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KL2020・OD・037
自分の夫(妻)が不倫をしていたらどうしますか?例え一時の遊び、性欲解消と言われても、その裏切り行為を許せるわけではありません。心の溝は埋められず、いつしか夫婦間に亀裂が入り「別れたい」と考えてしまうのではないのでしょうか。
実際に不倫をされたら別れたいと考えるという人は男女ともに多くいます。下の表をご覧ください。
(参照元:マイナビ)
(参照元:マイナビ)
半数以上は離婚を考えるという結果になりました。では、離婚を考えた場合どのようなことをしなければいけないのでしょうか?ここでは、夫(妻)の不倫で離婚を考えた場合の参考になるように、離婚に向けて考えるべきことや離婚までのステップを紹介します。
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目次
夫(妻)の不倫が発覚し、「もう別れたい!」と思っても、即日離婚することは不可能だと思います。先のことや離婚の方法について何も考えずにしてしまうと、後悔してしまうことが多いのです。以下のような5つのことを考えた上で離婚を行いましょう。
離婚後の生活についてまず考えなければいけません。主に以下のことを考えます。
離婚してしまうと収入が半分になりますので、基本的に生活水準が下がることが予測されます。
今までできていたことを我慢しなくてはいけないという場面が出てきた時どうするのか、またそのような金銭的なものをあらかじめ考えておけば、慰謝料やその他金銭の請求金額を求めることができるのです。
不倫の証拠がないと、慰謝料を請求できず、最悪離婚も認められない可能性が高くなります。2人で話し合う離婚方法(協議離婚)の場合は証拠がすごく重要になるわけではありませんが、不倫をしていた夫(妻)が言い訳をできないようにするためにはあった方が有利です。
また、証拠は肉体関係があることが分かるような以下の証拠を集められれば、裁判で有利になり、慰謝料の金額が上がる可能性が高くなります。
慰謝料を請求する場合、請求相手を夫(妻)か不倫相手どちらにするかを選べます。また、慰謝料は収入が多い方に請求すると高額になる傾向にあります。
慰謝料請求は金銭問題のため、個人で行うとトラブルになる可能性が高くなるので、離婚問題の解決に注力している弁護士に相談することでトラブル回避が期待できます。
財産分与は夫婦が協力して築いた共有の財産になり、以下のようなものが含まれます。
へそくりも基本的には財産分与の対象ですが、別居中に貯めた金銭は対象になりません。
不倫をしていても親権は欲しいという人もいます。不倫された側からしてみれば、「ふざけるな!」と思うかもしれませんが、裁判で争った場合、不倫と親権は直接関係ないため不倫をした側が親権を獲得する場合もあるのです。実際の判例として、以下のようなものがあります。
妻の不貞が発覚し、夫が子供を連れだした。本件は連れ出した子供の引渡しを求めて妻が裁判を起こした。裁判所は、不貞行為を行ったのは妻だが、今まで監護養育していたのは妻であり、環境に問題がなく、子供が両親を同等に慕っているため、監護養育権は母親にあると認めた。(引用:平成29年2月17日文献番号:2017WLJPCA02176003)
このような場合もあるので、不倫をした側が親権を絶対にとれないと安心してはいけません。また、親権を決めた後は養育費や面会交流についての取り決めをします。
面会交流は子供の意思を尊重しながら「日時・会う時間の長さ・連絡方法・会う場所・会っている間に発生した金銭について」を細かく決めておきましょう。
「別れたい!」と思っても、離婚は自分の一存だけで決めることはできません。また離婚後の生活が今と大きく変わるため、不安に思うことが多いと思います。ここではよくある懸念事項とその解消法を紹介します。
離婚は相手が合意してくれなと成立しません。そのため、離婚したくないと言われたら離婚ができないのです。相手が離婚を拒否し、2人で話し合っていても進展しない場合、離婚調停を申し出る必要があります。
調停離婚は裁判所に行き、調停委員と裁判官に介入してもらい話し合う方法です。しかし、離婚調停も合意によって離婚が成立しますので、相手が断固拒否すれば離婚は成立しません。調停離婚をしてもダメな場合は裁判を行う必要があります。
不倫の証拠がしっかりあれば、裁判でも離婚は成立しますので、心配ありません。
結婚の際に仕事を辞めた、現在求職中、専業主婦(主夫)の場合は離婚後の経済面を特に気にすると思います。
そのような場合は、「母子家庭支援制度」を存分に活用しましょう。母子と書いてありますが、父子でも利用がすることができます。支援されるのは以下の7つです。
経済的に不安を抱えている人は1度目を通すことをおすすめします。
子供がいてまだ小さい場合、子供に両親がいないのはかわいそうと離婚をためらうと思います。確かに、両親が一緒にいないということは個人差があれど、悪影響を与えますが、夫婦仲が悪い、どちらかがずっと耐えて暮らしている姿を子供見たくないのも事実です。
また、親の精神が不安定だったりすると、両親が揃っていても子供にとっては悪い影響を与えます。離婚し、再婚して円満な家庭で育つ方が子供にとってもいのではないのでしょうか?
