離婚裁判の弁護士費用の相場|費用を抑えるコツと負担はどっち?

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弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
離婚裁判の弁護士費用の相場|費用を抑えるコツと負担はどっち?

離婚裁判でかかる弁護士費用の相場はいくらくらいなのでしょうか。

調停が不成立で終わってしまっても、離婚を望んでいるのであれば、離婚裁判を行うことになります。

離婚裁判はご自身で行うことも可能ですが、やはり離婚の解決実績がある弁護士に依頼して有利に進めたいですよね。

気がかりなのは弁護士費用です。そこでこの記事では、以下の5点について解説します。

  • 離婚裁判にかかる弁護士費用の相場
  • 弁護士費用を抑える方法
  • 弁護士費用を相手に請求することはできる?
  • ご自身で行った場合の費用の比較
  • 離婚裁判で弁護士に依頼すべきかどうか判断する方法

離婚裁判で弁護士に依頼すべきかどうかの判断材料として、ぜひ参考にしてみてください。

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離婚裁判の弁護士費用の相場と内訳

離婚裁判の弁護士費用の相場と内訳ここでは、離婚裁判を依頼した場合の弁護士費用の相場と内訳について解説します。

ただし、弁護士費用は各弁護士事務所が定める料金体系によって差がありますので、あくまでも目安としてお考えください。

離婚裁判の弁護士費用の相場は60~100万円

離婚裁判を弁護士に依頼した場合の費用の相場は、総額で60~100万円といわれています。

成功報酬は、離婚の成否以外に慰謝料、財産分与、養育費、親権の獲得などがあれば、上乗せされることになります。

また、調停と同じ弁護士にそのまま依頼した場合も多少費用が異なりますので、「離婚調停と同じ弁護士に依頼した場合」をご覧ください。

離婚裁判の弁護士費用の内訳

離婚裁判の弁護士費用の内訳は以下の通りです。

相談料

0~1万円/30~60分

着手金

20~40万円

成功報酬

離婚成立:30~60万円

慰謝料獲得に対する成功報酬

獲得金の10~20%

例:慰謝料200万円を獲得した場合20~40万円

財産分与獲得に対する成功報酬

獲得金の10~20%

例:財産分与100万円を獲得した場合10~20万円

親権獲得に対する成功報酬

10~20万円

養育費獲得に対する成功報酬

10~20万円前後

婚姻費用獲得に対する成功報酬

獲得金の10~20%

例:婚姻費用100万円を獲得した場合10~20万円

実費

弁護士の交通費・訴訟の申立手数料など内容に応じて加算

日当

1日1万円など事務所によって異なる

細かく解説します。

相談料|0~1万円/30~60分

弁護士に相談する際にかかる相談料の相場は、0~1万円/30~60分です。しかし、最近では無料相談を受け付けている事務所も多くなっています。

当サイト『あなたの弁護士』でも、無料相談を受け付けている弁護士事務所を見つけることができます。ぜひご活用ください。

着手金|20~40万円

着手金の相場は20~40万円です。着手金は依頼した際に発生する頭金のようなもので、結果の如何にかかわらず、返金を求めることはできません。

成功報酬|30~60万円

裁判で離婚が成立した場合の成功報酬の相場は30~60万円です。

これ以外に、慰謝料、財産分与、親権、養育費の獲得に対して、上述した金額が上乗せされます。

実費|内容に応じて加算

実費とは、弁護士の交通費や訴訟の申立手数料、書類のコピー代など、弁護活動で発生した報酬以外の費用です。

離婚裁判の場合、争う内容によって必要な申立手数料が異なります。

例えば、単に離婚の成否だけなら1万3,000円と、書類の送達代6,000円前後で、手数料は約2万円です。

