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KL2020・OD・037
タクシー事故は通常車両の事故と比べて示談を進めるのはかなり厄介だと言われています。
タクシー会社は職業柄、交通事故に遭遇する機会が多くその後の対処方法を熟知しています。他方、一般人は交通事故なんて未経験の人がほとんどなので、知識や経験の差から対等な交渉が難しい場合があるのです。
そのような状況に悩まされる人を少しでも減らすため、当記事ではタクシー事故の示談交渉を進める際の注意点をご紹介します。タクシー事故の被害に遭って慰謝料請求を検討している場合はぜひ参考にしてみて下さい。
目次
まず交通事故における示談の役割について確認しておきましょう。示談とは加害者が被害者にお互いが合意の上で決定した示談金を支払い、これ以上の争いをやめる和解をする契約です。
第六百九十五条 和解は、当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめることを約することによって、その効力を生ずる。
引用元:民法第695条
交通事故の解決は交渉により示談金を決定して両者が示談書にサインを済ませて、加害者が被害者に示談金を支払ったら解決になります。
ただ、示談は示談書にサインをした時点で契約に同意したものと見なされ、後からの内容変更は認められないので要注意です。不明点や納得できない点がある場合は安易に示談に応じないようお気をつけください。
通常の交通事故だと示談交渉の相手は加害者が加入している保険会社になりますが、タクシー事故の多くはタクシー共済が交渉相手になります。タクシー共済とはタクシー事業者が集まって独自に作っている協同組合です。
タクシー業者は多くの車両を所有しているため、全て任意保険に加入をすると莫大な保険料が必用になります。タクシー共済はその負担を軽減するために作られました。
普通の任意保険(車保険)は被害者への補償を補うことを目的とした保険であるのに対して、タクシー共済はタクシー会社を守ることを目的とした保険であると言えるでしょう。
任意保険を扱う会社は金融庁に保険事業の監督をされていますが、タクシー共済は保険事業として扱われていないため金融庁の監督を受けていません。そのため、タクシー共済は外部からの指導を恐れる必要が一切ないのです。
加入者もタクシー事業者のみで一般消費者を相手としていないので、レピュテーションリスクも比較的少ないといえるかもしれません。
そのため、タクシー共済を相手とした場合、通常の保険会社よりも若干強行な対応をされることがあると言われています。
もし、加害者から事故現場で即座に示談とすることを求められた場合、これに応じてはいけません。
事故後は警察を呼ばないと事故状況を記録した交通事故証明書が作成されないため、事故の事実を客観的に証明する証拠を残せません。そうすると、後々、加害者側に補償を求めようとしても事故の事実を否定されたり、共済適用を拒否されることがあります。
加害者から物損事故として処理するよう提案された場合は慎重に検討して下さい。
物損事故で処理した場合であっても、事故直後の通院記録や医師診断書があれば人身傷害の補償は受けられます。しかし、物損事故で処理されると実況見分調書が作成されませんので、事故態様に紛争が生じた場合に有力な証拠がないという事態になってしまいます。また、物損事故であることで軽微な事故と評価され、後遺障害認定等で不利になる可能性も否定できません。
したがって、上記提案があった場合はこれらリスクを踏まえた上で慎重に検討する必要があります。
外傷が見られない負傷や治療が長引いている状況で、タクシー共済から治療費の請求が過大であると主張されることがあるようです(これは任意保険会社の場合も同様です。)。
もちろん、治療が必要かどうかを判断するのはタクシー共済ではなく病院の担当医ですが、むちうち等の典型症状には治療期間に一定の目安があることも事実です。
このような場合、まずは医師に相談すべきでしょうし、場合によっては弁護士への相談を検討して下さい。
交通事故が人身事故として処理されると、被害者は怪我を負わされた精神的苦痛に対して慰謝料を請求できますが、タクシー共済から提示される慰謝料額は通常よりも低額であることが多いと言われています。
後遺症が関わるような事故の場合、慰謝料額は高額となるのが通常ですので、先方からの当初提示額をそのまま受け入れてしまうと相当の損失となってしまう可能性も否定できません。提示された慰謝料が本当に正当な額なのか確信が持てるまで絶対に示談に応じないようにして下さい。
事故にあったらまず警察に連絡をして事故状況を確認してもらいましょう。上記でも紹介した通り、警察が作成する交通事故証明書はその後の示談交渉に欠かせない重要な書類となります。
