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KL2020・OD・037
離婚を考えたときに、経済面の不安から離婚に踏み切れないシングルマザーも多くいることでしょう。
実は母子家庭の支援制度は、国が行うものから自治体が行うものまで千差万別です。今回は11の支援制度を紹介します。ご自分が対象者であるかどうか確認しながらお読みください。
目次
まずは、助成金制度からご紹介します。
児童扶養手当とは、18歳未満の子どもがいる母子(父子)家庭で、収入額が定められた所得に満たない家庭がもらえる手当てのことをいいます。以下、母1人子ども1人の児童扶養手当ての例が載っていますのでご覧ください。
母と子ども1人の母子世帯を例にとると、収入が130万円(「所得」で57万円)未満の場合は、全部支給額が支給され、収入が130万円以上で365万円未満(「所得」で57万円以上で230万円未満)の場合には、一部支給額が支給されます。
また、支給額(月額)は、全部支給はこれまでと同じ42,370円ですが、一部支給は、所得に応じて、42,360円から10,000円までの10円きざみの額となります。
児童扶養手当の支給月は4、8、12月の年3回、4カ月分の手当てがそれぞれの月に振り込まれます。児童扶養手当は誰でももらえるわけではありません。上記にあるように所得や、子どもの数でも変わってきます。
大まかな計算ではありますが、下記に児童扶養手当の金額をシミュレーションできる自動計算表がありますので、よければ参考にしてください。児童扶養手当の申請については、ご自分の住む役所にお問い合わせください。
住宅手当とは、母子(父子)家庭で、自らが借りる住宅に月額10,000円以上の家賃を払っている方を対象にしているものです。この制度は市区町村が独自に行っているものなので、国の制度ではありません。
市区町村によっては残念ながら実施しないところもあるので、事前に確認が必要になります。場所によって金額は変わりますが大体10.000円前後の手当てがあるようです。これを年3~4回に分けて支給します。詳しくはご自分の市区町村でお問い合わせください。
就学援助とは、就学に必要な様々な費用の援助を行ってくれる制度のことをいいます。以下、文部科学省のホームページから抜粋しました。
a.補助の概要
市町村の行う援助のうち,要保護者への援助に対して,国は,義務教育の円滑な実施に資することを目的として,「就学困難な児童及び生徒に係る就学奨励についての国の援助に関する法律」「学校給食法」「学校保健安全法」等に基づいて必要な援助を行っています。【要保護児童生徒援助費補助金】
※ 生活扶助基準の見直しに伴い,できるだけその影響が及ばないよう,平成25年度当初に要保護者として就学支援を受けていた者等については,生活扶助基準の見直し以降も引き続き国による補助の対象となっています。b.補助対象品目
学用品費/体育実技用具費/新入学児童生徒学用品費等/通学用品費/通学費/修学旅行費/校外活動費/医療費/学校給食費/クラブ活動費/生徒会費/PTA会費
引用元:文部科学省|就学援助制度について
お住まいの市区町村の役所に問い合わせることで詳しい条件を聞くことができます。また、ホームページに就学援助について掲載している市区町村もありますので、一度ご確認ください。
母子(父子)家庭の方が健康保険証を使って負担した医療費を助成する制度です。(東京都では、マル親とも呼ばれています)お住まいの場所によって異なりますが、例として東京都福祉保健局が提示しているひとり親医療助成制度についてご紹介します。
対象者
- 児童を監護しているひとり親家庭等の母又は父
- 両親がいない児童などを養育している養育者
- ひとり親家庭等の児童又は養育者に養育されている児童で、18歳に達した日の属する年度の末日(障害がある場合は20歳未満)までの方
対象除外
- ひとり親家庭等の所得が限度額以上の方
- 生活保護を受けている方
- 施設等に措置により入所している方
助成範囲
国民健康保険や健康保険など各種医療保険の自己負担分から一部負担金(下表参照)を差し引いた額を助成します(住民税非課税世帯は、医療保険の自己負担分を助成します。)。ただし、入院時食事療養・生活療養標準負担額は助成しません(区市町村によって助成している場合もあります。)。
マル親一部負担金
東京都以外にお住まいの方もこちらの制度は行っていますので、詳しくは市町村の自治体にお問い合わせください。また東京都在住の方も、住んでいる区市町村によって変わることもありますので予め問い合わせることをお勧めします。
