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KL2020・OD・037
交通事故に関する慰謝料や損害賠償金を被害者は請求できますが、『損害賠償請求権』については法律で加害者および損害を知った時から3年の消滅時効(加害者が不明の場合は20年の消滅時効)が定められています。
時効期間を過ぎると被害者は慰謝料や損害賠償金が受け取れません。
加害者側の任意保険会社との示談交渉では場合によって長くなってしまうため、被害者は損害賠償請求権の消滅時効を把握する必要があります。
また、時効を中断させる方法もありますので、損をしないための対応策を確認していきましょう。
目次
交通事故の被害者に与えられる損害賠償請求権については民法第724条で定められていて、基本的な消滅時効は加害者を知った時から3年になります。
※『加害者を知った』というのは、加害者の名前や住所を確認したことを指します。
(不法行為による損害賠償請求権の期間の制限)
第七百二十四条 不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。
引用元:民法 第724条
損害の内容によって変わる消滅時効の起算日については以下の通りです。いずれの場合も基準日になる事故日や死亡日の翌日より時効が開始されているのは、時効期間の初日が24時間でない場合における権利義務的な不公平性が考慮されているためです。
損害の内容 |
時効開始のタイミング |
物損・傷害の事故 |
事故日の翌日から |
後遺障害を負った傷害事故 |
症状固定の翌日から |
死亡事故 |
被害者が亡くなった翌日から |
被害者が所有している車両が破損した場合や被害者がケガを負った場合は、交通事故発生日の翌日から消滅時効がスタートします。
被害者が死亡した場合は事故発生日ではなく、被害者が死亡した日の翌日から3年の消滅時効がスタートします。
交通事故が原因で被害者が後遺障害を負った場合は、症状固定日の翌日から3年の消滅時効がスタートします。なお、症状固定とは治療を継続しても回復せずに症状が残る状態のことであり、後遺障害等級の認定申請をする上で重要な条件です。
基本的に症状固定のタイミングは担当医が患者の様子を見て判断します。保険会社から催促される場合もありますが、安易に応じてしまうと損害賠償が減額してしまう恐れがあるのでご注意ください。
詳細記事:症状固定は誰が決めるのか|被害者が知るべき症状固定のタイミング
加害者が特定できないケースに対応した時効が決められて、現場から加害者が逃亡したひき逃げ事故などの場合では事故発生時から20年で権利は消滅します。
なお、この間に加害者が特定できた場合、特定した日から別途3年の消滅時効がスタートしますが、この場合でも20年の期間制限を超過することはできません。
「加害者が見つからないと被害者は泣き寝入りになるのか…」と思われるかもですがご安心ください。その場合には政府の自動車保障事業制度を利用すれば、自賠責保険と同じ保障を時効前に得ることができます。
警察に捜査を続けてもらっても加害者が見つかる様子がない場合には、国の保障制度の利用を申請すると良いでしょう。
交通事故が原因で負ったケガが完全に治ってから、被害者は示談金を請求するために加害者側の任意保険会社と示談交渉を行うのが通常です。示談金は慰謝料と入通院費用や休業損害などの損害賠償金のことであり、示談とは当事者同士の和解のことです。
詳細記事:交通事故の示談交渉ガイド|示談交渉の流れと示談金増額のタイミング
しかし、状況によっては示談交渉が長期間になってしまうため、3年の消滅時効を過ぎる可能性もありますので被害者は注意するべきでしょう。
被害者としては、早めに示談をすることはあまり望ましくありません。基本的に一度示談を成立させると撤回ができなくなりますので、適切な示談金額であるかどうかを慎重に検討する必要があるでしょう。
また、示談の時期が早すぎると、示談後に治療を受けても治療費が補償されない恐れもあります。時間を要しますが、ケガが完全に治るのを待ってから任意保険会社と交渉するようにしなければなりません。
また、加害者側が被害者からの示談要求に応じない場合も考えられ、自らの過失を認めないことを理由に交渉を拒否するケースもあります。
