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KL2020・OD・037
クレジットカード現金化とは、ショッピング枠で購入した商品を売却し現金を得る行為のことです。例えば、クレジットカードで購入した20万円のバッグを業者に買い取ってもらい、16万円の現金を手に入れる行為などもクレジットカード現金化の一例です。
高く売れる商品を探すのには時間がかかるため、実際は業者が介入することが多いようです。その際の換金率は80%~95%と言われており、もし貸金業であれば法定利息を超える暴利になる場合もありますが、あくまで古物商なので貸金業法で規制できていないのが現状です。
このページでは、クレジットカード現金化の概要を説明したうえで、違法性について言及します。さらに、違法スレスレであるにも関わらずサービスがなくならない背景や、利用者にとってのメリットとデメリット、よくあるトラブル事例についてお話していきます。
目次
はじめに、クレジットカード現金化の簡単な概要を説明します。
クレジットカード現金化とは、クレジットカードで購入した商品を売却するなどによりで現金を得る行為のことを言います。
個人でもできますが、換金率が高い商品や高く売れるお店を探さねばならないため、業者に依頼する場合がほとんどです。
その場合、消費者がクレジットカードで購入した商品を業者が買い取ることで、消費者が現金を手にします。
ほとんどの業者は、古物営業法に基づいて営業しており現在のところ違法ではありません。
しかし、やっていることは実質的に貸金業のため、貸金業法と出資法に違反するという理由で違法とする見方もあるようです。
クレジットカード現金化の問題点を理解するには、クレジットカードの仕組みを知る必要があります。クレジットカードには、お金を借りる際に使うキャッシング枠と、買い物を目的で利用できるショッピング枠があり、それぞれ限度額が決まっています。
クレジットカード現金化とは、このショッピング枠を使い購入した商品を売却する行為で、実質キャッシング枠と同じ役割を果たしています。
クレジットカード現金化をする人は、キャッシング枠を限度いっぱいまで借りている人が多く、返済不能になるほどの借金を抱えるリスクがあります。
キャッシング枠の限度を超えてお金を借りられるというのがクレジットカード現金化の問題点です。
購入の対象になる商品には、換金率の高いものが選ばれます。具体的にはブランド品や未開封のゲーム機、切符や商品券などがあります。
クレジットカード現金化は違法でないとする反面、実質的な金利が法定利息を超えているため違法とする見方もあります。
ショッピング枠を使って事実上お金を貸しているのと同じだという理由から金融業者と判断され、出資法と貸金業法違反で逮捕された業者もあります。 古物商とされれば違法ではないし、貸金業とされれば違法になるようです。
これだけ違法スレスレなのに、なぜクレジットカード現金化はなくならないのでしょうか。ここでは代表的な2つの理由を見ていきます。
上で述べたケースは貸金業と認められたから違法にできましたが、実際は古物商なので今のところすべてのクレジットカード現金化業者を貸金業法で必ずしも規制はできてはいません。
利用者が売りに来た商品を買い取ること自体に何も違法性はありませんから、今後法規制が整備されることを期待するしかなさそうです。
2010年6月18日に貸金業法が完全施行され、借金の限度額が年収の1/3までに制限されました。このことが皮肉にもクレジットカード現金化の利用者を増やすことにつながっています。新しく定められた限度額以上にお金を借りたい人が銀行や消費者金融ではなく、クレジットカード現金化業者に流れるようになりました。
総量規制とは個人の借入総額が、原則、年収等の3分の1までに制限される仕組みを言います。(ただし一部除外または例外となる借入れもあります。)
引用元:貸金業法について
ここでは、クレジットカード現金化についての理解を深めるために利用者側のメリットとデメリットを整理していきましょう。
クレジットカード現金化業者のHPを見ると、「審査がいらないのでフリーターやニート、主婦の方も利用できます」といった旨の記載がよくあります。借金とは異なり審査が必要ないため、ショッピング枠に空きさえあれば利用できます。
申し込んだ当日に振込をしてくれる業者も多く、すぐに現金が必要な人に利用されているようです。
上でも触れたように年収の1/3以上借金があったり、キャッシング枠が埋まっていたりする人でも利用できます。次の月にカード会社から請求が来る点に目をつぶればメリットと言えそうです。