続いて、減免・減税制度を紹介します。
母子(父子)家庭だけに限らず、失業した場合にも利用できるのが国民健康保険料の免除申請です。国民健康保険料の免除には、国が行う【減額制度】と市区町村が行う【減免制度】があります。
世帯所得水準と、世帯内の保健加入者数(世帯主は含みません)によって減額割合が7割、5割、2割の中から軽減されます。(市区町村により割合は変わります)前年度の所得が一定額以下になった世帯を対象にしますので、特別な手続きや申請をする必要はありません。対象であれば自動的に減額されるとお考えください。
納付しなければならない国民健康保険料の2割~10割減免される制度のことをいいます。減額制度を受けていないことが条件になります。こちらは市区町村による制度ですので、前年度の所得が一定以下であることに加え様々な条件があります。
また、国の制度とは違い自動的に適用されることもありません。必ず市区町村への申請が必要になります。手続きに必要なものは場合によって変わってきますので、詳しくは役所の福祉課にお尋ねください。
経済的に余裕が無く、国民年金の納付が難しい場合は国民年金保健料免除と納付猶予制度を利用しましょう。
免除は全額、4分の3、半額、4分の1から決定します。世帯主や配偶者を含む全ての人の所得が一定以下になった場合や、失業した場合に適用されますが、必ず申請を行う必要があります。年金が免除になった場合でも、以下にあるように、免除の割合に応じて老後は年金を受け取ることができますのでご安心ください。
対象者は20歳から50歳未満の方。前年度の所得が定められた金額以下の場合に適用される制度です。納付猶予ということで、申請後は一定期間国民年金を払わなくても良いのです。
母子家庭であることを条件に寡婦控除(かふこうじょ)を受けることができます。下記に詳しい説明が載っていますので、ご覧ください。
1 寡婦控除の概念
納税者自身が寡婦であるときは、一定の金額の所得控除を受けることができます。これを寡婦控除といいます。
2 寡婦控除の対象となる人の範囲
寡婦とは、納税者本人が、原則としてその年の12月31日の現況で、次のいずれかに当てはまる人です。
- (1) 夫と死別し、若しくは離婚した後婚姻をしていない人、又は夫の生死が明らかでない一定の人で、扶養親族がいる人又は生計を一にする子がいる人です。この場合の子は、総所得金額等が38万円以下で、他の人の控除対象配偶者や扶養親族となっていない人に限られます。
- (2) 夫と死別した後婚姻をしていない人又は夫の生死が明らかでない一定の人で、合計所得金額が500万円以下の人です。この場合は、扶養親族などの要件はありません。
(注) 「夫」とは、民法上の婚姻関係をいいます。
「合計所得金額」とは、純損失、雑損失、居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失、特定居住用財産の譲渡損失、上場株式等に係る譲渡損失、特定投資株式に係る譲渡損失及び先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除を適用する前の総所得金額、特別控除前の分離課税の長(短)期譲渡所得の金額、株式等に係る譲渡所得等の金額、上場株式等の配当所得(上場株式等に係る譲渡損失との損益通算後の金額)、先物取引に係る雑所得等の金額、山林所得金額、退職所得金額の合計額をいいます。
3 特定の寡婦控除の対象となる人の範囲
寡婦に該当する方が次の要件の全てを満たすときは、特定の寡婦に該当します。
- (1) 夫と死別し又は離婚した後婚姻をしていない人や夫の生死が明らかでない一定の人
- (2) 扶養親族である子がいる人
- (3) 合計所得金額が500万円以下であること。
4 寡婦控除・特定の寡婦控除の金額
区分 控除額 寡婦控除 27万円 特定の寡婦控除 35万円
母子家庭であることに加え、条件を満たしている場合は27万円の控除が可能になります。さらに扶養家族がいる場合は8万円加算され35万円が控除されます。これを寡婦控除・特定の寡婦控除といいます。
また、父子家庭の男性が受けられる所得控除、寡夫控除(かふこうじょ)も存在します。寡夫控除の金額は27万円と決まっています。条件は寡婦控除とほぼ同じですが、詳しくは自治体にお尋ねすることをお勧めします。
自治体によって変わりますが、母子(父子)家庭を対象に子どもの保育料の減免を行っている場合があります。ここでは東京都北区の保育料減免の例を見てみましょう。
保育料減額
