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KL2020・OD・037
デジタルタトゥーとは、『一度投稿・公開したものは消すことができない』という事実から生まれた造語・俗語のようです。近年、ブログやSNSの発展により、誰でも気軽に世界へ発信をすることができるようになりました。
誰でも発言ができるようになったかわりに、度を超えたイタズラや、特定の個人や企業を中傷する書き込み、倫理的に許せないような書き込みも多く見かけるようになりました。
多くの人が問題なく利用できている一方、軽い気持ちで行った投稿がきっかけで自分や他人の人生を狂わせてしまったというケースも少なくありません。
この記事では、『炎上させてしまった人の人生がどうなるか』や、デジタルタトゥーを残さないための対策、デジタルタトゥーの危険性がわかる過去の事例などを紹介します。
デジタルタトゥーと切って切り離せないのが『炎上』です。炎上とは、一般的に問題のある投稿や、人を不快にさせるような投稿をした人物に対し、不特定多数の閲覧者が炎のような勢いで批判コメントを書込み、収拾がつかない状態になることをいいます。
一度炎上してしまうと、それに便乗して投稿者の過去の投稿などから個人情報を割り出し、これを拡散しようとする動きが起きることがしばしば。これにより投稿者が特定されてしまえば、自宅や職場に嫌がらせをされる可能性があり、そうなってしまうと日常生活に多大な支障が生じることになります。
また、投稿者であるとして間違った個人情報が晒されたような場合、まったく関係のない第三者が甚大な被害を被ることもあるようです。なお、一度炎上してしまうと、問題の投稿自体を削除しても、投稿内容をスクリーンショットなどで保存していた第三者がこれを拡散し、なかなか事態が収束しないということもあります。
ここでは、『炎上させてしまった人にはどんな結果が待っているか』を紹介します。なお以下はあくまで可能性の話ですが、現実的な危険のあるものと考えるのがよいでしょう。
炎上した結果、個人情報が特定し、学校や会社に迷惑をかけてしまうパターンです。
上記のような状況になった場合、学校なら退学、職場なら解雇となってしまう可能性もあるでしょう。処分をまぬがれたとしても、元の生活が送れないのは確かです。
また、退学になったせいで進学もできなくなったり、内定取り消しになったりしてしまえばもう人生がめちゃくちゃです。
炎上してしまうと就職・転職が難しくなる可能性があります。近年では採用する前に求職者の名前をネットで検索することが多くなっているそうです。そこで炎上元となった過去の問題行動や問題発言を見られた場合、これを理由に採用を拒否される可能性もあります。
『炎上のきっかけとなった本人』に反省の様子がない場合などは、家族や友人に被害がおよぶ可能性があります。炎上に参加・便乗する不特定多数の人物は、どのような方法であっても相手に苦痛を与えたいと考える傾向にあります。そのため、当事者の周囲まで攻撃することで本人に間接的なダメージを与えることはしばしばあります。
仮に、炎上してから数十年経っていたとしても書き込みが消えることはありません。炎上した本人からしたら『過去の出来事』だとしても周囲の人間にとってはそうではないでしょう。生涯に渡って、『信用を失うかもしれない』という不安と付きあわなければならないのです。
上記で説明した通り、一度炎上してしまうとその人の人生は大きく変わってしまいます。『問題のある発言をした人』という肩書きを背負って生きていかなくてはならないからです。
それを防ぐために、『個人情報を漏らさない』ために必要な心構えを紹介します。
まず、一番大切なのは投稿の内容をよく考えること。世界中の人が閲覧できる状態にあることを理解することが大切です。
『良い内容』も『悪い内容』も一度投稿したら消えないのは事実ですが、大切なのはそれを判断する力ではないでしょうか。
後々拡散されることになったり、世界中の人に見られることになったりしても後悔しない発言かどうかをきちんと判断しましょう。
SNSのアカウント名で本名を使うのは避けるべき場合もあります。本名からその他の個人情報(住所・年齢・出身校など)を知られてしまうということもあり得るからです。
もちろん、炎上する可能性のない通常のコミュニケーションを行うのであれば本名で構いませんし、本名で責任のある投稿を行うこと自体は何らおかしなことではありません。しかし、本名を使用することはそれなりのリスクが伴うことを自覚し、当該リスクを取れないということであれば、本名やそれに近いアカウント名を使うのは避けたほうがよいかもしれません。
本名だけではなく、普段の何気ない投稿から個人情報を特定される可能性があります。
個人情報特定に結び付きそうな投稿をする際は十分に注意をした方がよいでしょう。また、写真を上げるときは背景や飲食店の名前、信号機の地名表示なども要注意。
炎上に便乗・参加する者の中には写真にうつっている電信柱の影の角度からだいたいの場所を特定するような輩もいるようです。
投稿した位置がわかるようになっているSNSも存在します。自宅の写真を投稿したときに、そのまま自宅の場所を知られてしまう可能性があります。
スマホの位置情報サービスをオフにしておくと、写真を撮ったときにも位置情報は記録されませんし、SNS投稿時にも現在地は表示されません。
旅行、出先ならまだしも、自宅で投稿をする際には細心の注意を払うべきでしょう。
むしろ炎上に参加・便乗した側の問題かもしれませんが、匿名で好き勝手発言していても法的な手続きを踏めば書き込みをした人の名前や住所を特定することができます。