仮に加害者側との示談交渉が滞って長引いた場合、上記で取り上げたように3年の消滅時効を過ぎてしまうため被害者は早めに時効を中断させる手段を取るべきです。主に3種類ある時効の中断方法については次項で見ていきましょう。
本来獲得できる交通事故慰謝料の相場を知っておくことで、自分がいかに相場とかけ離れた慰謝料で示談を持ちかけられているか実感するでしょう。
一度交通事故の一般的な慰謝料相場について知ってから、時効を中断して適切な金額の慰謝料請求を行うようにしましょう。
あなたの交通事故の場合の慰謝料金額を計算する場合には以下の記事を参考にして、慰謝料計算をしてみてください。
時効を中断させるためには、加害者側より債務の承認を受ける方法があります。また、これ以外にも加害者に対して訴訟提起等の法的手続きを履践することによっても時効は中断されます。
時効の中断をするために加害者側の任意保険会社より治療費などを支払ってもらった場合、時効は中断します。全額の示談金を請求しなくても一部だけの損害賠償金で構いません。
なお、時効の中断という表現が一般的ですが、正確には時効の『再スタート』になり、治療費(仮渡金)の支払いがあった翌日から新たに3年の時効が始まることになります。
詳細記事:交通事故の治療費請求ガイド|健康保険の使い方や打ち切りへの対処法
また、加害者本人に念書を書かせたり任意保険会社へ時効中断申請書を提出したりすることで時効が中断されて新たに3年の時効がスタートします。任意保険会社によっては時効中断のための所定の書面が存在することもあります。
最終的な手段になりますが、民事訴訟による法的手続きを進めることで時効が中断されます。裁判所に訴状を提出した日に時効が中断します。なお、訴訟において判決が確定した/当事者同士で和解が成立したなどの場合、手続で認められた債務について新たに10年の時効が開始されます。
詳細記事:交通事故裁判の基礎知識まとめ|費用・期間の目安と弁護士依頼のコツ
なお、法的手続きにおける請求方法では民事訴訟のほかに民事調停もあります。民事訴訟では法律上の判決は下されず、裁判官と2名以上の調停委員で構成される調停委員会が加害者と被害者の間に入って示談交渉に協力をする形になります。
民事調停で示談成立しない場合において、段階的に民事訴訟へ移行するのが通常です。裁判は示談も民事調停も上手くいかなかった場合の最終手段と認識しておくと良いでしょう。
なお、調停が不調となった場合、1か月以内に訴訟提起しなければ時効は中断されませんので、注意しましょう。
以上の3つの方法が損害賠償請求権における時効中断の手段となりますが、慰謝料と損害賠償金を合わせた示談金額をめぐる交渉は、あくまで加害者側の任意保険会社との対応になるため、以下のような自賠責保険への請求行為などは損害賠償請求権における時効中断の対象にはなりません。
自賠責保険への被害者請求と、損害賠償請求権に関連する任意保険会社への請求権利は別々になりますので、混同しないように注意しましょう。
損害賠償請求権の消滅時効を懸念する状況としては、任意保険会社との示談交渉が上手く行っていないことが考えられます。被害者のみで交渉が難しいと思ったら、弁護士に相談した方が良いでしょう。
なぜ弁護士に相談すべきなのか?その理由は以下の2点です。
加害者側の立場にある任意保険会社は、保険金の支払いをおさえるために提示する示談金額は少なくなるよう交渉します。
被害者が正当性を主張しても聞いてくれない可能性があり、訴訟をするにしても専門的な法律上の手続きについて被害者自身での対応ができないこともあり得ます。
交通事故案件に携わっている弁護士であれば、適切な対応を期待できるでしょう。特に訴訟をする場合であれば全面的に手続の進行を任せることができますので安心できます。
交通事故における慰謝料や損害賠償金の請求において、被害者側は不利にならないように早めの対応を心掛けるべきです。
弁護士へ依頼するタイミングは早い方が良いですが、詳細については以下の記事で取り上げています。
交通事故に関する慰謝料や損害賠償金請求の消滅時効について解説しましたが、3年以内に示談交渉が成立しなさそうな状況であれば、時効を中断させる3つの方法より対応検討しましょう。
法律的な問題が絡んでいるので、分からないことがあれば弁護士に相談するのも効果的な対応策だといえるでしょう。
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