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KL2020・OD・037
過労死とは、長時間の労働による疲労とストレスにより、心身に異常をきたして亡くなってしまうことを言いますが、過労死が大きな社会問題となり、遺族の方が弁護士に相談するケースが増えています。
そんな過労死を防ぐ、または親しい人が亡くなった方の助けとなるよう、過労死等防止対策推進法が平成26年11月から施行されました。
参照元:厚生労働省|過労死等防止対策に関する法令・過労死等防止対策推進協議会
「働きすぎではないのか…」周りがそう思っていても自分はそう感じていない人も多くいらっしゃいます。実際に亡くなられてから、働きすぎによる過労死だったと診断されるケースが多いのはそのためです。
この記事では過労死をしてしまった方の遺族などに向けて、症例をはじめ、過労死をはじめとする労働問題に詳しい弁護士へ相談するときのポイントを紹介していきます。
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目次
過労で亡くなられてしまう方が多い理由として、日々の長時間労働が続くと疲労から正常な判断ができなくなり、働いている当人も働きすぎだということに気づいていないことがあげられます。
家族などの周囲が本人に助言をしても、状況が改善されるケースも少ないので、労働問題に詳しい弁護士に相談を持ち掛けたほうがいいのです。
過労死を防ぐ最大の方法は、現在の労働状況を改善することです。残業時間を大幅に減らし、仕事と生活の調和をはかることで心身の休息をしていきます。
ですが、この状態から抜け出せないと過労死に至る危険性が高まります。
改善を求めるとき、弁護士に現在の労働状況でどんな問題があるのか、意見を求めるのも1つでしょう。
自分で求められないなら、弁護士に相談することで長時間労働から抜け出せるよう行動していくといいでしょう。企業に対して、直接的な交渉も担当してくれます。
ところが、労働状況から抜け出して退職したあとに過労死で亡くなってしまう方も多くいらっしゃいます。そうした事例も、過去・現在で数多く確認されています。
以下に紹介しているのは、そんな過労死の末に亡くなってしまった方の、ほんの一部にすぎませんが、実例をご紹介していきます。
・1978年、下鴨中学校に勤務していた教員が月100時間に超える残業の末、脳内出血を発症して死亡しました。
参照元:京都市教員、過労死事件
・大阪市在住の女性デザイナーが、勤務中に合計158時間の残業をして、退職後1週間後にくも膜下出血を発症して死亡しました。
参照元:女性デザイナー、過労死事件
長時間労働で過労死しなければそれでいいのか、といえば違います。過労が原因で精神が疲弊し、うつ病やパニック障害などを発症してしまうリスクも高くなります。
そうなる前に弁護士へこのまま長時間労働が続けばどうなるのか、具体的に相談してみましょう。労働問題に長けている弁護士なら、過去にあった事例を取り上げながらその危険性を説明してくれます。
もし大事な人が長時間労働のせいで死亡した場合、労災認定を受けられる可能性があります。過労死と判断されるには、様々な認定基準があるので弁護士に相談することで要件を満たしているかを確認することができます。
ただし、認定基準はあくまで目安になるので、過労死かどうかは実際の証拠と照らし合わせて協議されます。なので、まずは弁護士などへの相談をしてどうなるかを確認してみましょう。
過労死による労災認定を得るには、会社との直接的な交渉も必要となります。その際、弁護士に相談することにより、交渉をスムーズに進められます。
専門家である弁護士に依頼すれば、過労死による労災認定される可能性もぐっと上がります。
では親しい人が過労死した場合、どんな弁護士に相談すればいいのでしょう?
