労働審判とは|割安な費用で迅速に労働問題解決を目指せる

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弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
労働審判とは|割安な費用で迅速に労働問題解決を目指せる

労働審判(ろうどうしんぱん)とは、解雇や給料の未払いなど、企業と従業員個人に起きた問題を、円満かつ迅速に解決することを目的とした法的手続きです。

通常訴訟より解決が早く、費用も安く済むので、問題を抱えている労働者は申し立てを検討するべきでしょう。

この記事では、労働審判の概要と、申し立てに必要な金額、申し立てから解決までの流れをわかりやすく説明します。

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労働審判の概要

労働審判の概要まずは労働審判の概要について説明します。

企業と従業員の争いを解決するための手続き

企業(使用者)と従業員(雇用者)との間で起きた労働問題を解決するための裁判所の手続きです。従業員個人に起きた問題が対象であり、

  • 従業員複数人、もしくは団体での申し立て
  • 従業員同士や、上司などに対する申し立て

などはできません。具体的には、集団リストラ問題やパワハラ上司に対する申し立て、などは対象外です。

労働審判で申し立てられる内容

申し立てられる内容は、従業員の利益や権利に関する問題です。例えば、

  • 不当解雇や雇い止め
  • 給料や残業代の未払い

などの問題が代表的です。賃上げ交渉などの利益闘争には利用できません。

地方裁判所で行われる

労働審判は地方裁判所で行われます。具体的にどの地方裁判所で行われるかは、問題の起こった企業の最寄りであったり、双方の話し合いで決めたりします。

通常訴訟よりスピーディーに結果を出せる

通常訴訟では結果が出るまでに1年以上かかることもありますが、労働審判は非常にスピーディーです。手続きや流れについては後述しますが、労働審判の場合、申し立てから解決まで最大でも4ヶ月前後で済みます。スムーズに和解できた場合にはさらに期間を短縮できます。

自分で労働審判を行う場合にかかる費用

自分で労働審判を行う場合にかかる費用

次に自分で労働審判を行う場合にかかる費用を説明します。

お金を請求する場合には印紙代

未払い給料などの金銭を請求する場合、その金額に応じて、申立書に印紙を貼る必要があります。金額は10万円につき1,000円程度なので、そこまで高額というわけではありません。

手数料額早見表 – 裁判所

【引用元:手数料額早見表 – 裁判所

100万円以上の金額を請求する場合は上記リンクを確認してください。

書類の郵送にかかるお金

申立書は直接提出しても良いですし、裁判所の事件係に郵送してもOKです。郵送費用は最寄り郵便局に確認するか、郵便局のホームページを確認してみてください。

労働審判を弁護士に依頼する際にかかる弁護士費用の種類と相場について

労働審判を弁護士に依頼した場合には以下のような金額が必要になります。

費用

説明

相場

相談料

弁護士に法律相談をするための費用

1時間5,000円~10,000円

初回の相談料を無料にしている事務所もあり

着手金

実際に依頼に着手するための費用

請求金額の10%程度

報奨金

弁護士が依頼を成功した(お金をとることができた)場合に支払う費用

取ることができたお金の20%~30%

実費

交通費、印紙購入代など

 

以上が弁護士費用の目安になります。労働審判の場合、かかった弁護士費用を会社に請求することはできません。

労働審判の流れ

労働審判の流れ

最後に労働審判を申し立てるために必要な手順や流れを紹介します。

まずは労働審判の申し立てをする

労働審判において最初に行うのは、書類の作成と提出です。

  • 労働審判の申立書
  • 証拠となる各書類

これらを用意して地方裁判所に提出することになります。

裁判所から呼び出しがかかる

従業員が送付した申立書が受理されると、裁判所から『呼び出し状』が届きます。これは企業にも従業員にもどちらにも送付され、従業員が証拠として送付した書類も企業に転送されることになります。第1回目の呼び出しは申し立て日からだいたい1ヶ月程度です。

第一回期日~第三回期日

実際に地方裁判所に赴くことになります。従業員が提出した証拠書類と、それに対する企業からの答弁書を読み上げ、事実の確認をしていくことになります。

お互いが納得し、争いを解決することができれば第一回で終了しますが、解決をしなかった場合は基本的に3回を上限として期日が開かれます。

裁判所から解決案が出される

争いに関する事実や、双方の言い分を十分に確認できた場合、労働審判官から解決案が提案されます。お互いがそれに納得できた場合はここで和解となります。

それでも解決しない場合には審判が下る

労働審判官からの提案をもってしても解決に至らなかった場合には、強制的に審判を下すことになります。審判に対しては異議を出すことができ、異議が出れば審判は効力を失い、通常訴訟に当然に移行します。

審判について異議が出されず、これが確定すれば、判決と同じ法的強制力を持ちますので、双方きちんと従う必要があります。

まとめ

労働審判の概要や費用、簡単な手続きや審判の流れなどを紹介しました。労働審判は、労働問題に限定されますが通常の訴訟よりも早いスピード、かつ安い金額で判断を法的手段にでることができます。

  • 会社から不当な解雇を受けた
  • 払われていない給料がある

などの問題が解決できずに苦しんでいる方は労働審判の申し立てを検討しましょう。また、自身での解決に自信がない方は弁護士に依頼をするのがおすすめです。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。第二東京弁護士会所属。

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