自己破産をしても車を手元に残せる？車を手元に残せる基準まとめ

「自己破産したいけど手元に車を残したい」            

「自己破産をしたらローン支払い中の車は没収されてしまうの？」

など自己破産をすることで車を手放すと思っている人は多いです。

結論からいうと、自己破産をしても車によっては残せるケースもあります。自己破産をしても20万円以上の財産価値がなければ没収されないからです。

今回は、

• 自分の車が20万円以上あるかないか知る方法
• ローン途中の車を残す方法
• 自己破産をしても車を残す方法

についてお伝えしますので参考にしてください。

自己破産をしても車を残せる・残せないケース

自己破産をすると財産価値が20万円以上の財産は現金に換えて、お金を借りた人や業者に返還しなければなりません。ということは、自分の車の財産価値が20万円以下なら手元に残せます。

車を残せるケース

上述した通り、自己破産をしても自動車の価値が20万円以下なら手元に車を残すことができます。自動車の価値が20万円以下になる基準は、普通車なら購入して6年以上経過していること。軽自動車なら購入して4年以上経過することが目安になります。

10年落ちの車なら財産価値がつかないことが多く、その場合は責任財産となりません。車の価値を知りたい人は中古車ショップ・自動車ディーラーなどで査定してもらいましょう。

20万円以上の価値がある車でも残せるケース①

自己破産をしても妻名義・親名義の車の場合なら手元に残すことができます。つまり、自己破産をした人の名義でなければ車を手放さなくてもＯＫです。ただし、実質的には破産者の所有物であり、単に妻や親の名義を借りているに過ぎないような場合は、破産者の財産として責任財産に組み込まれてしまう可能性は否定できません。

20万円以上の価値がある車でも残せるケース②

裁判官に破産者が継続して車を使用することが認められた場合は手元に残すことができます。以下の様な場合は、当該許可が得られる可能性があります。

• 持病を持っているため病院に行くのに必要
• 家族を介護するために車が必要

車を残せないケース

繰り返しになってしまいますが、自己破産者の名義の車が財産価値20万円以上ある場合は手元に残せません。このような場合は、自ら市場価値相当を支払って車を買い取るなどの方法がありますが、弁護士等の専門家に相談するべきでしょう。

車を残したいからとやってはいけないこと

今まで読んできてもらって「名義変更をすれば車を残せる」と思った方が大半だと思います。しかし、自己破産中に名義変更をするなどしても、破産処理の中でその効力が否認されることになり、意味がありません。

悪質な場合は、財産の隠匿行為として免責不許可となる可能性も否定できません。免責が下りないということは借金ゼロにならないということです。

せっかく借金をゼロにしたいから自己破産をしているのに免責が下りないと困りますよね。車を手元に残したい気持ちは分かりますが、自己破産をするのが第一の目的なため、財産を隠す行為は絶対にやめましょう。

差し押さえの対象となった車が没収される前の注意点2つ

破産処理の中で破産財団に組み入れられた車は、破産債権者のために適切に管理されなければなりませんので、丁重に扱わなければなりません。

①対象となった車は乗ってはいけない

自己破産手続きをして債権者に渡すことが決まった車は自由な使用が制限されるのが通常です。債権者に渡すことが決まった車は、これまで以上に大事に扱いましょう。

②車のカーナビを外すのも禁止

車とカーナビの価値を合わせての財産価値となるため勝手に外すのは禁止です。カーナビを取り外すのは財産隠しとみなされる可能性もあるのでやめましょう。

車を残したい場合には破産以外の債務整理を検討する

個人再生

借金を最大5分の1にできる法的債務整理の1つです。ただ、借金が5,000万円以下の時、かつ借金の返済が3～5年で完済できる見込みがないと使えません。毎月の収入がある程度見込めて借金を3～5年で返せそうだなと思う人は個人再生が利用できないか検討してみてはいかがでしょうか。

任意整理

債権者と話し合いをして借金を減らしたり、分割弁済したりする非法的債務整理です。法的手続ではないため、誰でも行うことができますが、債権者との協議が調わない場合はあまり意味がありません。

まとめ

自己破産をしても車に20万円以上の価値がなければ手元に残すことはできます。20万円以上の価値があるかどうかの基準の目安は以下のとおりですが、年式と市場価値は必ずしもリンクしないため、市場価値については慎重な判断が必要です。

• 普通車は6年以上乗っている
• 軽自動車の場合は4年以上乗っている

ハイブリッド車など価値が落ちにくい車だと場合によっては手元に残せないこともあるので注意しましょう。1番良い方法は自己破産をする前に車の財産価値を中古ショップ・ディーラーなどで確認することが大事です。

また自己破産以外の債務整理を使うことができれば車を手元に残すことはできます。どうしても自己破産しか選択肢がなく車を手放すことになる場合は、安い車を購入しましょう。