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KL2020・OD・037
ホワイトカラーエグゼンプション(ほわいとからーえぐぜんぷしょん)とは、労働時間と、その労働による成果が結び付きにくい特定の業務をしている人に対し、『労働時間に関係なく一定の賃金を支払う制度』です。
ホワイトカラーエグゼンプションが考案、導入された背景には、『残業代目当てにダラダラと仕事をしている人がいること』や、『仕事が早い優秀な労働者ほど損をする』という不平等な実態があります。
日本では実施されていませんし、制度内容も確立はしていません。この記事ではあくまで現状想定されている制度内容を前提として、起こりうる変化についてわかりやすく説明していきます。
まずはホワイトカラーエグゼンプションという言葉を初めて聞いたという人にもわかるよう、概要をわかりやすく説明していきます。
ホワイトカラーエグゼンプションは、アメリカで生まれた制度です。アメリカでは週40時間以上の労働をする際には元々の給料の1.5倍以上の割増賃金を支払う必要があります。
一定の条件を満たす労働者をその決まりから除外しようという制度がホワイトカラーエグゼンプションです。
ホワイトカラーのカラーとは、『collor(色)』ではなく『collar(エリ)』のことです。白いエリつきのシャツを着た人、つまりオフィスワーカーを指しています。エグゼンプションには『免除』という意味があります。
オフィスワークをしている人の中には『労働時間とその成果が結びつきにくい』仕事が多いことが名称の由来になっています。
『労働時間に対してではなく、労働の成果に対して賃金を支払う』というのがホワイトカラーエグゼンプションの基本的な内容です。
例えばの話ですが、同じ作業を3時間でできる人と、8時間かかってしまう人がいたとします。今までの賃金の算出方法だと、8時間かかってしまった人の方が賃金が多くなってしまいます。
ホワイトカラーエグゼンプションが適用されると、3時間かかった人も8時間かかった人も、賃金が同額になります。
日本ではホワイトカラーエグゼンプションを『高度プロフェッショナル制度』という名称で、2019年4月から施行する予定です。
【関連記事】高度プロフェッショナル制度とは|内容をわかりやすく解説
本家アメリカのホワイトカラーエグゼンプションの対象者は管理職、事務職、専門職などの『労働時間と得られる成果の関連性が低い』仕事をしている人が対象です。
日本版ホワイトカラーエグゼンプションである『高度プロフェッショナル制度』はもう少し要件が厳しく、『高度な専門的知識が必要で、かつ、労働時間と得られる成果の関連性が低い』仕事をしている人が対象です。例えば、
をしている人などです。
アメリカでは実際に適用されているホワイトカラーエグゼンプションですが、この制度にはどんな目的が込められているのでしょうか。
労働時間に対して賃金を支払う場合、残業時間が長ければ長いほど賃金が増えることになります。
それを目的に日中ダラダラと仕事をして、定時を超えてから本気を出す人もいるでしょう。それでは同様の労働を短時間でできる優秀な労働者が損をすることになります。その不平等な実態を正すことが制度の目的の一つです。
『仕事を終えた人から帰宅をしてよい』という状況になれば、それぞれの労働者が『どうすれば効率よく仕事を進められるか』について考えるようになります。
労働者一人ひとりがやる気をだし、能動的に働けば会社の生産性が上がります。会社の生産性をあげて、さらに国全体の生産性もあげる、というのがホワイトカラーエグゼンプションのもう一つの目的です。
ホワイトカラーエグゼンプションが適用された場合、労働者にとってどんなメリットがあるのでしょうか。
ホワイトカラーエグゼンプションが適用された場合、会社の『定時』という概念がなくなりますので、好きな時間に出勤、退勤をすることができるようになります。それぞれのライフスタイルやライフイベントに合わせて柔軟な働き方ができるようになるでしょう。
従来は『労働時間』に対して賃金が払われていましたが、適用後は『成果』に対して賃金を支払われるようになります。
例えば、他の人が8時間かかる仕事を5時間で終わらせればそのまま帰宅することも可能になります。成果次第で時短勤務も可能となるのは労働者に対する大きなメリットです。
逆に、ホワイトカラーエグゼンプションが適用された場合に、労働者にはどんなリスクやデメリットがあるのでしょうか。
今までは仕事量が多すぎて定時を超えた場合、その時間の賃金は残業代として支払われていました。ですが、適用後は仕事の『成果』に対して賃金が支払われるようになります。
仕事をこなすのにどれだけの時間がかかったのかは考慮されなくなるので、仕事量が多すぎると労働者が損をすることになります。
ホワイトカラーエグゼンプションが適用されると、残業代の支払いが不要になるだけでなく、労働基準法の適用外になります。すると、残業代だけでなく、休日出勤や深夜出勤の手当さえも支払われない可能性があります。
企業はそもそも、残業代やその他の手当をカットする目的で、ホワイトカラーエグゼンプションの導入をしようとしているかもしれません。その場合、今まで通りに定時出勤、残業を求められる上に、残業代や手当が一切でない『定額働かせ放題』状態になる危険性があります。
ホワイトカラーエグゼンプションは適切に運用されれば、働き方が柔軟になるだけでなく、会社全体の生産性をあげていくことができる素晴らしい制度です。
一方、『残業代ゼロ法案』と呼ばれたり、悪用する企業が多ければ日本人の労働環境はさらに悪化していくでしょう。
現在は対象者が狭く限定されていますが、やがて他人事ではなくなる可能性もあります。覚えておいて損はないでしょう。
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KL2020・OD・037
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