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KL2020・OD・037
自己破産をすれば債務(借金)が0円になる!と言っても簡単にできるものではありません。本当に債務を返せない人が裁判所に認めてもらい、自身の財産のほとんどと引き換えに成立させる国の救済制度です。また、自己破産は、「破産開始決定」 と「債務免責」の2つが揃ってはじめて債務が0になります。
免責を認めてもらえない場合、債務は0になりません。まず、自己破産のメリット・デメリットを確認し本当に自己破産が必要なのかの判断基準や必要となった場合の手順を把握しましょう。今回は上記のほかに、自己破産の回避方法をまとめました。
自己破産はもはや最終手段と言っても過言ではありません。そのため、多くのデメリットを抱えています。実際にどのようなデメリットがあるのか見ていきましょう。
貯金は20万円以上を資産とみなし全額没収されるので気を付けましょう。また複数の口座をもっている場合は各口座に20万円未満ではなく、合計で20万円未満になるので注意しましょう。
現金は99万円を超えると資産と見なされ没収されます。現金は預金と別で計算されるので、合計が99万円を超えていても、現金と預金で規定の金額を守っていれば問題ありません。
自己破産した場合は住宅ローンが残っていても、残っていなくても資産としてみなされ、任意売却か競売にかけられます。例外として買い手がつかないような古い民家や資産価値がつかないような土地は資産と見なされない場合があります。
売却や競売にかけられたからといってすぐ出ていくわけではなく、買い手がつくまでは住むことができます。
車は名義やローン・その車の価格により、扱いが変わります。
車の購入名義が債務者以外の場合、その人の資産となり没収されません。ただし、妻名義で購入していたとしても、妻が専業主婦で収入がない場合夫(債務者)の資産として扱われます。
自己破産直前に名義を変えるなどして資産を隠した場合、詐欺破産罪等にあたるので絶対にしないようにしましょう。
ローンが払い終えるまで自動車の所有権はローン会社にある事になります。そのため、自己破産した時点で自動車の返却を求められます。ローンが残り数万円で自己破産前に払い終えることができる場合であっても、優先して払ってしまうと債権者(お金を借りた会社や人物)間の不平等に当たり禁止事項に触れることになるのです。
ですが、自己破産する債務者以外がローンを払うことは認められており、それでローンを完済できた場合所有権は債務者に移ります。
自己破産をする場合、20万円以上の財産価値がある物は現金に換金して債権者へ配分することになっています。自動車も同じ扱いになり、買い取り業者などにしっかり査定してもらい、20万円以上だった場合は処分されることになります。
また事業に使っている車の場合も自家用車と同じ扱いになります。なので、ローンが後数万の場合、払い終わったほうがいいのかどうか話し合う必要性があります。
没収された車を事業で必要とする場合、債務者以外の家族が買い戻すことができます。
自己破産すると信用を失うと同時に「自己破産した」という記録が5~7年残ります。そのため、銀行や流通系のクレジットカード・ローンをその期間に利用することはほとんど不可能になります。また自己破産前に利用していたクレジットやローンを利用することができなくなります。
ただしデビットカードなら利用できる可能性があります。デビットカードはほとんどのカードが無審査で、支払いが事後ではなく預金から即時に決済されるので使い過ぎの心配がありません。どうしてもカードが必要という場合は、デビットカードを試してみましょう。
破産手続きから免責が決まるまでの間、下記の職業に就くことができません。
これらが規制される理由として、信頼を基に成り立つ職業だからです。自己破産とは信頼を失う行為のため、周囲に大きな損害が出ないかどうかを考えたうえでこのような制限がかけられました。
また、これらの規制は破産法に記載がなくそれぞれの職業を定めるもの(弁護士法や民法等それぞれを規制する法律)に記載がされています。
自己破産をした際に気を付けて欲しいのは連帯保証人の存在です。連帯保証人不要のところでお金を借りた場合、個人の一存で自己破産しても良いのですが、連帯保証人が要る場合は一度誠意をもって謝罪し、相談しましょう。
