DV(ドメスティック・バイオレンス)とは|種類・特徴・対処法を解説

( 3件 )
分かりやすさ
役に立った
この記事を評価する
この記事を評価しませんか?
分かりやすさ
役に立った
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
DV(ドメスティック・バイオレンス)とは|種類・特徴・対処法を解説

DV(ドメスティック・バイオレンス)とは、配偶者や内縁の妻(夫)に振るう暴力のことを言います。最近では、元夫婦や恋人など婚姻関係がなくても相手に暴力を振るった場合、DVと認められるケースもあるようです。

元々、配偶者のDVは法律で規制されていなかったため、暴力を振るわれた側が警察などに助けを求めても「民事不介入」のため保護などの救済措置は受けられないケースも多々あったようです。

しかし、2001年10月に「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」(通称:DV防止法)が施行されたことにより、警察や行政が配偶者からのDVに悩む方を救済できる幅が広がったと言われています

具体的には、以下のような救済措置(保護命令)が受けられるようになりました。

禁止期間 具体的な禁止行為
6ヶ月間
  1. 妻(夫)へのつきまといや自宅近所などに行くこと
  2. 妻(夫)に面会要求をすること
  3. 妻(夫)に行動を監視していると思わせるようなことを伝える
  4. 乱暴な言動をする
  5. やむを得ない場合を除き、電話やメールを送ること
  6. 汚物や動物の死体を置くなどの嫌悪感を催すような行為
  7. 妻(夫)の名誉を傷つけることを伝える
  8. 妻(夫)の性的羞恥心を害するような行為
2ヶ月間
  1. 自宅から退去する(暴力を振るった側)

※禁止期間は保護命令が認められた日が起算日となります。

そしてDVに関する法律が施行されたことにより、警察庁の統計で配偶者からのDVに悩む方からの相談件数は年々増加していると分かります。

警察庁
引用元:警察庁

またニュースなどでもDVに関する内容が取り上げられているため、世間の関心も高まっていることが伺えます。

DV相談件数1499件
文教厚生委で県は、県内の配偶者暴力相談支援センターへの被害者本人からのドメスティックバイオレンス(DV)相談件数が2016年度に計1499件あり、前年度より60件増えたことを明らかにした。
引用元:長崎新聞

「包丁捨てろ」拳銃構えた警官、男は自殺 妻がDV被害
大阪府東大阪市川田2丁目の市道で、近くに住む女性(53)が包丁を持った夫(54)に追いかけられているのを、110番通報で駆けつけた警察官が見つけた。女性は夫から家庭内暴力(DV)を受け、2月から実家に戻っていた。
引用元:朝日新聞

捜査員
「あなた自身や子ども、親族、同僚等に対する殺人、傷害等、重大事案に発展するおそれがあります。
(被害届を出す)決意、協力をお願いしたい。」
引用元:クローズアップ現代

そこで今回は、DVに関する知識として、具体的な行為の例やDVに陥りやすい人の特徴、被害に遭われた場合の対処法についてご紹介します。

DVについて弁護士に相談する

電話相談可・初回面談無料・完全成功報酬
の事務所も多数掲載!

北海道・東北 北海道青森岩手宮城秋田山形福島
関東 東京神奈川埼玉千葉茨城群馬栃木
北陸・甲信越 山梨新潟長野富山石川福井
東海 愛知岐阜静岡三重
関西 大阪兵庫京都滋賀奈良和歌山
中国・四国 鳥取島根岡山広島山口徳島香川愛媛高知
九州・沖縄 福岡佐賀長崎熊本大分宮崎鹿児島沖縄

DVとは具体的にどんな行為?|6つの種類とは

まず始めに、DVとは具体的にどのような行為か確認しましょう。DVと言っても内容は様々で、一般的には「身体的虐待」「精神的虐待」「性的虐待」「経済的暴力」「社会的隔離」「交際相手暴力(デートDV)」という6つのカテゴリに分けられています。

