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KL2020・OD・037
「離婚理由ランキングが知りたい!」
「他の人の離婚理由を知って、自分が離婚すべきか判断したい」
自分が離婚を悩んでいるときに、ほかの人はどういった理由で離婚をするのか知りたくなることがあるかもしれません。
裁判所が発表している司法統計によると、令和2年度における離婚申し立ての動機は、以下のとおりとなっています。
順位 |
離婚理由 |
1 |
性格の不一致 |
2 |
精神的虐待 |
3 |
生活費を渡さない |
4 |
暴力をふるう |
5 |
異性関係 |
6 |
浪費 |
7 |
性的不調和(セックスレスなど) |
8 |
家庭を捨てて省みない |
9 |
酒を飲みすぎる |
10 |
同居に応じない |
【参考】婚姻関係事件数 申立ての動機別申立人別 全家庭裁判所
上記は、男女の統計を合わせて出したランキングです。実は、男女別に見るとそれぞれに離婚理由は異なることがわかるでしょう。
この記事では、司法統計からみた離婚理由ランキングを中心に、離婚するために必要な「法定離婚原因」についても詳しく解説します。
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東海 | 愛知 | 岐阜 | 静岡 | 三重 |
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九州・沖縄 | 福岡 | 佐賀 | 長崎 | 熊本 | 大分 | 宮崎 | 鹿児島 | 沖縄 |
目次
順位 |
離婚理由 |
合計 |
件数(男性) |
件数(女性) |
1 |
性格の不一致 |
25,544 |
9,240 |
16,304 |
2 |
精神的虐待 |
14,107 |
3,159 |
10,948 |
3 |
生活費を渡さない |
13,921 |
686 |
13,235 |
4 |
暴力をふるう |
10,030 |
1,454 |
8,576 |
5 |
異性関係 |
8,637 |
2,132 |
6.505 |
6 |
浪費 |
5,903 |
1.883 |
4,020 |
7 |
性的不調和(セックスレスなど) |
4,557 |
1,749 |
2,808 |
8 |
家庭を捨てて省みない |
3,777 |
764 |
3,013 |
9 |
酒を飲みすぎる |
2,999 |
381 |
2,618 |
10 |
同居に応じない |
2,081 |
1,359 |
722 |
【参考】婚姻関係事件数 申立ての動機別申立人別 全家庭裁判所
以上は、司法統計をもとに出した、離婚を決めた理由ランキングTOP10です。なお、こちらは申立人が3つまで挙げる方法で調査したものです。
ここでは、それぞれの項目について詳しく解説します。
男女合わせて最も多かったのが、「性格の不一致」でした。男女別に見ても、この理由が最も高いことが分かります。
離婚理由における「性格の不一致」とは、夫婦間の性格的な違いが原因で、円満な関係を築くことができなくなることを指します。
性格の不一致として挙げられる具体的な内容はさまざまですが、一例として夫婦間で趣味やライフスタイルが異なっており、共通した関心ごとをもつことができず、コミュニケーションが少なくなってしまうといったことがあります。
そのほか、価値観や人生観の違いによって、折り合いがつかずにストレスになるといったこともよくあります。
ほかにも、出産や育児、両親の介護などをきっかけに考え方や価値観に夫婦間でのズレが生じることもあります。
このような夫婦間でのズレが生じることでお互いに話し合いができずに意見が食い違ったり、話し合いをもとうとしても感情的になってしまったりすることで離婚に至る、ということもよくある例といえるでしょう。
精神的虐待とは、配偶者から受けた言葉や行動によって自尊心が傷つけられたりストレスを感じたりすることを指します。
具体的には、以下のようなケースが起こります。
このような行動は「モラハラ」とも呼ばれ、精神的に追い詰められた状態になります。身体的な虐待と違い、怪我をするなど周りからはわかりにくいため、本人がなかなか気づかないこともあります。
知らず知らずのうちに、うつ病やトラウマなどの問題を抱えてしまうこともあるため、注意が必要です。
女性が離婚の理由として圧倒的に多く挙げられているのが、生活費を渡さないケースです。後ほど解説しますが、民法で定められた法定離婚原因の中に「配偶者から悪意で遺棄されたとき」という記述があります。
これは、配偶者が問題を理解しながらも相手を遺棄(ほったらかし)にすることを指します。
生活費を渡さないといった状態が継続的に続く場合、家計が苦しくなり生活に悪影響が出ます。こうした場合に、離婚に至るケースが多いのです。
