パワハラで退職・転職したい人が知っておくべき7つのコト

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弁護士法人ネクスパート法律事務所
寺垣 俊介
監修記事
パワハラで退職・転職したい人が知っておくべき7つのコト

パワハラで悩んでいる方は、退職や転職を一度は考えると思います。パワハラ問題は年々増加しています。パワハラ被害にあった方の中には、パワハラで退職したという方も少なくありません。

パワハラ被害にあった方はどのように対応したのか、厚生労働省受託事業で行われた平成24年度のパワハラの実態調査を基にグラフを作成しました。以下のグラフから、

パワハラが原因で退職をしたという方も1割程度いることがわかります。

<問:パワハラにあったとき、どのような対応をしたか>

パワハラで退職・転職したい人が知っておくべき7つのコト

参照元:職場のパワーハラスメントに関する 実態調査報告書(概要版)

そこで今回は、パワハラで退職する前に、知っておきたい「会社都合の退職」などについてご紹介します。

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パワハラで退職する前の予備知識|パワハラの種類と対策

厚生労働省が運営する「あかるい職場応援団」では、パワハラを次のように定義しています。

職場のパワーハラスメントとは
 職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいいます。
 引用元:あかるい職場応援団

パワハラの種類

パワハラには以下の6つの型があるとされています。今、受けているパワハラ行為がどの類型にあてはまるかの確認してみましょう。

  • 身体的な攻撃型
  • 精神的な攻撃型
  • 人間関係からの切り離し型
  • 過大な要求型
  • 過小な要求型
  • 個の侵害型

パワハラをやめさせる方法

パワハラがなくなれば退職しないという方は、パワハラをやめさせることを考えましょう。パワハラをやめさせるための方法は以下の通りです。

パワハラ加害者に直訴

勇気のいることですが、パワハラ加害者にパワハラをやめるよう直訴してみましょう。この場合、パワハラ行為が悪化する可能性もあるので必ず多くの人が見ている前で「パワハラはやめてください」とはっきり言うようにしてください。

パワハラ加害者がやっていることがパワハラであることを認識させ、パワハラ被害にあっていることを周囲の人に知ってもらうのに有効です。

社内の人に相談する

パワハラ問題を解決するには、周囲の人を巻き込むことが大切です。まずは社内のパワハラ相談窓口や信用のできる上司にパワハラ被害にあっていることを相談しましょう。企業にはパワハラに対して防止措置をとる義務があります。

企業に内容証明郵便を送る

パワハラ被害を相談したのに取り合ってもらえなかったという場合は、企業にパワハラ差止要求書を送りましょう。また、パワハラ差止要求書は必ず内容証明郵便で送るようにしてください。

内容証明郵便とは、郵便局が送った文書の内容を謄本として証明してくれるサービスです。パワハラ解決に向けた交渉のなかで、「言った・言わない」などのトラブルを防ぐことができます。

パワハラの種類

パワハラで退職するしないに関わらず証拠を残す事が重要

パワハラで退職を考えている方だけでなく、パワハラに悩んでいる全ての方にもいえることですが、パワハラの証拠(記録)を絶対に残しておきましょう。パワハラに限らず、ハラスメント問題全般では証拠が何よりも重要になっていきます。証拠は確実に手元に残すようにしてください。

パワハラの証拠となるものには以下のものが挙げられます。

  • パワハラの音声データ
  • パワハラメールなどの画像
  • パワハラの被害記録

パワハラで退職を勧められた時にしておくべきこと

パワハラが原因で退職を考えていることを相談すると、企業は「環境を変えたらどうだ」とあなたのことを思っているような口ぶりで退職を勧めてくる「退職勧奨」をすることがあります。しかし、それは企業があなたを自己都合の退職にさせようとしている可能性が高いです。

退社を勧める「退職勧奨」とは?

退職勧奨(たいしょくかんしょう)とは、退職を勧め労働者に自己都合の退職をさせることです。

「辞めたらどうだ」、「環境を変えてみたら?」など退職を勧めることは退職勧奨にあたります。企業や特別な事情がない限りは、労働者を一方的に解雇することはできません。

退職はあくまでも、使用者(企業)と労働者の合意のもと成立するのです。退職勧奨も、あくまでも両者の合意が必要なので断ることができます退職届に自分からサインしなければ、退職勧奨は拒否できるのです