身体的虐待

身体的虐待(しんたいてきぎゃくたい)とは、殴る蹴るなど体に傷が残るような暴力行為のことを言います。

  • 殴る、蹴る、腕をねじる
  • 物を投げつける
  • 髪を引っ張る、首を絞める
  • 刃物を身体に突きつける など
引用元:法務省

精神的虐待

精神的虐待(せいしんてきぎゃくたい)とは、暴力ではなく言葉や態度で相手を傷つける行為のことを言います。例えば、相手の人格を否定する発言などが挙げられます。

  • 人格を否定するような暴言を吐く
  • 大声で怒鳴る、無視する
  • 交友関係を制限したり、電話やメールのやり取りを細かく監視する
  • 人前でバカにしたり、命令したりする
  • 大切にしているものを壊す、捨てる
  • 生活費を渡さない
  • 外で働くなと言ったり、仕事を辞めさせたりする など
引用元:法務省

性的虐待

性的虐待(せいてきぎゃくたい)とは、相手が望んでいないにもかかわらずセックスを強要するなどの行為を言います。

  • 嫌がっているのに性的行為を強要する
  • 避妊に協力しない、中絶を強要する
  • 見たくないのにポルノビデオやポルノ雑誌を見せる など
引用元:法務省

経済的暴力

経済的暴力(けいざいてきぼうりょく)とは、生活費を渡さない、相手の遊興費を与えないなどの金銭的制限をかける行為のことを言います。

  • 遊興費を著しく制限したり与えない
  • 生活費を著しく制限したり与えない
  • 無計画な買い物や借金を繰り返す
  • 家の金を持ち出す
  • 仕事を制限する
引用元:wikipedia

社会的隔離

社会的隔離(しゃかいてきかくり)とは、自分以外の人間、つまり相手の友人や親族などとのかかわりを制限することを言います。

  • 電話や手紙の相手や頻度を制限する
  • 近親者を実家や友人から隔離する
  • 外出を制限する
引用元:wikipedia

交際相手暴力(デートDV)

交際相手暴力(デートDV)とは、婚姻関係にないカップル間で起こるDVのことを言います。具体的には、自分本位に相手を傷つける行為が該当します。

  • スマートフォンの着信履歴やメールLINEの履歴をチェックされる
  • 「うざい」などあなたが傷つく言葉で呼ばれている
  • 相手との予定を優先させないと不機嫌になったり無視したりする
  • あなたが嫌がっているのに無理やりセックスさせられる
  • いつもおごらせてくる
  • 相手の思い通りにならないと脅されるまたは責め立てたられる
参照元:政府広報オンライン

DVに陥りやすい人の3つの特徴

DVに陥りやすい人の3つの特徴
次に、DVに陥りやすい人の特徴を確認しておきましょう。具体的には3つの特徴があると言われています。

優しい

相手に対して嫌だと思う一面も優しく受け止める器量がある人です。配偶者から暴力を受けても、自分にも非があったのではないかと考えてしまう傾向にあるため、DVに陥りやすいのです。

我慢するくせがある

いろんな場面で我慢するくせがある人です。例えば、人と欲しいものが被ってしまった場合、相手に譲ってしまうなどの特徴があり、配偶者からDVを受けても普段と同じように我慢してしまいます。

自分の意見をあまり主張できない

自分の意見をあまり主張できないことも、DVに陥りやすい人の特徴に挙げられます。配偶者に対して意見を言えないことはもちろんですが、助けを求める行為もなかなかできないため、継続的にDV被害を受ける可能性が高いと言えます。

DV加害者の5つの特徴とその主な目的

DVの加害者にはどんな特徴があるのでしょうか。基本的な性質として自分本位であることが伺えます。具体的な項目を以下にまとめました。さらに、加害者がDVに及ぶ理由についてもまとめています。

加害者が持つ5つの特徴

まずは加害者が持つ5つの特徴について確認していきましょう。

外面が良い

DVをする人に多い特徴、それは外面が良いことです。普段は穏やかで愛想も良いため、周りはDVをしていると想像することは中々できません。DV加害者の中には、外で貯めたストレスを配偶者にぶつけることで発散しているケースもあるようです。

急いで結婚したがる

「今すぐにでも結婚したい」とせがむ人は、DV加害者になる傾向があるようです。理由は、異常に嫉妬深く独占欲が強い性格であるため結婚を急いでしまうのだと考えられています。