第4位にランクインしたのが、いわゆる家庭内暴力です。なお、暴力を理由に離婚を申し立てるのは、女性の方が多いのも特徴といえるでしょう。
2002年4月に「配偶者からの暴力の防止および被害者の保護に関する法律」が制定されたことで、家庭内暴力は犯罪であるとの認識は定着しつつあります。
とはいえ、今日に至るまで、家庭内暴力がまだまだ離婚理由の上位にあることは否めません。
また、近年では妻から夫への暴力を訴えるケースも増えてきています。
第5位にランクインしたのは、いわゆる「不倫」「浮気」などの異性関係のトラブルによるものです。特徴としては、妻が夫の異性関係を理由に離婚を申し立てる数が、その逆と比べて約3倍にもおよぶ点です。
民法で定められた法定離婚原因の中には「配偶者に不貞な行為があったとき」という記述があるため、不貞行為(配偶者以外との肉体関係)があれば離婚理由となるのです。
特に、一度や二度の関係ではなく継続的に不貞行為がおこなわれてきた、いわゆる「不倫関係」があった場合に離婚に至る可能性は高くなります。
配偶者の浪費癖が理由で離婚に至るケースは、男女合わせると第5位になりました。
生活費に充てなければならない費用を、高級なものやギャンブルにつぎ込んでしまうといった理由で離婚に至るケースは少なくありません。
それだけでなく、勝手に借金を作って生活費から返済しなければならないような場合もあります。
ちなみに浪費は、単なる「金遣いの荒さ」にとどまらず、「依存症」とされることもあるため注意が必要です。
依存症を疑う際には、医療機関で治療を受けることが推奨されます。
セックスレスなどの性的不調和が理由で、離婚に至るケースも少なくありません。
どちらか一方が性的に不満足だったり、配偶者からの性的な要求を一方的に拒否したりといった場合、それが継続すると夫婦関係が悪化することがあります。
セックスレスではなく、夫婦間での性的志向が異なる場合に夫婦関係が悪化することで離婚となることがあります。
また、性的な行為を強要する、いわゆる性的虐待も性的不調和のひとつといえます。
たとえば、夫が仕事一筋で家事や育児に全く手を貸そうとしない場合に夫婦関係が悪化し、離婚に至ることがあります。「ワンオペ育児」などもそれに該当します。
家庭は夫婦が協力し合って成り立たせるものです。どちらか一方だけが家庭を維持するために負担を強いられる状況では、ストレスがかかってしまうことがあるのです。
「お金は稼いでいるのだから」という意識で仕事に打ち込んでしまうケースもあり、夫婦での認識のずれが生じやすくなることも多いのが現状です。
どちらか一方が酒を飲みすぎることが理由で、離婚に至るケースもあります。
夫婦のどちらか一方がアルコール依存症になってしまう場合、家庭内でトラブルが起こることがあります。
アルコール依存症の場合は、酒を飲まなければ生きていけない状況になりやすいのです。
アルコール依存症とまではいかなくても、酔っぱらってトラブルを起こすことが多い場合には離婚に至る場合があります。
酒癖が悪かったり、酒を買うために浪費するといったことにより、婚姻関係を続けることが難しくなることがあります。
ちなみにアルコール依存症に陥っている場合にも、やはり医療機関での治療が望まれます。
将来的に親との同居をするかどうかによって、離婚に至ってしまう場合もよくあります。
結婚当初にはどちらか一方の親との同居が話し合われなかった場合でも、歳をとるにつれて同居についての話し合いをする必要が出てくるためです。
この場合は話し合いをおこなっても解決しないことがあり、離婚に至る場合があるのです。
順位 |
離婚理由 |
件数 |
1 |
性格の不一致 |
9,240 |
2 |
精神的虐待 |
3,159 |
3 |
異性関係 |
2,132 |
4 |
家族親族と折り合いが悪い |
1,964 |
5 |
浪費 |
1,883 |
男性側から見た離婚理由ランキングで特徴的なのは、第4位が「家族親族との折り合いが悪い」という点です。
妻が自分との家族や親族と関係性を築けなかったなどの理由により、離婚に至るケースが多いのです。
「精神的虐待」は一見、妻が受けやすいケースに思えますが、男性側の離婚理由でも上位に挙げられていることがわかります。ただし、それでも女性の件数の半数以下です。
順位 |
離婚理由 |
件数 |
1 |
性格の不一致 |
1,6304 |
2 |
生活費を渡さない |
13,235 |
3 |
精神的虐待 |
10,948 |
4 |
暴力をふるう |
8,576 |
5 |
異性関係 |
6,505 |
女性側からの離婚理由ランキングで特徴的なのは、「生活費を渡さない」といった例が目立つ点です。また、「暴力をふるう」という理由については、当然ではありますが男性の3倍以上であることがわかります。
