マルチ商法で困ったときの相談先やよくある相談内容|相談事例まとめ

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弁護士法人ネクスパート法律事務所
寺垣 俊介
監修記事
マルチ商法で困ったときの相談先やよくある相談内容|相談事例まとめ
  • マルチ商法の勧誘がしつこい
  • 会員になってしまったけど解約したい
  • 商品をクーリングオフしたいと言ったら、それはできないと言われた
  • 妻がマルチ商法にハマってしまった

マルチ商法に巻き込まれて自分だけでは対応しきれず、相談先を探してはいないでしょうか。国民生活センターには、毎年10,000件以上の相談が来ており、困っている人は決して少なくないことがわかります。

国民生活センター|マルチ取引

引用元:国民生活センター|マルチ取引

今回はマルチ商法で困ったときの相談先と、よくある相談内容別に対策をお伝えします。

マルチ商法で困っている際の相談先

マルチ商法に巻き込まれて困っている際は自力で何とかするのも良いですが、できない場合は専門の人に相談することで解決策が見えてきますから、迷う時間も少なくて済みます。

困っている内容に合わせて相談先を選びましょう。

国民生活センター|マルチ商法への対処法を相談したい方向け

マルチ商法に限らず、消費者被害に遭った際に対処法を相談できる独立行政法人です。

法律に関する質問もできますが、具体的に裁判でお金を取り戻すような依頼をすることはできません。

法テラス|クーリングオフなど法律に関して相談したい方向け

民間人の法律トラブルを解決するために国が設置した機関で、弁護士や司法書士に相談することができます。マルチ商法の場合もクーリングオフなどで法律が関わってきますが、なかなかクーリングオフできなかったり、期間が過ぎたあとでも返品したかったりする場合は法的知識が必要になります。

問題を解決するにあたり法的な知識が必要な場合に相談しましょう。

弁護士|法律のプロのサポートが必要な場合

知り合いやインターネットで消費者被害に詳しい弁護士が見つかれば、その弁護士に相談しましょう。弁護士を利用するのは、トラブルに巻き込まれて専門家のサポートが必要になった場合です。高額商品を購入してしまったが、どうしてもお金を取り戻せないときなどに相談しましょう。

マルチ商法でよくあるトラブルや相談の内容と対処法

マルチ商法でよくあるトラブルや相談の内容と対処法

マルチ商法のトラブルでよくあるパターンは、主に次の5通りです。それぞれの内容と対処法を確認していきましょう。

身内がマルチ商法にハマってしまった

身内がハマってしまうのは厄介なパターンです。というのも、実現可能か否かにかかわらず、マルチ商法で夢が叶うと思い込んでしまうと、マルチ商法をやめることは夢がなく退屈な日常に戻ることと同じです。

本人がハマりかけの場合はやめさせるのも難しくはありませんが、相当ハマっている場合、客観的に見て非合理でも、むやみに否定するのはおすすめしません

マルチ商法は世間体が良くないので、会員が悪くいわれたときの対処も考えています。彼らは否定的なことを言ってくる人間を「夢泥棒」「ドリームキラー」などと呼び否定することで、会員に対し間違っていないと思いこませようとします。

宗教を信じている人に神はいないことを信じさせるのは難しいように、マルチ商法で夢が叶うと思っている人を説得するのは難しいことです。国民生活センターやカウンセラーなど、専門家に相談するのがベストかと思います。

友達や上司に勧誘されて断りにくい

マルチ商法は口コミで広がっていくビジネスですから、勧誘される側からすればしつこくされると迷惑な割に、断りにくいから大変です。

関係を続けないといけないけれど断りたい場合は、「自分の会社は副業禁止だから」など、やむを得ない理由を伝えそれ以上勧誘しても無駄だと思ってもらえるようにしましょう。

入会してしまったが退会したい

何もいわず活動を停止しても良いですが、年会費が自動引落しになっていると自動でお金が引かれていきますから、書面で退会するのをおすすめします。

他のメンバーから引き止められるかもしれませんが、法的に辞めてはいけない理由はありませんから、上記でお伝えした相談先に指示を仰ぐようにしてください。

商品をクーリングオフしたい

マルチ商法の場合は、書面を受け取った日から20日以内であれば書面にてクーリングオフが可能です。下記のように記入し、特定記録郵便や簡易書留といった記録の残る方法で販売元の会社に書面を送りましょう。

国民生活センター|クーリング・オフって何?

引用元:国民生活センター|クーリング・オフって何?

