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KL2020・OD・037
モラハラ(モラル・ハラスメント)とは、主に精神的な攻撃を目的として、相手を非難するポイントを執拗に責め立てるハラスメントです。
職場でのモラハラは、被害者を退職に追い込む、精神疾患を発症させるなど、深刻な事態に発展する可能性があります。モラハラ加害者は、相手の生き方や価値観を否定することによって自分の正当性を主張することを目的としています。
今回は、職場でのモラハラ上司についてご紹介します。
目次
冒頭でもお伝えしましたが、モラハラ上司は、『自分の思い通りにいかないと気が済まない』、『自分のやり方が一番正しい』と強く思い込み、周りにも自分の同じ考えを持つことを強要します。
また、モラハラ上司の多くはモラハラ行為を無意識に行なっています。今回は、モラハラ上司の特徴を以下の5つに分けでご紹介します。
『精神攻撃型モラハラ』は、相手を非難するポイントがひとつでもあれば、そこを執拗に責め立てるモラハラです。
精神攻撃型のモラハラ上司は多くの非難を浴びせることでモラハラ被害者の自信を奪い、精神的に追い詰めて自分の方が優位な立場である(優れている)ということを主張します。精神攻撃型のモラハラ上司が行うモラハラの例を以下にまとめました。
精神攻撃型モラハラをする上司は、モラハラ被害者のやることすべてを否定しようとします。そのため、可能であれば相手にしないことが一番の対策になります。とはいえ、モラハラが長期間に及ぶものであったり、自分が気にしていることに対して言及するものである場合は「相手にするな。」と言われても無理がありますよね。そのため、精神攻撃型モラハラにあった時は早い段階から周囲の人に相談するようにしてください。
『人間関係切り離し型モラハラ』は、いわゆる仲間はずれをして相手を追い詰める、周囲に見せしめるモラハラです。
人間関係切り離し型のモラハラは、孤立することによって業務がスムーズに進まなくなってしまう可能性があるので、業務に支障をきたした時点で相談するようにしましょう。
人間関係切り離し型のモラハラ上司が行うモラハラの例を以下にまとめました。
人間関係切り離し型のモラハラは、孤立することによって業務がスムーズに進まなくなってしまう可能性があるので、業務に支障ができた時点で相談するようにしましょう。
モラハラが上司を首謀として集団で行われている場合は、社内だけでなく社外(外部)の相談窓口を利用することもひとつです。各相談窓口については、後の項目に詳しく記載しています。
『職場環境悪化型モラハラ』は、モラハラ被害者を攻撃することで周囲の人の職場環境も悪化させるモラハラです。一緒に働いている人が、上司からハラスメントにあっている様子は見ている人によっても居心地のいいものではありません。
職場環境悪化型のモラハラ上司は、モラハラ被害者を攻撃しているところを周囲に見せしめることで、『自分に逆らうとこうなる』と示し、自分の思い通りになるよう周囲の人をコントロールしたがります。
職場環境悪化型のモラハラ上司が行うモラハラの例を以下にまとめました。
職場環境悪化型モラハラの場合は、モラハラの直接的な被害者だけでなく周囲の人も居心地が悪いものです。
この場合は、周囲の人もあなたが受けているモラハラに理不尽を感じているはずなので、モラハラを目撃している周囲の人に相談して味方になってもらうのがいいでしょう。
『仕事妨害型モラハラ』は、仕事を与えなかったり、仕事を大量に押し付けたりすることでモラハラ被害者の業務の円滑な運営を妨害するハラスメントです。
仕事妨害型のモラハラ上司は、仕事を取り上げることで「自分に逆らったからこうなるんだ。」と相手より自分の方が優位な立場であることを示します。
また、仕事妨害型モラハラは、相手の負担を増やすことで退職に追いやる『追い込み型モラハラ』とも言われます。仕事妨害型のモラハラ上司が行うモラハラの例を以下にまとめました。
仕事妨害型モラハラは、モラハラ被害者に負担をかけることによって追い詰めるハラスメントです。仕事妨害型のモラハラは、ほとんどの場合、モラハラ上司本人に掛け合っても状況が変わりません。
モラハラ上司を管理している、さらに上の立場の上司か社内のハラスメント相談窓口などにモラハラ被害を相談・報告しましょう。