男女ともに圧倒的な1位は「性格の不一致」ですが、それと同時に、精神的虐待が上位にランクインしていることも特徴といえます。
肉体的ではなく、精神的虐待は長期的なストレスに苦しむことが多く、深刻化しやすい問題といえます。
離婚をしたいと考えた際、相手がそれを認めなくても裁判をおこなうことで離婚が認められることがあります。
その際に必要なのが「法定離婚原因」です。なお、民法第770条1項では一定の事由があれば、裁判によって離婚が成立すると定められています。
ここでは、法定離婚原因に該当する5つについて詳しく解説します。
不貞行為とは、配偶者以外の相手と肉体関係を持つことを指します。判断基準が「肉体関係」なので、デートをしたりハグやキスでは認められません。
不貞行為が認められるためには、確実な証拠を得る必要があります。証拠となる一例には、以下のようなものが挙げられます。
ちなみに、不貞行為があったとしても、性的関係が認められない場合や既に婚姻関係が破綻している場合には認められないこともあります。
「悪意の遺棄」とは、家庭に悪影響であることがわかりながらも放置しているような状態を指します。具体例として、以下のような状態が挙げられます。
また、どちらかが一方的に家を出たまま長期にわたり帰ってこないといった場合も、「悪意の遺棄」とされることがあります。
配偶者が3年以上生きているか死んでいるのか分からないときには、法定離婚原因として認められます。ただし、生存の確認が取れているものの、居どころがわからない場合には該当しません。
なお、生死がわからない状態が3年未満の場合であったとしても、十分な捜索を行ったことを証明することができれば、「悪意の遺棄」を理由に離婚を請求することが可能です。
強度の精神病にかかってしまい、回復の可能性がない場合にも法定離婚原因として認められます。たとえば、統合失調症や躁うつ病などがこれにあたります。
ちなみにアルコール中毒などの依存症に関しては、「回復の見込みがある」と判断され法定離婚原因にするのは難しいのが現状です。
その他、婚姻を継続しがたい重大な事由として、以下のような状況が挙げられます。
これらの状況で婚姻生活が破綻している場合に、法定離婚原因と認められることがあります。
今回の離婚ランキングで圧倒的1位であった「性格の不一致」に関しては、それだけでは離婚理由になりづらいといった事実があります。
性格の不一致により離婚が認められるには、さまざまな状況を考慮して判断されることとなります。
法定離婚原因は、原則としてどちらか一方が離婚を拒否している場合に考慮されるものです。双方の間で離婚の合意がなされていれば、法的手続きを経て離婚することは可能です。
双方で合意がなされているのであれば、客観的に見たときの正当な理由は必要ありません。
離婚を決めたときに準備しておくことは、その理由や今後どうしたいかによって異なります。
相手が拒否しても離婚したいと強く感じている場合は、裁判に持ち込むことを想定した準備が必要です。
法定離婚原因を認められやすくするには、どのような原因であっても証拠が重要なカギとなります。
もしも離婚に対しての決意が固いのであれば、必要な証拠などの準備に必要なものや手順を弁護士に相談してみるのもいいでしょう。
もちろん、夫婦の話し合いによって離婚が成立するのであれば、その必要はありません。話し合いではうまくいかない場合には、弁護士に相談・依頼することをおすすめします。
以上、この記事では離婚理由ランキングの内容を中心に解説しました。司法統計におけるランキングは以下のとおりです。
順位 |
離婚理由 |
1 |
性格の不一致 |
2 |
精神的虐待 |
3 |
生活費を渡さない |
4 |
暴力をふるう |
5 |
異性関係 |
6 |
浪費 |
7 |
性的不調和(セックスレスなど) |
8 |
家庭を捨てて省みない |
9 |
酒を飲みすぎる |
10 |
同居に応じない |
【参考】婚姻関係事件数 申立ての動機別申立人別 全家庭裁判所
上記は離婚するために裁判を起こした場合の離婚理由であり、裁判にならなかったケースでは違った結果もあるかもしれません。とはいえ、離婚理由として十分に参考になるものです。
もしも離婚を考えるのであれば、上記のランキングを参考にご自身のケースに照らし合わせてみてください。そして離婚したい場合に「法定離婚原因」にあたるかどうかを考えることをおすすめします。
場合によっては弁護士に相談することで、手続きがスムーズになることがあります。ぜひ、検討してみてください。
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KL2020・OD・037
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