養育費の計算方法と平均月額は?|養育費新算定表をわかりやすく解説

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
養育費の計算方法と平均月額は?|養育費新算定表をわかりやすく解説

養育費はどのように計算すればよいのでしょうか。養育費は、個人の収入や環境、家庭事情によって大きく異なってきますので、これといった相場はありません。

厚生労働省が公表している2016年の『全国ひとり親世帯等調査の結果』によると、月3~4万円が平均でした。

これ以外にも、従来まで実務で使用されてきた裁判所の養育費算定表、そして、2016年に日本弁護士連合会が作成した新算定表など、養育費を知る目安はあります。

ここでご紹介する養育費の計算方法を目安に、あなたの収入や環境などに沿った適切な養育費を算出しましょう。

また、今ひとつわからなければ、無料相談などを使って弁護士に相談してみるのも方法の1つです。

この記事では以下の4点について解説します。参考にしてみてください。なお、養育費の回収方法などに関しては「養育費の計算方法」の項目も併せてご覧ください。

  1. 養育費を計算する前に知っておきたい養育費の基礎知識
  2. 養育費の計算方法
  3. 養育費の相場
  4. 養育費が増額・減額されるケース

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養育費の計算前に知っておきたい基礎知識

養育費の計算前に知っておきたい基礎知識ここでは、養育費の計算前に知っておきたい養育費の基礎知識を解説します。

養育費とは

養育費とは、子供が成人して自立するまでに必要となる、子供を育てるための費用です。この費用には、子供の食費から学費、医療費まで、さまざまなものが含まれます。

養育費は両親のどちらが支払うのか

養育費は、親権を有していない方の親が支払うのが一般的です。

養育費はいつまで支払えばいいのか

養育費は基本的に子供が成人するまで、または自立するまで支払う必要があるといわれています。

例えば、子供が20歳を迎える誕生月まで、とするケースや、大学を卒業する3月まで、とする場合もあります。

養育費は、いくら支払わなければならないという明確な決まりはないので、父母双方の協議で、所得や環境に応じて自由に決めることができます。

そこで決まった金額を月々で支払っていくことになります。

 

養育費の知識をもっと知りたい方は下記の記事を読むことで、必要な知識を網羅的に知ることができます。

養育費の計算方法

ここでは、養育費を決める目安となる『養育費算定表』と、算定表の見方などを解説します。

養育費を決める目安となるのが養育費算定表

養育費は、経済状況などを考慮して両親双方の協議で決まるので、これといった金額基準がないのは冒頭でお伝えしたとおりです。

しかし、養育費を決める目安は2つあります。1つは、東京・大阪の裁判所が実務上の成果を反映した養育費算定表。もう1つは、日本弁護士連合会(以下、日弁連)が2016年に公表した新算定表です。

裁判所の養育費算定表の例

裁判所|養育費算定表

引用元:裁判所|養育費算定表

これらの算定表で、義務者(支払う側)の収入と権利者(受ける側)の収入を考慮したおおよその目安を算出することができます。

裁判では、養育費算定表を目安として、双方の状況を考慮して養育費が決定されます。

ところが、この裁判所が公表している養育費算定表は、生活保護基準を下回るという指摘もあり、母子家庭の貧困につながるなどとして、最高裁の設置機関も見直しを検討しているようです。

この記事では、後述する養育費の計算方法について、2016年に日弁連が作成した新算定表を用いた計算方法をご紹介します。

【参考】
読売新聞|「母子家庭貧困の一因」養育費算定、最高裁設置機関が見直し検討

新算定表の見方

ここでは、日弁連が公表している新算定表をもとに、目安となる収入や子供の数別の養育費の算出方法を解説します。

こちらが新算定表です。

日本弁護士連合会|養育費・婚姻費用の新算定表とQ&A

引用元:日本弁護士連合会|養育費・婚姻費用の新算定表とQ&A

一見、裁判所の算定表と同じに見えますが、この新算定表は、従来の算定表から算出した養育費に対して1.5倍増額されています。こちらの計算方法を解説します。

【新養育費算定表はこちら】
日本弁護士連合会|養育費・婚姻費用の新算定表とQ&A

①自分の条件に合った算定表を探す

日本弁護士連合会|養育費・婚姻費用の新算定表とQ&A

引用元:日本弁護士連合会|養育費・婚姻費用の新算定表とQ&A

※枠は編集部で加筆・強調

まずは、表の右上を確認して、あなたの子供の数と年齢に合致する算定表を選びましょう。上記の画像の例だと、子供が1人で、0~5歳のケースに該当する、算定表1を使用して計算します。

②年収から金額を読み取る

縦軸は義務者(支払う側)の年収、横軸は権利者(受ける側)の年収です。年収は給与と自営で分かれており(緑の枠内)、自営業でない方は給与の額を参考にします。

日本弁護士連合会|養育費・婚姻費用の新算定表とQ&A

引用元:日本弁護士連合会|養育費・婚姻費用の新算定表とQ&A

※枠・義務者の年収・権利者の年収は編集部で加筆・強調

この表は、算定表1の子供1人0~5歳の場合です。支払う側の年収が給与で300万円と仮定し、受け取る側の年収が給与で200万円の場合、養育費は月4万円が目安となります。

年収とは?

