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KL2020・OD・037
傷害事故でむちうちを負った被害者は加害者の保険会社(未加入の場合は本人)に後遺障害慰謝料を請求できる可能性があります。
慰謝料の額は保険会社が提示してくれますが、慰謝料請求に関して全く無知な状態だと慰謝料を安く抑えられるケースもあるので、慰謝料請求で損をしたくない場合は必ず相場の検討がつく程度の知識は身に着けておかなければいけません。
この記事ではむちうちの慰謝料の計算方法や少しでも高額に請求するコツをお伝えしていきますので、むちうちでの後遺障害申請を検討されている方はぜひ参考にしてみて下さい。
目次
等級 |
自賠責基準 |
任意保険基準(目安) |
弁護士基準 |
93万円 |
100万円 |
280万円 |
|
32万円 |
40万円 |
110万円 |
むちうちで請求できる慰謝料額は、むちうちの症状の度合いと慰謝料の算出基準で決定されます。それぞれの詳細については以下をどうぞ。
むちうちの障害等級(後遺症の度合)は12級か14級のいずれかになりますが、その違いは他覚症状が見られるかどうかです。
他覚症状とは、MRIやレントゲンなどの画像で他者から見ても症状が医学的に証明できる状態のことで、むちうちの症状が画像の異常が原因であると認めらえる場合は障害等級12級の障害として扱わる可能性が高いでしょう。
他覚症状がないと客観的に痛みを証明できないため後遺症認定の難易度は上がりますが、事故当時からの長期の通院と一貫した症状の訴えを続け、医師から常時性のある障害だと判断してもらえれば、14級の障害認定を受けられる可能性があります。
関連記事:むち打ちの治療法と後遺症(後遺障害)として認定してもらう方法まとめ
慰謝料の算出基準には以下の3通りの基準があり、どれが適用されるかによっても慰謝料の請求額は変動します。
自賠責基準:自賠責保険の限度額を基にした基準
任意保険基準:任意保険(車保険)会社のデータを基にした基準
弁護士基準:弁護士が法律と過去の判例を基に算出する基準
慰謝料請求の大半は加害者の保険会社に請求する任意保険基準が適用されますが、加害者が未保険者だった場合は自賠責基準、慰謝料請求を弁護士に依頼した場合は弁護士基準で請求が可能です。
傷害事故でむちうちを負った場合は後遺障害慰謝料以外にも以下の損害賠償を請求できます。(慰謝料は治療代などを含む損害賠償の一部)
傷害事故での負傷を治療する際にかかる病院の入通院費用が請求できます。また病院へ払う治療費だけでなく、病院への交通費や診断書の作成費などの雑費も請求が可能です。
ただし、例外的なケースですが整骨院・接骨院での治療費は支払ってもらえない場合もあるのでご注意ください。このようなケースは、例えば以下のような場合が考えられます。
また上記のようなケースに当たらなくとも、保険会社に何の連絡もなく整骨院・接骨院での治療を継続していると後々に保険会社と揉め事に発展してしまう恐れもあるので、病院以外の治療期間を利用する場合は必ず事前に保険会社に連絡を入れておくようにしましょう。
入通院慰謝料とは、入通院をする状況になった精神的な苦痛に対して請求できる慰謝料です。慰謝料の額は入通院の期間により変動します。
<入通院慰謝料の相場>
慰謝料の基準 |
通院期間3ヵ月(通院日数30日) |
通院期間6ヵ月(通院日数60日) |
自賠責基準 |
12万6,000円 |
25万2,000円 |
任意保険基準 |
37万8,000円 |
64万2,000円 |
弁護士基準 |
53万円 |
89万円 |
休業損害とは、交通事故の負傷による休業で収入が減ってしまった際にその保障として請求できる損害賠償です。休業損害は以下の計算式で算出されます。(専業主婦は基礎収入に賃金センサスの全年齢女性平均年収を適用する)
<直近3ヵ月の収入90万円の会社員が1ヵ月休業したケース>
『90万円(直近3ヵ月の収入)』÷『90日』=『1万円(1日当たりの基礎収入)』
『1万円(1日当たりの基礎収入)』×『30日(休業日数)』=『30万円(休業損害)』
逸失利益とは、後遺症の影響による労働力の喪失により減ってしまった将来の得るはず利益の保障として請求できる損害賠償で、逸失利益の算出方法は以下の通りです。
『後遺障害逸失利益』=『1年あたりの基礎収入』×『 後遺障害該当等級の労働能力喪失率 』×『ライプニッツ係数』
労働能力喪失率 |
労働能力喪失年数の目安 |
|
軽いむち打ち症 (第14級9号) |
5% |
5年 |
重いむち打ち症 |
14% |
10年 |
詳細記事:後遺障害逸失利益の算定|賠償金増額のための3つのポイント
<年収450万円の会社員が14等級のむちうちを負った際の逸失利益>
450万円×0.05(5%)×4.3295(5年の労働能力喪失年数)=97万円
休業損害とは異なり、事故当時に働いていない人であっても賃金センサスの全国平均年収を基に請求ができます。(既に定年後の高齢者は除く)
むちうちが完治するまでの期間は通常1ヶ月~3ヵ月程度であり、どんなに長くても半年程度と言われています。そのため、半年を過ぎても症状が良くならない場合は後遺障害認定を申請することを検討すべきでしょう。
この場合、まず固定症状の診断を担当医から受けましょう。固定症状とは、これ以上の治療を続けても症状は改善しないという診断です。
