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KL2020・OD・037
共謀罪(きょうぼうざい)とは、組織的犯罪集団に所属する人間が2人以上で重大な犯罪を計画した場合に、実際に犯罪を行わずとも準備行為をした段階で処罰が可能となる法律です。
正式名称は“組織的犯罪処罰法”(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案)であり、“テロ等準備罪”と呼ばれています。
2017年の6月に成立し、同年の7月11日から施行されています。一般的には共謀罪として浸透しているようです。
この記事では注目されている共謀罪(テロ等準備罪)について、共謀罪とは何なのか、対象者は誰なのか、なぜ導入されたのか、指摘されている問題点、反対・賛成の両意見などを解説していきます。
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目次
共謀罪は、犯罪組織に所属する人間が、数名でテロをくわだてた場合に、テロの実行に着手する前の段階で逮捕・処罰が可能となり、犯罪を未然に防ぐことができるとされています。
またテロ行為に限らず、暴力団による殺傷行為、振り込め詐欺などの詐欺行為、犯罪組織が資金を得るための活動の準備行為なども該当します。
共謀罪の成立に関しては下記3つの要件を満たすこととされています。
またこの3つの成立要件についても法務省HPで細かく定義されており、共謀罪の成立に法務省が定める要件が不可欠だとすれば、処罰対象は限定されると考えられます。
共謀罪が適用される組織的犯罪集団とは、テロ集団、暴力団、振り込め詐欺グループ、薬物密売組織などが挙げられるでしょう。
一般人が罰せられるのではないかという懸念に対し、法務省では「一般の企業、市民団体、労働組合、サークルや同好会などで正当な活動を行っている団体は対象外。処罰範囲についても3つの成立要件を満たさなければ該当しない。」と明記しています。
準備とは、例えば犯行現場の下見、ウィルスの製造、犯罪実行のための資金の準備などの計画を前進させる行為が該当します。
共謀罪が適用される対象犯罪は277種です。
後述するTOC条約では“死刑・無期または長期4年以上の懲役・禁錮に当たる重大な犯罪”が対象としていますが、日本で対象とされているのは、TOC条約の定義のみならず、“組織的な犯罪集団が関与する”ことが想定される上記277種です。
つまりテロに限らず組織犯罪が関与しそうなもの、資金源になりそうなものなども対象とされています。
一見無関係に思える著作権法違反や森林法違反が含まれているのは、犯罪組織にとっての資金源になり得るからです。
共謀罪は2017年の6月に成立し、同年の7月11日からすでに施行されています。
共謀罪は犯罪が実行される準備の段階で逮捕・処罰が可能なので、犯罪を未然に防止できるメリットが考えられます。
従来の法律では特定の犯罪にのみ、計画した犯罪の準備行為を罰する “予備罪”が設けられていました。
例えば放火予備罪では、放火を目的とし使用するガソリンの購入などが該当します。
この予備罪を処罰する共謀罪を277の犯罪に適用することで、組織犯罪の防止が期待されています。
しかし日本の法律では、犯罪の実行行為があって初めて罪とされるため、準備段階では犯罪行為といえないのではないかなどの指摘もあります。
共謀罪が導入された背景には、“国際組織犯罪防止条約(TOC条約)の締結”と“東京オリンピックに向けたテロ防止対策”の2つがあります。
2000年に国連総会で採択された“国際組織犯罪防止条約(TOC条約)”は、国際的な組織犯罪に対抗するために国際協力の促進を目的としています。
加入すれば、外交ルートを通じず加入国間で直接犯罪捜査を協力し合うことや、犯罪者の引き渡しが可能となります。
しかし加入には“重大事犯の合意を犯罪化し法整備すること”が条件とされていました。
日本でも振り込め詐欺などの組織犯罪の多発や、東京オリンピックに向けてテロなどの組織犯罪の防止など国内外の組織犯罪情勢などが考慮され、加入条件でもある共謀罪が導入されたのです。
共謀罪が導入されたことにより、2017年の7月にはTOC条約を締結するにいたりました。
東京オリンピックやテロ防止のためといわれると導入の必要性を理解できる共謀罪ですが、多くの問題点が指摘されています。
ここでは共謀罪に指摘される問題点を取り上げていきます。
共謀罪の適用対象は、組織的犯罪集団に限定されていますが、一般人にも適用されるのではないかとの危惧が広がっています。
など共謀罪を危惧する声が聞かれています。
