財産分与請求調停でしっかり請求・獲得するための手順とポイント

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
財産分与請求調停でしっかり請求・獲得するための手順とポイント

財産分与調停(ざいさんぶんよちょうてい)とは、婚姻期間中に夫婦で取得した財産を、離婚時どのように分けるかを決める調停のことを言います。

ちなみに、財産分与で調停を行う場合は、離婚から2年以内に家庭裁判所へ申立て手続きを行わなければなりません。調停で財産分与について争うこと財産分与請求調停(ざいさんぶんよせいきゅうちょうてい)と言い、正式には財産分与請求調停事件(ざいさんぶんよせいきゅうちょうていじけん)と言います。

調停では、以下の内容をポイントに夫と妻それぞれに話を聞くだけでなく、必要に応じて資料の提出をしてもらいます。その後、調停員によって財産分与に関する解決案の提示がなされ、夫婦間での合意を目指すことになります。

  • 夫婦で得た財産がどのくらいあるか
  • 財産の取得に対する貢献度は夫と妻それぞれにどのくらいあるか
  • 財産の維持に対する貢献度は夫と妻それぞれにどのくらいあるか

そこで今回は、財産分与で調停に発展したとき、どのような流れで進められていくのか、事前に準備すべきこと、調停を優位に進めるために必要なことを中心にまとめました。

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財産分与調停の手続きと流れ

まず始めに、財産分与調停の手続きと流れに加え、必要な書類や費用について確認していきましょう。詳しい内容は、「離婚調停の申し立てから終了までの流れ|調停の平均的な実施回数と期間」でまとめていますので、あわせてご確認ください。

申立てができる人

離婚した元妻または元夫のどちらか

必要なもの

リンク引用元:裁判所

  • 申立書に必要な添付書類
    • 夫婦の戸籍謄本(離婚で夫婦どちらかが除籍になっているもの)
    • 不動産登記事項証明書(あれば)
    • 固定資産評価証明書(あれば)
    • 預貯金通帳写し又は残高証明書

※必要に応じて裁判所から書類の追加提出を依頼される場合があります。

申立書の記載例

必要なもの

必要なもの

必要なもの

引用元:裁判所

かかる費用

1,200円分の収入印紙

財産分与の調停でかかる費用について、さらに詳しく知りたい方は、「離婚調停にかかる費用|弁護士に依頼する際の費用相場と注意点3選」をご覧ください。

調停を申し立てる場所

財産分与における調停を申し立てる際は、配偶者の住所地を管轄している家庭裁判所もしくは、夫婦の合意によって定めた家庭裁判所で行います。(参考:各裁判所のウェブサイト

調停の流れ

調停の流れについて以下にまとめました。

調停の流れ

家庭裁判所へ調停の申立て

まずは、必要書類をまとめて、家庭裁判所に調停の申立てを行います。

第一回調停期日の決定

家庭裁判所で申立ての受理が完了すると、第一回調停期日の決定が行われ、夫婦それぞれに通知書が届きます。

第一回調停期日

通知書に記載された時間と場所に赴きます。調停ではまず、双方の言い分を調停員が聞きます。あなたの主張を冷静に伝えましょう。

二回目以降の調停

内容や状況によっては、二回、三回と調停が行われることがあります。基本的には、話し合いがまとまらない、調停員がもう一度調停を行う必要があると判断されたときです。

調停終了

双方の主張を聞いた上で、調停員が提案した解決案に合意した場合は調停成立となります。ただし、どちらかが納得できなかった場合は、調停不成立となり審判へと発展することになります。

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財産分与で検討すべきポイント

財産分与で検討すべきポイント

ここで、財産分与を行うときに検討すべきポイントについて確認していきましょう。

財産分与の種類

財産分与の種類は主に4つ挙げられます。それぞれの内容について以下にまとめました。

婚姻費用の清算

婚姻関係を結んでいる間にかかった生活費用などのことを言います。

清算的財産分与

婚姻期間中に形成した財産を分けることを言います。

扶養的財産分与

離婚によって、配偶者の生活レベルが著しく下がってしまう場合に分けられる財産のことを言います。

慰謝料的財産分与

不貞行為、DVやモラハラにより配偶者を傷つけた場合に支払われるお金などのことを言います。

財産分与の対象とは具体的に何か?