『プライベート干渉型モラハラ』は、仕事(業務)に関係のないことを本人の失態などに持ち出したり、恋愛や私生活などプライベートに関わることに対して必要以上に立ち入るモラハラです。
プライベート干渉型のモラハラ上司は、部下または自分より下の立場の同僚のすべてを把握したつもりになって、私物化しようとします。プライベート干渉型のモラハラ上司が行うモラハラの例を以下にまとめました。
プライベート干渉型のモラハラ上司は相手のことに干渉して把握することによって、部下や同僚を管理していると思い込んでいます。上司がプライベート干渉型モラハラをしている、または、モラハラをする可能性があると感じたらなるべく仕事以外の話をしないよう心がけましょう。
LINEや個人メールアドレスなどの連絡先を教えない、休日に連絡が来ても既読にせず返信しないというのもひとつです。
モラハラ上司がしつこく詮索してきた場合は『プライベートのことですので』とはっきりと拒否の姿勢を見せましょう。
プライベート干渉型のモラハラ上司の大半は、無自覚にモラハラをしていますので、それとなく自覚させることが重要です。
職場で上司や同僚からモラハラにあった際は、モラハラの証拠を残して、モラハラ被害を相談しましょう。ハラスメント問題の解決には、周囲の人を巻き込んでいくことが重要です。
モラハラを相談・報告をする際には証拠が重要です。モラハラの証拠を押さえるには次の方法があります。モラハラ被害の証拠は、悪質なモラハラを訴える際にも重要になるので早い段階から集めるようにしましょう。
モラハラが発言によって行われる場合は、ICレコーダーやスマートフォンの録音機能を使ってモラハラ発言を記録に残しましょう。音声データは、モラハラ発言だけでなく書類を投げつけるなどのモラハラにも有効です。
また、同じ職場に協力してくれる人がいた場合は、周囲の人の証言も音声データに残しておくといいでしょう。
モラハラがメールやLINEによって行われている場合は、メールやLINEの画面をスクリーンショットなどで保存したり印刷するなどで手元に残るようにしましょう。
休日や業務終了後のしつこいLINEは、通知画面の時点でスクリーンショットを取っておきましょう。
モラハラ行為が、音声や画面に残すことが難しい場合はモラハラ被害記録ノートを作成しましょう。モラハラ被害記録ノートとは、モラハラ行為が行われた際に随時メモ書きすることです。
記録する際は、ボールペンなどの消えない筆記用具を使用して、改ざんなどがされてないことを証明しましょう。
モラハラ被害ノートには、『いつ(日付)』、『どこで』、『誰に(パワハラ加害者の名前)』、『何をされた(パワハラ行為の内容)』、『どうなった(自分の状態)』などの5W1Hを意識して記録するようにしてください。
モラハラにあったら、モラハラ被害があったということの報告も兼ねて相談するようにしてください。企業にモラハラ被害を相談する際は、『パワハラ』として相談することをおすすめします。
モラハラを上司からされている場合は、パワハラに相当します。『モラハラ』と『パワハラ』に大きな差はないのですが、企業にはパワハラ防止措置が義務付けられていますので、パワハラ相談を受けたら速やかに対処しなければならないのです。
モラハラだけでなく、すべてのハラスメントに共通することですが、ハラスメント問題は加害者と被害者が直接交渉をするとハラスメント行為がさらに悪化する可能性が高いです。
モラハラは、モラハラ上司に直接掛け合おうとはせず、必ず相談をして第三者を介入させるようにしましょう。
モラハラは、労働基準法に違反する可能性のある行為です。また、悪質なモラハラは、違法なだけでなく、さまざまな罪に問われる可能性があります。この項目ではモラハラによって問われる可能性のある罪をご紹介します。
悪質なモラハラは罪に問われる可能性があります。モラハラによって問われる可能性のある罪は以下の通りです。
罪名 | 刑事罰 | 悪質なモラハラの例 |
侮辱罪(刑法第231条) |
拘留または科料 |
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>名誉毀損罪(刑法第230条) | 3年以下の懲役もしくは禁固、または50万円以下の罰金 |
