられた相談件数は1,509件となっています。

国民生活センター|アフィリエイト・ドロップシッピング内職

引用元:国民生活センター|アフィリエイト・ドロップシッピング内職

今回は、サイドビジネス商法の手口と事例、被害を未然に防ぐ方法と被害に遭った際の対処法をお伝えします。

サイドビジネス商法の手口

サイドビジネス商法の手口

まず、サイドビジネス商法の手口を確認していきましょう。

「独立できる」「簡単に副収入を得られる」など甘い言葉で釣る

お金に困っていたり、今の収入のまま生きていくことに不安を感じていたりする人は少なくないでしょう。近年のサイドビジネス商法では、ウェブサイトで被害者を集客するパターンが多くなっていて、サイト上で次のような甘い言葉とともにビジネスを紹介しています。

  • 誰でも稼げる
  • 簡単に稼げる
  • 月収100万円を達成できる
  • 脱サラできる

サイドビジネス商法で用いられやすい仕事

昔は次のような仕事がサイドビジネス商法でよく悪用されていました。

仕事内容 儲かるといわれる金額
チラシ配り 一枚あたり1円~3円
宛名書き 一件あたり3円~200円
パソコンを用いた仕事 月収1万円~100万円

昔はパソコンを相場よりも高額で販売している例もありましたが、今はパソコンが普及しているため相場を理解している人が多く、簡単に騙せません。

その代わり、最近ではホームページ作成に使うソフトや教材を高額で販売するようになってきました。また、冒頭でお伝えしたように、アフィリエイトやドロップシッピングの情報商材を販売する手口も近年では増えています。最近悪用されやすいビジネスと、儲けられると言われる大まかな金額は次の通りです。

仕事内容 儲かるといわれる金額
ホームページ作成 月収10万円~20万円
アフィリエイト 月収0円~100万円
ドロップシッピング 月収0円~100万円

高額な初期投資をさせる

高月収を得られるサイドビジネスをするための高額な機材や教材を売りつけるのがこの商法のポイントです。仕事をするために、次のようなものを購入させます。

  • 資格や検定のテキスト代
  • ビジネスをするための機材や道具代
  • 情報商材

クーリングオフ期間が過ぎると連絡が取れなくなる

サイドビジネス商法は業務提供誘引販売取引に該当し、書面を受け取った日から20日間はクーリングオフができます。この期間を過ぎてクーリングオフができなくなると連絡がつかなくなる業者もありますし、商品の代金を受け取った段階で姿をくらます業者もいます。

サイドビジネス商法の事例

サイドビジネス商法の事例をご紹介します。

事例1|パソコンを売りつけられそうになる事例

「ホームページを作成する会社」の求人募集を見つけたので、連絡の上面接にでかけたところ、パソコンショップで10~15万円で買える旧式のパソコンを95万円で売りつけられそうになった。そのパソコンを買わないと仕事は回せないと言われたので、もっと高性能なパソコンを持っていると断ったら、罵詈雑言を浴びせられた。パソコンを売りつけるのが目的としか思えない。

(男性 25歳 自営・自由業)

引用元:国民生活センター

サイドビジネス商法の典型的な事例です。さすがにここまで露骨な値段設定で旧式のパソコンを売りつけると、騙される人は少ないように思います。

事例2|アフィリエイトに関する詐欺

月に200万円稼げるというアフィリエイトの情報商材を購入したが、初期費用もかかり全く稼げない。話が違うので返金してほしい。

引用元:国民生活センター|アフィリエイト・ドロップシッピング内職

事例1と違い、情報商材は購入するまで中身がわからないため、目に見えるパソコンよりも良し悪しを判断しにくいでしょう。アフィリエイトの情報商材の場合は、稼げるようになるまで3ヶ月以上かかると説明することもできるので、簡単にクーリングオフ期間である20日間は過ぎていってしまいます。

サイドビジネス商法に騙されないための対策

サイドビジネス商法に騙されないための対策

サイドビジネス商法に騙されないようにするために、次のような対策をしましょう。

ホームページをよく確認する

業者の名前をインターネットで検索し、次の点を確かめましょう。

  • ホームページが雑ではないか
  • 運営年数は長いか
  • 代表者の氏名が記載されているか
  • 事務所の住所が記載されているか
  • 事務所の住所は架空ではないか
  • バーチャルオフィスの住所が書かれていないか

悪徳商法の場合、会社の名前を頻繁に変えることで足がつき逮捕されるのを免れる場合があります。運営年数が短いとすべて怪しいわけではありませんが、極端に運営年数が短かったり、ホームページが雑だったりした場合は警戒した方が良いかもしれません。

高額な初期投資が必要なサイドビジネスはしない

やったことのないビジネスで儲かるかどうかはわかりません。それにも関わらず、最初から高額な初期投資をして費用を回収できる保障がどこにあるのでしょうか。

初期投資が少ないサイドビジネスを複数やってみて、利益が出たものに対して追加で投資した方が、儲かるかどうかわからないものに投資するよりも確実でしょう。

「楽に稼げる」「簡単に稼げる」を押してくるビジネスをしない

ビジネスで楽に稼げたり簡単に稼げたりするのは稀です。甘い言葉に釣られないようにしましょう。本当に楽に儲けられるビジネスがあるなら、頭の良い人や企業がとっくに見つけてやり尽くしているはずです。

サイドビジネス商法に遭った際の対処法

サイドビジネス商法に遭ったら、クーリングオフをしたり、専門家に相談したりしましょう。

クーリングオフをする

業務提供誘引販売取引のクーリングオフ期間は書面を受け取ってから20日です。怪しいと思ったら、業者が姿をくらます前にクーリングオフをしましょう。

専門家に相談する

サイドビジネス商法に遭って高額なお金を支払ってしまった場合は、警察や国民生活センター、弁護士等にすぐ相談しましょう。クーリングオフ期間が限られていたり、業者が逃げる可能性があったりするので、できるだけ早く対応する必要があります。

まとめ

儲かりそうなビジネスと儲かるビジネスは違います。儲かるのかわからない以上、いきなり高額な初期投資をするのはあまりにもハイリスクです。商品や商材を購入する際は、十分に信憑性を確かめてからにしましょう。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人ネクスパート法律事務所
寺垣 俊介
2016年1月に寺垣弁護士(第二東京弁護士会所属)、佐藤弁護士(東京弁護士会所属)の2名により設立。遺産相続、交通事故、離婚などの民事事件や刑事事件、企業法務まで幅広い分野を取り扱っている。

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