何でも人のせいにする(自己正当)

「俺は悪くない」「あいつが変なことを言うから」などと、自分の非を認めず相手に責任を押し付けることもDV加害者に当てはまる特徴です。むしろ自分は被害者だと主張する傾向にあります。

暴力を否定するまたは罪の意識がない

相手が怪我をしても罪の意識がないこともDV加害者に当てはまる特徴です。仮に、自分の暴力を第三者にとがめられても「不可抗力だった」「暴力ではない」と言い張るでしょう。

相手の交友関係を制限する

相手の交友関係を制限することもDV加害者に多い特徴です。中には結婚を機に仕事を退職させられる、連絡先を削除されるケースもあるようです。

DVをする目的とは

なぜ配偶者に暴力を振るうのでしょうか。その理由には、相手を失いたくないという気持ちがあるためだと言われています。つまり、相手を自分のそばに置いておきたいために、暴力で繋ぎ止めようとしているのです。

DVをする人には、相手の行動を制限するという特徴があります。この行為も、相手を自分のそばから離れないようにするためだと考えられています。

DVにより配偶者と別れた方は52.7%|その他DVに関する統計について

内閣府男女共同参画局の統計によると、配偶者からDVを受けて別れた方の割合は52.7%で、意外にも別れを選択する方は少ないのです。

内閣府男女共同参画局
引用元:内閣府男女共同参画局

配偶者と別れなかった理由には、「相手が変わってくれるかもしれないと思ったから」を挙げる方が50もいました。

内閣府男女共同参画局 引用元:内閣府男女共同参画局

このように、統計で見てみるとDVに関する実情を垣間見ることができます。そこで以下に、DVに関する様々な統計をまとめました。どのような傾向があるのかぜひ参考にしてみてください。

DV相談に訪れる方の86.0%は女性

下図をご覧いただくと分かるとおり、DV相談に訪れる方の割合は圧倒的に女性が多いことが分かります。女性よりも男性の方が力強いこともあり、女性が被害に遭うケースが多いのだと考えられます。

警察庁
引用元:警察庁

男性側が被害に遭っているケースも少なくない

実は、男性が女性からDVを受けているケースも少なくありません。平成28年には、1,000人近くもの男性が相談に来ています。DV被害者は必ずしも女性だとは限らない世の中になりつつあるようです。

DVの加害者は20~40代が多い

DVの加害者は、20~40代が多いことが分かります。20~40代と言えば、年齢が比較的に小さい子供を持つ世代です実は、夫婦の子供の年齢が大きい家庭よりも小さい家庭の方が、DV被害に遭いやすいのです。

警察庁
引用元:警察庁

約5人に1人は配偶者からDV被害を受けたことがある

統計によると、約5人に1人は配偶者からDVを受けたことがあると回答しています。もしかすると、あなたの身近なところでDV被害に遭われている方がいるかもしれません。

内閣府男女共同参画局
引用元:内閣府男女共同参画局

配偶者と離れても不安や問題は多い

配偶者と距離を置いたからと言って、不安や問題は必ずしも解決するとは限りません。内閣府の統計によれば、配偶者と距離を置いても生活に必要なお金がない、相手に住所を知られないようにするため住民票を移せないと悩む方が約50%もいることが分かります。

  配偶者と離れた後に抱える不安や問題 割合
住居 公的施設に入所できない 10.40%
民間賃貸住宅に入居できない 18.70%
公的賃貸住宅に入居できない 27.10%
民間賃貸住宅に入居するための保証人がいない 27.50%
就労 適用な就職先が見つからない 36.70%
就職に必要な技能がない 26.60%
どのように就職活動をすれば良いかわからない 9.80%
就職に必要な保証人がいない 11.40%
経済面 当面の生活をするために必要なお金がない 54.90%
生活保護が受けられない 15.80%
児童扶養手当がもらえない 24.20%
手続き 住所を知られないようにするため住民票を移せない 52.60%
健康 自分の体調や気持ちが回復していない 52.90%
配偶者 相手からの追跡や嫌がらせがある 33.70%
相手が子供との面会要求をしてくる 22.30%
相手が怖くて家に荷物を取りに行けない 48.10%

