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KL2020・OD・037
ブラック企業には、ブラック企業ならではの辞め方というものがあります。ブラック企業の場合は、ブラック企業ならではの原因で利用できる制度などもあるため、しっかりと準備をすれば賢く辞めることもできます。今回は、ブラック企業を辞める手順と、ブラック企業を辞めるにあたって考えるべきことをご紹介します。
目次
長時間労働やパワハラ、残業代の未払いなどで話題になっているブラック企業ですが、世の中にはブラック企業と呼ばれている会社が往々に存在しています。
この記事を読んでいる方のなかには、勤めている会社がブラック企業だから今すぐに辞めたい!と考えている方も多いと思います。ブラック企業を辞める手順を徹底解説していきます。
あなたが勤めている会社をブラック企業と考える理由に「パワハラ」や「セクハラ」などのハラスメントがあった場合、退職事由を「自己都合」ではなく「会社都合」にすることができる可能性があります。会社の退職事由には、自己都合と会社都合があり、どちらで辞めるかによって失業保険などの手当等が変わります。
会社がブラック企業だからとにかく辞めたい!もう転職先も決まっているし、早く会社を辞めたいと考えている場合、自己都合で退職しましょう。自己都合の場合は退職事由は「一身上の都合により」となります。基本的に会社を辞める際には、法律上2週間前までに退職届を出せば良いとされています。
しかし、穏便に退職をするためには、少なくとも1ヶ月前に退職する旨を上司などに伝えておくことをおすすめします。
あなたがブラック企業をやめる理由が、パワハラやセクハラであった場合は退職理由を会社都合にすることをおすすめします。会社都合で退職するには、退職届にパワハラやセクハラなどの内容を退職事由として記載しましょう。その際、ハラスメントの証拠のコピーなどを添付できると良いでしょう。
関連記事:パワハラの退職届けは会社都合の方がいい
パワハラや長時間労働によって、うつ病などの精神疾患を発症した場合は、労働局やハローワークで労災申請をすることによって治療費が補償されます。ブラック企業に勤務していることで病気や怪我をした場合は、労働災害保険の対象になるのです。労災を申請する場合は、「パワハラで労災認定が受けられる条件と申請方法まとめ」をご覧ください。
ブラック企業を辞める際は、辞めた後のことも考えるようにしてください。ブラック企業を辞めることに必死になり焦って転職して、また転職先がブラック企業だったということもあります。ブラック企業から抜け出したいと考えている方は、辞めた後の予定も考えて、計画的に行動しましょう。
関連記事:ブラック企業の完全対策|就職前と後の状況別の対策3選
ブラック企業をいつ辞めるか(退職日)が決まったら退職届を書きましょう。退職に関しては、民放で以下のように定められています。
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
2 期間によって報酬を定めた場合には、解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。
3 六箇月以上の期間によって報酬を定めた場合には、前項の解約の申入れは、三箇月前にしなければならない
引用元:民法
雇用契約の解約(退職)は退職をする2週間前、つまり14日前までに申し入れをすれば成立することが定められています。法律上、退職届は14日前までに提出すれば良いということが定められていますが、会社と揉めていないのであれば、1ヶ月くらいまでには上司に退職の意思を伝えて、退職届を提出するようにした方が無難です。
なお、「もうとにかく会社を辞めたい」、「上司と顔を合わせたくない」という場合は退職届けを郵送提出することもできます。郵送で提出する場合は内容証明郵便で提出することをおすすめします。内容証明郵便とは、郵便局が送った文書の内容を証明してくれるサービスです。退職届を内容証明郵便で送ると「言った・言わない」などのトラブルを防ぐことができます。