以下の事情により保育料の納入が困難な場合は『保育料減額』制度があります。減額の適用月は、理由により異なります。以下の事情が発生し、減額を希望する場合には直ちに申請してください。
なお、減額条件に該当する場合でも、計算の結果、保育料が減額とならない場合があります。
- 生活保護を受けるようになった場合
- 出産などにより新たに同一世帯内に扶養家族が増えた場合
- 主たる働き手が失業した場合
- その世帯の過去3カ月の平均収入額(賞与を除く)が基準年の平均収入額(賞与を除く)より1割以上低額と認められる場合(適用は3カ月のみ)
- 同一世帯内のお子さんが、北区と契約した定期利用保育施設・家庭福祉員及び東京都認証保育所により保育されている場合
- 入園児童を除き、同一世帯内に身体障害者手帳1~2級・愛の手帳1~3度・精神障害者保健福祉手帳1~3級の方がいる場合
- 基準年の翌年に前年所得の10分の1を超える災害・盗難等による損失を受けたとき
- 基準年の翌年に高額の医療費を払ったとき(保険金等で補てんされる金額を除く)
※4月分から8月分までの保育料については、前々年を基準年とします。
※9月分から翌年3月分までの保育料については、前年を基準年とします。
※減額理由が複数ある場合でも、適用は1~8のいずれか一つです。
※添付書類は減額理由により異なります。詳しくは保育課入園相談係にお問い合わせください。
これはあくまで東京都北区の保育料の減免についての記載になります。自治体によって異なりますので、詳しくはお住まいの自治体へご確認ください。
児童扶養手当を受給している母子(父子)家庭は、JRの通勤定期券が3割引になるJR通勤定期券割引制度が適用されます。自治体に申請することで、利用できる制度です。また、お住まいの市区町村によっては電車やバスの公共料金が無料または半額になる制度もありますので、自治体にご確認ください。
母子(父子)家庭は優先的に公営住宅に入居できる場合があります。どこの自治体でも実施している制度ではありませんので、ご自分の住まいが優先入居を実施しているかご確認ください。
母子(父子)家庭を対象に水道料金の全額免除や割引を行う制度があります。こちらも全ての地域が対象ではありませんので、事前に確認することをお勧めします。
支援制度についてお伝えしましたが、離婚前にきちんとお金の確保をしておくことが大切です。離婚時にどのくらいの金銭や財産をもらうことができるかしっかり把握して離婚に臨みましょう。離婚時にもらえる可能性のあるものをお伝えします。
慰謝料は離婚原因が相手にある場合、精神的苦痛を受けたとして慰謝料を請求することできます。精神的苦痛の度合いにより金額は変わりますが、もし、ご自分が精神的苦痛を与えられたと思う場合は慰謝料を請求しましょう。
請求できる離婚原因として挙げられるのが、不貞行為・暴力暴言・悪意の遺棄などです。
夫婦2人で築いた財産を分け合うことを財産分与といいます。結婚前の個人の財産は分与の対象外です。結婚生活の中でその財産を築くために双方がどのくらい貢献したのか考えながら財産分与を行います。
しかし、話し合いで決める場合は、どのように財産分与をしようがすべて自由です。一般的には折半する夫婦が多いようですが、もちろん全く違う割合で財産分与を行う夫婦もいます。もし話し合いでまとまらない場合は調停や裁判に発展します。
その際は、双方の財産を築いた貢献度が考慮されながら決まります。財産分与は離婚前に取り決めを行うことをお勧めしますが、離婚後に財産分与の請求をしたい場合は家庭裁判所に申し立てをします。この申し立ての期限は離婚後2年以内と決まっていますのでご注意ください。
子どもと同居する側が相手に養育費を請求した場合、養育費の支払いをしなければなりません。養育費の金額は話し合いにより相談します。同意をすれば金額がいくらでも問題ありません。
しかし、揉めてしまった場合や調停・裁判へと発展した時は養育費の算定表を参考にしながら養育費の金額を決めていきます。実際の裁判のときに利用する算定表を掲載しますので、ぜひ一度ご覧ください。
以上が母子(父子)家庭への支援制度となります。自治体によって違うとはいえ、様々な支援制度がありましたね。もし、あなたが対象者である場合は、うまく活用して生活の負担を減らしてください。また、わからないことは自治体の窓口で相談しましょう。
そして、離婚時にもらえるお金をしっかりと把握することは非常に大切です。母子(父子)家庭として生きていくことの不安を払拭するためにも入念な下調べをおこなってくださいね。
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