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KL2020・OD・037
20歳未満の子どもがいる場合は、離婚時に養育費を請求することができます。ここでは養育費の金額を決定する際に参考にするものを紹介しながら一般的にどれくらいの養育費を請求できるのかその相場を確認していきたいと思います。
裁判所が公表している養育費算定表を見れば誰でも簡単に養育費の金額を確認することができますので、はじめに養育費算定表の使い方を紹介しながら、ケース別に養育費の金額をみていきましょう。
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目次
離婚時に一体どの位の養育費をもらえるのか気になるかと思いますが、実は、養育費に決められた相場は存在しません。しかし、多くの夫婦が東京と大阪の裁判官が協同で作成した養育費算定表を参考にします。
ここでは実際に養育費算定表を見ながら、様々なケース別の養育費相場をお伝えしたいと思います。
ここで、養育費算定表の使い方を説明します。
子どもの人数と年齢(0歳~14歳、15歳~19歳)に分けていくつか養育費算定表が存在します。今回は以下の家庭を例として養育費を調べたいと思います。
まずは、下の表の左側の義務者の年収にご注目ください。義務者とは養育費を支払う側のことをいいますので、ここでは夫にあたります。夫は、会社員で給与所得であり、年収は500万円ですので赤い印の付いた部分になります。
右下の権利者の年収は妻の年収を表します。妻は、パートで給与所得であり、年収100万円ですので、赤い印の付いた部分になりますね。続いて、それぞれの年収の交差する部分を見てください。赤い四角で囲われている部分が養育費の金額を表しています。
この場合、4~6万円に当たりますので、こちらの夫婦の養育費相場は4~6万円であることがわかりました。なお、自営業者の場合は年収の内側に書かれた自営業の欄から選ぶことになります。
参照元:養育費算定表|裁判所
養育費算定表を見ながらケース別に養育費を確認してみました。子どもの人数と年収に合わせて養育費も増減することがわかりますね。ご自身で相場の確認をしたい場合は養育費算定表をご覧ください。
【法律Q&A】
夫:自営業・年収500万円 | 夫:会社員・年収800万円 | 夫:会社員・年収350万円 |
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妻:専業主婦 | 妻:パート・年収100万円 | 妻:パート・年収210万円 |
子1人:5歳 | 子1人:17歳 | 子1人:19歳 |
養育費:6~8万円 | 養育費:8~10万円 | 養育費:2~4万円 |
夫:自営業・年収500万円 | 夫:会社員・年収800万円 | 夫:会社員・年収350万円 |
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妻:専業主婦 | 妻:パート・年収100万円 | 妻:パート・年収210万円 |
子2人:1歳・5歳 | 子2人:12歳・17歳 | 子2人:14歳・19歳 |
養育費:10~12万円 | 養育費:12~14万円 | 養育費:4~6万円 |
夫:自営業・年収500万円 | 夫:会社員・年収800万円 | 夫:会社員・年収350万円 |
---|---|---|
妻:専業主婦 | 妻:パート・年収100万円 | 妻:パート・年収210万円 |
子3人:0歳・5歳・7歳 | 子3人:10歳・15歳・17歳 | 子3人:12歳・16歳・19歳 |
養育費:12~14万円 | 養育費:14~16万円 | 養育費:6~8万円 |
養育費算定表はあくまで公立の学校に進むことを想定して作成されたものです。もし、私立学校に行くことになれば当然もっとお金がかかります。ここでの結果が絶対に正しいのではなく、あくまで話し合いを行う際、参考にするものとお考えください。
養育費の金額を決めるときにどのようなことを気にするべきなのでしょうか。ここでは、重要視すべき3つのポイントをお伝えします。
一般的に養育費の支払は夫から妻へ行われることが多いと思いますが、ここでは夫の収入と妻の収入がどのくらいあるのかを考えなければなりません。仮に親権を持った妻がパートで働いている場合、当然ですがパート収入のみで子どもを養うことは難しいです。
夫の収入を確認したうえで、現実的にいくらの養育費であれば支払うことが可能なのか?妻の経済状況から養育費がいくらであれば生活していけるのかという点を明らかにして金額を決定すべきでしょう。
子どもの人数や年齢によって、養育費の金額は変わってきます。人数が多ければそれだけお金は必要になりますし、子どもがまだ小さい場合は、これから学校進学等でたくさんのお金が必要になることが予想されますので、子どもの将来を見据えて慎重に金額を決めましょう。
基本的には成人するまで(20歳)といわれていますが、高校卒業後に、専門学校、短大、大学、大学院等に進学した場合は、卒業するまでの養育費を請求できることがあります。
協議離婚や調停離婚であれば、夫婦の話し合いで決定することができますので、相手が同意さえすれば卒業するまでの養育費も、支払ってもらうことができるでしょう。
しかし、裁判離婚の場合、20歳を超えた分の養育費は必ずしも認められるわけではありません。その家庭の経済状況などで変わってきますので、ご注意ください。
精神的に安心するためにも、できれば多くの養育費をもらいたいと考えることでしょう。ここでは少しでも多くの養育費をもらうためにやるべきことをご紹介します。
養育費算定表を見てわかるように相手の収入に合わせて養育費の金額は変わってきます。本当は払える余裕があるのに初めから少ない金額を提示してくる人もいるでしょうから、話し合いを行う前の時点で相手の収入を確認しましょう。
子どもが幼いほど、これから様々なことにお金がかかることが予想されますね。進学する学校が公立か私立かで学費は大きく変わってきますし、高校を卒業して働くか大学に進学するのかでも養育費として必要になる金額が異なります。
子どもがまだまだ幼い場合は将来を見据えること自体簡単なことではないでしょうが、何があってもいいように準備をすることは大切です。子どもの将来を見据えながら必要とされる養育費を考え、そのことをしっかりと相手に伝えてくださいね。
裁判の場合、ほとんどが養育費算定表を参考にしながら養育費の決定を行います。一方、協議や調停離婚の場合は、必ずしも養育費算定表に沿って金額を決める必要はありません。
もし、養育費算定表で算出した養育費では足りない…と思われたのであれば、算定表よりも多くの金額を提案することができます。最終的には相手が応じなければ決定することができませんが、自由に話し合いを行えるという点から協議・調停離婚で決められるようにしましょう。
弁護士に依頼することで、養育費の取り決めに関する話し合いや手続きを進める中であなたが損をしないように近くで全ての工程を代行してくれます。また、あなた自身がやるべきことがある場合はその都度確実なアドバイスを行ってくれますので安心して養育費の請求を行えます。
知らぬ間に不利な立場になっていた、もっと養育費をもらえるはずだった…このようなことを避けるためにも弁護士に依頼することが賢明といえるでしょう。
また、養育費の金額が決定したあとにやるべき公正証書(養育費の支払に関する約束を書き残す書面)の作成も弁護士が代行してくれます。
相手に収入がない場合は現実的に養育費を請求することは難しいでしょう。
場合によっては、相手の両親に支払ってもらったり、相手が一文無しであればお金に代わる財産がないかなどあらゆる方法を試す必要があります。
養育費の相場をみていきましたが、どのくらいの養育費の金額が一般的であるかわかっていただけたでしょうか。
こちらでお伝えしたとおり、養育費はしっかりと相手と相談した上で決定してくださいね。
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本記事はあなたの弁護士を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
※あなたの弁護士に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。
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