医療過誤の相談窓口(公的機関含む)5選|まずは専門家の意見を

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
医療過誤の相談窓口(公的機関含む)5選|まずは専門家の意見を

医療過誤(いりょうかご)が疑われた場合の相談はどこにすれば良いのでしょう。この場合、弁護士に相談するのが一般的ですが、実は医療事故情報センターという地域ごとに民間で運営している医療事故や医療過誤について相談できる公的機関などでも相談できます。

そもそも医療過誤とは、医師や看護師などの医療従事者が医療行為に際してミスを犯し、患者の生命・身体に害悪を与えることを言います。もし、あなた自身または家族が医療行為を受けたことによって身体に悪影響が出た場合、医療過誤を疑うべきかもしれません。治療や手術によって受けた損害を、慰謝料や賠償金という形で請求できる可能性があるためです。

医療過誤の相談窓口(公的機関含む)5選|まずは専門家の意見を

そこで今回は、医療過誤の疑いを持った方向けの相談機関のご紹介に加え、相談事例や患者側がすべきこと、弁護士の選び方などについてまとめました。医療過誤の解決を望む方、悩まれている方は必見です。

◆医療過誤で弁護士に相談するか悩んでいる方へ

医療という専門的な分野で一般の方が事実追及をするのは非常に困難です。
病院側へ責任追及、慰謝料の請求をするなら弁護士に相談することをおすすめします。
医療問題が得意な弁護士をお近くエリアから探して相談してみましょう。

医療問題について相談できる弁護士を探す

医療過誤の相談機関(公的機関含む)

医療過誤の相談機関(公的機関含む)

まず始めに、医療過誤について相談できる専門機関を下記にまとめました。医療過誤について、具体的に動いていくことを考えているなら弁護士への相談がおすすめですが、誰かに悩みを相談してみたいということであれば、専門の相談機関を利用してみると良いでしょう。

弁護士

あなたの状況に応じて、法律上の観点から具体的な解決プランや見解がもらえる弁護士です。初回であれば無料で相談できる弁護士事務所も多いため、医療過誤の問題解決に向けた動きを検討している人におすすめです。

ADR(裁判外紛争解決手続き)

ADR(裁判外紛争解決手続き)は、医療の専門知識を持った者や弁護士たちが仲介や、和解策の提案を行い、裁判以外の方法で解決を目指す機関です。

医療事故調査制度(厚生労働省)

医療事故調査制度(いりょうじこちょうさせいど)とは、民間の第三者機関が調査を行い、再発防止に繋げるための調査を行ってくれる制度です。比較的新しい制度で、平成26年6月18日に成立した医療法の改正により生まれました。詳しい内容は、「医療事故調査制度の仕組みと問題点」をご覧ください。

医療事故情報センター

医療事故情報センター(いりょうじこせんたー)とは、都道府県ごとに設けられている相談機関で民間団体が運営しています。各地域ごとの連絡先を以下にまとめましたので、必要に応じてご活用ください。

都道府県

事業所名称

電話番号

北海道

札幌医療事故問題研究会

011-209-3331

宮城県

仙台医療問題研究会

022-212-1603

茨城県

つくば医療問題弁護団 

0296-30-5600

栃木県

栃木医療問題研究会

0287-46-6350

群馬県

群馬医療問題研究会

027-220-1180

埼玉県

埼玉医療問題弁護団

048-862-1853

千葉県

千葉医療問題研究会

043-222-1831

千葉県

松戸医療事故フォ-ラム

047-368-5020

東京都

医療問題弁護団

03-6909-7680

東京都

医療事故研究会

03-5775-1851

神奈川県

神奈川医療問題弁護団

045-226-9961

長野県

長野県医療問題弁護団

026-235-6020

新潟県

上越医療問題弁護団

025-524-1238

富山県

富山医療問題研究会

0764-23-2466

石川県

金沢医療問題研究会

076-221-4111

静岡県

静岡医療事故研究会

054-205-0577

愛知県

医療過誤問題研究会(医療事故相談センター)