連帯保証人は、債務者が自己破産したとき、債務を基本的に一括で返金しなければならない義務があります。なので、連帯保証人になってくれた人の生活に大きな負担をかけてしまうため、人間関係が悪化したり、最悪絶縁されたりしてしまうのです。
自己破産のデメリットを多く見ましたが、どのようなメリットがあるのでしょうか。
すべての手続きが終了したら、債務が0円になることが自己破産をする最大のメリットです。お金の心配をせず、新しい生活をすることができます。
自己破産以外の手続きでは、異議や反対があると利用できないものもあります。しかし自己破産は反対者がいても利用することができるのがメリットです。
金融機関からの借り入れの場合、債務者が弁護士に債務整理を依頼し、弁護士などが依頼を受けた旨を債権者に通知したときから、債務者に電話等で連絡を取ってはいけないことに法律で決まっています。
なので、自己破産の手続きをし、弁護士に依頼したら返済を停止し、催促も止まるため周囲にばれる可能性が減少します。
債務が1億円でも100万円でも返金能力がないということが認められれば、自己破産することができます。また、手続き後に支払いがないため、収入が少ない人や無い人でも利用することができます。また個人以外にも会社が利用できるのも大きなメリットです。
自己破産には多くの誤解があります。実際はどうなのかまとめました。
自己破産すると選挙権を失うということはありません。選挙権は国民に与えられた平等の権利です。このように自己破産をしたからと、個人の人権を害するようなことが起きることはありません。
自己破産をしたということは、自分から言わない限り近所や親せき、会社に知られることはありません。ただし、連帯保証人がいて自己破産をし、その時の対応やその後うまく和解できなかった場合、その人から広がってしまう可能性はあります。
また家や車を没収されてしまうので、家族には隠すことができません。自己破産をする前にしっかり相談しましょう。
自己破産を理由に解雇した場合は、「不当解雇」となり裁判所で取り消しをすることが可能です。また就業規制で、自己破産は解雇にすると記載されていた場合でも、自己破産と労働は関係ないので無効にできる可能性が高くなります。
しかし、「職業に制限がかかる」で紹介した職業などの制限されている職業は、一定期間働くことができません。自分の職業が制限されているかどうかを弁護士に相談しましょう。
自己破産と賃貸は、金融と不動産で全く違うものになります。そのため家を借りることができないということはありません。
しかし、不動産会社によってはカード会社を通し、家賃の引き落としを行っているところもあります。そういうところでは、そもそもカードが作れない場合は、 入居を断られる可能性があるのです。その場合は家賃を現金で振り込む物件を探しましょう。
自己破産しても国内外問わず、旅行に行くことができます。ただし、没収される資産を持っている人は、自己破産を申し出て免責が認められるまでの期間に限り、裁判所の許可なく住居地を離れることを禁止されています。
これは資産を隠したり、逃亡させたりしないための措置になり、裁判所などは申立人がどこのいるのか把握しておかなければなりません。
また自己破産を申し立てることができても免責が認められない人も存在します。いったいどのような人が認められないのでしょう。
借金の総額を36で割り(3年間で分割を意味する)その金額が月々返済できる限度額を上回っている場合に「支払い不能」と判断されます。
例えば1,000万円の債務を月100万円の収入がある人物が自己破産を申し立てした場合、36で割ると約27万円になり充分支払い可能ということから、自己破産を認められない可能性が高くなります。
車の名義を自己破産直前に家族の名義に代えることや、その他資産や収入について虚偽の報告をした場合は基本的に自己破産を認めてもらうことができなくなります。
また夫婦の財産は別という観点から財産を守るために偽装離婚を考える人がいるかと思いますが、これは免責を認められなくする1つの要因にもなります。
債務の原因がギャンブルや浪費によってできた場合免責が認められません。ギャンブルや浪費の例として下記のものが当てはまります。
・パチンコや競馬など
・バーやキャバクラ、その他風俗店などで頻繁に高価な飲食やプレゼント
・旅行やエステなどを頻繁に行うなど
収入に見合わない高価な暮らしや浪費の結果の場合です。
基本的に自己破産した場合、その後7年間自己破産することができない決まりになっています。しかし、裁判官の裁量により免責を受けることができる場合があるのです。7年以内に免責を受けている例としては、ケガや事故・病気などで借金がどうしても必要になった場合になります。
