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KL2020・OD・037
入通院慰謝料(にゅうつういんいしゃりょう)とは、交通事故で入通院をする状況に陥った精神的苦痛の保障として請求できる慰謝料です。
交通事故の損害賠償請求は揉め事になるケースはこの入通院慰謝料が関わってくる場合が多いので、正当な額の慰謝料を請求するためには被害者が慰謝料請求の正しい知識を身に付けておかないといけません。
この記事では入通院慰謝料の計算や請求の注意点について紹介していきますので、交通事故被害で病院へ通院をしている場合はぜひ参考にしてみて下さい。
目次
交通事故の慰謝料の算出には以下の3つの基準があり、どれを基準にするかによって請求できる慰謝料が変わってきます。
慰謝料の額は『自賠責基準<任意保険基準<弁護士基準』です。金額や基準適用の詳細は下記をご参考に下さい。
自賠責基準は加害者が任意保険に未加入の際に適用されるケースが多く、入通院慰謝料は以下の計算式により算出されます。
<30日の実通院期間で10日の通院日数の場合>
『4,200円』×『10日』×『2』=8万4,000円:適用
『4,200円』×『30日』=12万6,000円:不適用
<90日の実通院期間で50日の通院日数の場合>
『4,200円』×『50日』×『2』=42万円:不適用
『4,200円』×『90日』=37万8,000円:適用
任意保険基準は加害者の加入している保険会社に慰謝料を請求する際に適用される基準で、交通事故の大半は任意保険基準で慰謝料が算出されます。
任意保険基準は保険会社のデータを基にしているため、会社によって慰謝料の額が異なりますが、以下の表の数値が大体の相場額であると言われています。
<任意保険基準の入通院慰謝料の相場>
弁護士基準は交通事故被害者が弁護士に示談交渉を依頼した際に適用される基準です。上記の2つの基準と異なり保険会社の都合を基にしておらず、法律を参考にした正当な額を算出できるので慰謝料の額が最も高くなります。
弁護士基準では入通院慰謝料は下記の表を基に請求が行われます。(※他覚症状とは、骨折などの他者から見ても症状が分かる負傷)
<弁護士基準の入通院慰謝料(単位:万)>
<弁護士基準のむちうちなど他覚症状がない負傷の入通院慰謝料(単位:万)>
それぞれの基準によって慰謝料がどれくらい違うのか分かりやすいように簡潔に表でまとめてみました。(※弁護士基準は他覚症状ありの数値)
自賠責基準 | 任意保険基準 | 弁護士基準 | |
1カ月で10日通院した場合 | 8万4,000円 | 12万6,000円 | 28万円 |
2カ月で40日通院した場合 | 25万2,000円 | 37万8,000円 | 73万円 |
45日入院した場合 | 18万9,000円 | 50万4,000円 | 101万円 |
80日入院した場合 | 33万6,000円 | 75万6,000円 | 145万円 |
1ヵ月入院した翌月に4回通院した場合 | 25万2,000円 | 37万8,000円 | 77万円 |
入通院費用に限らず、弁護士基準が最も多くの慰謝料を請求できます。弁護士に依頼するかは弁護士費用を含めての判断になりますが、保険会社基準の慰謝料に不満がある場合は弁護士相談だけでも一度依頼をしてみると良いでしょう。
関連記事:交通事故にかかる弁護士費用の相場|費用の節約法と依頼先を選ぶコツ
基本的には交通事故被害の入通院費は全て加害者の保険会社請求できます。ただし、整骨院・接骨院などの公的医療機関でない施設での治療費は、担当医から許可をもらい保険会社に事前連絡を入れないと請求できないのでご注意ください。
また下記でも触れますが、示談成立後は入通院費の請求ができなくなるので、示談交渉は必ず治療が完了してから臨むようにしましょう。
休業損害とは、交通事故で休んでいる間に得られなくなった利益(給料)に対する損害賠償です。休業損害は以下の式で算出されます。
<直近3ヵ月の収入が90万円の会社員が1ヵ月の休業をした場合>
『90万円(直近3カ月の収入)』÷『90日』=『1万円(1日あたりの基礎収入)』
『1万円(1日あたりの基礎収入)』×『30日(休業日数)』=『30万円(休業損害)』
<直近3ヵ月の収入が50万円のフリーターが10日の休業をした場合>
『50万円(直近3カ月の収入)』÷『90日』=『5,555円(1日あたりの基礎収入)』
『5,555円(1日あたりの基礎収入)』×『10日(休業日数)』=『5万5,555円(休業損害)』
基本的に休業損害は収入を得ている人だけに請求する権利がありますが、専業主婦だけは家事労働をしていると扱われるので無収入でも休業損害を請求できます。主婦の基礎収入はその年の賃金センサスの全年齢女性平均年収を基に算出されます。
後遺障害慰謝料とは、交通事故で後遺症を負った精神的苦痛に対して請求できる慰謝料です。下表通り、後遺症の度合いによって請求できる慰謝料の額が変動します。
等級 |
自賠責基準 |
任意保険基準(目安) |
弁護士基準 |
1,100万円 |
1,300万円 |
2,800万円 |
|
