インターネット上の誹謗中傷を削除依頼する方法4つとその手順

( 2件 )
分かりやすさ
役に立った
この記事を評価する
この記事を評価しませんか?
分かりやすさ
役に立った
弁護士法人ネクスパート法律事務所
寺垣 俊介
監修記事
インターネット上の誹謗中傷を削除依頼する方法4つとその手順

ネットは自由に情報発信をすることができる場所ですが、中には個人を誹謗中傷するような書き込みもあります。自分を誹謗中傷する書き込みは第三者には見られたくないものですが、ネットは不特定多数の人が利用する場所です。さらにネット上の情報は、SNSなどで拡散する可能性もあるので、ネット上で誹謗中傷を受けた方は、取り急ぎ書き込みを削除してもらいたいと思います。

ネット上の書き込みを削除するためには、投稿者または書き込みが行われたサービスを運営する会社へ削除依頼をしなければなりませんが、どのようにして削除依頼すればいいのでしょうか。今回の記事では、ネット上で書き込みの削除依頼をする方法について解説していきます。

ネット誹謗中傷について弁護士に相談する

電話相談可・初回面談無料・完全成功報酬
の事務所も多数掲載!

北海道・東北 北海道青森岩手宮城秋田山形福島
関東 東京神奈川埼玉千葉茨城群馬栃木
北陸・甲信越 山梨新潟長野富山石川福井
東海 愛知岐阜静岡三重
関西 大阪兵庫京都滋賀奈良和歌山
中国・四国 鳥取島根岡山広島山口徳島香川愛媛高知
九州・沖縄 福岡佐賀長崎熊本大分宮崎鹿児島沖縄

ネット上の誹謗中傷の書き込みを削除依頼する方法

では、早速ですがネット上の誹謗中傷の書き込みを削除依頼する方法について順を追って説明していきます。

削除依頼するための法的正当性を知る

削除依頼するためには、まず誹謗中傷によって、被害者の方が法的にどう権利侵害されたのかを把握しなければなりません。プロバイダ責任制限法では、被害者は削除依頼する「送信防止措置請求権」が認められており、この権利の行使は被害者の権利が侵害された場合に限定されているためです。

ネット上の誹謗中傷では、主に「名誉毀損」、「侮辱」、「プライバシーの侵害」などが権利侵害に該当する場合が多いのです。

削除依頼したい書き込みに関する情報は保存する

削除依頼したい書き込みに関する情報は書き込みの内容、日付も含めて全て保存してください。投稿者が書き込みを削除する危険性もあるためであり、スクリーンショットで画像を保存した上で、印刷すると証拠として残すことができます。

投稿者へ削除依頼する

Twitter、Facebook、またはアメブロやはてなブログ、Fc2ブログに書き込みをされた方は、サービス上にメッセージ機能がついているので、投稿者へ直接、削除の依頼をしてみましょう。削除を依頼する場合は、「弁護士・警察への相談も検討している」、「削除に応じない場合は法的手段に訴えかける」など相手にプレッシャーを与えると削除依頼に応じやすくなるので効果的です。

サービスの運営会社へ削除依頼の申出する

投稿者への削除依頼と並行して、削除依頼したい書き込みのある掲示板、SNS、ブログを運営している会社へ削除依頼の申出を行ってください。削除依頼の申出は、問い合わせフォームから行うことが一般的ですが、問い合わせを行うと、会社から「送信防止措置依頼書」が郵送されるので、必要事項に記入の上、返送します。

送信防止措置依頼書には、削除してもらいたい内容が被害者に対してどのように権利侵害しているのかを記述すると良いでしょう。返送後は、会社側から投稿者へ削除依頼に同意するのかの確認が行われますが、投稿者から7日以内に返答がなければ書き込みは削除されます。もし、投稿者から同意が得られない場合は、会社の判断の元、削除するのかどうかが決まります。

運営元の問い合わせ先がない場合

会社によっては、問い合わせ先を設けていない場合がありますが、この場合は、「whoisドメイン調査ツール」から書き込みが行われたサイトのURLを入力することで運営元の問い合わせ先がわかります。この場合、送信防止措置の書類を別途で用意した上で、郵送する必要がありますが、送信防止措置の書類は「名誉毀損・プライバシー関係送信防止措置手続」からダウンロードしてください。

申出に応じない場合は削除依頼の仮処分申立をする

2chの掲示板などは、削除依頼に対して対応が悪い場合が多いですが、もし削除依頼に応じてもらえない場合は、裁判所にて削除依頼の仮処分の申し立てをしてください。

前科・犯罪歴などのネット情報を削除依頼するためには

前科・犯罪歴などのネット情報を削除依頼するためには

過去の犯罪から、前科・犯罪歴がある方は、犯罪歴と共に実名がネット上に明かされている場合が多いです。新しく人生のスタートを切る上で、実名で犯罪歴を明かされることは就職や結婚などあらゆる面で支障が出るでしょう。そのため、できればネット上にある犯罪歴・前科の情報は削除したいものですが、犯罪歴を削除するためにはどうすればいいのでしょうか。

