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KL2020・OD・037
刑事裁判(けいじさいばん)とは、被告人の有罪・無罪を判断し、刑罰を宣告する手続きのことです。この記事では、以下の6点について解説しています。
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九州・沖縄 | 福岡 | 佐賀 | 長崎 | 熊本 | 大分 | 宮崎 | 鹿児島 | 沖縄 |
目次
刑事裁判とは、犯罪を起こした者の量刑や、犯罪を起こしたのかどうかを争う裁判です。
ここでは刑事裁判にかかる期間や裁判の費用、公訴権などについて解説していきましょう。
刑事裁判と民事裁判にははっきりとした違いがあります。こちらをご覧ください。
表:民事裁判と刑事裁判の違い
民事裁判 |
刑事裁判 |
|
目的 |
個人間の紛争の解決 |
治安維持のため適切な量刑を科す |
内容 |
権利・法律関係の有無を判断する。 |
被告人の有罪・無罪を判断し、刑罰を宣告する。 |
訴える側 |
原告 |
検察官 |
訴えられる側 |
被告 |
被告人 |
弁護士 |
必ずしも必要ではない |
基本的に弁護人が付く |
民事裁判では必ずしも弁護士を必要としませんが、刑事裁判では基本的には弁護人がつきます。
刑事事件を担当できる弁護士に関しては、関連記事をご覧ください。
法務省によると、2012(平成24)年における刑事事件の審理期間は、大体が3ヶ月程度で、長期に渡ったケースは、1年を超えるものが1.6%、2年を超えるものは0.2%でした。
刑事裁判は被告人にも負担がかかりますし、国にもコストがかかるため、簡略化された手続きもあります。
被告人が、犯罪事実を否認している否認事件や、重大な事件、被害者が多数にのぼる事件などは、審理に時間を要するため、長期に渡るようです。
日本の裁判制度は三審制を導入しており、判決に対し2回までは不服申立をすることができます。
しかし、実際に最高裁判所で審理されるケースは少なく、実質二審制と言えるでしょう。
ニュースなどで耳にする“最高裁判所で争う”というのは、かなり珍しいケース。最高裁判所まで続くような重大な事件は、裁判が長期に渡るものなのです。
民事裁判は敗訴した側に裁判費用の負担が命じられます。刑事事件でも有罪が言い渡された場合は裁判費用を請求されることがあります。
しかし、実際に訴訟費用の負担が発生するケースは民事・刑事共にまれです。
なお、民事でも刑事でも私的に弁護士に依頼すれば、当然その費用は自己負担となります。
比較的軽微な事件について、通常の刑事裁判を簡略化した手続きが行われることがあります。
略式起訴(略式手続) |
といった条件が揃えば検察官は略式起訴を取ることがあります。 |
即決裁判手続 |
などの条件が揃えば、検察官は即決裁判を申し立てることがあります。 |
このような簡略化された手続きが用いられたのは、長期拘束される被告人や国の裁判費用の負担軽減が目的とされています。
公訴権とは、刑事裁判を提起する権限のことです。民事裁判は誰でも訴訟を起こすことが可能ですが、刑事裁判は検察官しか訴訟提起できません。(起訴独占主義)
なお、この原則の例外的制度として以下のような制度があります。
不審判制度 |
公務員の職権乱用などに対する処分に、告訴(捜査機関に対し加害者の処分を求める意思表示)した者が不服を申立て、審判を行うように請求できる |
起訴議決制度 |
20歳以上で選挙権を有する国民の中から無作為に選出された11名で構成された検察審査会が、民意を反映して検察の不起訴処分に異議を唱える |
刑事裁判が行われる裁判所の種類はこちらです。
刑事裁判の有罪率は統計上、およそ99%であるというのは有名です。これは検察が、確実に有罪立証できるであろうと判断した事件しか起訴しないためです。
そのため、日本の刑事裁判は、有罪か無罪か争う場ではなく、適切な量刑を決める手続きになっているという意見もあります。
テレビドラマなどでよく見る“弁護士が被告人の無罪をかけて闘う”というような裁判は少なく、実際は検察が求刑した量刑に対し、弁護人が弁護活動をして、裁判官が適切な量刑を下すというのが実情です。
ここでは刑事裁判に参加する人物をご紹介していきましょう。
引用元:裁判所|刑事事件の登場人物
被告人 |
事件を起こし起訴され裁かれる人 |
検察官 |
被告人を起訴する人 |
弁護人 |
被告人の人権に配慮し、これを弁護する |
裁判官 |
証拠から事実を認定し、有罪・無罪を判断する。有罪の場合は刑罰を決めて宣告する。 |
少年審判の場合 |
|
家庭裁判所調査官 |
家庭裁判所の調査官が少年の生活環境等を調査し、裁判官の判断をサポートする。 |
付添人 |
少年の利益のために弁護する人 |
裁判のやり取りを記録するのが書記官・速記官です。
刑事裁判は一般公開されており(少年事件や非公開除く)、誰でも傍聴可能なため、被告人の後ろに傍聴人がいます。
裁判員裁判の場合は、一般人から選出された6名の裁判員がおり、裁判官3名と一緒に審議することになります。
事件を起こした被疑者が14歳以上20未満の未成年者だった場合は、家庭裁判所で少年審判を行うこともあります。
少年審判は少年の人権に配慮して行われる為、原則公開はされておらず、傍聴人も裁判員もいません。
刑事裁判は公開法廷で行われますので、誰でも傍聴できます。ここでは、刑事裁判の傍聴に関してご紹介していきましょう。
開廷している時間は裁判所によって異なるようです。
東京地裁の場合ですと、土日祝日、年末年始を除いた平日の午前10時~12時、午後は13時~16時までとなっています。
裁判の傍聴に費用はかかりません。傍聴する場合、直接裁判所へ行き、審理される事件や法定番号などを、裁判所にある“開廷表”で確認し、法廷に入りましょう。
有名な事件だと、抽選で選ばれた人に交付される傍聴券が必要となることもあります。
裁判所の「各地の裁判所の傍聴券交付情報」のページからお近くの裁判所をお選びいただきますと、傍聴券の交付情報が確認できます。
傍聴する際の注意点は、審理の妨げとならないよう、私語をせず、携帯電話はマナーモードとし、静かに傍聴しましょう。
またプライバシーなどの問題もあり撮影や録音は禁止されています。メモすることは可能です。服装にこれといった決まりはありません。
起訴されるまでにすべきことは、弁護士へ相談し、必要な弁護を行ってもらうことです。
日本の刑事裁判は量刑裁判で、有罪であることが前提のケースが多くなっています。
そのため、弁護士の弁護活動はその多くが、被告人の量刑を有利にするための情状立証です。
刑事裁判についてお分かりいただけたでしょうか。刑事裁判の傍聴は平日であれば可能なので、機会があれば行ってみてください。
刑事事件や刑事裁判の流れについては関連記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
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本記事はあなたの弁護士を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
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