また、事故現場での事情聴取が終わったら怪我の有無に関わらず必ず病院に行くようにして下さい。むちうちや脳内出血など、交通事故では後から身体に異常が生じる負傷をしている恐れがあるので、事故当時は元気でも絶対に病院で検査を受けておきましょう。
病院の診断書を警察署に提出すれば人身事故として処理してもらえます。ただ、事故直後から通院の期間が空きすぎると人身事故が認められづらくなるので、遅くても事故から10日以内には診断書を提出するようご注意ください。
示談交渉をするタイミングは病院の担当医から治療はもう必要ないと言われた後になります。なぜなら、入通院の慰謝料は入通院日数を基に計算されるので、治療が終わってないのに示談を済ませるとその後の慰謝料を請求できなくなるからです。
関連記事:入通院慰謝料の相場・計算式|治療時の注意点と請求を高額にする方法
治療中に「もう通院は必要ないのでは?」とタクシー共済から示談を急かされる場合もありますが、医師から通院するように言われている内は被害者には通院を続ける権利があるので、まだ示談交渉には応じなくても問題ありません。
ちなみに、示談交渉に応じてしまうと治療は終了したと見なされ、治療中であってもその後の入通院費・慰謝料が請求できなくなってしまうのでご注意ください。
示談交渉をする前に交通事故で請求できる慰謝料の大体の相場を確認しておけば、事前に知っておけば慰謝料を少なく見積もられてもすぐに気が付くことができます。
関連記事:自働車事故の慰謝料の相場|慰謝料を増額して示談を有利に進める方法
自分の状況ならいくらの慰謝料を請求できるのかを事前に計算しておき、タクシー共済が提示する慰謝料と照らし合わせて少ないようなら、適正な慰謝料の計算方法での再提出を求めましょう。
ただ、上記の対応には慰謝料請求に関して多少の勉強が必要になるため、自分だけでは不安を感じる場合は弁護士への相談をおすすめします。下記で詳しくご紹介しますが、交通事故の弁護士依頼は被害者にとってメリットがとても大きいです。
慰謝料を計算方法には3種類の基準があるのですが、弁護士依頼をすれば慰謝料が最も高額になる弁護士基準で慰謝料の請求が可能です。(※タクシー事故を個人で請求すると自賠責基準が適用されるケースが多い)
自賠責基準 |
弁護士基準 |
|
3ヵ月間(月に10日)の通院を続けた際の慰謝料 |
25万2,000円 |
73万円 |
2週間(14日)の入院をした際の慰謝料 |
5万8,800円 |
53万円 |
等級14級の障害を負った際の慰謝料 |
32万円 |
110万円 |
弁護士基準では過去の裁判結果と法律を基に弁護士が適正な慰謝料を算出してくれるので、個人で請求するよりも2~3倍も慰謝料が増額するケースも珍しくありません。
弁護士依頼をすれば示談交渉とそれまでのタクシー共済への対応を弁護士に一任できるので、不当な主張で言いくるめられて慰謝料を値切られるリスクを避けられます。
治療期間の報告や後遺障害の申請など、交通事故では示談交渉前にも慰謝料に影響する手続きがいくつかあるので、事故から依頼までのタイミングが早ければ早いほど損害賠償が増額する可能性が高くなるでしょう。
また、事故で生活リズムが乱れている最中にタクシー共済との揉めながら慣れない手続きをする必要がなくなるので、精神的な負担も大きく軽減することができます。
【関連記事】交通事故の慰謝料相場|妥当な慰謝料を獲得するための全知識
依頼する弁護士によって料金形態が異なるため一概にいくらとは明記できませんが、以下が弁護士に示談を依頼する費用の大体の相場であると言われています。
【示談交渉】 |
着手金 |
報酬金(慰謝料) |
着手金あり |
10~20万円 |
報酬金の10~20% |
着手金なし |
無料 |
報酬額の20~30% |
弁護士に依頼する判断基準は『弁護士基準の慰謝料-弁護士費用>自分で請求できる慰謝料』になるかどうかなので、自分で計算をしてみるもしくは弁護士相談で見積もりを出してもらうと良いでしょう。
関連記事:交通事故にかかる弁護士費用の相場|費用の節約法と依頼先を選ぶコツ
ちなみに、自分が加入している自動車保険に『弁護士費用特約』が付属している場合は保険会社から弁護士費用を負担してもらえるので、その場合は何も迷わずに弁護士依頼をすることをおすすめします。
タクシー事故ではタクシー会社・共済の不当な対応により被害者が示談で損をさせられる可能性が否定できませんので、相手の提示を安直に受け入れることなく、示談の基礎知識を身に付けて慎重に対応していかなければいけません。
この記事の公開により、事故被害で理不尽な対応をされ泣き寝入りになってしまう人が少しでも減らせれば幸いです。
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