キャッシング枠の上限はその人の返済能力に応じて決まります。それ以上にお金を借りようとしてクレジットカード現金化に手を出すわけですから、多重債務の温床になっていると言っても過言ではないでしょう。
換金率の相場は80%~95%です。利息制限法では、借金の額が10万円以内の場合は20%、10万円以上100万円以内の場合は18%が年利の上限として定められており、貸金業法が適用されるとすれば良くて上限スレスレか、悪くてそれ以上の手数料がかかることもあります。
利息制限法
(利息の制限)
第一条 金銭を目的とする消費貸借における利息の契約は、その利息が次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める利率により計算した金額を超えるときは、その超過部分について、無効とする。
一 元本の額が十万円未満の場合 年二割
二 元本の額が十万円以上百万円未満の場合 年一割八分
三 元本の額が百万円以上の場合 年一割五分
引用元: 利息制限法第一条
さらに、分割払いやリボ払いを利用する場合は別途利息がかかるため、普通に借金するよりも重い負担を課せられる点も忘れてはいけません。
クレジットカード現金化はカード会社の会員規約で禁止されています。例えば、アコムの会員規約には次のようにあります。
【ショッピング条項】
第32条(ショッピング等の利用)
5.本条第1項の規定にかかわらず、会員は、現金化を目的としたショッピング等の利用はできないものとします。
引用元:AC会員規約
現金化目的のショッピング枠利用が発覚した場合、カードを利用できなくなります。さらに、これまでの利用分を一括払いで請求されるので、多額の支払いが一気にのしかかることになります。
さらに、クレジットカード現金化をしていた場合自己破産しても借金から逃げられません。ギャンブルで借金をした場合、自己破産しても借金が消えないと知っている人は多いと思います。
借金の支払いを免除されることを免責許可といいますが、実はショッピング枠を現金化目的で利用すると破産法第二百五十二条二項に引っかかり、ギャンブルのように免責許可が降りなくなります。
第二百五十二条 裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。
二 破産手続の開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担し、又は信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分したこと。
引用元: 破産法 第二百五十二条二項
クレジットカード現金化を行う業者には悪質な業者も存在しています。最初に提示していた換金率よりも低い換金率で取引されたり、さらに悪ければ現金が振り込まれなかったりします。
サービス利用時に運転免許証やクレジットカードの写真を求められたり、コピーを取られたりすることもあります。悪質な業者に引っかかると、あなたの個人情報を他の業者に売られたり、犯罪に巻き込まれたりする恐れがあります。
クレジットカード現金化は審査不要ですぐお金を振り込んでもらえるため、急にお金が必要になった人が焦って、よく確認もしないまま利用することも少なくありません。例えば、国民生活センターには次のような相談が来ています。
・クレジットカードの現金化を広告する業者に、今日中に2万円を借りたいと思い、カード番号と有効期限を電話で伝え申し込んだが入金されない。どうしたらよいか。
・クレジットカードのショッピング枠を利用して融資を希望したが、それとは別に銀行口座に身に覚えのない4万8,000円が振り込まれていた。これは押し貸しではないか。今後どうしたらよいか。
引用元:国民生活センター
クレジットカード現金化という違法スレスレの行為をする以上、銀行や大手消費者金融のように社会的信用がある業者と取引できるわけではありません。今後、法規制される可能性もある手法ですから利用しないようにしましょう。
ショッピング枠に空きがあれば、大抵は誰でも審査不要で気軽にクレジットカード現金化を利用できます。
しかし、この誰でも気軽にというのが問題で、キャッシング枠が埋まっている人の多重債務を助長したり、すぐにお金が必要になる焦りから悪徳業者に引っかかっても気づかないまま取引が進んでしまったりする場合もあります。
トラブルに巻き込まれないためにも利用は控えていただくことをオススメします。
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本記事はあなたの弁護士を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
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