削除依頼が認められやすい条件とは

テレビやネットのニュースなどに実名で報道されることは、プライバシー権、名誉権を侵害することになりそうですが、法律上、問題なく報道されます。犯罪行為に関しては、報道することで犯罪を抑制する効果もある上に、報道側の表現の自由、国民の知る権利を優先しなければいけないためです。

第二十一条  集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

第二項 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

引用元:憲法第二十一条

そのため、ネット上に実名で犯罪歴が公開されることは致し方がないことですが、公開された情報を削除することができないというわけではありません。

刑の執行を終えている場合

全ての方が削除できるわけではありませんが、削除依頼が通りやすい条件はあります。まず、これからネット上に実名で公開された逮捕歴・前科を削除したい方は、刑期を全うしていることを前提に削除依頼ができると思ってください。

2~10年以上が経過している場合

また、判決から3年以上が経過すると削除依頼が法的に認められやすいと言われております。事件の重さによっては、5年~10年が必要だと言われておりますが、比較的、軽い犯罪の場合は2年を目安に考えてください。

社会復帰を果たしている場合

そして出所後に社会復帰を果たしていると、削除を依頼する人の更生の利益(社会復帰する上で支障をきたさないために保障された利益)を守るために、削除依頼が認められやすくなります。被害者と示談が成立している場合はなおさら認められる可能性は高くなります。

情報が掲載されていることにより被害がある場合

ネット上に実名で掲載されている犯罪歴を削除依頼するにあたり、掲載されていることによってどのような被害を受けるのかについて問わなければなりません。「犯罪歴が原因で仕事をクビになった」、「犯罪歴が知れ渡ったためお店の客足が悪くなった」など具体的な被害があると更生利益を守るために削除依頼が認められやすくなります。

逮捕されたが不起訴だった場合

逮捕後であれ、無罪または軽い犯罪であった場合、起訴されないことがありますが、不起訴の場合、削除依頼は認められやすい傾向にあります。この場合、時間が経過していなくても削除依頼は認められるでしょう。

実刑よりも執行猶予付きの犯罪

また、実刑よりも執行猶予期間付の犯罪の方が、削除依頼は認められやすい傾向にあります。この場合、すでに執行猶予期間を終えていることが前提です。

情報が拡散した範囲を確認する

では、具体的に犯罪歴の情報を依頼削除する方法を紹介していきますが、その前に犯罪歴の情報がネット上でどの程度、拡散されたのか、拡散された場所の洗い出しをしなければなりません。SNSや2chなどを介してネットのあらゆるところに拡散されているかもしれないからです。どこに情報が拡散されたのかを確かめるためには、専門家がITツールを用いて行いますが、素人が行うことは現実的ではありません。

記事削除依頼の請求の仮処分の申立をする

洗い出しが完了したら、実名で犯罪歴の書き込みが行われているサイトの管理者やプロバイダ会社へ、記事削除依頼の請求の仮処分の申立を行います。

検索結果から削除する

しかし、サイト主がサイトを放置している場合など、サイトの管理者によっては連絡が取れない場合もあります。この場合は、直接、Googleに申し立てることで検索上に犯罪歴が表示されないようにしましょう。Yahooの検索はGoogleと連動しているためGoogle上で削除されればYahoo上でも自動的に削除されます。

削除依頼の申出を行う

まず、Googleへ直接、検索から犯罪歴が表示されないように申出を行ってくださいGoogleの検索上へ実名で犯罪歴が公開されていることで、実生活にどのような支障をきたすのか法的側面を踏まえた上で、申出をするといいでしょう。

対応に応じて貰えない場合は仮処分の申立をする

もし、Googleが申出に応じない場合は、本社のあるアメリカのgoogle.Incへ削除依頼の仮処分の申立を行ってください。

一連の流れは弁護士に依頼することが一般的

ネット上の犯罪歴の情報を削除することは、専門性が高く個人で行うことは現実的ではありません。ネットトラブルを専門としている弁護士に依頼する方が現実的であり、ネットから犯罪歴を削除したい方はまずは弁護士に相談しましょう。

ネット上の書き込みを行った者へ損害賠償請求をするための手順

では、最後にネット上で、誹謗中傷を受けた方が、投稿者へ損害賠償請求をする方法を順追って説明していきます。

慰謝料の相場と弁護士費用

まず、損害賠償請求をするにあたり、損害賠償請求をするメリットがあるのかどうかを確かめることが必要です。そのためにはどれくらいの慰謝料が見込め、弁護士費用がどれくらいかかるのかを確かめることが必要であり、慰謝料の相場は以下の通りになります。