配偶者のDVから逃れる方法|今から始めるべき対処法

配偶者のDVから逃れる方法について確認しましょう。DVから解放されるための方法や流れについて下図にまとめています。

内閣府男女共同参画局
引用元:内閣府男女共同参画局

弁護士・警察・婦人相談所など専門家へ相談

DV被害に遭われたら、一人で悩まず専門家に相談することが大切です。DVに関する専門家といっても様々ありますが、一般的には弁護士・警察・婦人相談所(行政)が挙げられます。具体的な用途も含め以下にまとめました。

弁護士|離婚や慰謝料の請求・接近禁止の約束取り付けなど

配偶者と離婚したい、慰謝料を請求したいなどの場合は弁護士に相談・依頼するのが得策です。手元にお金がない方も初回無料相談を活用すれば、気軽に専門家からのアドバイスが受けられます

警視庁総合相談センター|生命の危険がある・今すぐ暴力から逃れたいなど

電話番号 東京都内:#9110
その他地域:03-3501-0110
受付日時 8:30~17:15(祝日・休日を除く月~金曜日)
対面相談の有無

婦人相談所|DV被害に遭っているがどうすれば良いか分からない

電話番号 都道府県別の電話番号は厚生労働省:連絡先一覧をご覧ください。
受付日時 9:00~17:00(祝日・休日を除く月~金曜日)
対面相談の有無

民間シェルターや実家に避難し保護命令の申立てを行う

今すぐにでも配偶者から逃げなければならない場合、実家を頼ることができれば問題ありませんが、もし身寄りがない方は民間シェルターの利用がおすすめです。

2週間ほどではありますが、配偶者の元から離れ安全な場所で過ごすことが可能です。中には、身柄の保護だけでなく自立支援に向けたサポートを行っているところもあります。

  • 特定非営利活動法人ハートスペースM:『リ・ボーン』
  • 特定非営利活動法人:全国女性シェルターネット

加害者更正プログラムを受けてもらう

DVに関する専門家は被害者に特化したものだけでなく、加害者の更正を目的としたものもあります。代表的なものが加害者更正プログラムです。プログラムを受けると50~60%ほどの確率でDVを止めるのだそうです。

プログラム前後で身体的暴力の発生頻度の低下が多く報告されている。完遂後の停止率 : 54%(エーデルソンら1985)61%(シュッペら1987)、 67%(エーデルソンとグルンズ,1989
引用元:内閣府男女共同参画局

もし、加害者更正プログラムに興味がある方は、自治体の相談窓口に問い合わせてみてください。

加害者更正プログラムを実際に受けた人の感想

  • TVや小説、映画でDV場面があると嫌悪感、恐怖感をもつようになった。2度と自分は暴力をふるいたくないと強く思った。
  • 自己の対応方法を学ぶことができたので、怒り等の感情を暴力的な行動で表すのではなく、相手に対して感情を伝える手段方法などで変化させることができたこと。
  • 冷静になれるようになった。
  • 他の参加者の方の考え方、意見がとても参考になった。ロールプレイを通じて、私は妻役だったが、妻の立場が分かった。
  • 「~すべき」という考えがなくなった。視点を変えたり、一呼吸おいてイライラすることを回避できるようになった。
  • 相手への影響を尊重し、考え方や感情を変化させる努力した。
  • 自分の感情に任せて行動しなくなった。
  • 怒り等の感情を暴力的な行動で表すのではなく、相手に対して感情を伝える方法を変化させることができたこと。

参照元:内閣府男女共同参画局

配偶者と離婚する

配偶者と離婚することも、DVから逃れる方法のひとつになり得ます。ただし、離婚手続きは弁護士やDV専門の相談機関にアドバイスをもらってから進めていくことをおすすめします。

なぜなら、法律に基づいて適切に対処しなければ、離婚後もつきまとうなどの被害に遭う可能性があるためです。詳しい手順については「DV夫と離婚したい|離婚を認めさせ平穏な暮らしを取り戻す手順」をご覧ください。

請求できる慰謝料額の相場

DVを理由に慰謝料請求し、実際に獲得できる金額の相場をまとめました。高額な慰謝料を獲得するためには、DVの程度がどれだけひどいものだったかどのくらいの期間受けていたかが重要だと言われています。

