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KL2020・OD・037
認知症や精神疾患などで判断能力を失ってしまった人の財産管理を支援する制度として、成年後見制度というものが存在します。被後見人は後見人に対して報酬を支払う必要があるのですが、いったいどれくらいの費用がかかってくるのでしょうか?
この記事では、そんな成年後見人に支払われる報酬額についての解説をしています。
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目次
まずは、成年後見人のそれぞれの場合での報酬額について、解説していきます。成年後見人制度では、その報酬額について法律で定められているわけではなく、被後見人の財産やその内容によって、裁判所が審判をして決めていきます。
支払いは、下の表のように月額目安から算定し、年に一度家庭裁判所での審判を経て一括で受け取ることが通常です。
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親族以外の |
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無料 |
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なお、後見監督人とは、後見人が被後見人の希望に沿った財産管理を行っているかを監視する人のことをいい、後見監督人にも同じく報酬を支払う必要があります。
まずはじめに、親族が後見人になった場合ですが、その際の報酬は、必ずしも支払う必要はありません。無償でやってくれる方もいるでしょうし、きちんと報酬という形をとって行うというケースもあります。
なので、親族同士でしっかりと話し合い、お互いに納得のいく形でその額を決めていきましょう。
次に専門家が後見人になった場合ですが、こちらは親族とは違い、しっかりと報酬を支払う必要があります。先ほども書きましたが、成年後見制度には支払う報酬額について法律上の定めがあるわけではなく、被後見人の事業内容や財産などから判断し、裁判所がその額を審判します。
その際の基準となる額について、ここから解説していきます。
後見人が通常の後見業務を行った場合、その報酬額の相場は月額2万円ほどで計算されます。ただし、被後見人が高額な財産を保有していた場合はその財産管理が複雑になる可能性が高いので、それにより報酬額が上がってきます。
その額は以下の表のとおりです。
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後見人のその後見業務において、身上監護などに困難な状況があった場合には、付加報酬として基本報酬額の50%が付加されます。
また、後見人が特別な行為をした場合、たとえば以下の報酬付与申立事情説明書に記載されているような行為をした場合にも、付加報酬としての相当額が支払われます。
成年後見制度には、本人が判断能力を失ってから裁判所によって後見人が選任される法定後見制度と、本人の判断能力がまだあるうちに任意で後見人を選任することができる任意後見制度の2つがあります。
法定後見制度では上に記載したように、基本報酬と付加報酬を合わせた額を、選任された後見人に支払います。これらの額は法律で定められているわけではなく、家庭裁判所の審判によって決められます。
一方、任意後見制度は、本人が信頼のおける人を任意で選任することができる制度です。つまり、必ずしもそれが専門家である必要はなく、家族や親族に選任することもできるということです。
なので、本人とその後見人との話し合いで報酬額を決めることができ、無償であったり安い報酬での後見を依頼することも可能です。ただし、任意後見制度を利用する場合は、任意後見契約を公正証書で作成しなければならないとか、任意後見監督人の選任をしなければならないなど一定の制約もありますので、注意しましょう。
次に、もしもあなたが成年後見人になった場合の報酬額の請求方法について、解説していきます。下の図のように、成年後見人としての報酬を得るためには、家庭裁判所に申立を行う必要があります。
その後は家庭裁判所で審判が行われ、無事に審判が下ると、その報酬が被後見人から後見人へと支払われます。
・報酬付与申立書
家庭裁判所に申立を行う際、まずは必要書類を送付する必要があります。その必要書類について、解説していきます。
報酬付与の申立には、
これらの書類が必要です。
また、付加報酬を求める場合には、報酬付与申立事情説明書も一緒に用意しましょう。
報酬が支払われる時期は、家庭裁判所の審判によって決められます。
こちらの図のように、成年後見人が家庭裁判所に報酬の請求を申し立て、その後の審判によって報酬の支払いが決定します。
この決定を経た後に、成年後見人のもとへと報酬の支払い通知が行われるのですが、実際に報酬が支払われるのは成年後見人の役割を請け負ってから1年後が一般的です。
このように、成年後見人の報酬は月々の支払いではなく、基本的には年に1回の頻度で報酬請求の申立をし、後日一括払いとなるケースが多いようです。
成年後見人の報酬額は法律で決まっているわけではなく、本人の財産や事業内容などによって裁判所が審判し、その報酬額を決めていきます。
そのため、裁判所に対していかにアピールできるかが、その報酬額を上げるための鍵になってきます。
これらに該当する場合、それを『付加報酬を求める場合の資料』に記載して、裁判所へ提出します。
『付加報酬を求める場合の資料』には定型はないため、いかに本人の財産確保に貢献したか、またはどんなことにどれだけ苦労したかなど、報酬を求める正当な理由を事細かに記載し、裁判所に提出しましょう。
例としては、
など、自分がしてきたことを具体的に記載すると効果的です。
成年後見制度を利用した際、後見人としてふさわしい人が親族にいなかった場合には、やむを得ず第三者の専門家が後見人となるケースも考えられます。
その際には、経済的な理由で報酬を支払うことができないといったことも起こり得るでしょう。そんなときは次に紹介する、成年後見人利用支援事業を使用することをおすすめします。
成年後見人利用支援事業とは、本人に身寄りがいないなど、親族による後見を開始できないとき、本人の住む場所の市長(あるいは町長や村長)が代わりに申立を行うことです。
また、この成年後見制度を利用するための費用を支払うことが困難な場合、その申立費用や後見人への報酬額の助成を行います。
この成年後見人利用支援事業の対象となる方は、65歳以上で2親等以内の親族がいない、もしくは音信不通により、後見開始の申立を行うことができないといった人です。
この際、申立手数料、登記手数料、郵便切手代、鑑定料を、市長が負担します。
これらに該当する場合には、この成年後見人利用支援事業の利用をぜひ検討してみてください。
今回は、成年後見人へ支払う報酬額、または後見人になった場合に受け取る報酬額について、解説記事を書いてきました。
これらに関しては、法律できちっと定められているわけではありません。
そのため、相場といった形でしか判断することはできませんが、ある程度の決まりやルールがありますので、ぜひこの記事を参考に、理解を深めていっていただけたら嬉しく思います。
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KL2020・OD・037
本記事はあなたの弁護士を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
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