退職届が準備できたら、退職の意思を上司に伝えましょう。法律上は、退職届は14日前に提出すれば退職ができるとされていますが、一般的に退職をする際は1ヶ月前までに上司などに退職の意思を伝えるが良いとされています。とはいえ、相手がブラック企業の場合「最低でも2ヶ月前くらいには言ってくれないと辞められないよ」と言って、辞めることを拒否することがあります。
しかし、法律上は14日前までに退職の意思を伝えれば辞めることはできるので、上司に拒否をされても退職することはできます。
ブラック企業を辞めることを考える前に、なぜその会社がブラック企業なのかを考えてみましょう。パワハラ上司がいるから、セクハラに悩んでいるから、残業代をもらえないから…などの理由であれば改善できるかもしれません。
パワハラがなければブラック企業ではないし、仕事を続ける意志もあるという場合はパワハラをやめさせること考えましょう。パワハラは会社側にも防止措置を取らなければならない義務があるので、まずは会社に相談してみましょう。
また、会社がパワハラの相談に取り合ってくれなかった場合でもパワハラは職場環境を悪化させる行為ですので、労働局に相談するとパワハラ中止のための措置を行ってくれることがあります。
関連記事:パワハラ解決のための手順
セクハラがなければブラック企業ではない、会社を辞めないと思う方はセクハラをやめさせましょう。セクハラは違法行為ですので、会社の相談窓口や労働局に相談して解決方法を考えていきましょう。
関連記事:セクハラの対処法
残業代が支払われない、残業代をつけさせてくれないからブラック企業だという場合は、残業代を請求しましょう。残業代の支払いは会社側の義務ですから、未払いの残業代は会社に請求することができます。だたし、残業代請求には過去2年分までという時効などもありますので請求する場合は早めに行動しましょう。
関連記事:未払い残業代を企業に請求して支払ってもらう5つの手順
ブラック企業をやめたいけど、以下のようなことが心配で「やめたい」と言えない場合も少なくないでしょう。
上記のような心配をなくして、はっきりと退職の申し出を行うためにも、やめたいけど言えない場合の対処法をご紹介します。
あらかじめ直属の上司にアポイントを取っておくことをお勧めします。
上司に伝える際には以下のように伝えるとアポイントを獲得しやすいです。
「○○さんにご相談したいことがあるのですが、公然で伝えるのがはばかられる内容のため、30分程度お時間を頂いてもよろしいでしょうか。」
もしハラスメント顔横行している場合は、退職の申し出を聞き入れられないどころか最悪の場合、さらにハラスメント被害に遭う可能性も考えられます。
そのため、ハラスメントが横行している職場であれば、退職代行サービスを活用して第三者に代理で退職の申し出や手続きを行ってもらうことをお勧めします。
特に、弁護士が退職代行を行ってくれるサービスは、退職トラブルに発展するリスクも少ないため安心です。
退職理由をあらかじめ考えておくことでよりスムーズに退職の意思を伝えることが出来ます。
また、円満に退職できる可能性が高い退職理由を事前に考えることができるため、退職の申し出を行う場面で感情的になり、退職トラブルに発展するリスクも抑えることが可能です。
ブラック企業を円満に退職するためには、よりセンシティブに退職理由を考える必要があります。
ここからは、円満退職しやすい退職理由についてご紹介します。
出産や結婚のため、私生活に専念したいことを退職理由とすることも1つの方法です。
しかし、出産や結婚による退職を快く思わない人も少なからずいることは事実ですが、出産や結婚に関する事情に触れて、誹謗中傷することはハラスメント行為の1種です。
そのため、ハラスメントにあたることを伝えて、退職意思を明確に伝えるようにしましょう。
自身が志していた業界や職種への転職を退職理由とするのも良いでしょう。
自身にとってさらに成長するために転職するというプラスの理由は、否定しにくいと考えられます。
しかし、在職中の企業の都合によって、引き止められることもあるでしょう。
本来、労働者には日本国憲法第22条により、職業選択の自由が認められています。
そのため、退職する意思を変えるつもりはない旨を伝えきりましょう。
両親などの介護を理由に退職を申し出ることも引き留められにくい理由の1つでしょう。
健康状態が業務を続けていくことが困難にあることを医師が発行した診断書をもとに主張することで、引き留めることが難しくなると考えられます。