他覚症状がなくても、通院の継続性、症状の一貫性、事故との整合性があれば、症状固定で14等級の後遺障害が認められる可能性が出てくるので、むちうちの慰謝料を請求したい場合は、相当期間、定期的な通院を続けることが重要になります。
関連記事:むち打ち症の適切な通院期間|入通院慰謝料を増額させる方法まとめ
むちうちの治療を続けていると保険会社から「そろそろ症状固定でもよろしいですか?」と治療の終了を催促されるケースがありますが、固定症状を判断するのは担当医なので無理に応じる必要はありません。
症状固定の診断を受けると被害者はその後の治療費・入通院慰謝料を請求できなくなるので、保険会社は損害賠償額を少しでも安くしようと急かしてくることがあるのでご注意下さい。
関連記事:症状固定で損しない方法|示談を有利に進めるために知るべき全知識
保険会社から「治療はもう十分ではないか」と言われても、医師が治療の必要があると判断しているなら治療費は請求できるので、症状固定の判断は保険会社ではなく必ず医師に委ねるようにしましょう。
固定症状を受けた後の治療費は自己負担になってしまいますが、それでも治療を続けるメリットはあります。それは後遺障害申請が認められる可能性が高くなることです。
後遺障害は固定症状の診断で直ぐに認められるわけではなく、医師の診断書と後遺障害申請書を損害保険料率算出機構へ提出して審査を受けなければいけません。
なので、その期間も通院を続けているとその事実を申請書に記載して提出できるので後遺障害が認められやすくなります。治療費は実費になりますが百万円近くの慰謝料が増額することを考えれば、固定症状後も通院を続けた方が得であると言えるでしょう。
事前認定とは、医師の診断書を保険会社に提出して後の手続きは全て任せる申請方法です。手間がかからないのがメリットですが、保険会社は事務的に手続きを進めるので後遺障害が認められやすくなるよう積極的には動いてくれないというデメリットもあります。
他覚症状があり医師からも後遺障害が認められる可能性は高いと言ってもらえる状況であればおすすめですが、14等級の申請で診査が厳しい状況であれば利用するのを避けた方が良いかもしれません。
被害者請求とは、被害者自身が後遺障害申請書の作成を医師に依頼して手続きを進めていく申請方法です。
被害者本人であれば症状の経過や治療期間などの詳細を伝えられるので、後遺障害申請書の信頼性が増し後遺障害が認められる可能性が高くなるのがメリットになります。
関連記事:後遺障害診断書の書き方|等級認定が受けやすくなる3つのポイント
ただし、申請書の作成には手間がかかり記載ミスがあると申請が認められないデメリットもあるので、自分で手続きを進めるのが不安であれば弁護士に慰謝料請求の依頼をすると良いでしょう。
弁護士に慰謝料請求を依頼すれば、弁護士からアドバイスをもらいながら不備なく自分の現状を正確に伝える後遺障害申請書が作成できるので、個人で手続きを進めるよりも後遺障害申請が認められる可能性が高くなります。
診断書を医師に記入してもらった後に弁護士のチェックを受ければ申請書作成が失敗するリスクを未然に防げるでしょう。
記事冒頭の慰謝料の紹介を見て既にお分かりかと思いますが、弁護士が慰謝料を算出する弁護士基準が最も高額な慰謝料を請求できます。
弁護士依頼には費用がかかりますが、後遺障害慰謝料が請求できるむちうちのケースだと任意保険基準と弁護士基準では慰謝料に百万円近くの差額が生じるので、弁護士費用を含めても収支がプラスになるケースが多いです。
<弁護士への示談交渉依頼の相場>
【示談交渉】 |
着手金 |
報酬金(慰謝料) |
着手金あり |
10~20万円 |
報酬金の10~20% |
着手金なし |
無料 |
報酬額の20~30% |
基本的に後遺障害が関わる慰謝料請求は弁護士依頼をした方が得になるケースがほとんどなので、まずは法律相談だけでも一度お願いしてみてはいかがでしょうか。
関連記事:交通事故を弁護士に依頼するメリット|慰謝料が増額し時間の節約も可能
弁護士依頼は慰謝料の金額を決定する示談交渉が成立する前ならいつでも依頼はできますが、一番好ましいタイミングは事故直後です。事故直後から手続きを有利に受けるアドバイスを受けられれば、請求できる慰謝料が高額になる可能性が高くなります。
また保険会社との電話対応や治療費請求など、手間な手続きを全て任せることもできるので、金銭面だけでなく精神面の負担も軽くすることができるでしょう。
関連記事:交通事故の示談交渉で弁護士に依頼するメリットとタイミング
ただし、示談交渉で決着がついた後では弁護士に依頼しても慰謝料の請求をやり直すことはできないのでご注意下さい。
むちうちの慰謝料は後遺症の等級と算出基準によって大きく変動します。基本的には弁護士に依頼をした方が特になるケースが多いので、特別な事情がない限りは弁護士に一度は相談しておくと良いでしょう。
あと余談ですが、弁護士費用特約という保険サービスに加入していれば弁護士費用を全て保険会社から負担してもらえるので、事故に遭ったら一度自分の保険会社に連絡をして自分は適用されるかどうか確認しておくことをおすすめします。
【関連するQ&A】 主婦が交通事故でむち打ちになったときの妥当な慰謝料金額
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KL2020・OD・037
本記事はあなたの弁護士を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
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