詳しくは後述する「自分で裁判を行った場合の費用」をご覧ください。

日当|1日1万円

弁護士が事務所以外で活動した場合、例えば出廷などで発生する日当の相場は、1日1万円といわれています。

日当はタイムチャージと呼ぶ場合もあったり、発生しない事務所もあったりと、さまざまです。

弁護士費用は事務所ごとに料金体系が大きく異なりますので、相談時や依頼前に必ず確認しましょう。

離婚調停と同じ弁護士に依頼した場合

離婚調停から依頼していた弁護士に、引き続き離婚裁判を依頼する際の費用の相場は以下の通りです。

着手金

追加で10万円

成功報酬

追加で20~30万円

離婚調停からの依頼の総額相場

70~110万円

調停から引き続き、裁判で離婚を争う場合でも、弁護士に依頼すれば別案件として、着手金・報酬金が発生します。

ただし、これもあくまで目安で、追加の着手金がないといった事務所などさまざまです。

同様に相談時や依頼前、離婚調停を依頼した弁護士などに確認してみましょう。

離婚裁判の弁護士費用を抑える4つの方法

離婚裁判の弁護士費用を抑える4つの方法ここでは、離婚裁判の弁護士費用を抑える4つの方法をご紹介します。

1:安価な弁護士事務所を利用する

至ってシンプルですが、弁護士費用を抑える方法の1つは、安価な弁護士事務所を利用することです。

弁護士事務所のなかには、上述した無料相談以外にも、着手金が無料だったり、分割払いを受け付けていたりする事務所などもあります。

当サイト『あなたの弁護士』でも、以下の条件の弁護士事務所を掲載しています。

  1. 初回の面談相談無料
  2. 法テラス利用可能
  3. 着手金0円プランあり
  4. 分割払い対応可能
  5. 後払い対応可能
  6. カード払い可能など

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1:安価な弁護士事務所を利用する

無料相談などを活用して、まずはご相談ください。

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2:法テラスを利用する

あなたの手取りが一定以下などの条件を満たせば、法テラス(日本司法支援センター)で無料相談や弁護士費用立替制度などが利用できます。

法テラスを利用した場合の弁護士費用の相場は、通常の弁護士費用の相場よりはるかに安価です。

また、弁護士費用立替制度は、着手金を立て替えてもらえる制度で、返済も月々5,000円~なので、一度に大きなお金を用意するのが難しい人にとっては、ありがたい制度です。

法テラスの資力要件、弁護士費用の相場については関連記事をご覧ください。

【関連記事】

法テラスで離婚相談|無料相談の利用条件や費用を抑えるコツ

また、当サイトからなら、法テラスに対応している弁護士を見つけることができますので、ぜひご活用ください。

3:協議離婚で離婚する

意外かもしれませんが、離婚調停が不成立になった後に、離婚裁判を起こさずに、協議離婚をする方法もあります。

もちろん、離婚調停前にもお互い話し合いを行ってきたでしょうから、「何を今さら」と感じるかもしれません。

しかし、弁護士を介して協議離婚を行えば、裁判離婚よりは弁護士費用の負担を抑えられるでしょう。

協議離婚を依頼した場合の弁護士費用は、成功報酬が獲得金額の10~30%が相場と、離婚裁判よりは安価です。

また、相手も離婚調停に疲れていたりすれば、応じてくれるかもしれません。一考の価値はあるのではないでしょうか。

【関連記事】協議離婚の弁護士費用の相場

4:家庭裁判所から近い弁護士事務所を利用する

上述した通り、弁護士費用の実費には、弁護士の交通費が含まれます。

したがって、弁護士が出廷する家庭裁判所から近い弁護士事務所を利用することで、弁護士の交通費を抑えることができます。

離婚裁判の弁護士費用は相手に請求できる?