不倫をされて・不倫をして離婚をしたとなると不誠実人・捨てられた人というレッテルを貼られてたり、噂話の的になる可能性が高く、自分の耳に直接入ると肩身の狭い思いをします。
そのような場合は早々に引っ越す、絶対に結婚していたことを言わない、離婚原因を言わないといった対処法をしましょう。離婚から時間が経つと離婚したことも特に気にしなくなります。また、再婚をしてしまえば、子供がいても離婚の事実を知られることはありません。
離婚は夫婦間の問題のため、まずは話し合うことが必要になり、いきなり裁判をすることはできません。
上の図のような方法で離婚を進めていきます。日本の離婚は9割が①の協議離婚で成立します。ではどのように行えばいいのか見てきましょう。
協議離婚は2人で話し合って離婚を成立させる方法です。お互いに合意をしないと離婚が成立しません。また、2人だけで行うので、相手の口が達者な場合や自分の意見をうまく言えない人の場合、不利な条件で離婚が成立してしまう場合があります。
また自分たちで決めることが意外と多いため、どちらかに知識がないと難しい場合があります。協議離婚の際は決めた離婚条件を離婚協議書にすることが必要です。離婚協議書を公正証書にすることで、離婚後条件を守らなかった際に裁判を行わなくても強制執行ができます。
協議離婚で離婚が成立しない場合や、相手が話し合いに応じようとしない、暴力やモラハラをされていて2人で話し合いたくない場合は離婚調停を行います。
調停離婚は「離婚ができないと思う人の懸念と解消法」で少し説明しましたが、裁判所に行き調停委員や裁判官に間に入ってもらい話し合いと合意によって離婚や離婚条件を決める方法です。
離婚調停では、弁護士が代理で出席することが可能なので、自分の意見を主張しにくい、慰謝料をしっかりもらいたい場合などは依頼をおすすめします。
離婚が話し合いではどうしても決まらない場合は、裁判を起こします。離婚を裁判官に認めてもらうには、法に定められた理由が必要です。不倫はその理由に含まれていますので、証拠があれば相手の合意がなくても離婚が認められます。
また判決が決まった後は10日以内に離婚届けを提出する必要があり、期限内に提出できなかった場合は罰金を支払う必要があるので注意しましょう。
お伝えしたように、不倫された場合は慰謝料の請求ができ、慰謝料相場は150万円~300万円となっています。しかし、状況などによって高額になる可能性も十分にあり得ます。
ここでは、不倫時の慰謝料について紹介します。
このような要素を考慮して、慰謝料が決められます。
高額な慰謝料になる10の要因 |
|
① |
婚姻期間の長さ |
② |
不倫の主導者(積極性)はどちらか |
③ |
不倫相手の認識・意図 |
④ |
不倫相手との年齢差(差が大きいほど高額) |
⑤ |
不倫の期間・回数 |
⑥ |
約束の保護(不倫をしないと誓ったにもかかわらず、再び不倫をした場合は悪質となる) |
⑦ |
離婚前の婚姻生活の状況(円満な家庭だった場合は高額) |
⑧ |
子供の有無 |
⑨ |
子供への影響 |
⑩ |
夫(妻)の社会的地位 |
不倫行為に加え、暴力・モラハラ・悪意の遺棄(家に帰ってこない、生活費を渡されない)等の行為があると更に高額になります。
以下のような状況によって慰謝料は高額になります。
慰謝料金額 |
高額になった要因 |
1,000万円 |
|
500万円 |
|
500万円 |
|
(参照元:慰謝料算定の実務 ぎょうせい)
高額な慰謝料を認めさせるには、証拠をできるだけ多く集めることが大切です。
離婚をするには多くの不安や、覚悟が必要になると思いますが、これからずっと夫(妻)の行為に我慢し続けたり、信じられないのに一緒にいなくてはいけない苦痛を考えれば、早めの内に離婚してしまった方が、幸せかもしれません。
損をしないために、離婚についての知識を蓄えておくとともに、離婚方法や慰謝料請求の仕方について弁護士に1度相談することをおすすめします。
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本記事はあなたの弁護士を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
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