離婚裁判の流れ|離婚成立までの手続きの流れと進め方の手引き

弁護士法人ネクスパート法律事務所
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離婚裁判の流れ|離婚成立までの手続きの流れと進め方の手引き

離婚裁判は実際にどのような流れで進んで行くのでしょうか。離婚成立までスムーズに手続きを進めていくためには、事前に離婚裁判の具体的な流れを把握しておくことがとても重要です。

そこで今回は、離婚裁判の流れを把握するために必要な知識として、離婚裁判の概要、事前に準備しておくこと、具体的な流れ、離婚裁判で役立つ知識、判決後の手続きについてご紹介します。

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離婚裁判の概要

離婚裁判とは、協議離婚や離婚調停、審判でも離婚が成立しない場合の最終手続きとして存在する離婚方法です。

協議離婚や調停は、離婚成立の際に夫婦の合意が必要となります。しかし離婚裁判は裁判官の判決で認められれば離婚成立となるため、相手の同意がなくても良いことがメリットと言えます。

離婚裁判に向けて必要な準備

離婚裁判に向けて必要な準備

離婚裁判の流れを知る前に、離婚裁判に向けて必要な準備についてご紹介します。万が一用意すべき書類などに不備があると、離婚裁判であなたが不利になる可能性も否定できません。万全の準備を整えてから離婚裁判に臨みましょう!

まずは協議離婚から行う

いきなり離婚裁判を起こすことはできません。まずは夫婦で話し合う協議離婚を試み、合意が得られない場合は離婚調停や離婚審判に発展します。もし、離婚調停や離婚審判でも離婚に至らなかった場合、最終手段として初めて離婚裁判の申立てが可能となります。

詳しい内容は「離婚の手順|一般的な手順と相手が離婚に同意しないときの対処法」をご覧下さい。

離婚裁判で必要となる書類の準備

離婚裁判を起こすには、以下の書類を準備しなければなりません。提出時に不備のないように、足りない書類はないか、記入漏れはないか十分に確認しておきましょう。

  • 離婚裁判を起こすための訴状(2通)
  • 調停離婚が不成立と証明する「調停離婚不成立証明書」
  • 夫婦の戸籍謄本
  • 年金分割に必要な通知書もしくはそのコピー(必須ではない)

離婚裁判の申立てにかかる費用の用意

離婚裁判でかかる費用について確認しましょう。申立てをする裁判所や慰謝料請求額によって必要な費用は異なります。細かい金額は、該当地域の裁判所に問い合わせてみると良いでしょう。

  • 収入印紙代 13,000円
  • 郵便切手 約7,000円分(裁判所によって金額変動あり)
  • 裁判所に支払う追加の印紙代(160万円以上の慰謝料を請求する等離婚以外についても求める場合など)

離婚裁判の具体的な流れ

離婚裁判の具体的な流れ

離婚裁判の具体的な流れについて確認していきましょう。裁判で行われる項目が多いため、難しく感じるかもしれません。しかし、具体的にどんなことをするか知ると離婚裁判の流れはイメージしやすくなります。

家庭裁判所に離婚を訴訟する

離婚裁判を起こすために必要な訴状や戸籍謄本などの書類を、家庭裁判所に提出します。訴訟提起する家庭裁判所は原則、夫婦どちらかの住所を管轄している所となります。

第一回口頭弁論の日程を指定される

家庭裁判所に提出した訴状が受理されると、裁判所から口頭弁論の日程が記載された呼び出し状が原告と被告側に郵送されます。

相手側の反論を答弁書に書いて提出してもらう

被告となる相手側が訴状を受け取った後、あなたの主張に対して反論するための答弁書を作成してもらいます。相手が作成した答弁書は、期日内に裁判所へ提出してもらいます。

第一回の口頭弁論が開催される

訴状の提出から約一ヶ月後に、第一回の口頭弁論が開催されます。第一回の口頭弁論では、訴状や答弁書を元に、裁判所が内容を整理して原告と被告それぞれに伝えるという流れとなります。もし、相手の言い分に反論がある場合は、書面に起こして提出することになります。

二回目以降の口頭弁論が開催される

第一回の口頭弁論から約一ヶ月後に、第二回の口頭弁論が開催されます。口頭弁論は、基本的に1ヶ月に一回のペースで行われるようです。二回目以降の口頭弁論では双方の主張を出し合い、食い違う点はそれぞれが提出した証拠を調べて、どちらの主張が正しいのか裁判官が客観的に判断していきます。

結審

口頭弁論が終了した後、原告と被告に最終準備書面を家庭裁判所へ提出してもらい、立証は終了となります。裁判官は、最終意見書やそれまでの主張や提出した証拠を元に判決を決めるのです。

  • 和解となった場合

万が一、離婚裁判中に、夫婦の話し合いで離婚が成立した場合は「和解」となります。この場合、和解確定から10日以内に「和解調書謄本」と離婚届を役所へ提出すれば離婚手続き完了となります。

判決が言い渡される

結審から1ヶ月~2ヶ月後に、判決が言い渡されます。このとき、判決結果を伝えることがメインとなるため、詳しい判決理由についての確認はできません。詳しい判決理由は、後日送られてくる判決書に記載されているため、そちらを確認する必要があります。