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脅迫罪(刑法第222条) | 2年以下の懲役または30万円以下の罰金 |
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暴行罪(刑法第208条) | 2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金 |
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傷害罪(刑法第204条) | 15年以下の懲役、または50万円以下の罰金 |
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強要罪(刑法第223条) | 3年以下の懲役 |
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また、モラハラ被害者が精神的苦痛などで精神疾患になった場合はその治療費などを慰謝料としてモラハラ加害者に請求することができます。
モラハラ行為をただちにやめさせるには、企業を巻き込むことが重要です。上司からのモラハラは『パワハラ』になりますので、企業も防止措置を取らなければなりません。
先の項目でもお伝えしましたが、モラハラは証拠が重要です。モラハラの証拠を集めるには以下の3つのポイントがあります。
なお、ストレスによって身体症状が出ている場合は、ノートにモラハラ被害だけでなくご自身の身体や心の状態も記載するようにしてください。
モラハラ被害にあったら、まずは相談することからはじめてください。また、上司からのモラハラを相談する際には、『パワハラ』として相談するとよいでしょう。
多くの企業ではコンプライアンスやハラスメントの相談窓口が設置されています。上司からのモラハラは、『パワハラ』として相談窓口に掛け合いましょう。
社内の相談窓口ではとりあってもらえなかった、相談したのにモラハラ行為が収まらない、という場合は社外の相談窓口を利用するとよいでしょう。
また、厚生労働省が運営している「あかるい職場応援団」ではパワハラの相談窓口として外部の相談窓口の案内も行っています。
相談窓口での解決が難しい場合は企業に直接モラハラ行為の中止を要求しましょう。この場合も、『モラハラ』ではなく『パワハラ』という言葉を使った方が有効です。
企業に直接ハラスメントの解決を要求するには、『ハラスメント差止要求書』という文書を作成して内容証明郵便で送ります。
内容証明郵便とは、送った文書の内容を郵便局が証明してくれるというサービスです。内容証明郵便で送ることによって、『言った・言わない』のトラブルを防ぐことができます。
モラハラ被害に悩んでいる方は、転職や退職を考えることが少なくないでしょう。ただ、転職や退職までには踏み切れないでいるという方は、一度モラハラ被害を相談してみてください。
モラハラで転職や退職をすることは決して悪いことではありません。モラハラをする上司や、モラハラを傍観する同僚のいる職場で仕事をし続けるのは相当負担になります。
悪質なモラハラは刑事告訴や慰謝料請求ができます。先の項目でもお伝えしましたが、悪質なモラハラはさまざまな罪に問われる可能性があります。
また、上司からのモラハラによって退職に追い込まれたり、精神疾患になって働けなくなったりした場合はモラハラ上司に対して損害賠償請求を行うことができます。
モラハラ上司に損害賠償を請求した結果、交渉が決裂すると訴訟になるので、弁護士の力が必要不可欠です。弁護士に相談すると、モラハラ解決のために企業と代理交渉を行うことも可能ですので、はじめから弁護士に相談することをおすすめします。
モラハラ上司は、自分より弱い立場の人間に対してハラスメントを行うタチの悪いものです。
また、モラハラ上司は無意識にモラハラを行なっていることも多いのでまず相手にモラハラであることをそれとなく伝えることをしてみましょう。
悪質なモラハラに悩まされている方は、決して一人で抱え込むことはせず必ず相談してください。
この記事が上司や同僚からのタチの悪いモラハラに悩んでいる方の参考になれば幸いです。
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