052-951-3226

京都府

京都医療過誤弁護団

075-222-0011

大阪府

大阪医療問題研究会

06-6206-0326

兵庫県

兵庫医療問題研究会

078-371-3006

鳥取県

鳥取県医療問題弁護団

0859-34-1996

岡山県

岡山医療問題研究会

070-5522-5668

広島県

広島医療問題研究会

082-227-5575

島根県

しまね医療問題弁護団

0852-26-5141

山口県

山口医療問題研究会

0832-32-1321

徳島県

徳島医療問題研究会

088-624-1921

福岡県

九州・山口医療問題研究会 福岡県弁護団

092-641-2009

長崎県

九州・山口医療問題研究会 長崎弁護団事務局

095-827-4314

佐賀県

佐賀医療問題研究会

0952-25-3121

熊本県

九州・山口医療問題研究会 熊本弁護団事務局

096-354-7282

大分県

九州・山口医療問題研究会 大分弁護団事務局

097-537-3344

宮崎県

九州・山口医療問題研究会 宮崎弁護団事務局

0985-24-8820

鹿児島県

鹿児島医療問題研究会

099-222-9951

沖縄県

沖縄医療事故問題研究会

098-951-3411

引用:医療事故相談センター

その他の相談機関

その他にも、民間団体などが運営している相談機関があります。医療過誤や医療事故の被害者たちで結成している団体もあるため、患者側の気持ちに寄り添いながら、話を聞いてくれるでしょう。

神奈川県医療安全相談センター

平日のみ

045-210-4895

午前10~12時、13~15時

京都医療ひろば

毎週水曜日

075-365-2633

18時30分~

患者の権利オンブズマン

第2、第4木曜日のみ

03-5953-3121

午前10~12時

長野県医療安全支援センター

月曜~金曜日

026-235-7145

午前8時30分~12時、13時~17時

医療過誤に関するよくある相談事例

以下に、青森県医療安全支援センターに寄せられた、医療過誤に関する相談事例の一部をまとめました。医療過誤かもしれないと悩まれている方の参考になれば幸いです。

シミの心配はないと言われたのに治療後にシミができてしまった

皮膚科でレーザー脱毛を行ったところ、シミができてしまったという方からの相談例です。相談者の方は、治療前に「レーザー脱毛でシミができる危険はないですか?」と聞いたとき、医師から「今までシミが残った患者は1人もいないので大丈夫です。」と説明を受けたそうです。

その後、シミが薄くなる薬を処方されたが治らず、薬の院外処方を希望したができないとの回答だったため、どうしたら良いかとの内容だったようです。支援センターでは、再度、医師との話し合いをするよう伝え、それでも解決できない場合は法の場で争うことになると回答しています。

参考:青森県医療安全支援センター

肺がんからの転移である脳腫瘍を見逃し患者が死亡

定期的に通院している病院で検査を行った際、下肢(かし)のしびれを訴えたが、「高齢であるから」と言われ、精密検査などの指示はされなかったそうです。ところが、その3日後に患者は倒れ別の病院へ搬送されることになります。

検査をしたところ、「元々患っていた肺がんからの転移である脳腫瘍」だと診断され1ヶ月後に患者は死亡しました。支援センターでは、担当医師との話し合いをすすめ、それでも解決できない場合は弁護士に依頼するよう伝えています。

参考:青森県医療安全支援センター

【過去の裁判例から見る医療過誤の例についてまとめた記事】

医療過誤に当てはまる可能性のあるミス

医療過誤に当てはまる可能性のあるミス

医療過誤に当てはまる可能性があるミスとは、具体的にどんなことが挙げられるのでしょうか。主に3つの項目に分類することができます。

説明義務違反

投薬や治療を行う中で副作用やリスクがある場合、医師や看護師は事前に患者へ説明しなければなりません。このような説明義務に違反して必要な説明を怠り、これにより患者の自己決定権が侵害されたと評価されれば、説明義務違反責任が生じます。