期限が過ぎていた場合

いくらマルチ商法でもいつでもクーリングオフして良いわけではありませんが、

  • 契約書を受け取っていない場合
  • クーリングオフを妨害された場合

は例外として20日を過ぎていてもクーリングオフ可能です。契約書の内容に嘘があったり、法律に反していたりした場合も、受け取っていない場合と同様です。

また、クーリングオフを妨害された場合というのは例えば

  • クーリングオフができないと嘘をつかれる
  • クーリングオフをすると損害賠償を請求すると脅された
  • 使った商品を返品するのは常識がないといわれ受け入れてもらえなかった

などのことをいいます。クーリングオフをさせないために何か言われたりされたりした場合は妨害に当たる場合があるので諦めることはありません。

中途解約制度

また、契約書を受け取って妨害もされていないけど期限が過ぎていた場合も、中途解約制度を利用すれば返品できる場合があります。ただ、その場合は次の条件を満たしていなければいけません。

1.入会後1年を経過していないこと

2.引渡しを受けてから90日を経過してない商品であること

3.商品を再販売していないこと

4.商品を使用または消費していないこと(商品の販売を行ったものがその商品を使用または消費させた場合を除く)

5.自らの責任で商品を滅失またはき損していないこと

引用元:特定商取引法ガイド|中途解約・返品ルール(法第40条の2)

中途解約しにくい雰囲気であれば、国民生活センターに対処法を教えてもらいましょう。90日を経過していない商品しか返品できませんから、スピード感のある対応が重要になってきます。

借金をして商品を購入してしまった

マルチ商法では入会時に消費者金融などからお金を借りさせて高額商品を買わせる場合もあります。

借りてしまったものは仕方がありませんので、この場合も上記のようにクーリングオフや中途解約を試みて、戻ってきたお金を返済に当てるのがまずやるべきことです。

マルチ商法のトラブル事例

ここでは、国民生活センターに寄せられたマルチ商法のトラブルを見ていきましょう。

高齢者がターゲットになる事例

友人に紹介された人が自宅に来訪し「会員になれば1箱1万3千円で体に良い飲料水を購入できる。登録料は、2箱購入すれば免除。人を紹介するとボーナスがもらえる」と言われ、断りきれずに契約した。目が不自由なため契約書はその人に書いてもらった。その後、商品が届いた際に、宅配業者から宛名ラベルには業者の住所も連絡先も書いていないと教えてもらい、不審に思った。解約したいが、一人暮らしのため書類が読めず連絡できない。(70歳代 男性)

引用元:国民生活センター|友人からの紹介でもきっぱり断って!マルチ商法的勧誘に注意

マルチ商法についてよく知らない学生や主婦が勧誘のターゲットになりやすい一方で、今回の事例のように判断力が落ちている老人が狙われるパターンもあります。高齢者の方は無理をせずご家族や国民生活センターに頼るのがベストです。

詐欺や悪徳商法などに対しては、焦りながら自分一人で判断したり、悩んだりするのが最も危険です。

身内の方が信じ込んでしまっている事例

妻がPTAの知り合いに誘われ、マルチ商法と思われる企業の説明会に行ったところ、「ビジネスチャンスがある」「絶対に儲かる」などと説明され、入会してしまった。本人は信じ込んでしまっているが、どうにかならないか。

引用元:国民生活センター

先程もお伝えしたように、身内の方がハマってしまった場合は強く言うと関係に亀裂が入りかねませんから厄介です。

対応は難しいですが、否定をしないようにしながらも、マルチ商法では儲からなかったり、夢が叶わなかったりするということを地道に理解させていきましょう。

また、マルチ商法にハマってしまった根本的な背景

  • 現状や自分に満足していない
  • 毎日退屈に生きている
  • 自損欲求や承認欲求が満たされていない

などを見抜いて満たしてあげることで、マルチ商法に頼らないで済むようになるかもしれません。

まとめ|マルチ商法に遭った際にまずすべきこと

マルチ商法で困っている場合にやることはシンプルです。もしあなたが巻き込まれている本人であれば、

  • 退会する
  • クーリングオフする
  • 中途解約する
  • 勧誘を断る

のいずれかの行動をとるべきですが、それができないから困っているのだと思います。そんなときはこのページでお伝えした相談先に連絡し、一緒に対処法を考えてもらいましょう。

また、身内がハマっている場合も

  • 相談する
  • むやみに否定しない

とやることはシンプルです。もし自力で止められるのであればそれでも構いませんが、マルチ商法で夢が叶うと信じている人を現実に連れ戻すのは難しいことです。

国民生活センターでもご家族でもご友人でも良いので誰かに相談し、一人で悩まないことが大切です。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人ネクスパート法律事務所
寺垣 俊介
2016年1月に寺垣弁護士(第二東京弁護士会所属)、佐藤弁護士(東京弁護士会所属)の2名により設立。遺産相続、交通事故、離婚などの民事事件や刑事事件、企業法務まで幅広い分野を取り扱っている。

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