不当解雇の慰謝料相場|会社に損害賠償を請求する手順

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弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
不当解雇の慰謝料相場|会社に損害賠償を請求する手順

不当解雇にあった際、不当解雇によって働くことができなかった期間の労働賃金や未払いの残業代、不当解雇による慰謝料等を請求することができます。

この記事では、不当解雇の慰謝料相場や請求金額の目安、実際に慰謝料を請求できた裁判事例などをご紹介します。

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不当解雇の慰謝料相場と請求時に知っておくべきこと

不当解雇の慰謝料相場と請求時に知っておくべきこと

不当解雇で会社に慰謝料を請求したいと考えている場合に請求金額の目安などを知っておくと問題解決がスムーズに行えます。

この項目では、当該目安や慰謝料が認められるような解雇理由などもご紹介します。

慰謝料は必ずしも認められない

不当解雇の場合に慰謝料が認められるかどうかは、解雇の理由や就業の状態によって変わります。

解雇が違法・無効なものでも、慰謝料請求が認められるとは限りません。ただし、よほど悪質なケースで解雇によって働けなかった期間の労働賃金を支払ったとしても、心理的負担などには足りない場合は慰謝料が別途認められる可能性があります。

なお、慰謝料の支払いが認められた場合もせいぜい50万円〜100万円ほどと言われています。

慰謝料請求が認められるケース

不当解雇の慰謝料は、全てのケースで慰謝料請求が認められるわけではありません。例えば以下のように、悪質なケースであれば慰謝料が認められる可能性があります。

内部告発(労働基準監督署への申告)の報復として解雇された

サービス残業をはじめとする会社の不正を労働基準監督署に告発したことで解雇することは、労働基準法で禁止されています。特に内部告発者に報復的露して解雇する行為は悪質といえ、慰謝料請求が認められる可能性があります。

第百四条 事業場に、この法律又はこの法律に基いて発する命令に違反する事実がある場合においては、労働者は、その事実を行政官庁又は労働基準監督官に申告することができる。
○2 使用者は、前項の申告をしたことを理由として、労働者に対して解雇その他不利益な取扱をしてはならない。
引用元:
労働基準法第104条

ハラスメントの延長で解雇された

下記のようなハラスメント等の延長で解雇されたというケースは、慰謝料が認められる可能性があります。

なお、妊娠・出産をしたことを理由に女性労働者に不利益な取り扱いを行うことは労働基準法などで禁止されています。

第十九条 使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後三十日間並びに産前産後の女性が第六十五条の規定によつて休業する期間及びその後三十日間は、解雇してはならない。ただし、使用者が、第八十一条の規定によつて打切補償を支払う場合又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合においては、この限りでない。
引用元:労働基準法第19条

第一〇条 事業主は、労働者が育児休業申出をし、又は育児休業をしたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
引用元:
育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律第10条

第十一条 事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。
引用元:
雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律

解雇がマタハラであるとして55万円の支払いが認められた裁判

育休明け「インドに転勤するか…」 解雇無効の判決

育休明けの解雇は育休法などに違反するとして、東京都内の女性がドイツ科学誌の出版社日本法人に解雇の無効確認や慰謝料220万円などを求めた訴訟の判決が3日、東京地裁であった。地裁は解雇を無効と認め、慰謝料55万円と未払い賃金の支払いを命じた。
引用元:朝日新聞|育休明け「インドに転勤するか…」 解雇無効の判決

この裁判では、異動や解雇などがマタハラをきっかけとしたことが認められたため、解雇の無効や慰謝料請求が認められました。

関連記事:マタハラの裁判事例と事例からみる対策まとめ

不当解雇と適正な解雇の判断基準

不当解雇と適正な解雇の違いはどのような基準に基づいて判断すればよいのでしょうか。

会社が労働者を解雇するためには「客観的合理性」あるいは「社会的相当性」が認められる解雇理由である必要があります。このように基準自体が規範的で明確に定義されたものではないため、実際の解雇が有効であるかどうかは、解雇に至るまでの事実経緯を個別的に判断して評価されます。


なお、経営不振などの会社側の事情による解雇(所謂整理解雇)については、通常の解雇に比して有効性が厳格に判断される傾向にあり、実務的には以下の内容について総合的に考慮して解雇の正当性が判断されています。

  • 経営上の人員削減の必要性の有無
  • 解雇を回避するための経営努力の有無
  • 解雇対象の選定方法の合理性
  • 解雇に至るまでの手続きの正当性

不当解雇の場合に会社側に請求できるもの 

不当解雇だと判断される場合に、請求できるものはどのような名目の金額があるのでしょうか。

ここでは、不当解雇の場合に会社に対して請求できるものについて解説します。

解雇予告手当

労働者側で解雇の有効性を争わない場合には、解雇が法定の予告期間を経ずに行われた場合には、解雇予告手当の請求が可能です。

労働基準法第20条において、最低30日以上前に解雇予告を行うことが義務付けられています。

解雇予告を行うことなく、解雇を行う際には解雇日までの30日分以上に相当する賃金を支払う義務が発生します。

この際に支払われるものが解雇予告手当です。

使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。
前項の予告の日数は、一日について平均賃金を支払つた場合においては、その日数を短縮することができる。
引用元:労働基準法第20条

具体的な解雇予告手当の計算例は以下の通りです。

解雇予告なしの場合の計算方法

解雇予告手当=30日×1日の平均賃金

20日前に解雇予告した場合の計算方法

30日-20日=10日
解雇予告手当=10日×1日の平均賃金

解雇期間中の賃金

解雇の法的効力が否定される場合、解雇中の不就労期間について、会社に賃金を支払うよう求めることができます(通称バックペイ)。

解雇されたことに対する慰謝料

よく誤解されていますが、解雇された労働者が当然に慰謝料の請求ができるわけではありません。むしろ、実務的には解雇の有効性が否定された場合でも、慰謝料の請求までは認めない裁判例の方が多数です。