他には、婚姻期間の長さも影響します。実際、婚姻期間が5年未満のときと30年以上のときでは、獲得できる慰謝料額に200万円ほどの差が出ています。

なお、当然ですがDVによって怪我をしたり、DVが原因となって精神疾患を発症したという場合は、これら怪我や精神疾患に関する治療費、休業補償、慰謝料も離婚に伴う慰謝料請求とは別に請求することができます。

このような請求のためにもDVにより通院治療を受けたという場合は、診断書を作成しておいて損はないといえます(なお、このような診断書は後々の離婚協議で離婚事由の立証としても活用できます。)。

配偶者と離婚する

弁護士に依頼した場合の費用相場

相談料 30分 5,000円程度
着手金 20~60万円程度
成功報酬 離婚成立に対する報酬:20万円程度養育費や慰謝料など獲得した報酬額の10%前後
実費 1万円~5万円程度

配偶者のDVを立証する証拠

  1. 壊れた物やそのときの状況をおさめた写真
  2. DVに及んでいることを示す動画・写真・音声など
  3. 医師の診断書
  4. DVを受けていることを記載した日記
  5. 専門機関へ相談した記録 など

DVを理由に離婚手続きを進めていく際の注意点

もし、配偶者のDVを理由に離婚手続きを進めていく場合、いくつかの点に注意しなければなりません。以下に2つの注意点をまとめました。

財産分与・年金分割・養育費・親権についても話し合う

配偶者のDVを理由に離婚する場合、請求できるお金は慰謝料だけではありません。財産分与や年金分割などもあなたに与えられた権利なのです。また、お金ではありませんが親権の獲得も目指したいものです。

子供と一緒に逃げる場合は学校に連絡して一緒に対策を考える

もし子供と一緒に逃げる場合、子供が安心して学校に通える準備も同時に進めなければなりません。子供が通っている学校に連絡し「地域外からの通学が可能か」「配偶者が校門の前などに待ち伏せする可能性がある」などの相談をしておきましょう。

そして今後の対策を学校と一緒に練っておくことが大切です。

DVに関する知識

DVに関する知識
最後に、DVに関する知識について確認しておきましょう。DV被害に遭われている方はもちろん、身近な人がDV被害に遭われている場合にも役立つ内容をまとめています。

DVから抜け出せない理由

被害者の多くは、配偶者からのDVから抜け出せず今も我慢し続けています。その理由は一体なぜでしょう。主に2つの理由が考えられます。

DVは愛情表現だと感じるようになってしまう

DVは、継続して受け続けることで被害者側も暴力に慣れてしまいます。そのため、暴力を振るう行為自体を配偶者の愛情表現と感じるようになるためだと言われています。

また、暴力を振るった後に配偶者が優しくなることも、被害者がDVから抜け出せなくなる原因なのかもしれません。

今の生活を変えるのが怖い

もうひとつの理由に、今の生活を変えるのが怖いことが挙げられます。例えば、他に頼る人がいない、子供に被害が及ぶ危険性があるために配偶者からのDVを我慢してしまうようです。

子供に与える影響

あなたがもしDVに遭われた場合、子供にも影響を及ぼすことになります。Japanese Social Servicesによると、DVを目撃した子供は精神疾患を患う率が、DVのない家庭に生まれた子供と比べて約2倍も高くなるのだそうです。

また、大人になり自身が子供を授かったとき、子育て方法に悩む傾向があるとも言われています。子供の年齢ごとに考えられる影響をまとめました。

乳幼児

  • 食事と睡眠の乱れ
  • 大きな音を怖がる
  • 発達の遅れ
  • 激しく泣く
  • 発育不良などの身体的徴候

引用元:Japanese Social Services

学童前の幼児

  • 落ち着きがない
  • おびえる、怖がる
  • 分離不安
  • 頻繁な体調不安や病気
  • 叩く、蹴る
  • まとわりつく
  • 怒り攻撃性
  • 動物への虐待
  • 後退的言動
  • 破壊行為