離婚時に発生した弁護士費用は、相手に負担を強制させることはできません。

しかし、1969年の最高裁判所では「相手の不法行為で訴えを提起することを余儀なくされた場合、その弁護士費用は諸事情を考慮し、相当と認められる額の範囲内のものに限り、不法行為と因果関係のある損害であると言える」とした判例が存在しています。

『不法行為の被害者が、自己の権利擁護のため訴えを提起することを余儀なくされ、訴訟追行を弁護士に委任した場合には、その弁護士費用は、事案の難易、請求額、認容された額その他諸般の事情を斟酌して相当と認められる額の範囲内のものにかぎり、右不法行為と相当因果関係に立つ損害というべきである。』

裁判年月日 昭和44年 2月27日 裁判所名 最高裁第一小法廷 裁判区分 判決

事件番号 昭41(オ)280号

事件名 抵当権設定登記抹消登記手続等請求事件

裁判結果 上告棄却

参照元:文献番号 1969WLJPCA02270002 

もっとも、認められたとしても実務的には、損害賠償容認額の10%程度といわれており、それほど高い金額ではないようです。

自分で離婚裁判を行った場合の費用

自分で離婚裁判を行った場合の費用ここでは、自分で離婚裁判を行った場合の費用を解説します。

自分で裁判を行った場合の費用

自分で裁判を行った場合にかかる費用は、裁判の申立手数料と書類を送達する切手代、戸籍謄本の発行手数料だけです。

具体的な金額は以下の通りです。

収入印紙

基本(親権含む)

1万3,000円

財産分与

基本+1,200円

養育費請求

基本+1,200円/子供1人

慰謝料請求

請求する慰謝料金額による

郵便切手代

6,000円前後

戸籍謄本代

450円

提出書類のコピー代

裁判所と相手に送達される訴状2部

【参考元】裁判所|離婚

離婚裁判で慰謝料を請求する場合

慰謝料請求がない場合は、基本の手数料と、ほかに争う付帯処分(財産分与や養育費など)の合算が手数料となります。

一方で慰謝料請求がある場合、裁判所の手数料早見表から、該当する請求金額に対する手数料を確認します。

離婚裁判で慰謝料を請求する場合

【引用元:裁判所|手数料額早見表】※数字や枠線は編集部で加筆

慰謝料300万円を請求する場合は、①の訴えの提起から、②の300万円を確認します。300万円の慰謝料請求の手数料は2万円です。

この慰謝料の手数料(2万円)と、基本の手数料(1万3,000円)を比較して、高額なほうの手数料が採用されます。

慰謝料300万円を請求する場合の手数料は2万円と、基本の手数料より高額ですが、140万円以下の請求であれば基本の手数料となります。

事例

離婚+財産分与+子供2人の養育費の場合

1万3,000+1,200+1,200×2=1万6,600円

離婚+財産分与+子供2人の養育費+慰謝料請求300万円の場合

慰謝料の手数料2万+1,200+1,200×2=2万3,600円

上記の通りとなります。

もし、わからなければ、訴訟を提起する家庭裁判所に聞いてみてもよいでしょう。

【参考元】仙台家庭裁判所|離婚等の訴訟(人事訴訟)を提起予定の方へ

離婚裁判で弁護士に依頼するかどうかの判断方法

ここまでは、弁護士費用の相場と、弁護士用を抑える方法、ご自身で離婚裁判を行う費用について解説してきました。

しかし、まだ弁護士に依頼するかどうかお悩みの方もいらっしゃるかもしれません。

ここでは、弁護士に依頼した場合のメリット・デメリット、ご自身で行うメリット・デメリットをご理解いただいたうえで、弁護士に依頼するかどうかの判断方法を解説します。

弁護士費用は高額なものの多くのメリットがある

離婚裁判を弁護士に依頼した場合のメリットは以下の通りです。

  1. 慰謝料などを請求した場合、増額される可能性がある
  2. 訴訟の提起から必要な書類の準備、口頭弁論など法的知識を要することを行ってもらえる
  3. 自分に有利な事情を主張してもらえる
  4. 代理人として出廷してもらえる
  5. 精神的な負担が軽減される

弁護士費用の負担はネックともいえますが、依頼せずにご自身で行うと、法律知識に基づいた適切な主張ができず、思うような結果にならない可能性があります。そうしたリスクを回避できるでしょう。