これは借りる際にどのように借りたかがポイントになります。財産や仕事について書類を偽造や変造していた場合、免責が認められなくなります。また自己破産申し立ての際に、債権者の一覧を提出しなくてはいけません。その時に故意や重大な過失で、虚偽の債権者一覧を提出した場合も免責が認められなくなります。
自己破産はどのように申し立てたらいいのか流れを図にまとめました。
裁判所で申し立てるためにまず弁護士に相談します。無料相談する弁護士を選ぶ際はこちら「無料法律相談する時の弁護士の選び方と探し方」を参考にしてください。弁護士が決まった後の基本的な流れを紹介します。
自己破産に強い 弁護士を見つけ依頼をします。必要なものなどは、無料相談の時に聞いてきましょう。
弁護士を介し、債権者に通知を発送することにより、催促や返済を停止させることができます。
手続を申し立てるために、書類を弁護士と相談してそろえていきます。申し立てる準備ができたら裁判所で手続きを開始しましょう。
どのように破産手続きをするのかまとめました。
(参照元:自己破産の申し立てをされる方のために|裁判所)
申請後1~2ヶ月後に裁判所からの呼び出しがあり、債務・資産・支払いなどの状況を質問され、債務者に支払う能力があるかどうかを調べます。裁判所に支払い不能と認められると数日後に「破産手続開始決定」が下り、その後の手続きに移るのです。
また東京地方裁判所本庁のみの取り扱いですが、即日面接という制度があり、3日以内に弁護士と裁判官が債務者の支払い能力の有無を調べ、判断を下します。
破産者の財産をお金に換えて公平に分配する手続きです。以前は「破産宣言」といいました。資産がない人は「同時廃止型」といい、配分する財産がないので即座に終了します。
資産がある場合は、「管財型」と言い、裁判所が選任した破産管財人が中心となり次のような手順を行っていきます。
債務者に分配し破産手続きが終了します。また換金しても分配する財産がない場合は破産手続きを終了します。
破産手続きだけでは債務が0になったわけではありません。0にするためには免責手続に移りましょう。
完全に債務を0にするために次は免責手続を行います。分かりやすく図にまとめました 。
免責は債務を0にすることなので、債権者の意見を聞く機会を設けます。これにより免責にするかどうかなどを債権者が話し合います。しかし、債権者が免責を不許可にすることはほとんどなく、そのため破産管財人の意見が通ります。
免責審問では債務者がしっかり自己破産している状況や原因をしっかり把握できているか、反省しているか等を裁判官が審問します。この時に虚偽の発言をすると免責が厳しくなります。免責の結果は基本的に数日後に弁護士経由で伝えられます。
本当に自己破産するべきなのか、もしかしたらしなくても平気かもしれない。そんな時、どのような対処法があるのかまとめました。
司法書士や弁護士が債権者と返済方法や返済額を話し合い、支払いが可能になるように交渉する手段です。最もよく使われ、一部だけ整理したい場合や将来の利息をカットして分割払いにしたい場合等に利用が可能になります。
個人再生は、全債権者に対する返済総額を少なくし、原則3年間の分割で返済することにより残りの債務が免除される手続です。また、これをするためには、債権者の意見を裁判官が聞き認められる必要があります。
個人再生を利用するためには、収入が安定していることが条件になります。
個人・法人を問わず利用することができます。返済が難しい人が債権者と話し合うための制度で、民事調停の特例になります。債権者との交渉は裁判所が行ってくれ費用が安く、早く解決できるのがメリットです。
デメリットは、ブラックリストに載ってしまうということと、債権者との和解不成立によりうまく解決にたどり着かなかったりします。申し立て方法などは民事調停と同じなので、詳しくはこちら「民事調停について|裁判所」をご覧ください。
いかがでしょうか。自己破産はデメリットも多いかと思いますが、債務が0になるのが最大の利点です。今の自身の債務状況を把握し、焦らず整理していきましょう。また、一人では必ず焦ってしまうので、弁護士などに相談しながら進めていきましょう。
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KL2020・OD・037
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