第二十三条  医師は、診療をしたときは、本人又はその保護者に対し、療養の方法その他保健の向上に必要な事項の指導をしなければならない。

引用:医師法

注意義務違反

医師・看護師は、医療行為を行うに際し、その時点の医療水準に基づいて相当といえる医療行為を行う注意義務違反があります。このような注意義務に違反して、不適切な医療行為を行った結果、患者の生命・身体に害悪が生じれば、注意義務違反責任が生じます。

医療行為にまつわるミス

医療行為にまつわるミスとは、具体的治療方法や手術方法、投薬の選択ミスなどが挙げられます。患者側が、このようなミスに疑いを持つことは非常に難しいでしょう。しかし、専門家を交えて調査することで発見できるケースも少なくありません。

医療過誤を疑ったらすべきこと

医療過誤かもしれないと思ったら、どのような行動を起こせば良いのでしょう。訴訟や示談交渉などの具体的な手続きに入るのではなく、最低限できる準備をしておくことが大切です。具体的な行動を以下にまとめました。

ご家族が亡くなられた場合は病理解剖を行う

もし、大切なご家族が医療行為を経て亡くなられた場合、病理解剖を行いましょう。病理解剖を行うことで、より具体的な死因の特定ができる可能性が高まります。

医療過誤を疑うまでの経緯を時系列に記録する

思い出せる範囲で構いません。医療過誤を疑うまでの経緯をできるだけ細かくまとめてみましょう。いつ通院や入院をしたか、医師や看護師からどのような説明を受けたか、病状に変化があったかなどを記載してみると良いでしょう。

医師や看護師との会話を録音しておく

担当の医師や看護師と話をする場合は、ICレコーダーなどで録音しておきましょう。会話の内容によっては、医療過誤の証拠になり得る発言が記録に残せるかもしれません。

手元にある証拠を整理・保管する

治療費や交通費などの領収書や、病院から渡された説明書や手術の同意書などを整理してまとめておきましょう。治療によって仕事を休み、給料が下がったという方は、給与明細や源泉徴収票も一緒にまとめてください。

専門機関に相談

前述でご紹介した「医療過誤の相談機関(公的機関含む)」を元に、医療過誤について相談できる専門機関に連絡してみましょう。始めは、あなたが抱えている辛い気持ちを吐き出すだけでも良いかもしれません。

弁護士に依頼

個人でできる準備をしたら、弁護士に依頼してみましょう。医療過誤によって生じた損害を、慰謝料という形で病院側に請求できるかもしれません。また、病院側の過失を認めさせるためにも弁護士の力を借りることは有効な手段です。

医療問題について相談できる弁護士を探す

医療過誤を疑ったときにしてはいけないこと

医療過誤を疑ったときにしてはいけないこととは一体何でしょう。主に、感情的に起こす行動が挙げられます。医療過誤は、患者が命の危険にさらされることですから、怒りや悲しみに苛まれるのは当然です。しかし、あなたの苦しみを無駄にしないためにも、冷静に対処していくことが大切だと心得ておきましょう。

病院側との会話で感情的にならないようにする

医療過誤を疑ったとき、医師や看護師に対してつい感情的に話すことがあるかもしれません。怒りや悲しみを抑えて話をすることは容易ではありませんが、できる限り注意していきたいところです。

訴える・責任を負わせるなどの発言をしない

具体的な訴訟手続きが行われていない状況で、「訴える」「責任を負わせる」などの発言は控えましょう。医師や看護師から警戒されてしまい、証拠を集めるのが難しくなるだけでなく、証拠隠滅のリスクもあります

一人で原因究明と責任追及を行う

中には、手持ちのお金がないために弁護士へ依頼せず、一人で医療過誤の原因究明や責任追及を行う方もいるでしょう。しかし、素人が医療のプロを相手に責任追及を行うことは容易ではありません。着手金0円で依頼できる弁護士もいますから、専門家を従えて責任追及していくことをおすすめします。