判決書が原告と被告の元に送られる

判決が言い渡された日から数日~2週間後に、原告と被告それぞれに詳しい判決理由などを記載した「判決書」が送られてきます。

控訴を行う場合

もし判決内容に不服がある場合、判決日から14日以内に「控訴状」を家庭裁判所に提出すれば控訴が可能です。ちなみに控訴するときは、控訴状が期限内に家庭裁判所へ必着していることが条件のため、早めに提出しておくことをおすすめします。

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離婚裁判で知っておくと良い5つのこと

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離婚裁判を進める上で知っておきたい5つのことがあります。心得ておくと、いざというとき裁判で役に立つかもしれません。

弁護士に依頼しなくても訴訟はできる

離婚裁判は、弁護士に依頼しなくても訴訟は可能です。ただし、自分で必要な書類をまとめ、裁判で勝つために必要な証拠を集めるなど相当な労力を要するでしょう。また、相手側が弁護士を雇っていた場合、こちらに有利なケースでも裁判で負ける可能性があります。弁護士費用を節約できるメリットはありますが、大きなリスクが伴う覚悟が必要です。

基本的に訴訟段階では、必ず弁護士を付けることをオススメします。

相手が行方不明または欠席時の対応

離婚したいけれど、相手が行方不明または裁判当日に欠席した場合どのようにすれば良いのでしょうか。実は、行方不明と欠席では離婚裁判の流れが異なります。

  • 相手が離婚裁判を欠席した場合

相手が裁判を欠席した場合、こちらの申立て内容を認めたと判断され、離婚成立となります。

  • 相手が行方不明の場合

相手が行方不明または音信不通の場合、「公示送達」で離婚裁判が進められます。公示送達とは、家庭裁判所の掲示板に規定書類を掲示すれば、相手に意思表示が到達したものとみなす制度です。

送付から二週間が経過すると申立書を相手に送付したことになり、相手から反論がなければ「欠席扱い」とみなされた上で審議が進められるため、勝訴の可能性が高まります。

離婚裁判で離婚すると戸籍に「和解離婚」である旨などが記載される

離婚裁判で和解離婚が成立した場合、戸籍に「和解離婚」である旨が記載されます。

最近では、約3割の夫婦が離婚を選択していることから離婚歴は気にしない風潮もあります。しかし、人によっては良くない印象を抱く可能性も否定できません。できる限り、協議離婚で成立させることが望ましいでしょう。

家庭裁判所調査官や参与員の存在で裁判が有利になることも

離婚裁判の際、「家庭裁判所調査官」は子供の親権者指定や、財産分与に必要な調査をすることができます。また、裁判官が判決を下すために参考となる意見を述べる「参与員」を裁判に立ち会わせることが可能となりました。

そのため、客観的に見て有利な立場であった場合、離婚成立の判決を下すための援護射撃となるかもしれません。

(家庭裁判所調査官による事実の調査)
第三十四条  裁判所は、家庭裁判所調査官に事実の調査をさせることができる。
 急迫の事情があるときは、裁判長が、家庭裁判所調査官に事実の調査をさせることができる。
 家庭裁判所調査官は、事実の調査の結果を書面又は口頭で裁判所に報告するものとする。
  家庭裁判所調査官は、前項の規定による報告に意見を付することができる。
引用元:人事訴訟法

第一審で勝訴できるように準備を整えておく

もし裁判離婚の第一審で敗訴した場合、判決を覆すには控訴しなければいけません。そうなると再び裁判が必要となるため、第一審で勝訴するよりも労力や時間、費用を費やすことになります。

無駄な労力や時間を使わないためにも、第一審で勝訴できるよう事前準備はしっかり整えておきましょう。

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離婚裁判後の流れ

離婚裁判で判決がでた後の流れを確認していきましょう。まず、判決が出てから14日間は控訴期間となるため離婚できません(控訴がなければ判決日に離婚成立となります)。相手が期間内に控訴しなかったら、判決が確定となり離婚成立が確定します。

離婚裁判後の流れ

離婚成立日から10日以内に原告が以下の書類を、本籍または住所地の役所に提出して手続きを完了させましょう。

【離婚手続きに必要な書類】

  • 離婚届(夫婦や証人の署名や押印は不要)
  • 戸籍謄本
  • 判決書謄本
  • 判決確定証明書

もし、離婚成立日から10日以内に手続きができないと5万円以下の過料が課せられるため注意が必要です。

第百三十五条  正当な理由がなくて期間内にすべき届出又は申請をしない者は、五万円以下の過料に処する。
引用元:戸籍法

まとめ

離婚裁判の流れは、少々複雑な部分があるかもしれません。けれども、弁護士のサポートなどもあるため、不明点が生じたときはその場で確認すれば問題ないでしょう。何より離婚裁判中は、あなたの精神的な疲労が懸念されます。

手続き完了まで落ち着けない部分があるかもしれませんが、要所で息抜きをするなどして無理のないように臨んでください。

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2016年1月に寺垣弁護士(第二東京弁護士会所属)、佐藤弁護士(東京弁護士会所属)の2名により設立。遺産相続、交通事故、離婚などの民事事件や刑事事件、企業法務まで幅広い分野を取り扱っている。

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