ビットコイン詐欺の実態|仮想通貨への投資詐欺で騙されないための知識

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弁護士法人ネクスパート法律事務所
寺垣 俊介
監修記事
ビットコイン詐欺の実態|仮想通貨への投資詐欺で騙されないための知識

ビットコイン詐欺(びっとこいんさぎ)とは、仮想通貨ビットコインを用いた投資詐欺のことです。「確実に儲かる」「今しか買えません」など、巧みな話術でターゲットの射幸心を煽りますが、実際には儲かりません。

ただ、ビットコイン自体は詐欺でありません。そもそもビットコインとは、仮想通貨や暗号通貨と呼ばれるデジタルの通貨です。日常生活で使われることを前提に作られており、将来的にスマートフォンを財布代わりにして商品やサービスを購入できるようになる可能性があります。

あなたは最近、知人や知らない人からビットコインへの投資を勧められはしなかったでしょうか?

今回は、ビットコインが詐欺と言われる理由に言及した上で、ビットコインを使った詐欺の手口とその事例、被害に遭わないための対策と、被害に遭ってしまった際の対処法についてお伝えします。

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ビットコイン自体は詐欺ではない|ビットコインが詐欺と言われる理由

ビットコイン自体は詐欺ではない|ビットコインが詐欺と言われる理由

まず、ビットコインが詐欺と思われてしまう理由をお伝えします。

日本初のビットコイン取引所が破綻してイメージが悪くなったから

日本経済新聞『マウントゴックス破綻 ビットコイン114億円消失』にあるように、日本初のビットコイン取引所“マウントゴックス社”が破綻したことで、破綻したマウントゴックス社ではなく、ビットコイン自体に問題があるかのように報道されることもありました。

その結果、ビットコインに対して「よくわからないけれど危険な通貨」というイメージを持つ人も現れました。

ビットコインのシステムを使い、誰でも似たような仮想通貨を作れるから

ビットコインには、ブロックチェイン、P2Pという技術が使われています。コードが公開されているため、知識があれば誰でもビットコインのような仮想通貨を作れます。この技術を悪用して、価値のないコインがあたかも儲かると思わせてお金を騙し取る詐欺師が現れました。

その結果、ビットコインの印象が強く残ったことから、偽の通貨ではなくビットコインを詐欺だと思ってしまう被害者も現れました。

ビットコイン詐欺の手口

ここからは、ビットコインを悪用した詐欺の手口を確認していきましょう。

投資セミナーを開き購入を勧める

投資セミナーをかたり、詐欺コインを販売する手口です。また、代理店を名乗り、将来が有望なコインに見せかけ投資を促す場合もあります。仮想通貨が欲しければ、金融庁に登録されている取引所で購入しましょう。

詐欺師が複数人登場する

複数の詐欺師が複数の業者や公的機関等の職員に成りすます手口を劇場型詐欺といいます。複数の人物が同一のコインを儲かると言ってくるため、ターゲットはあたかも現実の出来事を話されているかのように錯覚してしまう場合があります。

金融庁の職員をかたり購入を促す

公的機関の職員に成りすまし、仮想通貨の購入を勧める手口です。フォーマルなスーツを着ていたり、偽造した名刺を見せたりしてくるため、本物と錯覚してしまうこともあります。金融庁の職員が言っていることだから正しいだろうと思い込み、被害に遭ってしまう人もいます。

買取保証をつけて安心させる

買取保証をしてターゲットを安心させる手口もあります。ただ、買取保証といっても購入分の50%程度しか買い取ってくれません。ターゲットからすれば、買い取りをしてもらえるため安心感が生まれるかもしれませんが、詐欺師からすれば買い取りを保証しない50%分はそのまま利益になるため、買取保証をした方が詐欺と気づかれにくい場合もあります。

ビットコイン詐欺でよく使われる勧誘文句

ビットコイン詐欺では、次のような甘い言葉でターゲットの投資を促します。

  1. 将来確実に儲かります
  2. 今しか買えません
  3. ここでしか買えません
  4. プレセールス中です

将来確実に儲かるのに、なぜ自分で購入せず他人に売るのでしょうか?今しか買えない根拠は何なのでしょうか?甘い言葉に釣られて、価値のないコインを買わないようにしたいものです。

儲かることもあるので詐欺と気づきにくい場合も

賢い詐欺師の場合、本当に儲かることがある仮想通貨を勧めてきます。コインの値が上がり、「本当に儲かった!」とターゲットに思わせることで、追加の投資を促し最終的により多くのお金を騙し取ります。