これに対し法務省では、「一般の企業、市民団体、労働組合、サークルや同好会などで正当な活動を行っている団体は対象外。処罰範囲についても3つの成立要件を満たさなければ該当しない。」と明記しています。
共謀罪の成立に3つの成立要件が不可欠であるのならば、処罰対象は限定されると考えられるでしょう。
したがって会社員数名の集まりや、居酒屋での雑談程度であれば該当しないことになります。
共謀罪が成立すれば捜査権限が拡大し、会話の盗聴や、メール・SNSなどのやり取りが常に監視され監視社会となるのではないかとの懸念があります。
これに対し法務省では「共謀罪の新設に対し、新たな捜査手段を導入することは予定していない。法令の範囲内で捜査し、組織犯罪から国民を守る。捜査権限が拡大・濫用されて国民が監視される恐れはない。」と回答しています。
共謀罪の処罰対象になる犯罪には、著作権法や森林法など国民の生活に近い法律も含まれているために、今後コミックマーケットなどで行われる同人活動や、野山でキノコの採取ができなくなるのではないかと不安視されていました。
しかし、著作権法や森林法が含まれているのは、組織的犯罪集団が資金を得るために海賊版のDVD販売や、保安林内の土砂を盗んで売るなどの計画が起きうるためです。
したがって同人誌の制作やコミケでの売買、行楽でキノコ狩りなどの計画が共謀罪に当てはまることはありません。
共謀罪では、犯行の実行行為がなくとも処罰が可能となるため、冤罪が増加するのではないかといわれています。
何が組織的犯罪集団とされるのかは、捜査機関の判断によるとされている部分も曖昧なため、不安視される一因となっています。
共謀罪施行後の2017年8月には、日本の捕鯨に対し反対、捕鯨妨害活動を行っていたシー・シェパードが、公式サイトで妨害活動の中止を発表しました。
団体の活動資金が限られていること、日本でテロ等準備罪が施行されたことで活動の継続が困難になったとコメントしています。
共謀罪についてはさまざまなメディアで世論調査がされています。
少し古いデータとなりますが、朝日新聞が掲載した各大手メディアの世論調査結果を参考に比較したデータが下記です。
【参考元】朝日新聞|「共謀罪」食い違う世論調査結果 「テロ」文言影響か
調査期間は各メディアによって異なりますが、だいたいが2017年3月~4月にされた調査です。
共謀罪の賛成派・反対派それぞれの意見はこちらです。
賛成派 |
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反対派 |
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共謀罪が注目された原因は、共謀罪の内容と成立するまでの流れではないでしょうか。
共謀罪が国会で成立するまでの答弁では、成立要件などが曖昧で、後述するような「言論弾圧に繋がる」「監視社会になる」など危惧する声が聞かれました。
また共謀罪が成立するまでには強行採決などの強引な流れがあり、説明不足であったことも、国民の懸念を後押しすることになり注目されたのではないでしょうか。
法務省によりますと、TOC条約を締結している国々はすでに120ヵ国あり、欧米先進国ではすでに設けられているとのことです。
引用元:法務省HP
これに対しネット上では、諸外国で設けられているのだから危険はないのではないかという声も聞かれました。
共謀罪は、組織的犯罪集団に所属し、2人以上で犯行計画を実行するための準備をしたさいに逮捕・処罰対象になります。
適用が限定的であるとはいえ、捜査機関の判断によりますので権限の拡大が懸念されています。また成立までの流れで不安に感じた人もいるかもしれません。
成立した共謀罪が適切に運用され、組織犯罪の抑止力になることを期待したいですね。
(※この記事は2018年5月時点の情報をもとに執筆されたものです)
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出典一覧 |
法務省|「組織的な犯罪の共謀罪」に対する御懸念について 法務省|テロ等準備罪について 法務省|教えて!テロ等準備罪 法務省|テロ等準備罪処罰法案について 法務省|組織的な犯罪の共謀罪に関するQ&A |
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本記事はあなたの弁護士を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
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