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KL2020・OD・037
この記事では厚生労働省のホームページに記載されている、『同一労働同一賃金のガイドライン案』の内容をわかりやすくまとめました。ガイドライン案は16ページにも渡る内容で、『読んでもよくわからない・読みにくい』という人も多いと思います。
この記事では重要な部分を抜粋、わかりにくい部分を排除しています。内容の大まかな部分を理解するという心持ちで読んでください。
なお、これはあくまで現時点での構想に過ぎず、確定した法制度ではありませんので、本記事の記載内容を守らないことで会社側に何らかの責任が発生したり、労働者が会社に何らかの請求ができるというものではありませんので、注意して下さい。
まずはガイドライン案2ページから記載されている、『基本給』の部分を説明します。
労働者の、仕事に対する能力を基準に基本給を支給する場合、同じ能力を持っている正規雇用者と非正規雇用者で金額差をつけることはできません。また、能力に違いがあるのであれば、その違いに応じた基本給を支給しなければなりません。
仮に、同程度の能力であったとしても、
上記の2人のような場合、Aさんに多くの基本給を支払うことは認められています。
労働者の業績・成果を基準に基本給を支給する場合、同じ成果を出した正規雇用者と非正規雇用者には同一の支給をしなければなりません。同じ成果を出したのに、雇用形態が違うからという理由で基本給に差をつけることはできません。
次はガイドライン案の6ページから記載されている、『手当』について説明していきます。
会社への貢献に応じて賞与を支払う場合、同程度の貢献をした労働者に対しては、雇用形態に関係なく同一の支給をしなければなりません。
しかし、
の両者が同程度の貢献をした場合は賞与の有無や金額に差をつけることは認められています。
責任のある仕事をしている人に対し役職手当を支払う場合は、雇用形態に関係なく同一の支給をしなければなりません。同一の責任を負っているにも関わらず、『正規雇用者だから』、『非正規雇用者だから』という理由で支給の有無や、金額に差をつけることはできません。
また、責任の範囲や程度の違いがある場合は、その違いに応じた支給をしなければなりません。
危険な仕事をすることに対する特殊作業手当は、危険度が同程度なのであれば、雇用形態に関係なく同一の支給をしなければなりません。
勤務形態に応じて支払われる特殊勤務手当は、同一の勤務形態で業務に当たる労働者に対しては、雇用形態を理由に支給の有無や、金額に差をつけることはできません。
精皆勤手当(欠勤をしなかった、もしくは欠勤が少なかった人に支払われる手当)は、業務内容が同一の労働者に対しては、雇用形態に関係なく同一の支給をしなければなりません。
時間外労働手当について、正規雇用者に定められている所定労働時間を超えて、同一の時間外労働を行った非正規雇用者には、雇用形態に関係なく同一の割増率で支給されなければいけません。
正規雇用者と同一の深夜・休日労働を行った非正規雇用者には、雇用形態に関係なく同一の割増率で支給をしなければいけません。
また、深夜・休日労働の勤務時間の長さに合わせて金額を調整することは認められています。
通勤にかかる交通費や、出張の際にかかる旅費は、雇用形態に関係なく同一の支給をしなければなりません。
勤務時間内に食事時間が挟まれている労働者に対する食事手当は、雇用形態に関係なく同一の支給をしなければなりません。
正規雇用者に定められている単身赴任手当の支給条件を満たす非正規雇用者に対しては、正規雇用者と同一の支給をしなければいけません。
特定の地域で働く労働者に対する補償として支給する地域手当
働いている地域に応じて地域手当が支給される場合、同一の地域で働いている労働者に対しては同一の支給をしなければいけません。
次にガイドライン案11ページから記載されている『福利厚生』について説明していきます。
同じ職場で働いている労働者に対しては、雇用形態に関係なく同一の利用を認めなければなりません。
支給条件を満たす場合は、雇用形態に関係なく利用を認めなければなりません。
雇用形態に関係なく、同一の利用を認めなければなりません。
無期雇用者(パートタイマー、正社員など)は無期雇用者で同一基準での利用を認め、有期雇用者(契約社員など)にも契約期間に合わせた利用を認めなければなりません。
勤続期間に応じて法定外年休や休暇を与えている場合は、勤続期間が同一であれば雇用形態に関係なく同一の支給をしなければなりません。有期雇用者(契約社員など)は、労働契約を更新してからの勤続期間ではなく、働き始めてからの通算期間をもとに計算しなければなりません。
派遣労働者は、派遣先の労働者と職務内容・責任の範囲・その他の事情が同一である場合は、同一の待遇を受けなければいけません。また、職務内容・責任の範囲・その他の事情に一定の違いがある場合は、その違いに応じた待遇を受けなければいけません。
例
両者の勤務内容などの事情が一緒であるなら、XさんとYさんは同一の待遇を受けなければならないということです。
最後に、ガイドライン案13ページに記載されている、『その他』の部分について説明していきます。
職務内容が同一の労働者に対しては雇用形態に関係なく同一の教育訓練を実施しなければなりません。
職務内容が同一の労働者に対しては、雇用形態に関係なく同一の措置を取らなければなりません。
『同一労働同一賃金ガイドライン案』に記載されている内容の重要な部分を抜粋した上で、その内容をわかりやすくまとめてみましたがいかがでしたでしょうか。ガイドライン案に記載されているのは、基本的には『事情・条件が同じなのであれば雇用形態を理由に待遇に差をつけてはいけません』という内容です。文章が長く、読みにくい部分も多いのですが、そこさえ理解できていればとりあえず問題ないでしょう。
現場の正規雇用者と同じように働いている派遣労働者や、勤続期間が長く一定の責任を負った上で働いている非正規雇用者にとってはとても大事な内容なので、この記事を読んでさらに気になった人は、厚生労働省のホームページからガイドライン案を確認してみてください。
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KL2020・OD・037
本記事はあなたの弁護士を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
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