引用元:Japanese Social Services

5~12歳

  • 自尊心の低下
  • 心的外傷後ストレス障害(PTSD
  • 自傷行為
  • いじめ行為
  • 鬱状態
  • 完璧症
  • 学校での問題行動
  • 不適切な性行動
  • アルコール薬物依存

引用元:Japanese Social Services

12~18歳

  • 暴力を奮う又は奮われる
  • 自殺企画
  • 女性蔑視
  • いじめ行為
  • 友人関係を築きにくい築けない
  • 家出
  • 責任感を過度に持つ
  • 不自然な媚び諂い
  • 不安症と緊張

引用元:Japanese Social Services

配偶者から逃げるとき絶対に必要な持ち物

配偶者からのDV被害に悩まされている方は、いざというとき逃げられるように以下の持ち物をまとめておくことをおすすめします。

もし、あなたやあなたの子供の身に危険が及ぶと感じたらすぐに逃げてください。あなたとあなたの子供の安全が何よりも大切です。

  1. 現金・クレジットカード・銀行のカード・通帳
  2. 保険証・年金手帳・母子手帳
  3. 身分証(免許証・マイナンバーカード・パスポートなど)
  4. スマートフォン
  5. 子供の洋服・ランドセル・教科書
  6. 夫のDVを示す証拠や慰謝料などの請求に必要な資料

まとめ

DV防止法が施行されたことにより、DV(ドメスティック・バイオレンス)は昔と比べ世間に認知され、被害者が相談しやすい環境が整ってきていると言えます。しかし、被害が減っている訳ではありません。

今も多くの方が配偶者からDVを受け、誰にも言えず我慢し続けているのです。もし身近な人がDVに遭われているかもしれないと感じたら、警察や婦人相談所などの専門機関に相談し、助けを差し伸べてあげてください。

それから、DVの被害に遭われている方は、今すぐにでも専門家に相談しましょう。まずは弁護士や警察へ相談し、いざというときの助け舟を作っておくことをおすすめします。

DVについて弁護士に相談する

電話相談可・初回面談無料・完全成功報酬
の事務所も多数掲載!

北海道・東北 北海道青森岩手宮城秋田山形福島
関東 東京神奈川埼玉千葉茨城群馬栃木
北陸・甲信越 山梨新潟長野富山石川福井
東海 愛知岐阜静岡三重
関西 大阪兵庫京都滋賀奈良和歌山
中国・四国 鳥取島根岡山広島山口徳島香川愛媛高知
九州・沖縄 福岡佐賀長崎熊本大分宮崎鹿児島沖縄
数十万~数百万の弁護士費用、用意できますか?

決して安くない弁護士費用。いざという時に備えてベンナビ弁護士保険への加入がおすすめです。

Cta_merci

離婚、相続、労働問題、刑事事件被害、ネット誹謗中傷など、幅広い事件で弁護士費用の補償が受けられます。

【ベンナビ弁護士保険が選ばれる3のポイント】

  • 保険料は1日あたり約96円
  • 通算支払限度額1,000万円
  • 追加保険料0円で家族も補償

保険内容について詳しく知りたい方は、WEBから資料請求してみましょう。

ベンナビ弁護士保険に無料で資料請求する

KL2020・OD・037

この記事を監修した弁護士
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。第二東京弁護士会所属。

この記事を見た人におすすめの記事

この記事を見た人におすすめの法律相談

  • DVについて
    私が暴力を振るったという虚偽の理由で、警察に行きDV被害者として現在妻と連...
  • モラハラとDVの違いとは?
    モラハラとDVは厳密には何が違いがあるのでしょうか?もしあるならどちらの罪...
  • DVで離婚するときに必要な証拠
    夫が酒乱で酒を飲んできて帰ってきては、私に暴力をふるいます。 酒を飲むと...
  • 旦那のDVと親権
    夫のDVから逃れるために家を飛び出してきました。 子供は夫のもとに居ます...

newDVの新着コラム

もっと見る

DVの人気コラム

もっと見る

DVの関連コラム

編集部

本記事はあなたの弁護士を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。

※あなたの弁護士に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。
 詳しくはあなたの弁護士の理念と信頼できる情報提供に向けた執筆体制をご覧ください。

※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。