958万円 |
1,120万円 |
2,400万円 |
|
829万円 |
950万円 |
2,000万円 |
|
712万円 |
800万円 |
1,700万円 |
|
599万円 |
700万円 |
1,440万円 |
|
498万円 |
600万円 |
1,220万円 |
|
409万円 |
500万円 |
1,030万円 |
|
324万円 |
400万円 |
830万円 |
|
255万円 |
300万円 |
670万円 |
|
187万円 |
200万円 |
530万円 |
|
135万円 |
150万円 |
400万円 |
|
93万円 |
100万円 |
280万円 |
|
57万円 |
60万円 |
180万円 |
|
32万円 |
40万円 |
110万円 |
また、上記の慰謝料以外にも後遺症を負って低下した労働能力分の損害賠償(逸失利益)を請求することもできます。逸失利益の求め方は下記の記事で詳しく紹介しているので、そちらをご参考にどうぞ。
関連記事:後遺障害診断書の書き方|等級認定が受けやすくなる3つのポイント
病院ではなく、接骨院・整骨院での治療を受けても、その通院分の慰謝料請求は可能です。
しかし、整骨院・接骨院での治療が明らかに不相当である場合(負傷部位とは全く異なる部位の施術を受けている場合等)は、保険会社から補償を拒否される場合がありますので、病院で負傷部位とされた部分以外の施術を受けることは控えましょう。
示談とは、トラブルの解決方法について合意し、当該合意後はその問題を蒸し返さないことを合意する法律行為です。法的には「和解」といいます。
和解は、当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめることを約することによって、その効力を生ずる。
引用元:民法第六百九十五条
示談後に「やっぱりまだ首が痛いかも…」と感じて治療を受けても、当該治療費は全て自己負担になってしまうので、示談交渉に進むのは医師から「もう治療の必要はないよ」と診断を受けた後にしましょう。
保険会社によっては、被害者の治療機関が長引いていると支払う入通院費用を抑えるために治療終了を催促してくる場合があります。
「事故から3ヶ月経過して落ち着かれたと思いますので、そろそろ慰謝料をお支払いさせて頂いてもよろしいでしょうか?」と当たり障りのない言葉で示談交渉を勧めてくることがありますが、上記の通り一度示談で話がまとまるとその後生じた費用等について補償を求めることはできなくなるので注意が必要です(後遺障害認定を取った場合は、別です。)。
もし保険会社から示談を催促されても必ず医師の判断を仰ぐようにして下さい。
治療機関が長引いていると治療終了の催促をするだけでなく、「これ以上の負担はできません」治療費の打ち切りをしてくる保険会社も存在します。
治療費の打ち切りは、必要のない治療を続けている被害者に対して保険会社の判断で一定以上の補償を拒否する行為です。治療が上長な場合は打ち切り判断は適正である場合もありますが、そうでない場合もあるでしょう。本当に治療が必要な状況なのに治療費が打ち切られた場合は、保険会社に異議を申し出なければいけません。その際の対処法を以下で2つご紹介します。
治療費の打ち切りを宣告されたらまずは担当医に相談をしましょう。まだ治療が必要な状況なら診断書でそのことを明記してもらい提出すれば、保険会社が支払いに応じてくれる可能性があります。
当たり前ですが、治療が必要かどうかを判断するのは保険会社ではなく担当医です。
なお、治療費が打ち切られたからと示談交渉に臨んでしまうと、上記の通りそれ以降の損害賠償請求ができなくなるので気を付けましょう。
もし、治療の必要性を証明できる診断書を提出しても、保険会社が治療費の支払いに応じてくれない場合は弁護士への相談が有効です。
専門知識のない個人では治療費の打ち切りを言い渡された時に反論は難しいかもしれませんが、弁護士であればプロ目線での交渉を担ってくれますので、保険会社による治療費打ち切り判断を延ばすことができるかもしれません。
また、弁護士に依頼すれば最も慰謝料が高額になる弁護士基準で損害賠償請求ができますし、手間な手続きも弁護士に一任できるなど他にもメリットが沢山あるので、交通事故問題で悩まれている場合は一度相談だけでもしても損はないと言えるでしょう。
関連記事:交通事故を弁護士に依頼するメリット|慰謝料が増額し時間の節約も可能
入通院慰謝料の算出方法には『自賠責基準』『任意保険基準』『弁護士基準』の3つの基準があり、大半の事故では任意保険基準が適用されますが、弁護士に損害賠償請求を依頼すれば慰謝料が最も高額になる弁護士基準で請求が可能です。
治療費の打ち切りなど入通院慰謝料の請求ではトラブルが生じるケースも多いので、自分で無理に解決しようとせず、直ぐに担当医もしくは弁護士に相談することをおすすめします。
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KL2020・OD・037
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