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KL2020・OD・037
「自分の子供がいじめの被害に遭っている…」
「学校や警察へ相談したけど、動いてくれない…」
そういった場合に相談すべきは弁護士です。弁護士に相談することで、いじめ問題への具体的な解決策を提案・実行してくれます。
ただ、気になるのは弁護士費用ですよね。
この記事では、いじめの解決方法別の弁護士費用相場や、弁護士費用を抑えるコツなどを解説します。
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目次
いじめ問題を弁護士に依頼する場合、弁護士費用を知る前に決めておきたいのが、どういった解決方法を選択するか、ということです。
解決方法によって、負担することになる弁護士費用は大きく異なります。
いじめ問題をどのように解決するのかを考えることは、問題に取り組む上での出発点です。いじめ問題は、刑事責任の追及と、民事責任の追及にまず分かれます。
ここでは、どういった解決方法があるのか解説します。
弁護士に依頼することで、警察に刑事告訴状などを提出して、いじめを刑事事件として立件するよう求めることができる場合もあります。
この時、いじめの中で犯罪行為(窃盗、恐喝、暴行、傷害、強要など)が行われたことを示す客観的証拠がそろっていれば、警察も事件として取り扱い、必要な捜査を行ってもらえる可能性があるでしょう。
結果、加害者は刑事責任を問われることがあり得ますし、そうでない場合でも家庭裁判所の少年審判事件として、しかるべき対応がされる可能性があります。
また、このような刑事事件・少年事件の処理の中で、加害者側と民事的な被害の補償について協議するということもできるでしょう。
『裁判までは起こしたくないが、慰謝料を請求したい!』といった場合に考えられる方法が、加害者や学校との示談協議です。
例えば加害者との間では、これまでのいじめ被害についての補償や謝罪について協議することがあり得ますし、学校との間ではいじめの再発を防止するための具体的措置について協議することがあり得ます。
なお、示談金や再発防止策に決められたルールはありません。そのため、双方の話し合いで柔軟に決めることができます。
ただし、話し合いで決定されるため、お互いが歩み寄らなければ交渉が決裂することも考えられます。
一方、双方が解決に向けて前向きに話し合うことができるのであれば、あえて裁判をすることなく適切な解決を図ることができるでしょう。
いじめは被害者の人権を踏みにじる行為であり、加害者は不法行為者として民事的な賠償責任を負います。
また、学校は生徒に対して安全な就学環境を整える義務を負っています。
そのため、いじめの事実を知っていながら放置した場合や、事実調査をせずに放置した場合は、当該義務違反を理由として民事的な賠償責任を負う可能性があります。
弁護士に依頼することで、いじめの加害者や学校に対してこれら民事的な責任の追及(損害賠償請求)を行ってもらうことも期待できます。
ただし、民事訴訟は時間・費用が相当かかりますし、依頼者本人の精神的負担も大きいでしょう。
また、日本の裁判所はあまり高額な慰謝料を認めることはないため、多くの場合は費用倒れになる可能性が高いとも考えられます。
もちろん、裁判所を交えた手続きとして、民事訴訟までは行わないまでも、民事調停手続で話し合いにより解決するという手段もなくはないです。
しかし、訴外の協議で解決しなかった問題が、民事調停で解決する可能性は高くはありません。法的手続に進む場合は、民事訴訟での解決が基本となるでしょう。
民事・刑事の責任追及とは毛並みが異なりますが、日本弁護士連合会や法務省で行っている『人権救済』の申立てを行うことで、学校の社会に対する責任を問うという方法もあります。
ただ、この方法が取られることは、実務上極めてまれと思われます。
この手続きではまず申立先機関が申立事項について調査、認定を行います。
認定事実が人権侵害であると評価されれば、程度に応じて『警告』『勧告』『要望』などの声明を勧告し、相手に任意での適切な対応を求めます。
この申立ては、弁護士に依頼してもよいですが、ご自身で行うことも可能です。
申立て方法は、文書に申立人の氏名、住所、侵害者または相手方の氏名、団体の名称、申立事件の概要、相手方への要望を記して、日本弁護士連合会の人権擁護委員会へ郵送するだけです。
詳しくは、『日本弁護士連合会|人権救済申立てに関する手続(申立方法・手続の流れなど)」の申立て方法をご覧ください。
もっとも、相手は勧告に従う義務はありませんので、確実に問題が解決されるかどうかは断言できません。
しかし、学校は社会に対して一定の責任を負っていますので、社会的な評価の低下を回避するために、何らかの対応が取られることは期待できます。
いじめ問題で相談すべきは、法律の専門家である弁護士が一番です。
しかし、現段階ではあまり認知されておらず、扱っている弁護士事務所が少ないために、相場といったものはありません。
インターネットで検索をしてもなかなか見つけられないのが現状です。
そこで、いじめ問題で弁護士に相談した場合に考えられる弁護士費用について、弁護士法人プラム綜合法律事務所の梅澤 康二弁護士にお聞きしました。
ぜひ参考にしてみてください。
梅澤弁護士:人権救済申立を弁護士に依頼した場合の費用の相場はないと思います。
いじめ問題について人権救済申立を行うという事例自体が珍しいことですし、現段階では、対応する事務所があまりないと思います。
多くの場合は時間給(1時間2万とか3万など)で対応する事務所が多いのではないでしょうか。
その場合の費用感がどうなるかはケース・バイ・ケースでしょうが、感覚的には着手金・報酬金合わせて20~50万円程度かなとは思います。