上記のメリットを享受したい、あるいは、相手も弁護士を雇っているような状況であれば、依頼すべきといえるでしょう。

自分で行えば安価だが大きなリスクを伴う

確かにご自身で離婚裁判を行えば、弁護士費用の負担はありません。

ただし、離婚訴訟の提起や、証拠や結婚生活から離婚に至る経緯、言い分などをまとめた陳述書の用意、ご自身の意見を訴える口頭弁論などを、すべて自分で行わなければなりません。

また、平日の昼間に行われる審理には必ず出廷する必要があります。

弁護士に依頼すれば勝訴する可能性が高い裁判でも、ご自身で行うことで、負けてしまうリスクが出てくるかもしれません。

それでも後悔しないと言えるのであれば、弁護士費用を抑えてご自身で行ってもよいかもしれません。

依頼すべきかどうか判断する方法

結局依頼すべきかどうかは、弁護士に依頼した場合のメリットと、しなかった場合のデメリットを比較し、どちらのほうがあなたが後悔しないのかを判断することに尽きます。

そこで、依頼すべきかどうか判断する最もよい方法は、無料相談を活用して、実際に弁護士に相談をしてみることです。

無料相談を活用したからといって、その弁護士に依頼する義務は生じませんので、ご安心ください。

実際に弁護士に相談することで、依頼すべきかどうか、慰謝料などはどの程度獲得できそうか、費用倒れにならないか、あるいは、離婚裁判を起こす前に相手と交渉すべきかなど、今後の方針について有意義なアドバイスをしてもらえるでしょう。

依頼すべきかどうか判断する方法

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離婚裁判で依頼したい弁護士の選び方

ここでは、離婚裁判で依頼したい弁護士の選び方について解説します。

離婚裁判の弁護士選びで重視すべきポイント

離婚裁判で弁護士を選ぶ際に重視したいのは、以下の4点です。

  • 離婚の解決実績がある
  • 不利となる事情も説明してくれる
  • 説明がわかりやすいかどうか
  • 信頼できる・相性がよい

離婚の解決実績がある弁護士であれば、複数ある解決策から、あなたに合った方法を提案してくれるでしょう。

また、裁判で不利となる事情についての説明や、わかりやすい説明を受けられるかも、信頼関係を築く上で重要です。

そして、話しやすさなど、あなたとの相性の良さも欠かせません。

当サイト『あなたの弁護士』なら、数ある弁護士のなかから、離婚の解決実績がある弁護士を探すことが可能です。

あなたに合った弁護士を選んでくださいね。

弁護士費用と弁護士の実力

安価な弁護士に依頼したいけど、その実力は期待できるのかとお考えの方もいるかもしれません。

上述しましたが、弁護士費用は弁護士事務所ごとに設定されています。

自分の腕に自信があるので、弁護士費用を比較的高く設定している弁護士もいるかもしれません。

しかし、いくら腕のよい弁護士であっても、傲慢に感じられるなど、あなたとの相性が悪い場合は、依頼したいとは思わないのではないでしょうか?

また、高額な弁護士費用を支払ったからといって、必ずしも勝てるとは限らないのが裁判です。想像もしていなかったような、有効な証拠を相手が提出してきた場合は、いくら高額で優秀な弁護士でも、対処するのが難しくなる可能性があるからです。

重要なのは、あなたに合った弁護士であるかどうかです。

まとめ

この記事では、離婚裁判の弁護士費用の相場、弁護士費用を抑える方法、ご自身で行った場合の費用などについて解説しました。

離婚の解決実績がある弁護士に相談してみることで、今後の見通しや、離婚裁判を行うべきかどうか、ほかの解決策を検討できるかどうかなど、有益な助言を受けることができるでしょう。

費用面についても、獲得が見込める慰謝料と、負担が必要となる具体的な弁護士費用を比較することができるかもしれません。

無料相談を活用して、弁護士に依頼すべきかどうかも含め、まずは相談だけでもしてみてはいかがでしょうか。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。第二東京弁護士会所属。

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編集部

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