公務執行妨害で逮捕されたら?|罪状・逮捕後の流れ・対策について解説

公務執行妨害で逮捕されたら?|罪状・逮捕後の流れ・対策について解説

公務執行妨害罪とは、公務員の職務の執行を妨害することで成立する罪になります。簡単にいうと、警察官に暴行を加えることをいいます。

その他にも公務執行妨害に該当する行為はあります。

今回は公務執行妨害の詳細や、公務執行妨害で逮捕されてしまった場合の対処法について書いていきたいと思います。

【注目】公務執行妨害で逮捕されないかと不安を抱えている方へ
公務執行妨害にあたる行為をしてしまい、逮捕されないかと不安を抱えていませんか?

結論からいうと、公務執行妨害が成立した場合、3年以下の懲役・禁固、もしくは50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。もし心当たりのある場合は、早急に弁護士へ相談・依頼することを強くおすすめします

弁護士に相談・依頼することで、以下のようなメリットを得ることができます。

  • 自身の行為が公務執行妨害に該当するかがわかる
  • 逮捕された場合や今後の対応に関してのアドバイスがもらえる
  • 依頼すれば、早期釈放や不起訴、執行猶予の獲得に向けて弁護活動をしてくれる

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この記事を監修した弁護士
寺垣 俊介
寺垣 俊介弁護士(弁護士法人ネクスパート法律事務所)
2016年1月に寺垣弁護士(第二東京弁護士会所属)、佐藤弁護士(東京弁護士会所属)の2名により設立。遺産相続、交通事故、離婚などの民事事件や刑事事件、企業法務まで幅広い分野を取り扱っている。

公務執行妨害罪になる行為と「公務」の種類

公務執行妨害罪は刑法第95条に規定されています。

(公務執行妨害及び職務強要)
第九十五条 公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。

2 公務員に、ある処分をさせ、若しくはさせないため、又はその職を辞させるために、暴行又は脅迫を加えた者も、前項と同様とする。

引用元:刑法 | e-Gov法令検索

公務執行妨害になり得る行為

あなたが公務執行妨害に対して想像するものは警察官に対して暴行をはたらくということが多いかと思いますが、その他にも公務執行妨害に該当する行為はあります。

例えば

  • 駐車違反を取り締まっている民間の「駐車監視員」に対して暴力をふるう
  • 警察官に大声で反論する
  • 役所の職員に対して暴行をはたらく
  • 税務調査に入った職員を押し返して妨害する

こうしたことも全て公務執行妨害に該当します。

公務執行妨害の要件とは

  1. 公務員に対して
  2. 職務を執行している(しようとしている)時に
  3. 暴行又は脅迫を加える

ということになります。

公務員の種類

あなたも御存知の通り、公務員の種類はたくさんあります。

例をあげれば

  • 警察官
  • 国、都道府県、市町村の職員
  • 裁判所職員
  • 税務署職員
  • 消防士
  • 自衛官
  • 国、都道府県、市町村の議員
  • 教員
  • 保育士
  • 労働基準監督官
  • 国会職員
  • 国会図書館職員
  • 食品衛生監視員
  • 刑務官
  • 海上保安官   etc

以上の職種全てが公務員になります。公務執行妨害というと警察官が相手であることが多くの人のイメージですが、上記のような職種の職務を妨害したとしても公務執行妨害に該当する可能性があります。

また、上記の職種の中に民間の会社にも同様の職種がある場合がありますが、その場合は公務執行妨害には該当せずに、別の暴行、傷害、脅迫等の罪に該当する事になります。

被害者は国

例えば、警察官に職務質問されている時に感情的になってしまい暴行を加えて公務執行妨害で逮捕されてしまった場合、被害者はその暴行を受けた警察官だと思われる方も多いと思いますがそうではありません。

公務執行妨害の場合の被害者は、公務員の公務を侵害された「国」になります。

なぜ被害者が国かというと、刑法で定められている罪は保護法益(その罪を創設することで守りたい権利や社会基盤)によって分けられていて、例えば殺人罪なら個人の生命、傷害罪なら個人の身体、窃盗罪なら個人の財産を守りたいという保護法益から存在しています。

公務執行妨害の場合は警察官などの個人ではなく、警察が取締りを行うことが出来るという国家の作用を守ることが目的となっているため被害者が国になっているのです。

逮捕後の流れ

基本的にどのような容疑で逮捕されたとしても、次のような流れで進みます。

  • 警察による逮捕:最長48時間
  • 検察庁への送致:最長24時間
  • 勾留:原則10日、延長の場合最大20日
  • 起訴・不起訴の判断

未成年が傷害罪で逮捕された場合は、検察までの捜査段階までは成人と同じ手続きになりますが、その先の手続きが成人とは大きく異なってきます。詳しくは下記の記事に書いてありますのでご参照ください。