匿名であることによって、より自由に発言でき、有意義な意見交換ができることもありますが、『どんな発言をしても許される場所』というわけではないので注意しましょう。
『一度書き込んだものは二度と消すことができない』ということがよくわかる事例を紹介します。ここで紹介するものは氷山の一角にすぎませんが、書き込みをした本人は何年たっても、自分の発言や恥ずかしい画像を掘り返される恐怖の中生活をしていかなければなりません。
蕎麦屋でのアルバイト中、悪ふざけをしているところをおさめた画像をTwitterに投稿した結果、クレームが相次ぎ閉店になってしまったという事例です。
「バイトテロ」で企業が倒産に追い込まれる事態がついに発生してしまった。
東京都多摩市。東京都下の丘陵地帯に造成された多摩ニュータウンにあるそば屋の「泰尚(たいしょう)」。幹線道路沿いの好立地で営業していたにも関わらず今年8月に閉店。東京地裁に破産を申請して、10月9日に破産手続き決定を受けた。
同社は前社長が亡くなった昨年9月にそれまで3カ所あった店舗を1店に縮小しての再建中だった。その最中、思いもかけない事件が起きた。
アルバイト店員の男子大学生が店内での悪ふざけ画像をインターネット上に公開したのだ。「洗浄機で洗われてきれいになっちゃった」というコメント付きで洗浄機に横たわったり、顔を突っ込んだりした画像をツイッターで投稿。さらには流し台に足をかけたり、胸をはだけ、店の茶碗をブラジャーのように胸に当てたりした画像など、目覆わんばかりの画像も投稿していた。
問題行為が発覚して、ネットが「炎上」する騒ぎになったのは8月9日。「不衛生だ」などとクレームの電話が相次ぎ、店は閉店に追い込まれた。そして、その後、営業を再開することなく、破産に至ってしまった。
引用:「バイトテロ、一生許せない」あのそば店社長からの手紙
アルバイトの学生が投稿した悪ふざけの画像は、今でも検索をすれば見ることができます。軽いノリでの投稿でしたが、投稿は10年経っても50年経っても残ったままになります。
某匿名掲示板で数年に渡り、人種差別や他者をバカにするような投稿を続けていた少年がいました。
少年は大学受験後に合格証明書の画像を投稿。もちろん学校名や本名は写っていませんでしたが、その投稿がきっかけで進学する大学や本名などが知られてしまうことになり、自宅にまで嫌がらせがおよぶ事態にまで発展。現在でも本名や住所、顔画像、過去の発言などが公開されています。
実名を明かしていない掲示板での暴言がきっかけでの事例でした。一度流失してしまった情報を完全に消すのは不可能なので、これからの人生ずっと『名前を検索されたら知られたくないことを知られてしまう』という恐怖と戦うことになります。
ちょっとした出来心での投稿がきっかけで学校を退学になってしまった事例です。
前橋市内のスーパー店舗内で客がアイスクリームの冷蔵ケースで寝転んだ写真がTwitterに投稿された問題で、投稿した学生が通う「群馬調理師専門学校」(同市)は8月21日、学生は退学になったことを明らかにした。同校は「食に携わる者としての倫理観を著しく欠いた問題を起こした」と謝罪している。
この問題は、カスミ(茨城県つくば市)が運営する同市内の「フードスクエアガーデン前橋店」で、冷蔵ケース内のアイスの上に寝転んだ男性の写真が19日夜にTwitterに投稿されたもの。カスミは同店のアイスクリームを全て撤去し、冷蔵ケースを消毒した上で、商品を入れ替えて販売したほか、商品の返金に応じるなどの対応に追われた。
本名がわかるようなアカウントで投稿していた場合、本名と、炎上の内容はあっという間に拡散されてしまいます。『スーパーの冷蔵ケースに寝転んで学校を退学になった人』として一生生きていかなくてはなりません。
自身が投稿をしたわけではないのに巻き込まれるケースもあります。
元交際相手の裸の写真をインターネット上で公開したとして、脅迫や私事性的画像記録の提供被害防止法違反などの罪に問われた、鳥取県境港市の無職、東賢一被告(39)の判決公判が12日、横浜地裁で開かれ、樋上慎二裁判官は、懲役2年6月、執行猶予4年(求刑懲役3年)を言い渡した。ネットを用いたリベンジポルノ(復讐=ふくしゅう=目的の画像投稿)で、同法違反に基づく判決は全国で初めて。
樋上裁判官は判決で「長期に渡り敢行され、被害者の精神的苦痛や人格の損害程度は大きい」と指摘。その上で「他人の恐怖心を理解できない認知のゆがみを解消する必要がある」として保護観察処分を付した。
判決によると、東被告は昨年8月、無料通信アプリLINE(ライン)で、元交際相手の女性に「写真ばらまきます後悔させてやる」などと連絡。今年1月には、自らの簡易投稿サイト「ツイッター」に、元交際相手の裸の写真を10回にわたり投稿した。
リベンジポルノの加害者に投稿を消させることができたとしても、画像や動画を保存していた他者により繰り返し投稿されます。根絶やしにするのは不可能でしょう。
小さな炎上であれば、問題となっている書き込みやツイートを発見して、削除するだけで解決できるかもしれません。下記リンクを参考にしてみてください。
一度公開してしまったものは他者の複製・拡散により、投稿者本人でもコントロールすることが困難になります。これを、『一生消えない』という意味でデジタルタトゥーと呼んでいるそうです。
炎上者は元通りの人生を送る事さえできなくなってしまう可能性があるので、個人情報の流出などに細心の注意を払いながら、適度な利用を心がけるのが好ましいでしょう。
インターネットが身近になっている今だからこそ、もう一度付き合い方を見直す必要があるかもしれません。
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