売春とは?売春に関する法律と売春に関する疑問を解説

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弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
売春とは?売春に関する法律と売春に関する疑問を解説

売春(ばいしゅん)とは金品などの報酬と引き換えに性交を行うことです。情欲の比喩である“春”を売ることから、売春と呼ばれています。

売春の対義語は“買春(ばいしゅん)”ですが、音韻上区別がつかないため、“かいしゅん”と読まれます。また両方を含め売買春(ばいばいしゅん)と呼ばれています。

この記事では買春の定義から、売春を取り締まる法律、売春に関する疑問にお答えします。

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売春と売春防止法

売春と売春防止法前述したように、売春とは金品などの報酬と引き換えに性交を行うことです。

しかし売春を取り締まる法律である“買春防止法”においては、対価を受け“不特定の相手と性交すること”と定義されています。

一般的に考えれば、不特定であろうと特定であろうと金品などの収受があれば買春と考えられますが、法的には“不特定”とされているのです。

ここでは売春を取り締まる法律である売春防止法について解説していきましょう。

売春を取り締まる売春防止法とは

買春を取り締まる法律が売春防止法です。

売春防止法と聞くと、売春を行った者を取り締まる法律だと思われるかもしれませんが、売春を助長させる行為、売春をさせ利益を得る者が処罰対象となります。

刑事罰の対象になる行為がこちらです。

  1. 売春勧誘
  2. 売春の周旋(売買春ができるように売春側と買春側の間を取り持つこと、斡旋)
  3. 売春場所の提供・管理売春業に要する資金などの提供
  4. 売春をさせる行為・売春をさせる契約
  5. 売春により対償の収受・売春をさせる目的による利益供与

売春防止法の目的は、性道徳や善良の風俗、売春を行う女性の保護、売春の防止を図ることであり、単に売買春を行っただけの当事者では、刑事罰の対象とはなりません

補足|その他売春防止法に関連した法律

前述した通り単純に売買春を行っただけでは刑事罰の対象とはなりません。

しかし金品などの収受により性行為・性交類似行為をした相手が18歳未満であれば、児童買春罪で処罰対象となるでしょう。

児童買春罪の法定刑は5年以下の懲役または300万円以下の罰金です。(児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律 第4条)

親などが18歳未満の子どもに売春をさせれば児童福祉法違反となり、10年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはその両方が科せられることになるでしょう。(児童福祉法 第34条1項6号、第60条1項)

また風俗店などで18歳未満の子どもが年齢を偽って働いた場合でも、風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)に違反し、店舗側が処罰されることになります。(風営法 第28条 12項3号)

売春に関する疑問

売春に関する疑問売春防止法があるために、本来は金品などの収受と引き換えに性交を行うことは禁止されています。

しかし日本には数多くの風俗店が営業しており、疑問に思われた方もいるでしょう。ここではそんな『買春』に関する疑問にお答えします。

本番行為を行っているソープランドは違法ではないのか?

率直に言えばソープランドが行っている金銭の収受による性行為を行う場所の提供や、斡旋は違法です。

しかし本番と呼ばれる性行為を行っているソープランドは違法であるにもかかわらず、営業しています。ソープランドが摘発されない理由はさまざまです。

ソープランドが摘発されない理由は…

  1. ソープランドはファッションヘルスなどの性風俗関連特殊営業店と異なり、風営法で“浴場業”と定められている
  2. ソープランドは利用者の入浴料で営業している
  3. ソープランドで働いている女性は利用者から“サービス料”を支払ってもらっている
  4. ソープランドは女性従業員に給料を支払っていない、従業員を管理していない
  5. ソープランドで働いている女性は店舗から管理されておらず、各個室を借りて個人事業主として働いている