ビットコイン(仮想通貨)詐欺の事例

A社から電話があり、「黄色い封筒が届いていないか」と聞かれた。そのときは届いていないと伝えたが、数日後、封筒が届いた。中にはパンフレットと案内状のようなものが入っていた。

 再度A社から電話があり、「この地域にしか配られていないB社のパンフレットである。今後何倍にも値段が上がる仮想通貨を購入することのできる権利なので譲ってほしい」と言われた。よく分からないので電話を切ったが、他の業者からも「権利を譲ってほしい」というような電話がたくさんかかってきた。再びA社からしつこく電話があったので、「権利を売る」と伝えると、A社から「B社に連絡して仮想通貨がどれくらい残っているか確認してほしい」と言われた。B社に連絡すると「残りわずかなので、急いだほうがよい」と言われた。その旨、A社に伝えると、「早く仮想通貨を確保しないといけない。当社が高額で買い取るのでB社に電話をして、仮想通貨を買いたいと伝えてほしい」と言われた。

 お金がないと断ったが何度もしつこく言われて怖くなり、断ることができなくなった。B社に「仮想通貨を購入する」と電話したところ、B社の社員が来訪した。契約に関する説明はなく、また、じっくりと契約内容を確認する間もなく、言われるがまま契約書にサインし、合計100万円を手渡した。

 しかし、冷静になって考えると、購入した仮想通貨を確認できていない。怖いし不審なのでB社との契約をやめて、お金を返してほしい。

(70歳代 女性 無職)

引用元:国民生活センター

複数の業者が登場する劇場型詐欺を用いた手口です。この事例では、しつこく勧誘をされることで被害者が折れて、最終的に100万円を現金で渡してしまいました。

詐欺や悪徳商法に不用品を高額で売りつけられないようにするためには、いらないものはきっぱりと断る必要があります。

ビットコインが詐欺に悪用されやすい理由

ビットコインが詐欺に悪用されやすい理由

上記を踏まえ、ビットコインが悪用されやすい理由をお伝えします。

値段の相場が決まっていないから

ビットコインを始めとする仮想通貨は価格が決まっておらず、相場が不明確な場合があります。したがって、購入者は通貨の本当の価値について相場を調べて判断するのが難しく、相場がないため高くても一概に詐欺と言えない厄介さがあります。

出資法、金融商品取引法、証券取引法などに触れないから

仮想通貨であるため、未公開株や外貨を用いた投資詐欺のように出資法や金融商品取引法、証券取引法といった厳しい法に触れません。投資詐欺をする詐欺師からすれば、仮想通貨は悪用されやすいのではないでしょうか。

詐欺を立証するのが困難であるから

相場が決まっておらず、他の投資詐欺の商材よりも法律の縛りがゆるいため、詐欺師は「詐欺ではない」と主張しやすくなります。詐欺を証明する困難さを考えると、ビットコイン詐欺にだけは騙されたくないものです。

ビットコイン詐欺を未然に防ぐ方法

ビットコイン詐欺に遭わないためには、金融庁に登録されている取引所で取引をするようにしましょう。

セミナーで購入しない

セミナーでビットコインを買うのはやめましょう。金融庁に登録していない者から仮想通貨を購入する以上、騙されても仕方がありません。

”代理店”に騙されない

仮想通貨は個人同士で直接やり取りができるシステムです。したがって、代理店は不要です。代理店という言葉が出てきた場合は詐欺を警戒しましょう。

ビットコイン詐欺に遭ってしまった際の対処法

最後に、ビットコイン詐欺に遭ってしまった際の対処法をお伝えします。

販売元に買い取りをお願いする

買取保証がされていた場合、ダメ元で購入してしまった仮想通貨の買い取りを依頼しましょう。全部返っては来ないでしょうが、払ってしまったお金の一部は返ってくる可能性があります。

クーリングオフをする

電話勧誘販売や訪問販売から仮想通貨を購入した場合、書面を受け取ってから8日間はクーリングオフが可能です。クーリングオフ書面を販売会社に送付しましょう。

専門家に相談する

詐欺に遭ったと思ったら、すぐに警察や国民生活センター、弁護士等に相談しましょう。既にお伝えしたように、仮想通貨は詐欺と断ずるのが難しく、専門家に相談し判断してもらう必要があります。

まとめ

ビットコイン詐欺に騙されないようにするためには、セミナーや代理店で購入しないで、金融庁に登録されている取引所で購入するようにしましょう。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人ネクスパート法律事務所
寺垣 俊介
2016年1月に寺垣弁護士(第二東京弁護士会所属)、佐藤弁護士(東京弁護士会所属)の2名により設立。遺産相続、交通事故、離婚などの民事事件や刑事事件、企業法務まで幅広い分野を取り扱っている。

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