通常逮捕とは|現行犯逮捕・緊急逮捕との違い・概要・流れ・ケースまで

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弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
通常逮捕とは|現行犯逮捕・緊急逮捕との違い・概要・流れ・ケースまで

通常逮捕(つうじょうたいほ)とは、逮捕の種類の1つで、逮捕令状を発付(はっぷ。公的機関が命令などの文書を発行すること)して行う逮捕のことです。

この記事では、通常逮捕の概要から現行犯逮捕や緊急逮捕との違い、通常逮捕される場合、通常逮捕の流れまで解説していきます。

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通常逮捕とは?

通常逮捕とは?逮捕には通常逮捕、現行犯逮捕、緊急逮捕の3種類があり、そのうちの一つが通常逮捕です。

通常逮捕は現行犯逮捕と異なり、逮捕令状を提示して行う逮捕で、テレビドラマなどでご覧になったことがあるでしょう。

ここでは通常逮捕の概要から、逮捕令状発付の要件、逮捕令状についてなどを解説していきます。

逮捕の原則は通常逮捕

日本国憲法 第33条には、逮捕は原則として、事前に裁判所で令状を発付して行わなければならないとしています。これを令状主義といいます。

第三十三条 何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となつてゐる犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。

引用元:日本国憲法 第33条

逮捕は身体の拘束を伴うもので、人権に配慮して行われなければならないからです。

逮捕令状がなくとも逮捕可能とあれば不当な身体拘束が増え、容易に人権侵害がなされてしまいます。

そのため被疑者が逃亡してしまうような緊急的な状況下で許された例外的な逮捕が現行犯、緊急逮捕(逮捕後令状を発付)であり、逮捕の原則は通常逮捕なのです。

逮捕の割合も、通常逮捕がほとんどといわれています。

逮捕令状発付の要件

逮捕令状は、①逮捕の理由、②逮捕の必要性がなければ発付できません。(刑事訴訟法 第143条)

捜査の結果①罪を犯したと疑うに足りる相当の理由があり、②逃亡または証拠隠滅の恐れがあるなどがあるとされれば、裁判官の判断で令状が発付されます。

犯罪を起こしてしまった被疑者すべてが逮捕されるわけではなく、警察の判断で被疑者が在宅したまま捜査が進められるケースもあります。

令状請求

逮捕令状を請求する権利を有するのは、一定以上の階級の警察官、検察官、検察事務官などです。

補足|逮捕令状にはどんなことが記されているのか

逮捕令状には、被疑者の氏名、住居、罪名、被疑事実の要旨、連行される警察署、有効期限などが記載されています。

逮捕時はこの令状をすみやかに提示し、逮捕の時刻を告げ、逮捕が行われます。

第二百条 逮捕状には、被疑者の氏名及び住居、罪名、被疑事実の要旨、引致すべき官公署その他の場所、有効期間及びその期間経過後は逮捕をすることができず令状はこれを返還しなければならない旨並びに発付の年月日その他裁判所の規則で定める事項を記載し、裁判官が、これに記名押印しなければならない。

第二百一条 逮捕状により被疑者を逮捕するには、逮捕状を被疑者に示さなければならない。

引用元:刑事訴訟法 第200条第201条

通常逮捕と現行犯逮捕・緊急逮捕との違い

通常逮捕と現行犯逮捕・緊急逮捕との違い現行犯逮捕、緊急逮捕が通常逮捕と違うのは、逮捕令状の要否です。

表:逮捕の種類

通常逮捕

逮捕令状が必要。原則的な逮捕

現行犯逮捕

犯罪が起きたその場で可能な逮捕

被疑者が逃亡しないように逮捕令状が不要

緊急逮捕

指名手配犯と遭遇したような場合に逃亡しないよう緊急的に行われる逮捕

逮捕後に逮捕令状を発付しなければならない

被疑者が逃亡する恐れがある、身元がはっきりしない場合は、緊急的に令状のない逮捕が認められます。

しかし原則は逮捕令状が必要であるため、緊急逮捕の場合は逮捕後に逮捕令状を発付しなければなりません。

通常逮捕される場合

通常逮捕される場合通常逮捕されるのはどういったケースでしょうか。ここでは、逮捕令状が発付される場合、通常逮捕されるケースなどについてご紹介しましょう。

逮捕に足る理由と必要性がある

被疑者について逮捕する理由(犯罪を行ったことを疑うに足りるそれなりの証拠)があり、なおかつ身柄確保の必要性がある(証拠隠滅や逃亡の恐れがある)と判断された場合に逮捕状は発行されます。