診断書がない状態で、自身の健康状態が悪いことを理由に退職の申し出を行うと、「甘えだ。」と言われて、聞き入れられない可能性もあります。
健康状態を理由に退職する場合は、医師の診断を受けて発行された診断書をもとに退職の申し出を行うことをお勧めします。
ブラック企業を辞めようと思ったら、会社を辞める準備をしましょう。この項目ではブラック企業を辞める前に、ブラック企業の証拠を集めることや退職届の書き方、未払い賃金の請求などについてご紹介します。
入社する前はすごく良い会社だと思っていたのに働き始めるとブラック企業だったということも少なくありません。もしもブラック企業に入ってしまったら、ブラック企業の証拠を押さえておきましょう。まずは以下のポイントを確認してください。
これらのポイントは、就業規則や普段働いているなかで確認できることです。仕事がつらい、会社を辞めようと思い始めたらブラック企業の証拠を集めていきましょう。証拠は、退職事由で揉めた際や労災などの申請をする際に重要になってきます。
関連記事:ブラック企業の完全対策|就職前と後の状況別の対策3選
パワハラをするブラック企業を辞める際は「会社都合」にすることが可能です。退職事由には「自己都合」と「会社都合」がありますが、パワハラの場合は会社都合の退職にあてはまります。退職事由は失業保険を受け取る時などに関わってきますので、失業保険の受給を考えている方は要確認です。
関連記事:パワハラの退職届は会社都合の方がいい
残業代を支払わないブラック企業を辞める場合は、未払いの残業代を請求することができます。会社には残業代の支払い義務があり、また、私たち労働者には残業代を請求できる権利があります。これはみなし残業や年俸制であっても同じです。
ただし、残業代などの賃金の請求は過去2年間分までという時効期限があります。未払いの賃金を請求する場合は、早めに行動を起こしましょう。
ブラック企業を辞める前に、確認しておかないと損をする可能性があるものがあります。それは有給休暇や今まで支払われた賃金の確認です。有給休暇はうまく使えば、退職届を出してから会社に行かずに退職することができる可能性があります。また、もし未払いの賃金があった場合は退職後からでも請求することができます。
ブラック企業に関わらず、会社を辞める際は有給休暇の確認をしましょう。有給休暇の取得は労働者に認められた権利ですので、特別な事情がない限り会社は有給の取得を拒否できません。もし有給の取得を拒否された場合は、違法であることを主張しましょう。
そして、退職届は郵送提出も可能です。有給が14日以上残っている方で、「もうとにかく会社には行きたくない」、「上司と顔を合わせたくない!」という方は退職届を郵送して退職日まで有給休暇の消化に当てることも可能です。
会社がブラック企業と呼ばれる理由の一つに、残業代を支払わないということがあります。働いた分の残業代は支払われる権利があります。また、会社側にとって残業代の支払いは労働基準法で定められた義務です。
今支払われている残業代に疑問を抱いた方は、残業代を計算する方法があるので一度確認してみましょう。
ブラック企業に勤めている方には「自分が甘いだけなのかもしれない」、「入社してまだ期間が経ってないから」など、自分のせいにして辞めることを躊躇してしまう方もいます。しかし、大切なのはブラック企業なのかということよりも、あなたによって今働いている環境が良いか悪いかということです。
会社を辞めることは悪いことではありませんし、転職や退職は「働き方を見直した結果」です。ブラック企業で働き続けて、ストレスで働けない状態になってしまう前に、一度立ち止まって自分にとってより良く働ける環境を考えることも忘れないでください。
勤めている会社がブラック企業で、会社を辞めたいと考えている方は、何に悩んでいるのかを考え直してください。会社を辞めることは悪いことではありません。ただ、もしも会社を辞めるのなら「辞めるための準備」が必要になります。この記事が、ブラック企業に悩まされている方の糧になれば幸いです。
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KL2020・OD・037
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