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KL2020・OD・037
リフォーム詐欺とは、「床下がシロアリに食われている、すぐ工事しないと家が倒れるおそれがある」などと恐怖心をあおり、本来必要のない工事をして高額な工事費・材料費を請求することです。契約だけして工事をする前にいなくなる場合もあります。
最初は床下の点検だけだったのに、他にも屋根裏や耐震補強など次々と問題点をでっち上げ、トータルの被害額が300万円と高額になることもあります。
引用元:国民生活センター
国民生活センターにはリフォーム工事に関する相談が毎年7,000件近く来ていますが、相談していなかったり気づかないまま放置したりしている世帯を考えるとこれはまだ氷山の一角と言えます。
そこで今回は、リフォーム詐欺の手口と実際の被害事例、詐欺がなくならない理由、詐欺に遭った際の対処法と予防法をご説明します。
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目次
リフォーム詐欺の業者は無料点検などを申し出たのち、「床下が腐っている」などで恐怖心をあおり、その場で契約を成立させようとしてきます。まずは、リフォーム詐欺の具体的な手口を見ていきましょう。
いきなり家庭に訪問してきて、無料で床下などを点検すると申し出てきます。「タダだからいいや」と思ってもらい、家の中に入れてもらうのが最初の目的です。善意で確認してくれている業者なのか、それとも騙そうとしているのか見分けるのが難しいポイントです。
無料点検が終わると、
上記のように不安を煽るような表現を使います。言われた側は「今にも家が崩れるかもしれない」という不安感から今すぐになんとかしたいと思ってしまいます。
など、今日契約すれば普通に工事するより安いと錯覚させていきます。
営業中は親身に話を聞き、工事中も優しく接することで疑われないようにします。本当に親切なのか、計算された親切なのか、なかなか見分けがつかないため難しいところではあります。
ここは覚えておきたいポイントです。本当に親切な業者であれば工事を急かすことはありませんが、リフォーム詐欺の場合は当日契約し、翌日工事に取り掛かるといったようにスピーディーで、消費者に考え直す時間を与えません。
工事が終わったあと、何か怪しいなと思って電話をかけてみても繋がらず、名刺に乗っていた住所は架空だったと気づいて初めて詐欺にあったのだと自覚します。
ちなみに、怪しいと自覚するきっかけには次のようなものがあります。
では、国民生活センターに寄せられたリフォーム詐欺の事例を見ていきましょう。
一人暮らしの高齢な母の判断力が最近衰えていると感じて帰省したところ、近隣住民から「業者の出入りが多い」と言われた。さっそく家の中を捜してみると、契約書の束が見付かった。
契約書で確認できただけで、母は5年前から、18の業者と47件もの自宅のリフォーム工事の契約を繰り返していた。業者の訪問販売で契約をし、ほとんどが契約したその日に工事をしていたようだ。工事内容は床下工事、屋根裏工事、外装工事、内装工事、浄水器の設置などであり、総額は約1,570万円にものぼっていた。
クレジット契約もみられたが、多くが現金での支払いであり、業者は年金支給日をねらって集金していたようだ。母の貯蓄はほぼ底を尽いていた。
母に聞いても、契約時の状況は覚えていないという。最近、認知症のため契約当事者能力はないと医師に診断されたが、数年前から認知症だった可能性が高い。工事内容をみると、同様の工事が何度も繰り返し行われていた。ほとんどの工事が不要だったのではないか。
引用元:国民生活センター
このように、リフォーム詐欺では、判断力が低下している高齢者がターゲットになる場合も少なくありません。契約当日に工事をして振り返る時間を与えていないのがお分かりいただけると思います。
また、詐欺に一度合う人は再び騙される可能性が高いのにも注意です。一度引っかかると、同じ業者に再びカモにされたり、他の業者に個人情報を売られてターゲットにされたりします。
リフォーム詐欺はなかなかなくなりません。その詳しい理由を見ていきましょう。
一般の消費者だと相場がわからず、施工の良し悪しが判断できません。先にもお話したとおり、安いと錯覚するような営業トークもうけていますから、「安く工事してもらえてラッキー」と錯覚してしまうことすらあるでしょう。
床下や屋根裏など、普段見ない場所だと自分で施工してもらった箇所をなかなか確認できません。また、確認しても良し悪しがわかりません。しかし、実際はホームセンターで買ってきた木材や耐熱材を釘で打ち付けただけなど、まともな工事はされていないことがほとんどです。
被害に遭ったら、まずは消費者生活センターや警察や弁護士に相談してアドバイスをもらいながら、早めに対処をしましょう。工事から8日以内であればクーリングオフ制度を利用できますし、業者が事実と異なる説明をしていた場合は消費者契約法により契約を破棄できます。
業者がクーリングオフに応じてくれた場合は原状回復義務という決まりがあり、工事をする前の状況に戻してくれます。
ただし、犯人の所在が不明な場合はクーリングオフは現実的に不可能ですから、まずは警察に被害届を出して犯人を探し出すことが先決になります。
最後に、リフォーム詐欺を未然に防ぐ方法を見ていきましょう。
リフォーム詐欺のほとんどは訪問販売なので、勝手に家に来た業者は無視しましょう。本当に必要なときは自分から依頼するようにするといいかと思います。
悪徳なリフォーム業者は無料点検や割引などを語り、お得感を演出してきます。しかし、あくまで演出であって、本当に安いとは限りません。一般の消費者に相場感覚がないのは仕方ないことですが、契約をする前には必ず確かめておきたいものです。
インターネットで検索してもわからない人は、複数の業者に連絡し見積もりを出してもらうと簡単に相場がわかります。
まともな業者は工事を急かすことはありません。焦って当日に契約しないようにしましょう。
名刺をもらったら、記載されている住所を確認しましょう。架空の住所の場合やレンタルオフィスの場合があります。所在地がわからなければ、詐欺だと気づいた後お金を取り戻しにくくなるので要注意です。
リフォーム詐欺に合わないためには、訪問販売を相手にせず、その場で契約をしないことです。一度詐欺に合うと、個人情報を悪徳業者間で売買され、2次被害の可能性も出てくるので注意しましょう。
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本記事はあなたの弁護士を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
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