財産分与の対象となるものは具体的にどんなものが挙げられるのでしょうか。共有財産というカテゴリに含まれる資産と、負の財産と言われる債務が対象となります。

共有財産 夫婦で購入した自宅などの不動産夫婦の生活に必要な家具夫婦どちらかの名義になっている預貯金夫婦どちらかの名義になっている車・有価証券 など
負の財産 住宅ローン車のローン借金 など

財産分与の対象にならないもの

財産分与の対象にならないものは、特有財産や固有財産に分類されるものです。具体例を以下にまとめました。

特有財産・固有財産 結婚前に貯めていた預貯金実家からもらった財産取得した相続財産 など

財産分与の対象を計算する時期

財産分与の対象期間は、婚姻期間中に形成した財産が対象となります。そのため、婚姻期間が長ければ長いほど、財産分与の対象を計算する時期も長くなります。

財産分与で有利に進めるためのポイント

財産分与で有利に進めるためのポイント

財産分与の話し合いで、自分に有利な状況へと持っていくためのポイントについてまとめました。

共有財産をリスト化しておく

まず始めに、夫婦の共有財産にどんなものがあったかリスト化していきましょう。メモ用紙などに箇条書きで書き出してみると良いかもしれません。

配偶者の財産を明らかにする

適切な財産分与をするためには、配偶者の財産を明らかにすることも大切です。中には、隠し財産を所有しているケースもあるため、慎重に調べることをおすすめします。このとき、個人で調べるには限界があります。弁護士に依頼して、調査してもらうことを手段のひとつとして検討すべきでしょう。

夫婦で築いた財産への貢献度を示す

夫婦で築いた財産ですから、折半するのが基本的な考え方となります。しかし、配偶者が家族を置いて勝手に家出をしていたなどの場合、折半では納得できないでしょう。そんなときは、あなたがどれだけ家庭に尽くし、財産形成に貢献してきたかを示す必要がります。

例えば、配偶者が家出している間の生活費を稼いでいた、結婚前の貯金で住宅ローンを払っていたなどの事実があれば、貢献度が高いことを主張できます。

不貞行為やモラハラなど相手の非を主張する

もし、配偶者が不貞行為に及んでいた、DVやモラハラをしていたなどの場合、そのことを理由に財産分与の割合を変えるよう主張できます。以下に、関連記事をまとめましたので、該当する内容のものを参考にしてみてください。

【相手の非を主張するために役立つ記事】

調停で話がまとまらない場合

もし、調停で話がまとまらない場合は、裁判へと発展することになります。詳しくは、「離婚裁判の流れ|離婚成立までの手続きの流れと進め方の手引き」に記載していますので、そちらでご確認ください。

弁護士に依頼すべき理由と選び方

弁護士に依頼すべき理由と選び方

財産分与調停は、個人よりも弁護士に依頼して万全の状態で臨む方が良いとされています。その理由とは一体何か以下にまとめました。また、あなたが心強いと感じる弁護士の選び方についてもご紹介しています。

財産分与調停を弁護士に依頼すべき理由|弁護士会照会制度の利用

財産分与調停を弁護士に依頼すべき理由は、いくつか挙げられます。ひとつ目は、調停の申立てや名義変更などの面倒な手続きを代行してくれることでしょう。他には、配偶者が隠している財産がないか調べるために、弁護士会照会制度が利用できるというメリットが挙げられます。

個人での問い合わせは、個人情報の観点などから財産の状況について開示してもらえないケースがほとんどですが、弁護士会照会制度を利用することでより明確に相手の財産を調べることが可能となります。詳しくは「弁護士会照会で得られる情報はどんなもの?」にて解説しています。

離婚・財産分与に精通した弁護士の選び方

財産分与での調停に精通した弁護士を見つけるためのポイントについて以下にまとめました。さらに詳しい内容は、「離婚弁護士の選び方|賢く離婚するための7つの心構え」をご覧ください。

  • 離婚問題に関する解決実績が豊富
  • 司法書士や不動産鑑定士とのパイプを持っている
  • 親身に話を聞いてくれる弁護士かどうか

弁護士費用の相場

財産分与調停で弁護士を利用した場合の費用相場を以下にまとめました。さらに詳しい内容は、「離婚の弁護士費用相場と出来るだけ費用を抑える5つの方法」にて解説しています。

相談料 30分 5,000円
着手金 20万円~50万円ほど
報奨金 利益額の10~20%程度
切手や印紙、弁護士の交通費など 10,000円~50,000円ほど

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財産分与・離婚調停に関して役立つ知識一覧

以下に、知って役立つ知識が記載された記事のリンク一覧をまとめています。あなたが置かれている状況に応じて、ぜひ活用してみてください。

【離婚調停に関する記事】

【熟年離婚における財産分与に関する記事】

【離婚の手順に関する記事】

【離婚慰謝料に関する記事】

まとめ

財産分与についての話し合いがまとまらず、調停へと発展したときは、しっかりとした下準備をした上で臨む必要があります。個人での対応に限界を感じたときは、弁護士に依頼するのもひとつの手段でしょう。離婚にまつわるトラブルの解決は、心身ともに負荷がかかりますから、頼れる人の手を借りることも必要だと言えます。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。第二東京弁護士会所属。

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