犯罪事実が発覚し、後日逮捕されるケース

現行犯逮捕されずその場は逃げおおせても、後から犯罪事実が発覚し、後日逮捕されるのが通常逮捕です。

犯罪事実が発覚するケースとしては、防犯カメラに犯行が映っている、あるいは、現場の遺留品から身元が判明した場合などが、挙げられるでしょう。

反面、痴漢など犯行が発覚しにくい犯罪は現行犯逮捕が多いと考えられます。

補足|住所氏名が不明でも逮捕可能

住所氏名が不明でも、通常逮捕は可能です。写真などで特定を行い、被疑者がいる場所(宿泊先など)へおもむいて逮捕します。

犯罪行為が発覚し、被疑者が特定されれば氏名住所が不明であっても、“不詳”とし逮捕されることになるでしょう。

実際に氏名不詳のまま逮捕、起訴された事例もありました。

通常逮捕の流れ

通常逮捕の流れここでは通常逮捕がどのような流れで行われるのか解説していきましょう。

早朝訪ねてくる

逮捕令状を携えた警官が訪ねてくるのは早朝が多いと言われています。「出社しようとしていたら、そのまま逮捕された…」なんてケースもあります。

時刻は午前5時から午前9時の間と言われており、被疑者が確実に自宅にいるから、被疑者の人権に配慮した時間帯、近隣に迷惑のかからない時間だからなど理由はさまざまのようです。

警官は私服で、逃亡に備えて家の周辺に相当数配備されていますので、逃げることは難しいと思われます。

家宅捜索をされる場合がある

また、通常逮捕と一緒に家宅捜索が行われることもあります。

家宅捜索は逮捕前の捜査の段階、逮捕後の捜査の段階に行われることもあり、捜査の状況によって異なります。家宅捜索を断ることや、日時の変更はできません。

1時間ほどで終わる場合もあれば、数時間、事件によっては1日かかるので後日行うなどもあります。

通常逮捕の際の手続

逮捕される際は、逮捕令状を提示され、ドラマとは異なった黒色の手錠をかけられ、腰縄をされるようです。

逮捕時、警察官は被疑者に①犯罪事実の要旨②弁護人を選任することができる旨を告げなければなりません。

また、逮捕令状なしに通常逮捕を行うこと、上記を告げない逮捕は違法です。自宅に訪ねて来たのに逮捕ではなく任意同行を求められる場合もあります。

逮捕令状がなければ任意同行を拒否することは可能ですが、拒否した瞬間に逮捕令状を見せられて、結局逮捕されるといったケースもあるようです。

第二百三条 司法警察員は、逮捕状により被疑者を逮捕したとき、直ちに犯罪事実の要旨及び弁護人を選任することができる旨を告げた上、弁解の機会を与え、留置の必要があると思料するときは被疑者が身体を拘束された時から四十八時間以内に書類及び証拠物とともにこれを検察官に送致する手続をしなければならない。

○2 前項の場合において、被疑者に弁護人の有無を尋ね、弁護人があるときは、弁護人を選任することができる旨は、これを告げることを要しない。

○3 司法警察員は、第一項の規定により弁護人を選任することができる旨を告げるに当たつては、被疑者に対し、弁護士、弁護士法人又は弁護士会を指定して弁護人の選任を申し出ることができる旨及びその申出先を教示しなければならない。

引用元:刑事訴訟法 第203条

逮捕後の流れ

逮捕後は身柄を拘束され、逮捕後72時間は、弁護士以外と連絡を取ることは許されません。

証拠が詰まっているであろう携帯電話も没収されてしまいますので、誰かに連絡をすることも叶わず連行されることになります。

逮捕後の流れ 逮捕後は最大72時間は身柄を拘束されることになります。

まとめ

逮捕に対し、物理的な抵抗は公務執行妨害とされてしまいますので、お気をつけ下さい。

逮捕されてしまった場合、1度だけ無料で呼べる当番弁護士(とうばんべんごし)を呼んでもらい、今後の対応を協議しましょう。

また、私選弁護人であれば、逮捕前からでも依頼可能です。

刑事事件は限られた時間の中で進行していきますので、早い段階で弁護士へ依頼することで、早期釈放が望めるでしょう。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。第二東京弁護士会所属。

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