年収とは、サラリーマンの場合、源泉徴収票の支払金額から、公租公課や所定の費用を除いた金額を指します。

源泉徴収票表の例

ITmedia ビジネスオンライン|源泉徴収票の見方――サラリーマンの税金を理解しよう

引用元:ITmedia ビジネスオンライン|源泉徴収票の見方――サラリーマンの税金を理解しよう

自営業の場合は、確定申告書を確認して、『課税される所得金額』から公租公課を控除します。給与収入と事業収入の両方がある場合の総収入などについては、同算定表の54ページを参照ください。

【参考】
日本弁護士連合会|養育費・婚姻費用の新算定表とQ&A

算定表の注意点

この算定表は、住宅ローンの有無や、子供が私立学校を選択したケースなどの個人事情を考慮していません。あくまで目安とし、個別の事情を反映させた金額を算出しましょう。

また、各算定表にある太線以下の養育費を支払う側は、生活費が生活保護基準を下回る可能性がありますので、算定表にとらわれずに金額を検討してもよいでしょう。

日本弁護士連合会|養育費・婚姻費用の新算定表とQ&A

引用元:日本弁護士連合会|養育費・婚姻費用の新算定表とQ&A

日本弁護士連合会|養育費・婚姻費用の新算定表とQ&A

引用元:日本弁護士連合会|養育費・婚姻費用の新算定表とQ&A

※枠・義務者の年収・権利者の年収は編集部で加筆・強調

例えば上記の例で見ますと、子供1人、0~5歳に該当する算定表1の場合、支払う側の年収が、サラリーマンなら200万円以下で、月に4万円の養育費を支払うと、支払う側の生活費が、生活保護基準を下回ってしまう恐れがあるということです。

生活保護は、住んでいる地域や世帯数などによって支給される額が異なりますので、具体的な金額を算出することはできませんが、上記に当てはまる場合などは、養育費減額の交渉をしてもよい目安だとお考えください。

個別の事情を反映させる方法や疑問に関しては「日本弁護士連合会|養育費・婚姻費用の新算定表とQ&A」をご覧ください。

養育費の相場

養育費の相場ここでは、養育費の相場について解説します。

養育費に相場はあるのか

冒頭でお伝えしたとおり、養育費に相場はありません。養育費は、父母双方の所得、子供の年齢、兄弟の有無、住んでいる地域など、家庭の事情によって大きく異なってくるからです。

月4万円という家庭もあれば、月1万円の場合もあります。

養育費の具体的な相場が知りたい方は、こちらの記事を読んであなたの離婚の養育費相場を確認しましょう。

『全国ひとり親世帯等調査』の平均月額養育費

厚生労働省が公表している2016年の『全国ひとり親世帯等調査の結果』によると、養育費の平均月額は、母子世帯では約4万3,000円、父子世帯では約3万2,000円でした。

子供の数別養育費(1世帯平均月額)の状況はこちらです。

子供の数

母子世帯

父子世帯

1人

約3万8,000円

約2万9,000円

2人

約4万8,000円

約3万2,000円

3人

約5万7,000円

約4万2,000円

4人

約6万8,000円

記載なし

【参考】
厚生労働省|平成28年度 全国ひとり親世帯等調査の結果 別添2 P.61

養育費が増額・減額されるケース

養育費が増額・減額されるケースはさまざまです。例えば、支払う側の所得が増額した場合、子供の進学や病気などに伴って増額の交渉をすることは考えられます。

一方で、受け取る側が再婚して子供と養父が養子縁組した場合は、養父に扶養義務が生じますので、減額されることが考えられます。

反対に、支払う側が再婚して新たに子供をもうけた場合も同様です。養育費1度決めたからといって固定するのではなく、人生のステップや収入など、状況に合わせて柔軟に取り決めることが望ましいでしょう。

 

養育費の計算をした際に、相手の提示額より相場が高い場合は養育費をさらに獲得できる可能性があります。

一度、下記の記事より無料相談先に問い合わせてみましょう。

まとめ

養育費の計算方法や、算定表の見方はおわかりになったでしょうか。裁判所の算定表も同様の見方で確認することが可能です。

実務上はまだ裁判所の算定表を使うことの方が多いようですが、どちらを目安とするとしても、あなたの生活に合わせて柔軟に金額を決めることが求められるでしょう。

離婚においては、相手に対して好ましい感情を抱けないこともあるかと思います。

しかし、養育費は子供の権利ですので、できれば元パートナーと協力して、子供に関していつでも話し合える関係を築いておきたいですね。

養育費について、双方で折り合いがつかなければ、弁護士に相談してみるのも1つの方法です。

当サイトでも、無料相談を受けつけている弁護士事務所を掲載していますので、ぜひご活用ください。

関連記事でも養育費について解説していますので、併せてご覧ください。

【養育費を相談したい方はこちら】

養育費の問題で弁護士に電話/メールで無料で相談できる相談先4つ

【関連記事】

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弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。第二東京弁護士会所属。

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