梅澤弁護士:刑事告訴のための費用も事案によりけりですが、これも金銭的な請求をするものではないため、時間給で対応する事務所が多いと思います。
時間給でないとすれば着手金20~30万円、報酬金40~60万円程度かなと思います。刑事告訴の場合、告訴状を作成します。
これを受理して立件するかどうかは、捜査機関側の判断となり、微妙な事件であれば難易度も高いため、報酬金はそれなりに高くなる傾向にあるように思われます。
梅澤弁護士:示談交渉それ自体であれば、着手金10~20万円、報酬金10~20万円程度かなと思います。
これに金銭的な請求を上乗せする場合は、請求額・合意額に応じて別途報酬が発生するように思われます。例えば、獲得した取金額の20%といった具合です。
梅澤弁護士:民事訴訟の場合、請求額にもよりますが、通常は着手金が請求額の10%程度、報酬金が認容額の20%程度かなと思います。
100~200万円程度の請求であれば、着手金・報酬金併せて30~60万円の範囲内となると思います。
学校側に改善を促すために『人権救済申立』を行うのであれば、手続自体は難しくありませんので、ご自身で行ってもよいでしょう。
弁護士費用には、ここでお伝えした着手金(頭金のようなもの)、報酬金の他に、相談料・日当、交通費などの実費も発生しますので、ご留意ください。
また、民事訴訟を行う場合にも、手数料などがかかるため、弁護士に依頼すれば実費として弁護士費用に含まれることになります。
民事訴訟の手数料
請求する額 |
手数料(収入印紙代) |
100万円 |
1万円 |
300万円 |
2万円 |
500万円 |
3万円 |
1000万円 |
5万円 |
【参考元】裁判所|手数料
弁護士費用は、各弁護士事務によって大きく異なるため、実際の費用に関しては、依頼前に弁護士にご確認ください。
ここでは、弁護士費用を抑えるコツをご紹介します。
弁護士事務所によっては、相談料が無料の弁護士事務所もありますので、そちらを活用することで費用を抑えることができます。
なお、相談料の相場は30分5,000円です。相談をしたからといって、必ず依頼しなければならないわけではありませんので、ご安心ください。
また、当サイトから、お住まいの地域で無料相談を受けている弁護士を探すこともできますので、ぜひご活用ください。
弁護士費用を負担することができない場合、資力(財産)が一定以下などの条件を満たせば、利用可能なのが、日本司法支援センター、通称『法テラス』の民事扶助制度です。
例えば、3人家族で賞与を含む手取り月収が27~29万円以下などの条件を満たしている場合に、法テラスが着手金や実費を立替えてくれます。
立替えてもらった着手金などは、月々で返済していくことになります。
『日本司法支援センター 法テラス|費用を立て替えてもらいたい」に明記されている条件に当てはまる方は、申請してみてください。
裁判よりも安価で行えるのが、弁護士などが間に入り話し合いを行うADR(調停のようなもの)です。
ADRは、申立手数料が5,000~1万円、紛争当事者で話し合い期日事に5,000円の手数料、その他、斡旋されてくる仲介人の弁護士の裁量で、双方の成立手数料が異なります。
引用元:東京弁護士会|紛争解決費用
加害者側が話し合いに応じてくれるのであれば、ADRを利用することで費用を抑えることができるでしょう。
ADRは東京弁護士会だけでなく、各地の弁護士会が行っていますので、お住まいの地域の弁護士会へ電話するか、『〇〇(お住まいの地域) ADR』で検索することもできます。
全国の弁護士会の連絡先は『日本弁護士連合会|全国の弁護士会・弁護士会連合会」をご覧ください。
もし、訴訟をお考えであれば、訴訟を起こす簡易裁判所や地方裁判所などに近い弁護士事務所を利用することで、弁護士費用を少しだけ抑えることができます。
弁護士費用には、弁護士の交通費や日当も含まれます。弁護士事務所から移動などが少なければ、その分だけ費用が抑えられるということです。
相手の不法行為による損害賠償請求は、場合によって、弁護士費用相当額として認容された賠償金の10%程度の金額が、損害に上乗せされることもあります。弁護士費用全額を相手に請求できるわけではないということは注意しておきたいですね。
学校内で起きたいじめは、子供が行ったことであっても、立派な犯罪行為であり、人権侵害です。
本来であれば、学校側が責任を持ち改善を行う、悪質であれば警察が捜査を行わなければなりません。
しかし、現実では、学校の協力が得られない、事件性がないとして警察が動いてくれないことが多いでしょう。
そんな時に相談すべきなのが、法律の専門家である弁護士です。弁護士であれば、あなたやお子さんの味方となってくれます。
弁護士費用は決して安価ではありません。だからこそ無料相談などを利用して、弁護士への依頼が必要かも含め、検討してみるとよいでしょう。
いじめ問題について弁護士に相談する 電話相談可・初回面談無料・完全成功報酬 |
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出典一覧 |
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KL2020・OD・037
本記事はあなたの弁護士を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
※あなたの弁護士に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。
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