退職勧奨は自己都合

この項目の冒頭でもありましたが、「退職勧奨」は企業があなたを自己都合の退職にさせるために行います。

退職には「自己都合」と「会社都合」があり、自己都合の場合は退職理由が「一身上の都合」になります。パワハラで退職をする場合は会社都合の退職をするのをお勧めします

自己都合と会社都合の退職の差については後の項目で詳しく記載していきます。

退職勧奨はパワハラ

「お前なんか辞めてしまえ」ということはもちろん、退職の強要にあたりパワハラです。また、諭す口調であっても退職勧奨が繰り返し行われた場合には退職強要にあたりパワハラです。退職強要は民法709条にある不法行為にあたります。また、悪質な退職強要は強要罪に問われる可能性もあります。

第七百九条  故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
 引用元:民法

パワハラの退職届は会社都合の方がいい

先の項目でもお伝えしましたが、パワハラで退職する場合は会社都合での退職をおすすめします。特に、パワハラで退職後の転職先が決まっていない方は会社都合の退職にした方が失業手当などの申請で有利になります。

会社都合の退職にする方法

パワハラによる退職を会社都合にさせるには、退職届にパワハラ被害があったことを記載することです。退職届は一般的には「一身上の都合」と記載します。しかし「一身上の都合」の場合は自己都合と扱われます。

なので、会社都合の退職にするには、退職届にパワハラ被害の内容を記載して提出しましょう。

有給が14日以上残っている方は退職届の郵送も可能

退職届は郵送でも受け取られます。退職は法律上、最低14日前までには意思を表示しなければなりません。しかし、有給休暇が14日以上ある方は有給も日数に含めることができますので、退職届を郵送で企業に送ることも可能です。

退職届を郵送で送る場合は必ず、内容証明郵便で送るようにしてください。内容証明郵便は、郵便局が文書の内容を証明してくれるサービスなので、内容証明郵便で送られた文書は企業も無視することはできないのです。

会社都合の退職は、企業にとって好ましいことではありません。退職事由がパワハラであれば、パワハラで退職に追い込んだことを認めることになりますので、会社都合の退職を拒む企業がほとんどです。

なかには、「自己都合の退職でないと退職をさせない」という場合もあります

退職後に会社都合の退職できる場合

自己都合で退職した方でも、会社都合の退職に変更することができる場合があります。精神攻撃型パワハラで精神疾患になった、過大要求型パワハラで身体を壊してしまったという場合は、ハローワークなどで相談すると自己都合から会社都合の退職に変更することができる可能性があります。

会社都合の退社のメリット

自己都合と会社都合の退職の差は、失業手当です。パワハラは労働者を退職に追い込む違法性の高い行為で、会社都合の退職自由に該当します。パワハラで退職をする場合は、企業と交渉して会社都合の退職にするようにしましょう。

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パワハラにあったら必ず相談

パワハラにあったら必ず社内の相談窓口や厚生労働省の相談窓口へ相談するようにしてください。パワハラの解決には周りの人を巻き込むことが必要です。パワハラは絶対に一人で抱え込まないようにしましょう。

相談窓口には、次のようなものがあります。

  • 社内の相談窓口
  • 社外の相談窓口
  • 弁護士に相談

パワハラによって退職に追い込まれた、深刻なパワハラにあっているという方は弁護士に相談することをおすすめします。パワハラによる退職の追い込みは違法です。

不当解雇は取り消すことができます。また、弁護士は、パワハラ問題の解決やパワハラで損害賠償等を請求する際の交渉などを行うことができます

パワハラで働けなくなったら労災申請が有効

パワハラで自律神経失調症やうつ病などの疾患になり働くことができなくなってしまった場合は、労災申請をお勧めします。パワハラでの労災申請が通ると、精神疾患などの治療費が補填されます。

また、労災は退職後にも申請することができます。

パワハラで損害賠償請求することもできる

パワハラが悪質であり、パワハラによって精神疾患になったり、退職・自殺に追い込まれたなど大きな損害が発生した場合は、パワハラを理由に損害賠償を請求することができます。

パワハラで損害賠償請求することを考えている方は、弁護士にご相談ください。

まとめ

パワハラで退職をすることは悪いことではありません。ただ、まだ迷っているという方は一度パワハラ被害を相談してみることをお勧めします。

もう退職を決意したという方は、次のステップに進むためにも「パワハラによる会社都合の退職」にするなど、準備をしっかりとしていきましょう。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人ネクスパート法律事務所
寺垣 俊介
2016年1月に寺垣弁護士(第二東京弁護士会所属)、佐藤弁護士(東京弁護士会所属)の2名により設立。遺産相続、交通事故、離婚などの民事事件や刑事事件、企業法務まで幅広い分野を取り扱っている。

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