年金分割を調停で争うときに知るべき手順と有利に進める2つの方法

弁護士法人ネクスパート法律事務所
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年金分割を調停で争うときに知るべき手順と有利に進める2つの方法

年金分割の割合で揉めてしまった場合、家庭裁判所に調停を申し立てて解決することになります。

とくに専業主婦の方は、どのくらいの年金が手に入るか気になるところでしょう。今回は、調停でしっかりと年金を獲得するために、知っておくべき手順や自分に有利になるようにするための方法についてお伝えします。

なお、年金分割という制度について詳しく知りたいという方は「離婚時の年金分割制度|誰でもわかる年金分割の手順と注意点」をご覧ください。

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年金分割で調停を申し立てる際の手順

年金分割で調停を申し立てる際の手順

それでは、実際に年金分割調停を申し立てる手順をみていきましょう。

情報提供通知書を入手

情報提供通知書を入手するためには、情報提供請求書を作成します。日本年金機構のページからダウンロードできますので以下リンクよりダウンロードください。

参考:年金分割のための情報提供請求書|日本年金機構

次に作成した情報提供請求書を以下の必要書類と共に年金事務所に提出しましょう。

  • 年金手帳または基礎年金番号通知書
  • 夫婦の戸籍全部事項証明書

提出後約1ヶ月で情報提供通知書が送られてきます。また、年金事務所に出向き、窓口で受け取ることも可能です。

家庭裁判所へ申立て

情報提供通知書の用意ができたら、家庭裁判所に年金調停の申立てをしましょう。

必要書類

申立てに必要な書類は以下のとおりです。

  • 用意した年金分割のための情報通知書
  • 請求すべき年金分割に関する調停申立書
  • 夫婦の戸籍謄本

申立書の記入

請求すべき年金分割に関する調停申立書は以下にある裁判所ホームページからダウンロードできます。記入例を見ながら作成しましょう。

参考:家事調停申立書|裁判所
記入例はこちらをご覧ください。

申立て費用

申立て費用は以下のとおりです。

  1. 収入印紙1200円分
  2. 連絡用の郵便切手(申し立てを行う家庭裁判所によって異なりますのでご確認ください。)

提出方法

必要書類の用意ができましたら、家庭裁判所の窓口に提出しに行くか、郵便で送りましょう。

申立て後の流れ

調停申立て後、およそ2週間後に呼出状が届きます。呼出状には初回の調停日時が載っています。初回は大体1ヶ月後に設定される場合が多いですが、状況によっては2ヶ月ほど待たされる場合がありますのでご確認ください。

年金分割調停で有利な結果を得るには?

調停は調停委員を交えて行われます。そのため、調停委員に自分の現状や老後の生活についてしっかりと伝える必要があります。これからいくつか方法をご紹介しますが、ポイントはできる限り多くの年金を必要とする理由を話すことです。

陳述書を作成する

陳述書とは調停の際に調停委員に事情を説明する際に使います。陳述書の書式に決まりはなく自由に書くことができますが、以下のように書くことをお勧めします。

用紙サイズ A4
フォント 明朝体・MSゴシック
フォントサイズ 12~13
枚数 1枚~5枚まで

陳述書の記入例(年金受給資格者の場合)

夫婦のお互いの年収、職業など経済状況を表す内容年金分割が必要な理由、調停に至った経緯などをわかりやすく書きましょう。以下で記入例を紹介しますので、参考にしてくださいね。

陳述書

平成○○年○月○日 ○○家庭裁判所 御中
私は、夫であるアシロ太郎と平成●●年に結婚致しました。
その後会社員である夫を専業主婦として支えてきましたが、この度離婚が成立した為、合意分割にて年金の2分の1の分割を希望致します。
私は、結婚してから●●年の間、専業主婦として家庭を支えていた為、社会復帰をすることが難しい状況であります。現在職を探しているものの、年金分割により手に入れた年金が職に就くまでの生活資金となる為、年金の2分の1の分割を強く希望致します。

氏名   

また、年金分割以外のことでご自分が相手に譲った条件があれば、その旨もしっかり書くことをお勧めします。

なぜ陳述書を書いた方が良いのか?

陳述書を書くべき理由として、まず調停の際の話漏れを防ぎます。いざ調停委員を前にすると思うように話せなかった…ということにもならずに済むでしょう。

またこの陳述書は事前に郵送で調停委員に届けることができます。調停申立てを行う際に、必要書類と共に家庭裁判所の窓口で提出するか、郵送で届けましょう。

調停委員を味方につけるのが最も有効

調停で有利な条件を得るためには、調停委員をいかに納得させるかがポイントになります。ただし、年金分割の調停に進んだ場合は陳述書の有無関係なく、多くの場合50%の分割が認められています。

それでも1人で調停に臨むのが不安でしたら、弁護士に相談することをお勧めします。陳述書の件も含めあなたの手助けをしてくれることでしょう。

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調停で年金分割の割合が決定したら

調停で年金分割の割合が決定したら

標準報酬改定請求書の用意

無事に年金分割の割合が決まったら、標準報酬改定請求書を提出しましょう。標準報酬改定請求書とは年金分割の割合が決定した内容の通知書を請求するためのものです。この標準改定請求書を提出することで、後に夫婦それぞれに年金に関する決定事項の通知が届きます。

以下のリンクからダウンロードをすることができます。書き方がわからない場合は年金事務所にお問い合わせください。

参考:標準報酬改定請求書|日本年金機構

必要書類

標準報酬改定請求書の用意ができたら、以下の準備をしましょう。

  1. 調停調書等の年金分割について決定された謄本(調停成立後に送られてきます)
  2. 夫婦の戸籍謄本
  3. 年金手帳

準備ができたら、夫婦のどちらかで構いませんので年金事務所へ手続きしにいきましょう。手続きが終了すると、後日夫婦の両方に標準報酬改定通知書が届きます。これで年金分割の請求が完了しました。

年金分割の期限に注意

年金分割制度を利用するには、離婚をした翌日から2年以内までと期限が設けられています。

2年以上経過してしまうと年金分割制度は利用できませんのでご注意ください。

まとめ

本来であれば争わずに円満解決を望むところですが、お金のことになるとどうしても一筋縄ではいかないこともあるでしょう。

ご自分の主張を通すためにも、年金分割について事前にしっかり下調べを済ませ、調停に臨んでください。

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2016年1月に寺垣弁護士(第二東京弁護士会所属)、佐藤弁護士(東京弁護士会所属)の2名により設立。遺産相続、交通事故、離婚などの民事事件や刑事事件、企業法務まで幅広い分野を取り扱っている。

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