病院側に医療過誤の責任を問う方法

病院や医師などに医療過誤の責任を問う方法は、主に3つあります。それは、示談交渉・医療訴訟・刑事告訴です。それぞれ、どのような責任の問い方なのか以下にまとめました。

示談交渉

担当医師や看護師と、話し合いによって解決する方法が示談交渉です。裁判をせずに解決が見込めるため、弁護士費用などが抑えられます。

示談交渉は、医師や看護師から直接謝罪の言葉を聞きたいという場合にも有効な手段です。詳しくは、「医療過誤で示談成立させるポイント」をご覧ください。

医療訴訟

示談交渉での解決が難しい場合は、医療訴訟を起こす方法があります。医療訴訟の概要について下図にまとめました。詳しく知りたい方は、「医療過誤の裁判の進め方」をご覧ください。

医療訴訟

【医療過誤で訴訟を起こすことを考えたときに役立つ記事】

刑事告訴

検察官が起訴するかの判断を行い、刑事裁判で有罪と認められた場合、懲役刑や罰金の支払いが病院や医師に求められるのが刑事告訴です。詳しい内容は、「医療過誤の刑事告訴に関する現状と刑事告訴の流れ」をご覧ください。

刑事告訴

医療過誤に精通している弁護士を探すポイントと費用相場

医療過誤に精通している弁護士を探すポイントと費用相場

医療過誤の問題で患者側に優位な解決を目指すには、弁護士に依頼するのが基本です。そこで下記に、医療過誤問題に精通している弁護士を探すポイントと費用相場をまとめました。

医療訴訟(医療問題)に精通している弁護士への依頼内容と探すポイント」に、より詳しい内容を記載しておりますので、気になる方は参考にしてみてください。

医療訴訟の解決実績が豊富

医療過誤に精通している弁護士を探すためには、弁護士経験の長さではなく医療訴訟の解決実績が豊富であるかどうかが大切なポイントです。依頼する前に、医療訴訟の解決実績が豊富かどうか調べておきましょう。

【関連記事】医療訴訟の費用一覧|弁護士がいないと勝訴は難しい理由

協力医の確保がなされている

医療過誤の問題で患者に優位な解決を目指すには、医学知識を有した専門家の協力が必要不可欠です。協力医とのパイプを持っているかどうかも、ひとつの判断基準となり得ます。

事務所に医学文献が揃っている

医学文献は、他の書籍と比べて価格が高いため、豊富に取り揃えている弁護士事務所は少ないと言われています。医療過誤の原因を調べる環境が整っているかどうかの判断基準として、医学文献が揃っているかどうかも判断基準のひとつになるでしょう。

医療過誤の責任追及や慰謝料請求を弁護士に依頼した方が良い理由

そもそもなぜ、医療過誤の責任追及や慰謝料請求は弁護士に依頼した方が良いのでしょうか。前提として、素人が医療のプロを相手に戦うことが挙げられます。その他にも、以下のことが挙げられるでしょう。

  • 弁護士に依頼すると証拠保全手続によりカルテなどの改ざんリスクを減少させることができる
  • 医学知識を持った専門家や協力医からの見解が得られやすい
  • 病院や医師らを示談交渉の土台に乗せやすくなる など

弁護士費用の相場

医療過誤の問題解決を弁護士に依頼した場合の費用相場を以下にまとめました。より詳しく知りたい方は、「医療過誤問題が得意な弁護士を選ぶポイントと弁護士費用の相場」をご覧ください。

相談料 30分あたり約5,000円~10,000円
証拠保全の依頼費用 450,000円~550,000円
過失調査費用 270,000円~320,000円
交渉・調停依頼 着手金:10~100万円報奨金:示談金額の15~30%

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まとめ

医療過誤を疑ったときは、専門機関に相談することが大切です。問題を適切に解決していくためにも、弁護士など専門家の力を借りましょう。あなたが味わった辛く悲しい思いが無駄にならないよう、全力でサポートしてくれます。

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弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。第二東京弁護士会所属。

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