  • 一般的な誹謗中傷:10万円~50万円
  • 事業者の場合:50万円~100万円
  • ヌード写真が公開された場合:100万円~

また、弁護士費用の相場に関しては、

  着手金 報酬金
損害賠償請求 裁判外 約10万円 慰謝料の約16%
裁判 約20万円 慰謝料の約16%
IPアドレス開示 開示請求仮処分 約20万円
プロバイダ業者と交渉 約5万円~10万円
両方 約30万円~

上記の通りになります。案件によって慰謝料の額は異なる上に、弁護士費用は弁護士事務所によって異なるので、詳しくは弁護士事務所に相談して見積もりを出してもらいましょう。

ネットトラブルの解決が得意な弁護士を探すコツ

ネット問題が得意な弁護士を探すためには、各事務所の過去に取り扱ったネット関係の法律問題の件数を比較してください。ネット問題の取り扱い件数が多い事務所ほど、ネット案件に慣れているため取り扱い件数の多い弁護士事務所を選びましょう。また、問い合わせの時点で、対応が丁寧である、料金体系を明確にしてくれる弁護士は依頼する上で安心です。

サイトの管理会社へIPアドレスを請求する

損害賠償請求をするためには、投稿者の身元を特定しなければなりませんが、書き込みが行われたサイトを管理している会社へ、IPアドレスの請求をします。もし、請求に応じて貰えない場合は、会社へ発信者情報開示請求の仮処分を申し立ててください。

IPアドレスからプロバイダを特定する

IPアドレスを元に「IP SEACH」でプロバイダ会社を特定してください。IPアドレスを入力することでプロバイダの特定はできます。

プロバイダ会社へ情報開示請求の仮処分の申立をする

プロバイダ会社が特定できたら、今度はプロバイダ会社に対して発信者情報開示請求の仮処分を申し立ててください。この申立によって投稿者の氏名・住所を特定することができます。

投稿者へ損害賠償請求をする

投稿者の氏名・住所が判明したら、損害賠償請求を行います。損害賠償請求は、投稿者と直接、交渉するか、または裁判所を介して申立によって請求を行いますが、申立は交渉に応じて貰えない場合に行いましょう。

まとめ

ネット上で誹謗中傷を受けた方は、情報が拡散する前に、その書き込みの削除依頼を早めに行いましょう。書き込みの削除依頼をする上で当記事を参考にしていただけたらと思います。

ネット誹謗中傷について弁護士に相談する

電話相談可・初回面談無料・完全成功報酬
の事務所も多数掲載!

北海道・東北 北海道青森岩手宮城秋田山形福島
関東 東京神奈川埼玉千葉茨城群馬栃木
北陸・甲信越 山梨新潟長野富山石川福井
東海 愛知岐阜静岡三重
関西 大阪兵庫京都滋賀奈良和歌山
中国・四国 鳥取島根岡山広島山口徳島香川愛媛高知
九州・沖縄 福岡佐賀長崎熊本大分宮崎鹿児島沖縄
数十万~数百万の弁護士費用、用意できますか?

決して安くない弁護士費用。いざという時に備えてベンナビ弁護士保険への加入がおすすめです。

Cta_merci

離婚、相続、労働問題、刑事事件被害、ネット誹謗中傷など、幅広い事件で弁護士費用の補償が受けられます。

【ベンナビ弁護士保険が選ばれる3のポイント】

  • 保険料は1日あたり約96円
  • 通算支払限度額1,000万円
  • 追加保険料0円で家族も補償

保険内容について詳しく知りたい方は、WEBから資料請求してみましょう。

ベンナビ弁護士保険に無料で資料請求する

KL2020・OD・037

この記事を監修した弁護士
弁護士法人ネクスパート法律事務所
寺垣 俊介
2016年1月に寺垣弁護士(第二東京弁護士会所属)、佐藤弁護士(東京弁護士会所属)の2名により設立。遺産相続、交通事故、離婚などの民事事件や刑事事件、企業法務まで幅広い分野を取り扱っている。

この記事を見た人におすすめの記事

この記事を見た人におすすめの法律相談

  • SNSによる誹謗中傷
    現在妊娠中なのですが、相手は実は既婚者でした。 ずっと独身と騙され続けて...
  • ツイッター上での誹謗中傷について
    辞めた職場の人にツイッターでキチガイなどの誹謗中傷をされました。 何歳な...
  • ストーカー行為及びネット中傷
    自業自得なのですが、既婚者でありながら他の男性と不倫関係にありました。 ...

new風評被害の新着コラム

もっと見る

風評被害の人気コラム

もっと見る

風評被害の関連コラム

編集部

本記事はあなたの弁護士を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。

※あなたの弁護士に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。
 詳しくはあなたの弁護士の理念と信頼できる情報提供に向けた執筆体制をご覧ください。

※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。