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KL2020・OD・037
債権回収するための手続きの1つに支払督促というものがあります。支払督促とは、裁判所を介して債務者に支払いを督促してもらう手続きで、訴訟に比べて手間や時間がかからないため着手しやすい手続きになっています。
比較的簡単な手続きになってはいますが、申立書の作成方法や申立方法をよくご存知でない方も多いのではないでしょうか。いくら簡単とはいえ裁判所への提出書類になるので、法律の素人が行うのは難しい場合もあるかもしれません。
今回は、支払督促に関する申立書の作成方法や、支払督促をすることのメリットやデメリットについて書いていきたいと思います。
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目次
冒頭でも書きました通り、支払督促とは裁判所を介し債務者に対し支払いの督促をしてもらうための手続きになります。
この手続きを行うには裁判所に申立てをしないといけません。その際に必要な申立書に関してここでは説明していきたいと思います。
支払督促の申立書の雛形・記入例は以下の通りになります。
上記の図を参考にしながら申立書の書き方について説明していきます。
1つ目の図は支払督促申立書の記入例になります。申立書には書き方のルールがあります。それは
以上の5つが書き方のルールになります。この中でも、支払督促の手続きを円滑に進めるためにも、債務者が読んでもわかりやすい内容にすることが特に重要です。
申立書に添付しないといけない書類があり、そのうちの1つが当事者目録になります。当事者目録とは、本件支払督促に関する関係者全員(債権者、債務者等)の住所や連絡先を記した書類になります。
当事者目録に加えもう1つ添付しないといけない書類が請求の趣旨及び原因に関する書類になります。何の支払いを督促するのか、何故支払督促を申し立てるまでに至ったのかを示す重要な書類です。
書き方としては、「シンプルに請求金額を記入」、「契約内容を明確に、具体的に記入」、この2点を押さえて記入するようにしましょう。
支払督促申立書の書式は裁判所のホームページからダウンロードすることができます。
支払督促を申し立てる際の大まかな流れは以下の図の通りになります。
支払督促及び仮執行宣言付支払督促が送達されてから2週間以内に債務者から異議申し立てがあった場合は、通常訴訟に移行することになります。
支払督促の申立てに必要な書類は、支払督促申立書、当事者目録、請求の趣旨及び原因、の3つの書類に加えて以下の書類も必要になります。
申立てに必要な書類はお分かりいただけたかと思いますが、支払督促申立書、当事者目録、請求の趣旨及び原因に関しては上から順番に①支払督促申立書、②当事者目録、③請求の趣旨及び原因、にまとめ右上に捨印をしたうえで左綴じにして提出しないといけません。
また、「当事者目録」「請求の趣旨及び原因」に関しては、債務者用にコピーを1部ずつと郵送用の長型3号の封筒の用意が必要です。
以上の書類等を全て揃えたうえで債務者の住所(法人の場合はその会社の住所)を管轄する簡易裁判所へ申立てを行うことになります。
申立てにかかる費用は、収入印紙(通常の訴訟の半額)、郵便切手代です。
支払督促の申立てが受理された後は裁判所から支払督促が発付されますが、その後に申し立てることになる仮執行宣言の申立ては支払督促の発付から30日以内となっています。
ですから、債務者が督促に対し2週間を過ぎても異議申立てを行わなかったらすぐに仮執行宣言の申立てを行うようにしましょう。
支払督促は訴訟に比べると素早く簡単に行うことができるメリットがありますが、その反面デメリットも存在します。ここでは支払督促を行うことのメリット・デメリットについて確認していきたいと思います。
メリットについては以下のものが挙げられます。
上記にも書きましたが、訴訟の手続きに比べ必要書類を揃え裁判所に申し立てるだけですから、支払督促は手続きが簡単に済みます。
支払督促は手続きに時間が長くかかりませんから素早く解決することができます。訴訟の手続きは、長ければ1年以上かかることがあるのに比べると非常にスピーディーな手続きです。
上記にて支払督促の申立てにかかる費用について書きました通り、費用は安く済みます。裁判所に申し立てるための手数料が通常の訴訟の半額で済むため、訴訟に比べメリットがあります。
メリットの反面、以下のデメリットも存在します。
実際に支払督促を法人相手にしても、以下のデメリットがあるためほとんど役に立たないのが現状です。
ですから、弁護士が債権回収を行う際は支払督促を行うことはあまりありません。
いくら他の手続き比べて簡単だとしても、必要書類を用意するのにそれなりの手間と時間がかかります。また、相手から異議があれば、通常の訴訟に移行するため、手間と時間をかけても効果は薄く無駄になってしまうことが多くなってしまいます。
裁判所から支払督促が発付されてから債務者には2週間以内に異議申立てをする権利があり、異議申立てがあれば通常訴訟に移行することになっています。裏を返すと、債務者が「異議がある」と申し立てるだけで支払督促が無効になってしまうことになります。
また、異議申立てがあれば、債務者の住所地を管轄する裁判所が通常訴訟として審理することになります。わざわざ債務者の住所地を管轄する裁判所に行かなければなりません。しかし,最初から通常訴訟を提起していれば、債権者の住所地を管轄する裁判所で審理してもらえる場合が多いため、この点でも債権者に不利になります。
支払督促の申立ては債権者自身でも行うことはできますが、もちろん弁護士に依頼することもできます。
また、支払督促が発付された後の仮執行宣言の申立て可能な期間にも制限がありますから、全て代行してくれる弁護士に任せたほうが、負担がなくなり楽になるでしょう。
その他にも、申請書類の中の請求の趣旨及び原因の書類には請求する原因について正当化できる内容を具体的に記載する必要がありますから、どういったことを書けばいいかポイントを押さえている弁護士であれば問題なく書類を作成してくれます。
債権回収に関する手続きには支払督促の他に、訴訟という手続きも存在します。今あなたが抱えている債権回収問題にはどの解決策(手続きが)がいちばん妥当であるのか1度弁護士に相談してみるといいかもしれません。
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本記事はあなたの弁護士を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
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