上記が建前となっているのです。

一説には、入浴補助中に女性とお客様が偶発的に性行為をしてしまった、あるいは自由恋愛をしているのが建前であるとされています。

もっともそんな建前は最高裁にて否定されています。

警察がすべて摘発するのは現実的ではない

実際には、性交が行われている・店が認知して放置している・金銭の介在などが立証できないと立件できず、店舗の数から考えても警察がすべて摘発するのは現実的ではないという理由でしょう。

また取り締まりを厳しくすれば違法な形でわからないように営業を行い、暴力団の資金源になる、性病が蔓延するなどの問題も考えられます。

そうは言っても、暴力団に資金を提供している、ぼったくりで利用者と揉める、売春であるとの通報が一定以上あるような状態であれば警察としても放置しておくわけにいきません。

また警察の摘発ノルマなどの事情もあり、定期的に摘発が行われるというグレーな現状に繋がっているのです。

なぜ風俗店は摘発されないのか?

ソープランド以外の風俗店は原則的に本番行為を行っていないとされているため、届け出をすることで合法的に営業しています。

もちろん中にはお客に指名してもらいたいがために“枕営業”として性行為を行っている風俗嬢もいるでしょう。

しかしそれは、風俗店として摘発対象となりかねないため、従業員や利用者には本番行為を禁止しています。

風俗店が摘発された場合、客として居合わせたら逮捕される?

利用した風俗店が摘発された場合、客として居合わせても逮捕されることはありません。

ただし、その店が18歳未満を労働に従事させており、それを知って性行為に及んだとなれば、児童買春によって逮捕されることは考えられます。

また店舗が摘発されたとなれば、利用者も警察から事情聴取を受けることはあり得るでしょう。

いずれにしても、違法な風俗店は利用しない方がよいですね。

売買春で逮捕される場合はあるのか?

売買春で逮捕される場合があるとすれば、売春防止法で処罰対象となっている売春の勧誘や誘引する行為と、買春した相手が18歳未満であった場合です。

例えば、インターネットなどで売春の勧誘を行うなどは売春の勧誘や誘引する行為に当たります。

また売春する側がインターネットなどで援助交際などを持ち掛ければ、出会い系サイト規制法に違反し、児童であっても100万円以下の罰金が科されることになるでしょう。(出会い系サイト規制法 第6条 4項)

四 対償を受けることを示して、人を児童との異性交際の相手方となるように誘引すること。

引用元:出会い系サイト規制法 第6条4項

第三十三条 第六条(第五号を除く。)の規定に違反した者は、百万円以下の罰金に処する。

引用元:出会い系サイト規制法 第33条

買春した相手が18歳未満であった場合は、児童買春罪に問われることになるでしょう。

なぜ売春をした側は処罰されないのか?

売春防止法の目的は、性道徳や善良な風俗の実現以外に、買春を行う女性を保護することにあります。

日本には自身の意思に反した売春が行われてきた歴史があります。そのため、売春を行う女性が保護の対象となっているのです。

援助交際が行われ、買春をした側だけが逮捕されるケースでは、なぜ売春した側の女性が処罰されないのかと疑問視する声が聞かれます。

しかしもし援助交際を持ち掛けた女性も同様に処罰されるとなれば、買春を行った相手から脅しの道具とされ不当な要求を許さざるえない状況に立たされてしまうかもしれません。

したがって、売春した側の女性は処罰されないとされているのでしょう。

もちろん18歳未満の児童と、金品などの収受があり行われた性行為では、売春防止法の処罰対象にはならず、児童買春罪が適用されることになります。

まとめ

売春防止法は、単に売買春をしただけでは処罰対象とはなりません。しかしSNSなどで売春を勧誘するような行為は、売春防止法の処罰対象となります。

一見違法と思われる風俗営業も、届け出のもと、買春を行わない店として営業しているのですね。

届け出のない違法な風俗店では、本番行為が行われている、あるいは18歳未満の従業員がいる可能性もあるため、もし利用するのであれば風営法にもとづいたお店を利用したほうがよいでしょう。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。第二東京弁護士会所属。

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