過労死をはじめ、労働問題の解決で実績がある弁護士の特徴について、いくつかご紹介していきます。
最初に、これまで多くの労働問題を取り扱ってきたかどうか、ということです。過労死をはじめ、各種労働問題を多く扱ってきているのが重要な点となります。
経験豊富な弁護士に相談することは最も重要な選ぶポイントといえます。
次に、会社との話し合いにおいてスムーズに進められる交渉力を有していることです。労働問題では、会社との直接交渉が欠かせません。
企業との交渉場で、過労死認定をしてもらえるよう、しっかり主張してくれるかどうかも大事なところです。
労働問題は、非常にデリケートな案件です。特に過労死した方の遺族も、ショックを抱えています。故人はもちろん、遺族にも配慮できる弁護士の存在は欠かせません。
自分たちに寄り添って、真剣に戦ってくれる弁護士は、何より心強い存在となります。
働きすぎではないのか、そう感じ始めたときから過労死の危険性を考える必要があります。親しい人、夫や妻はもちろん、自分の子供に対する心配する声も多くあります。
実際に寄せられる過労死や長時間労働に関する相談を見てみましょう。弁護士に寄せられる相談内容をいくつかご紹介いたします。
4年前、叔父が自ら命を絶ちました。自殺の原因は過労死によるものかどうか、確かな事実ははっきりとはしていません。
しかし、夜中の1時まで残業し、翌朝5時までに出勤する生活をしていたので、過労死と考えています。タイムカードこそ定刻通りに押されていましたが、サービス残業をしていたようです。
引用元: 過労死、自殺対策基本法、労働基準法
7月10日に自宅にて心肺停止でなくなりました。転職して3年 仕事になれないため月に100時間を越える残業があったこともありました。会社でも上司によるパワハラもあったとききました。
健康そのものだった主人がなぜ突然なくなってしまったのか納得いきません。病院でも死亡解剖してもらったのですが直接の原因がわからず死因は心疾患の疑いとしかかけませんと言われました。
引用元:主人の死は過労死ではないか⁉
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親しい人が過労死をしたので、弁護士に相談したいと考えている人も多いでしょう。しかし、弁護士に依頼したらどれくらいの費用が必要なのか、金銭的な問題を心配されていると思います。
そんな過労死をはじめとする労働問題が得意な弁護士に依頼するときの費用についてご説明していきます。ただし、あくまで一例になりますので、必ずこちらの例に当てはまるとは限りません。
以下の着手金と報酬金は標準額となります。正式な費用については、事件解決までに要した時間や労力を協議したうえで決定されますので、目安として利用してみてください。
まず、弁護士へ依頼する前に相談するときに負担する相談料についてです。相談料は、初回30分、または60分は無料で受け付けている事務所もあります。
有料になる場合、相談時間が30分~1時間ごとに5,000円~10,000円と消費税を合わせた金額が相場となります。
次に、着手金についてです。着手金とは、事件解決に向けて弁護士が活動するときに必要となる金額のことを指します。
こちらは、依頼するときに支払う必要がある費用になります。費用の相場観としては、会社に対する請求額(又は労災認定により得られると見込まれる利益)の2~10%程度です。
また、着手金についてはあらかじめ金額が決められているケースがあります。その場合の相場は30~50万円程度です。
続いて、報酬金についてです。報酬金は、事件を解決した謝礼金のことを指します。支払いは事件が解決した後に、得られた利益に応じて支払います。
得られる利益の5~20%で設定されることが多いと思われます。
過労死で親しい人が亡くなり、弁護士への相談を考えている人は、実際にどのように弁護士を探したらいいのでしょう。
世間には数多くの弁護士事務所が存在します。その中からどのようにして選べばいいのか、探し方についてご紹介していきましょう。
現在、最も簡単な弁護士の探し方として挙げられるのが、インターネットを利用して労働問題が得意な弁護士を探す方法です。
メリットは、手軽に探し出せるところにあります。それに対してデメリットは、信頼できる弁護士かどうかが判断しづらいところです。
次に弁護士の探し方として、知人に弁護士を紹介してもらうのも多い手段です。
メリットとして、知り合いからの紹介なので安心ができるところです。ですが、紹介された弁護士が労働問題解決の経験が少ない可能性もあるので、同じく労働問題を解決してもらった弁護士の紹介であればなお良いでしょう。
そもそも弁護士の探し方がわからない、という方は弁護士会、あるいは地方自治体に問い合わせて、弁護士を紹介してもらうのも1つです。
メリットは、もし相談して弁護士との相性が良くなかったら紹介先に相談することもできることです。対してデメリットは、紹介してもらう際にはそれぞれの窓口に直接行かなくてはいけないことです。
対応時間も限られているので、仕事をしながらでは探しづらいと感じるところもあります。
弁護士を紹介してもらうとき、経済的な余裕がない方は法テラスを利用して紹介してもらうのも手段の1つです。
メリットは、無料で相談ができるポイントです。デメリットには、法テラスに所属しているスタッフ弁護士、または登録弁護士に限られているところとなります。
過労死を弁護士に相談するのも一つの手段です。こうした労働問題は弁護士のほか、司法書士や行政書士、労働問題を扱っているNPO法人などでも、相談をすることができます。
ただし、相談から実際の交渉など事件解決に向けて活動できるのは、弁護士のみ可能となります。労働問題については、法律的な問題も多く関係してきます。
大事な人が過労死で亡くなったら、一人で悩まず相談してみてください。この記事が、そんな方々のお手伝いができれば幸いです。
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本記事はあなたの弁護士を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
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