解雇無効の場合に慰謝料請求が認められるのは、不就労期間中の賃金支払い(バックペイ)がされてもなお、労働者側の精神的苦痛が慰謝されないような、悪質な解雇事案に限られると考えるほうが無難です。

不当解雇の慰謝料を会社に請求する方法と手順

この項目では、不当解雇の慰謝料を請求する際の手順と方法についてご紹介します。

不当解雇の証拠を集める

不当解雇の証拠は、あなたが解雇された理由や社内規定によって異なりますが、以下のような証拠を集めておくと良いでしょう。

  • 雇用契約書、就業規則、賃金規程などの書類
  • 解雇通知書、解雇理由証明書
  • 人事評価書
  • 解雇に関して会社側とのやり取りを記載した書面やメール
  • 労働時間の記録

詳しくは、「解雇の有効性を争う上で必要な証拠の種類」で解説します。

未払い賃金や解雇によって働けなかった期間の賃金を計算する

不当解雇の場合、解雇されなければ働いて得ていたはずの賃金(所謂バックペイ)を請求するのが通常です。

関連記事:残業代の計算方法と知っておくべき未払い残業代請求のイロハ

未払い賃金は2年で時効消滅する

賃金や残業代などの債権は2年間という時効があります。

第百十五条 この法律の規定による賃金(退職手当を除く。)、災害補償その他の請求権は二年間、この法律の規定による退職手当の請求権は五年間行わない場合においては、時効によつて消滅する。
引用元:
労働基準法第115条

時効を過ぎてしまった賃金は請求できなくなってしまうため、未払い賃金がある場合は、会社に請求書を送付すなどして時効を中断させる必要があります。

関連記事:残業代請求の時効と過去の未払い残業代を請求する方法

解雇の無効・撤回を要求する書面を送付する

解雇を撤回させた場合は、解雇の不当性を主張し無効・撤回を求める書面を会社に送付します。

書面の例は以下の通りです。

解雇の無効・撤回を要求する書面を送付する

未払い賃金の請求書を送付する

未払い賃金があった場合は、支払い請求書を会社に送付します。

請求書を送る場合は、支払い金額と支払い期限などを正確に明記するようにしましょう。

解雇の無効・撤回を要求する書面を送付する

労働基準監督署に申告する

不当解雇は、労働基準監督署に申告することも可能です。

労働基準監督署では、労働者と会社との歩み寄りを基本とした問題解決を行うために、調査や指導などを行います。

労働審判を申し立てる

労働基準監督署での問題解決が難しい場合は、労働審判を申し立てます。

労働審判では、労働問題を専門とする審判官・審判員が原則3回以内の期日で問題解決のための判断を下します。

労働審判は、管轄の地方裁判所で手続きできます。

関連リンク:裁判所|裁判所の管轄区域

不当解雇の訴訟(裁判)を起こす

労働審判での結果に納得がいかない場合は、通常訴訟(裁判)に移行することになります。

裁判に移行した場合は、弁護士の力が必要になりますので、弁護を依頼しましょう。

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解雇の有効性を争う上で必要な証拠の種類

会社の解雇の法的有効性を争うためにはどのような証拠を集めるべきなのでしょうか。
労働者側で不当解雇の効力を争うために有力な証拠についてご紹介します。

解雇理由証明書

解雇理由証明書とは、会社が従業員を解雇した理由を証明する書類のことを指します。

労働者が退職までの間に解雇理由証明書の発行を請求した場合、会社にはこれを発効する義務があります。

解雇理由証明書には以下の内容について記載されています。

  • 解雇する人の氏名
  • 解雇通知を行った日付
  • 発行日
  • 会社の代表者および責任者の氏名と捺印
  • 解雇理由

会社の解雇の法的効力を争う前提として、会社が認識する解雇理由を明確にする必要があるため、退職前に解雇理由証明書の請求を行っておきましょう。

人事評価・賞与計算等に関する資料

会社が勤怠不良や能力不足を理由に解雇するような場合は、労働者の人事評価や賞与計算等に関する資料も有用であることがあります。

このような資料は、紛争となってから会社側に提出させるという対応もあり得ますが、可能であれば退職前に過去の人事評価や賞与計算等に関する資料を収集することをお勧めします。

解雇に関する会社との協議内容の録音音声

解雇理由が正当かどうかを判断するうえで、会社の解雇理由についての説明内容が重要となることもあります。そのため、解雇に関する会社とのやり取りについての録音音声データも証拠として押さえておくことを検討しましょう。

解雇理由についてやり取りしたメールの内容

解雇理由についてやり取りしたメールも上記と同様に重要な証拠となる可能性がありますので、保存しておきましょう。
 

不当解雇は早めに弁護士に相談

不当解雇は早めに弁護士に相談

不当解雇は弁護士に相談した場合、以下のようなことができます。

  1. 有効な証拠の集め方などのアドバイス
  2. 会社との代理交渉
  3. 労働審判手続き
  4. 裁判での弁護

不当解雇は裁判に発展することがあるため、早い段階で弁護士に相談することで相違解決を望むことができます。

まとめ

不当な理由で解雇された場合、会社に何らかの請求したいと考える方も少なくないと思います。

あなたが解雇の不当性を訴えることで得られるものは何なのか、よく検討してから慰謝料などの請求を行うことが大切です。

この記事で、不当解雇に悩まれている方の手助けができれば幸いです。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。第二東京弁護士会所属。

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