公務執行妨害で逮捕された場合

公務執行妨害で逮捕された場合の詳細を書いていきたいと思います。

罪の重さ

先述致しましたが、公務執行妨害罪の罰則規定は3年以下の懲役又は禁錮若しくは50万円以下の罰金になります。

観念的競合

公務執行妨害で逮捕された場合は観念的競合になりやすくなっています。

観念的競合とは法律用語で、1つの行為が2つ以上の罪に該当することを言います。

公務執行妨害の場合は、警察官に殴る蹴るの暴行を加える行為(暴行罪)で公務の執行を妨害(公務執行妨害)する罪となっています。

こういった観念的競合の場合、複数の罪状の中で1番重い罰則のみ受けることになっています。

ですから、暴行罪と公務執行妨害では公務執行妨害のほうが罰則が重くなっていますから、公務執行妨害容疑として捜査が進んでいくことになります。

第五十四条 一個の行為が二個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する。

引用元:刑法 | e-Gov法令検索

公務執行妨害に関連してくる罪

上記のように、公務執行妨害罪は他の罪状にも該当してくる場合が多いので、ここで公務執行妨害に関連する罪状とその量刑を書き出していきたいと思います。

(暴行)
第二百八条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

引用元:刑法 | e-Gov法令検索

(傷害)
第二百四条 人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

引用元:刑法 | e-Gov法令検索

(器物損壊等)
第二百六十一条 前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

引用元:刑法 | e-Gov法令検索

(脅迫)
第二百二十二条 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。

引用元:刑法 | e-Gov法令検索

(騒乱)
第百六条 多衆で集合して暴行又は脅迫をした者は、騒乱の罪とし、次の区別に従って処断する。

一 首謀者は、一年以上十年以下の懲役又は禁錮に処する。

二 他人を指揮し、又は他人に率先して勢いを助けた者は、六月以上七年以下の懲役又は禁錮に処する。

三 付和随行した者は、十万円以下の罰金に処する。

引用元:刑法 | e-Gov法令検索

(証拠隠滅等)
第百四条 他人の刑事事件に関する証拠を隠滅し、偽造し、若しくは変造し、又は偽造若しくは変造の証拠を使用した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

引用元:刑法 | e-Gov法令検索

身体拘束・拘束期間

公務執行妨害は、「警察官と口論になり手を出してしまった」「警察官と揉み合いになりたまたま振り払った手が当たった」等という一時の感情で起こしてしまうことが多いことから、本人がしっかり反省して証拠隠滅や逃亡等のおそれがなければ微罪処分として数日間で釈放される事が多いようです。

逮捕されてしまうと最大23日間の身体拘束を受けることになりますが、公務執行妨害の場合は比較的拘束期間は短い傾向があります。

起訴率

公務執行妨害罪での起訴率は犯罪白書には載っていませんでしたが、おおよそ半々と言われています。

被疑者に前科や前歴もなく、悪質でもなければ不起訴処分になることも多いようです。

判決内容

公務執行妨害で起訴されている多くは略式起訴という手続きを取られることが多いようです。

略式起訴とは、通常の公判手続を簡素化したもので、書面での審理で即日判決が出る手続きになります。

略式起訴ででる判決は罰金刑になっていて、即日に判決が出ることから即日に身柄も釈放されるのが特徴です。

また、通常の公判手続をされた場合でも執行猶予がつく判決が多いようです。

逮捕後の対処法

公務執行妨害で逮捕されてしまった場合の対処法について書いていきたいと思います。

弁護士に依頼・相談する

逮捕されてしまった場合は、一度だけ弁護士を呼ぶことができる当番弁護士制度と言うものがあります。

費用はかからないので、すぐに当番弁護士を依頼し今後の対応についてアドバイスを貰うようにしましょう。

また、当番弁護士ではなくても自分で指定したい弁護士がいれば連絡を取ってもらえることになっています。

反省の態度をしっかり見せる

公務執行妨害は被害者が国であることから、示談することはできません。

ですが、比較的大きな事件であることは少ないですから、しっかり反省し前科も無いようであれば早期の釈放を見込めますから、まずはしっかり反省するようにしましょう。

まとめ

何度も書いていますが、公務執行妨害は突発的に起こしてしまう事が多い事件です。

もし逮捕されてしまった場合はしっかり反省することが大事になってきます。

また、そこに弁護士が介入してくれることで早期釈放のために弁護活動してくれ非常に心強い存在になってくれます。

ですから、当番弁護士を含め弁護士に相談することをおすすめします。

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結論からいうと、公務執行妨害が成立した場合、3年以下の懲役・禁固、もしくは50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。もし心当たりのある場合は、早急に弁護士へ相談・依頼することを強くおすすめします

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この記事の調査・編集者
アシロ編集部
本記事は法律相談ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。※法律相談ナビに掲載される記事は、必ずしも弁護士が執筆したものではありません。本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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