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KL2020・OD・037
離婚をする夫婦には必ず離婚理由があるように思えますが、中には法的離婚事由になるような決定的な離婚理由がなくても離婚がしたいと考える方がいらっしゃいます。配偶者に酷い扱いを受けているわけではないけれど、なんとなく一緒にいても楽しくないと思う場合が考えられるでしょう。
ここでは離婚の法的理由がなくても離婚をしたい方向けに、離婚理由に関係なく離婚をする方法をお伝えしたいと思います。中には、離婚理由が絶対に必要になってくる離婚の仕方もありますのでそちらもあわせてご紹介しますので、ぜひ今後の参考にしていただければと思います。
目次
「理由はないけど離婚したい」と思っていても、離婚の方法によっては理由がないと離婚が成立しないことがあります。ここでは3つの離婚の方法をお伝えしながら、離婚理由が必要なものについて解説をしていきたいと思います。
夫婦の話し合いによって離婚が成立することを協議離婚といいます。法的な手続きはとくになく、夫婦のそれぞれが離婚に同意し、離婚届を出すことで離婚することができます。最も一般的な離婚の仕方ですね。協議離婚をする場合は決定的な離婚理由がなくても離婚することができます。
協議離婚は夫婦双方が同意することが絶対条件ですので、もしどちらかが離婚を拒否した場合は調停離婚に進みます。家庭裁判所に調停の申し立てを行い、後日決められた日に調停委員を交えて離婚に向けて話し合いを行います。
この時点で、決定的な離婚理由がなくても、離婚へ向けて話し合うことはできますが、相手が離婚を拒否している場合は、相手を納得させる理由を話す必要が出てくるでしょう。
調停離婚では、調停委員が間に入り離婚を希望する側と拒否する側のそれぞれの気持ちや事情を考慮しながら話し合いを進めますが、残念ながら調停委員に離婚の決定権はありませんので、調停でも夫婦双方の合意が得られない場合は離婚をすることができません。
調停離婚で離婚が成立しなかった場合は、裁判を開くことになります。最終手段といえる方法ですので、調停を申し立てずにいきなり裁判離婚をすることは原則としてできません。夫婦双方の言い分や希望を十分に考慮した上で離婚成立か否かの判決が下るのです。
また、裁判離婚をするには民法770条で定められた離婚事由が必要になります。離婚事由については後ほど詳しく説明したいと思います。
(裁判上の離婚)
第七百七十条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
引用元:民法第七百七十条
協議離婚、調停離婚の時点では必要ありませんでしたが、裁判では民法で定められた離婚事由が必要であることがわかりましたね。5つの離婚事由について詳しく解説していきたいと思います。
ここでいう不貞な行為とは、配偶者以外の者と肉体関係を結ぶことです。結婚した時点で配偶者以外と肉体関係を持つことは禁じられていますので、配偶者が不貞な行為をしていた場合は離婚をすることができます。
日本では「夫婦は同居し互いに協力し扶助しなければならない」という規定が定められています。(民法第752条)こちらを守っていないことを悪意の遺棄といいますが、例としては以下のようなことが挙げられます。協力して結婚生活を送ろうという意思がみられない行為といえますね。
生死不明とは、行方がわからない上に生きているかもわからないことをいいます。その際には捜索願が出されているなど生死不明を立証する証拠が必要になります。
配偶者が以下のような精神病にかかり、回復する見込みがないと判断された場合は離婚をすることができます。ただし精神病であれば簡単に離婚できるわけではありません。裁判所は配偶者の面倒をみてきた本人のこれまでの様子や生活状況などのあらゆる面を考慮した上で最終的に離婚の判断をします。
婚姻を継続し難い重大な事由とは、結婚生活を続けることが困難であると客観的に判断されることをいいます。これには、以下のような事由が挙げられますが、いずれの場合にも、その事由をきっかけに、夫婦関係が修復不可能な状態にまで至っているといえる必要があり、そのハードルは低いものではありません。
とくに離婚事由がない方でも「一緒にいて楽しくない」「思っていた結婚生活と違った」等で離婚をする場合が多いようです。こうした曖昧な離婚の理由でも離婚をしたい場合はどうしたらよいのでしょうか。
決定的な離婚の理由がなくても、夫婦としてこれまで過ごした中で一緒にいたくないと思った理由を正直に話しましょう。相手も納得するような理由がなければ二つ返事で離婚を承諾する可能性は低いです。その際に自分の要求を並べるのではなく、譲歩する気持ちを持って話し合いをしてみてください。
別居をすると法的に離婚が認められやすくなるといわれています。理由は、別居自体が「悪意の遺棄」として認識されることがあり、そうでなくとも婚姻を継続し難い重大な事由の判断材料になるためです。
また、別居をすることでお互いの冷却期間になる可能性もありますし、自分自身の気持ちを整理できる時間にもなりますので、まずは別居を検討してみると良いでしょう。
ただし、衝動的な別居を行うことであなた自身が不利な立場になることもありますのでお気をつけください。また、別居をするには正当な理由が必要ですので「なんとなく一緒にいたくない」という状況でしたら別居をすることを一旦考え直したほうが良いかもしれません。
不倫、暴力、モラハラなどといった決定的な離婚理由がない場合でも、婚姻を継続し難い重大な事由に当てはまれば離婚できるかもしれません。なんとなく離婚がしたいと思ったときに、記憶を辿ればどこかで相手に対して嫌気がさしたきっかけがあるはずです。
婚姻を継続し難い重大な事由には離婚原因ランキングの1位である性格の不一致も含まれますので、今一度離婚事由がないかお考えいただければと思います。
離婚したいという意思は固まっているかもしれませんが、本当に離婚をする道しかないのかもう一度振り返ってみてください。後悔しないためにもあなたにとって最良の選択をしていただければと思います。
熟年夫婦に多いのが決定的な理由のない離婚です。嫌いになったわけではないけれど離婚して自由になりたいと思う方が多くいらっしゃるのです。
そこでお勧めしているのが、法律上では離婚をしないけれど、結婚を卒業する「卒婚」いう方法です。お互いの自由な生活を保証した上で離婚をせずに生活するといった新手法を選ぶ夫婦が増えているようです。
離婚をする理由がないとしても、相手に離婚をしたいという意思を伝える際は最低限の理由を話せる準備はしておきましょう。なぜ、離婚をしたいのか、離婚をして新たな人生を歩みたい理由もあわせてお話すると良いと思います。
出来る限り円満離婚で解決できるように、ここでお伝えしたことを念頭において相手としっかり話し合いをしていただけますと幸いです。
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