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KL2020・OD・037
先日、『辺見えみり キム兄が漏らした毎日求める「激しいSEX」』というニュースを目にしました。
交際からわずか2ヶ月のスピード結婚をし、たったの2年でスピード離婚をした辺見えみりとキム兄ですが、どうやら辺見えみりが毎晩のように求めるセックスが苦痛だったようです。
一緒に住んでいる夫婦なら、ある程度「夜の営み」があるのは当然かと思います。
ただ、セックスは毎晩やらないと死んじゃうと考えているのは、実は男性よりも女性の方が多いことを、日本で一番セックスに詳しい「相模ゴム工業」さんが発表していました。
参照元:ニッポンのセックス
このデータによると、
交際中では29%、既婚者の実に55.2%が「セックスレスだと思う」と回答していることになります。
ってなれば平和なんですけど・・・
一方がセックスレスだと感じる反面、セックスを求めすぎて相手に苦痛を与えていた、慰謝料を請求される・・・
なんてこともあるのかもしれません。
そのへんのところ、
法律的にはどう判断していくのでしょうか?
過度な性交渉を求めると、もしかしたら慰謝料の請求をされてしまうのか・・・
今回、詳しい話を「渋谷リヒト法律事務所の菅野先生」に伺ってみました。
渋谷リヒト法律事務所 |
-今回のニュースみたいに、求めすぎて離婚したケースって実際多いのでしょうか?
菅野先生:日本人の性質ですかね(笑
ケースとしては非常に少ないですが、あります。本当に思い出せる程度ですけど。
-今回の件、法的に問題になるとしたら何が問題になるのでしょうか?
菅野先生:これっていわゆる「性に対する不一致」なんですよね。言ってしまえば。
なので、どちらが悪いという話ではなくて、少なくとも無理やりとか、強要などの犯罪に近いカタチであれば慰謝料請求の対象になるかと思います。
ただ、それをどう立証するのかが問題ですね。
-セックスの求めすぎ「だけ」で慰謝料を請求するのは難しいと?
菅野先生:まあ、ちょっと嫌だったなぁとか・・・
だんだんとレスになっていくようなものであれば、
「婚姻を継続し難い重大な事由」という離婚原因のひとつになる可能性はあるとは思いますが・・・
求めすぎ「だけ」で慰謝料まで請求できるかというと、ちょっと難しいかと思いますね。
-どう立証するかが問題と伺いましたが、どんなものがあれば請求できそうですか?
菅野先生:う〜ん、そうですね……。
やっぱり「いつ、どこで、どんな感じで、どういうことをやらされたのか」を残しておくことですね。
-メモ書きとか録音とか……?
菅野先生:そうですね。
細かければ細かいほど、やっぱり本人が書いたものでも作り話ではないだろうとなりますから。
本当は録音しておくのが一番良いんですけど、やっぱりそれはちょっとという事になりますから、細かいメモだけでも残しておくと違いますね。
-もし慰謝料を請求するとしたら大体どれくらいになりますか?
菅野先生:それこそ程度問題ですので、無理やりですとか、やはり犯罪に近い形になれば高額になりますが、
200万円とか300万円程度と考えるのが妥当な金額ではないかと思います。
離婚慰謝料というものは理由が何であれ、大体このくらいという金額があるんですよね。高くても。
もちろん、犯罪になればもっと高額になる可能性もありますけど。
ーやはり暴力的な事や犯罪性がないと……?
菅野先生:そうですね。
犯罪性の有無によって慰謝料請求はできる場合もありますが、ただの不一致だけでは慰謝料の請求は難しいという事になりますね。
ー求める方はレス、求められる方は過剰だと思っていた場合、裁判ではどう判断していきますか?
菅野先生:これもやはり価値観、感覚の違いですので、どちらが悪いということではなく、ただの不一致ですね、という話だけですかね。
ーちなみに法的にここからがレスという基準はあるんですか?
菅野先生:とくには無いですね。
法的に決まったものは無いですが、まあ大体1年してないとセックスレスと一般的には言えるかもしれませんが、それも価値観なので、法律でキチっと出来るものではないかなと。
ーでは、「そんなにヤりたいなら風俗に行きなさいよ!」となって、本当に行った場合はなにか問題ありますか?
菅野先生:問題というのは・・・
ー夫婦関係を壊したとか、慰謝料請求の対象になったりとか……
菅野先生:う〜ん。。。
そもそも風俗に1回や2回行った程度で、慰謝料請求は基本的には発生しないものなんです。
ーそうなんですか!?
菅野先生:そうですね。
それだけで精神的苦痛を受けたから慰謝料請求をすると言うのは、ちょっと難しいかなと。
しかも、それで(風俗へ行けと言われて)行ったとなっても、誰がそれを本気にするのかという話にもなりますからね。
ー事情が事情なら風俗へ行ったとしても仕方がないと?
菅野先生:もちろん回数が多かったり、
通い詰めるとなれば話しは別ですけど・・・
たとえ頻度は少なくても、継続的に行っているなら離婚原因になる可能性が高いのは確かです。
どうしても耐えきれなくて、そういう言葉を受けて1回や2回行ったとしても、
相手が何か被害を受けたのかというと法的にはそうではないので、致し方ないかなと思いますね。
ーちなみに、これって不貞行為にならないんですか?
菅野先生:これは難しいんですよね(笑
単純に風俗と言っても不貞行為の対象になるのは、あくまでも性交渉を伴う風俗になります。
最近は「性交渉に準ずる行為」も不貞に含むとする裁判例もありますけど・・・
ただ、性交渉に近い行為なら緩いかというとそうではなくて、回数によっては「婚姻を継続し難い重大な事由」となるのは覚えておくべきポイントですね。
もともと、不貞行為って「不法行為になりえる不貞」と、「離婚原因となる不貞」って微妙に違うんですよね。
例えば風俗でなくとも、一回の不貞行為で即離婚に繋がるかというと、ちょっと難しいかなと。
ー1回程度なら離婚はできないって事ですか!?
菅野先生:もちろん、法律上回数に制限はありませんし、たった1回でも離婚に繋がる可能性はありますが・・・
本当に夫婦円満だった場合、不貞行為があったとしても「婚姻関係が継続できそう」とか、「他に問題がなく円満な生活をしている」
と判断されれば、離婚に至らない可能性もあると思います。
なので、たった1度の不貞行為を理由に「必ず離婚が認められるか?」というと、
ちょっと弱いですね。
相手はバラバラでも、複数回はないとですね。
ーこういったレス・過剰問題で悩んでいる場合はどうすれば良いですか?
菅野先生:まずは話し合うことが大事ですね。
話題も話題なので、なかなかハッキリと言えない、言いにくいことでもありますから。
ただ、言ってみたら意外と解決したというケースもあります。
あと、離婚を考えている方全般に言えますが、離婚はいつでも出来ますから、あと5年10年同じ生活が続けられるのかを、一旦考えてみてくださいとは言いますね。
ー確かに離婚はいつでも出来ますからね
菅野先生:そうですね。
この先幸せな生活ができるのかを考えてみて、それでもこれだけは我慢できないコトなどがあれば、初めて離婚を考えてみてもよいかと思います。
ーなるほど。レス問題の解決は、まず夫婦で話し合う事が大事ということですね。ありがとうございました。
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KL2020・OD・037
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