譲渡制限株式とは|株式譲渡制限をつける目的と譲渡の際の注意点

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弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
譲渡制限株式とは|株式譲渡制限をつける目的と譲渡の際の注意点

譲渡制限付株式(じょうとせいげんつきかぶしき)とは、全部又は一部の会社株式を譲渡するにあたって、会社法上・定款で定められ手続に従い会社の承認を得ることを必要とする(譲渡制限の付いた)株式のことを言います。

上場企業では不特定多数の株主が想定され、その個性は特に留意する必要がありませんが、非上場の会社(例えば一族経営の会社)では経営に関与する株主個人の個性に留意する必要があります。

このような会社では、会社経営に望ましくない株主を極力排除し、リスクなるべく少なくすべく、株式譲渡に制限が設けられているのです。

このように、譲渡制限付株式を持つ会社や、株式譲渡に制限をつけた定款を持つ会社のことを株式譲渡制限会社と言い、株式譲渡を行う際は取締役会(株主総会など)の承認フローを経てからでないと、譲渡できないことになっています。

図:株式譲渡のフロー

譲渡制限株式とは|株式譲渡制限をつける目的と譲渡の際の注意点

この承認作業を設けることで、会社の株式を勝手に譲渡されたり、買取ったりするような事態を避けられる訳ですが、

  • そもそも株式譲渡に制限を設ける意味
  • 譲渡制限付株式の使い道
  • 譲渡制限株式の譲渡がされた場合はどう対処していくのか

今回はこの3点に付いてまとめてみました。

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譲渡制限株式の基本概要と目的

まずは、株式譲渡制限会として譲渡制限株式にする意味について解説していきます。

ほとんどの企業は株式譲渡制限会社

通常の会社は株式市場に最初から上場しているということはなく、設立当初から株式には譲渡制限が付されています。株式の保有や取得は会社に対しての発言力や、影響力を持つための手段の一つです。つまり、株式の取得率が高いということは、そのまま会社への影響力の高さを表すものと言ってもいいでしょう。

ほとんどの企業は株式譲渡制限会社

この株式を勝手に譲渡できる状態にしておくことと、ある日突然「今日からこの会社は私のです」と言われる危険があります。

譲渡制限付株式は、「原則譲渡は認めない」とすることが出来ます。ただ、買主が譲渡について認めないなら、株式を買い取るか他に買い取る人を見つけてこいと主張できますので、その場合は別途対応が必要です。

株式譲渡制限を外す場合はあるのか?

譲渡制限を外すシーンは、上場に向けて資金調達などを行う場合がほとんどです。なお、設立時以外に株式に譲渡制限を付すケースは、上場を目指して制限を撤廃したももの上場そのものをやめる場合や上場企業を買い取った後に上場を廃止する場合などの特別なケースです。

譲渡制限株式の利用シーン

譲渡に制限が付いている株式を自由に動かしたいというのは、家族経営やベンチャーなどの中小企業といった会社に多いでしょう。つまり、上場していない会社で利用されている事が多いといえます。

一番わかりやすいのは後継者に経営を譲るタイミングで、株式の保有が過半数(理想は3分の2以上)もあれば会社の経営権は確保できます。ただ、譲渡をすればその分譲渡所得税がかかりますので、納税資金の確保をする上で、会社に買い取ってもらうこともあります(下図)

譲渡制限株式の利用シーン

このときに、買い取ってもらう株式の割合が少なすぎると、せっかく譲渡した経営権に意味がなくなってしまいますので、比率には注意が必要ですね。

株式譲渡の承認は誰がするのか?

株式譲渡を承認するorしないという決定を行うのは、取締役会か株主総会での決議で決める必要があります。

譲渡等の承認の決定等

第百三十九条  株式会社が第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をするか否かの決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。

引用元:会社法第139条

承認されれば、2週間以内に承認の通知をして、手続きを進める必要があります。

株式譲渡の承認は誰がするのか?

譲渡制限株式の買取請求があった場合

譲渡制限株式の買取請求があった場合

譲渡制限付株式を持つ株主が特定の第三者に株式譲渡をするにあたり、会社がこれを承認しない場合は会社に買取の請求を求めたり、他の買取人を指定しろと要求できます。

なお、当該買取請求や指定買取人指定の請求に対して、会社が一定期間内に法定の対応をしない場合、従前拒否した譲渡を承認したものとみなされます。

対処法として考えられるのは、会社としては、

  • 株式譲渡を承認するか否か
  • 承認しない場合は会社が買い取るか否か、
  • 会社が買い取らない場合、指定買取人を誰にするか

これらをスピーディに決定しなければなりません。というのも、上記「一定期間」は会社法上、10日~40日の範囲内で個別に定められており、この期間を徒過すれば、もはや譲渡を承認せざるを得ないからです。

譲渡制限付株式でなかった場合のリスク

以下では譲渡制限株式について若干の考察をしていますので、参考にしてください。

そもそも譲渡制限付株式ではなかった場合

非上場の企業は通常設立時から定款で株式に譲渡制限があり、譲渡制限がないということはほぼ考えられません。

譲渡制限がついているかいないかは、法人登記を確認すればわかります(なお、特例有限会社(会社法施行前の有限会社)は定款の定めがなくても譲渡制限会社とされています。)。

対処法

株式に譲渡制限を付すには、定款変更により株式譲渡に会社の承認を要する旨を定める必要があります。但し、当該定款変更は、株主総会で、株主半数以上かつ2/3以上の多数で決議する必要があります。

まとめ

弁護士などの専門家に相談すれば、あなたにどのような権利を持ち、権力がどの程度あるかの判断もできますし、株式買取り時の対応が遅い場合などの対処法も教えてくれますので、必要に応じてご相談いただくのが良いかと思います。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。第二東京弁護士会所属。

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